20暴食の黒い魔竜人 捕らえられた沢村はクロムと共に体育館の舞台上に居た。 赤魔竜人姿でクロムの極小結界に拘束され、床からシャボン玉のようにふわりと浮かんでいる。 「――しかしまぁ、中和ではなく完全に不変の、状態固定の力を与えるなど……、こんな体液を持つ存在などいるか? 少なくとも聞いたことが無い……」 まだ魔竜人に戻らずヒトの生物教師に擬態しているクロムは沢村の体内に入っていた饗庭野の体液、精神への干渉を邪魔する液体だけを抜き取りヌチャァと指先でこねてから自分の舌で少しだけ舐めて床に吐いた。 「……ふん、饗庭野はどうやら種に寄生されていながら完全なる魔竜人にはなっていなかった裏切り者、という訳だ」 動けない沢村が視線だけを送ってクロムを睨んだ。 「んなわけ、ない……、饗庭野、さんは、俺との交尾で、種も、産んでいるんだ……。俺があの人を魔竜人にした、んだから……」 「ほぉ? 精液をたっぷり搾り取ったのに、まだ話せる元気があったのか。まぁ、あの男が魔竜人のふりをしていただけ、などと認めたくない気持ちも分からんではないがな。 ただ、お前たちの『祖』である俺には分かる。俺たち魔竜人は精神干渉を阻む状態固定の体液など絶対に作れはしない。 魔竜人は、寄生にせよ洗脳にせよ対象を強制的に変質させる能力には長けているが、逆に、変化を妨げるような能力は持ち合わせていないのだからな」 クロムの言葉に「違う」と反論できないのは沢村がクロムの発言を「正解」だと認めているからに他ならなかった。 「はっ、可哀そうなもんだ。ずっと饗庭野に騙されていたんだよお前は。ちゃんと俺の黒精液によって俺に従うようになってりゃこんな目に遭うこともなかったのになぁ」 「……俺たち魔竜人の、元々の、大目的を、捨て……、子孫とも言うべき、同族を食らう、奴に、言われたか、ねぇ……っぐぁぁっ!」 ふわふわ浮かんでいる沢村にくい、と指を動かすクロム。すると、目には見えない強烈なパンチが沢村の腹部に決まった。 「生意気だ。そもそも俺の絶望を知らないからそんなつまらないセリフを吐けるのだろうが。……見ろ、お前の言う同族ってのを」 極小結界ごと体の向きを変えられる沢村。クロムもまたゆるやかに顔を体育館のフロアに向ける。 『んはぁぁぁ~、チンポぉ~、早く俺のスリットにチンポぉぶち込んでくれぇ~』 『イきてぇ~~! いっぱいザーメンをぶちまけてぇ~! なんでぇ? なんで射精できねぇんだよぉ~!』 『アナルがぁ! アナルがうずいて堪んねぇ! ケツの奥が熱くて燃えているようだぁぁぁぁぁ!』 いくらか減ったとは言え集められた多くの魔竜人たちが先走りと涎を垂らしながら欲望を昂らせ、性欲のはけ口を求め飢えたように何かを求めて喘いでいる。 いつもなら近くに居る者同士で「食事」や「交尾」のセックスが始まっていてもおかしくはないのだが、誰も彼も「次の」行動には移らず、スリットを自身でいじったり乳首やアナルをこねてオナニーをするばかり。 突き出した異形チンポを激しく扱いても精液は付け根でストップし、射精したくても射精できないと泣き叫ぶ。 それはまるで目の見えないゾンビたちが徘徊しているような惨状だった。 「ははは! 人間にはない魔力と優れた繁殖力によってこの星を侵略すべき種族が! 己の身を慰める事もできないとはな! なんと情けない! なんと浅ましい!」 クロムはフロアに背を向け緞帳に数歩下がった。 「そう。俺は、いや、我々はとっくにこの星を手中に収め、新たな星に渡り次の侵略を開始していた筈なのだ。なのに、なのにだ。いきなりの極寒が我々を阻んだ。 降下した100万の精兵は当時の生物に寄生したカラダのまま母星からの船に回収されたが、俺たちは不運にも間に合わなかった……」 段々とクロムの言葉に熱が帯びる。まるで太古の昔を今、目の前で見ているようだ。 「それでも俺を含めた少数の残留者は次の船が来るまで地中で待った。救援の信号が届けばどれほど深い地中であっても気が付くからな。…………しかし、百万年待とうが、一千万年待とうが信号は届かなかった……。 気付けば寒冷な気候は去り、星を覆う地殻すら違う形になり、生き残っていたのは俺とアイツだけになっているじゃぁないか! 時間が、時間がぁ、長く長く、クソ長く過ぎちまって、俺もアイツも途方に暮れた! 『今』から人間に寄生したところでたった2体じゃ目的を達成できる訳が無い! それでも、抜けた力を回復させて少しばかりリトライしてみれば、途端にどこからかやって来た蜘蛛の妖異に邪魔される始末ときた!」 クロムの全身から怒りがほとばしると垂れ下がっていた緞帳が紙屑のように引き裂かれた。 「……だから、俺は、母星に問わなければならない。増援の兵が来ないのならこの星は諦めるのか、さらに長い時間をかけても我らだけで侵略を続行すべきなのか……、それとも、俺とアイツに帰還の船を差し向けてくれるのか」 沢村がクロムに問うた。 「ア、アイツ? 蜘蛛? さっきから、何を……」 パッと両腕を上げたクロムがいびつな笑みを浮かべた。 「ハハハ! ちょっと昔語りが過ぎちまったな! ……まぁ、いい、とにかく俺は母星の意向を問うため一度戻る事に決めた。船を使わずとも肉体を究極まで強化し、性エネルギーを集めて亜空間航行エネルギーへと変換すればいいのだから。 故に、お前たちは俺がしっかりと有効活用してやる。人間ではいくら集めてみてもわずかなエネルギーにしかならないが、『種』を寄生させ魔竜人にしてやれば、精液も、そいつの産んだ『種』もカラダも巨大なエネルギーとして収穫できるんでな!」 クロムが指を鳴らすと表情の消えた吾門が何本ものカラフルなディルド、いや「種」の入った籠をクロムに捧げた。 その籠の中の「種」を一つ取ると、あんぐりと口を開けて丸ごとゴクリと飲み込んだ。 すると、クロムから漆黒のオーラと小さな雷光が放たれパチパチと音を立てた。 「ふぅ、いい。実に気分がいい。何故もっと早くこうしていなかったのかと悔やまれるほどだ」 くく、と微笑んだクロムの黒いオーラが更に膨れ上がった。 「さて、仕上げといこう。俺の事を探っていた裏切者を一匹を逃してしまったが、今更何もできはしまい。吾門も、俺と一つになれるのは嬉しいだろう?」 「――もちろんです、クロム様。あなたの望みは僕の望みです」 吾門の瞳は焦点がぼやけ、言葉には抑揚が無い。 「かわいいやつだ。では、まずはお前からいただくとするか」 べきぃっ! メキメキッ! ギチギチギチッ! ぐちぐちゅ! ぼごぉぉっ! クロムのカラダが異様な音を響かせ膨張する。変形する。変身して人間から魔竜と人とが混ざり合う魔竜人のカラダに置き換わる。 はち切れんばかりに膨張する筋肉を覆う黒い皮革に黒い鱗。太い角も尻尾も黒、黒、黒。 長く突き出たマズルを開ければ滴る血のような赤い舌と顎がのぞく。 「ぐううっ! ぬふぅぅっ! んぐぅぅっ! ごあ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーっ!」 クロムの放つオーラが体育館の屋根や壁面をビリビリ鳴らす。 チンポやスリットマンコを刺激しては無秩序に欲情していた魔竜人たちが頭を抱え怯え、戸惑う。 しかし、クロムが黒魔竜人の姿に変身を終えると、全ての魔竜人がクロムに熱い視線を向け、チンポからもスリットマンコからもさらに先走りの粘液をドロドロと吐き出す。 もちろん、側にいた吾門も例外ではなくクロムとの痴情を夢想し、メキメキと人間から黄色い魔竜人の姿へ戻っていた。 「さぁ、吾門。俺のチンポが欲しいのだろう?」 「もちろんです。クロム様のチンポ、欲しい、です」 ロボットのようにぎこちない動きと口調で応じた吾門がクロムの正面に立った。 そして、すでに放出されていたクロムの巨大チンポを掴み、包皮をずるりとめくり、むわぁと湯気を放つ亀頭を引き寄せベロ、ベロ、と舐め始めた。 「ふぅぅ、いい、続けろ」 短い喘ぎの後に命令を吾門に伝えると、クロムのチンポはバキバキと音を立てて肥大し、腕ほどのサイズが脚へ、さらには人の胴体に匹敵する超巨大ペニスに成長した。 「吾門、お前も他のお伽衆と同じように俺のチンポの中に入れ。お前は今から俺と一つになるのだ」 「――かしこまりました。その通りに行動いたします」 うっとりと微笑んだ吾門は超巨大なクロムの亀頭に穿たれている鈴口に両手を差し入れ、ぐぃぃ、と押し広げた。 拡がる鈴口の穴に黄色いマズルを突っ込んで流れ出るクロムの先走りをじゅるじゅるすすり飲んで飲み込む。 次第に、吾門のマズルが鈴口の奥へ、奥へ、めり込んでいく。ズルズル、ぐにゅぐにゅ、ずぶずぶ、と。 クロムの鈴口はあり得ない程柔軟に広がり、吾門のマズルから頭、角までずっぽりと咥えこんでいく。 「んぁああ、いいぜぇ、そのまま俺の中に、もっと、もっと奥に入って来い……。そう、丸ごと、頭も、すべて……」 吾門が身を捩るたびにぐちゅぎゅぷ! と音がしてさらにチンポの中へと送られる。 満足げに口を歪めたクロムは吾門が捧げた残りの「種」が入っていた籠を傾けてザラザラと口の中に放り込んだ。 ここで、今まで呆気に取られていた沢村がここで大きな声を上げた。 「おいっ! 吾門まで丸呑みする気か! いい加減にしろぉっ!」 「うん? 何を騒ぐ? 先ほど話してやっただろう? 俺は宇宙を自力で渡るためのエネルギーが必要だ、と。そのためお前たちには協力してもらわねばならない」 「協力だと? 違う! お前の独りよがりな望みを叶えるために俺たちを利用してるだけだ!」 「言いがかりも甚だしい。俺はただ、この星に残された魔竜人の一体として母星にお伺いを立てに行こうとしているだけ。燃料になるとしてもお前たちにとって悪い話じゃない。 いつまでもアップデートされず古い命令に縛られているなんてナンセンスだろう?」 「それは屁理屈だろうが! 燃料にする前に俺たちを洗脳し、支配しておきながら何をほざくっ!」 「はは、その辺は正直言って弁明の余地などない。だが、この星で何千万年もくすぶってた俺にとって次の命令が無いってのはうんざりしているのだ」 じわじわとクロムのチンポに引きずり込まれていた吾門の脚と尻尾がズルン、グチュンとクロムのチンポに飲み込まれた。 クロムの巨大陰茎が吾門の「カタチ」で歪な凹凸を浮かべて、さらに奥へと引き寄せる。 並行して急速に吾門はクロムの中で融け、液体にされて吸収されてしまうとクロムの鈴口は満足げに穴をパクパクと震わせ次の獲物を求めた。 「ふぅぅ、さて、これでお伽衆はすべて吸収完了だ。あとはこいつら全てを取り込んでしまえば必要なエネルギー量に到達するだろう」 「っ!? お、おいっ! や、めろぉっ! 東城っ! 仮島先輩! 早く逃げろぉっ! 目を覚ましてくれぇぇぇーーっ!」 沢村が必死に呼びかけた。 しかし、彼らは誰も沢村に反応しない。むしろ吾門がチンポで捕食されていく様子を見ていながら恐怖ではなく「俺も、我も」と興奮し、チンポを激しくいきり勃たせていた。 「しっかりしろぉ! 人間を洗脳させてきた俺らが同族に洗脳されてしまってどうする! 意識を! 早く! 自我を取り戻せ!」 「ははは! 今更何を言っても無駄だ! 俺の黒精液でこいつらは芯まで俺の奴隷になり果てているからなぁ!」 クロムがそう言い放つとバキバキと音を立ててカラダが肥大し2mほどだったが倍の4m近い体躯へと巨大化した! チンポもカラダに比例してさらに巨大になりヒトの胴体ではなくドラム缶なみの太さにまで膨れ上がっていた。 「よぉし! お前らぁ! チンポでもアナルでも! スリットマンコでも構わんぞ! 俺の中に入って(喰われに)来い!」 舞台下の魔竜人たちがふらふらクロムの元へと集まって行く。 甘い蜜に引き寄せられる蟻のように、光に誘われる夜の蛾のように、何も考えることなく何も恐れることも無く、ただひたすら「ソコ」にある快楽の坩堝へと亡霊のように列を為す。 黒い魔竜人に身を投げる殉教者さながら瞳の奥に歓喜の色を湛えて……。