SamSuka
鷹取リュウゴ
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淫音~ASMR 1

1 怪しいURL  遅くまでオナニーしていたせいで思いっきり寝坊した。 だもんで、慌てて講義室に入ったら講師がやってくる直前になってしまった。 急いで空いている席を求めて見渡せば一番後ろしか無い。 他の講義ならぼんやりできる特等席なんだが、この講義を担う講師はとにかく板書が好きで、それを書き留めたノートを出させて評価を与えるので書かれた文字が見えにくい席は逆に敬遠されていた。 「くそぅ、仕方ないな。ちゃんと文字が見えりゃいいんだけど、……うん?」 一番後ろの一番窓側。 席についてテキストを置こうとすると俺のスマホがメッセージの着信を告げた。 通話と違って「ピコン」だけの通知音ではあるけど静かに講師を待つ空間においては中々に目立ってしまった。 なので、なるべく周囲を見ないようチラッとスマホを確かめてみたら……。 『最高にエロい! 最新ASMRオナニーはここ→』 なんて、メールのタイトル。 メッセージ本文には短いURLだけ。 「ったく、スパムなんか送って来るんじゃねぇ」 差出人は意味不明なローマ字の羅列。 フィルターを設定していても未だにかいくぐって届く業者メールに違いない。 いつもなら吟味することなく削除してしまうのだが講師が入ってきたため迷惑メッセージの処理は後まわしにして、黒板にどんどん書き足されていく文字を追うことに集中しなくてはならなくなった。  90分後、講義が終わってテキストとノートをバッグに仕舞うと、再びスマホを手にしてさっきの画面を開いた。 普段の俺ならどんな誘い文句でも問答無用で削除一択。でも、この時の俺はそうしなかった。 今朝、遅刻しかけるほどオナニーしていたのは何度も射精しまくっていたからではなく、中々イけなかったせいだ。 しかも、ブックマークに入れてあるオカズでは興奮レベルがイマイチで、ようやくイっても満足できていなかった。 正直言って、このところオナニーの回数が増えていた。 気温が上がって来たせいかホルモンの分泌が増えたからか、ムラムラする頻度が前よりも明らかに増加していた。 今まで三日に一度くらいヌけば収まっていたのに毎晩ヌきたくなって毎晩オナニーするようになっていた。 それなのにイクまで時間がかかったりイっても不発感が残るケースが多発していた。 理由はよく分からないが、分からないなりに分析するなら閾値が上がって「刺激」に飢えているからではないか? と。 言い換えると新しいオカズかやり方か、何かが求めているモノとずれているのだろう。 削除しかけた指を止めたのは単なる好奇心だけではなく、文字通りこんな切実な問題を抱えているからでもあった。 「……最高にエロい、最新……、ねぇ。マジかぁ? てか、ASMRって何だ?」 メールを消さずにスマホをポケットに戻し教室を移動しようとすると、前方の出入り口にてダチの二人が待ち構えていた。 「おいっす! タ~マキ~! 今日はすんげぇギリやったな~」 ニシシと笑って俺の頭に手を置くのはタツミこと「乾 巽(いぬい たつみ)」 関西出身のこの男は中学・高校時代をバスケ部員として活躍してただけあって体格がよく、身長が俺より20cm高く190cmもある。 スタイル抜群の高身長かつイケメンでもあるため女子受けがすこぶるいい奴だ。 俺が着たらダサいだけのジャージやポロシャツもタツミが着ればモデルみたいにサマになるのだから、ぶっちゃけ羨ましさを通り越して尊敬の念すら抱いてしまうほどだ。 「講義室に入った蕨岡(わらびおか)君が奥の方しか席がないって分かった瞬間、眉毛がハの字になってるの、なかなか面白かったね」 そう言ってじわる笑いを堪えているもう一人はマナブ。 「菅原 学(すがわら まなぶ)」って奴だ。 黒縁メガネに地味な見た目通り中身も真面目な奴だが同人活動をやっていて濃厚なセックスシーンを含むエロ同人誌を描いていたりする。 この前の春の即売会では俺とタツミが売り子として助っ人に呼ばれたが、あまりの人気ぶりで用意した1000部は4時間で完売。 界隈では人気急上昇中の神絵師としてSNSのフォロワー数4万を超える人気を誇っている。 俺? 俺はまぁ……、自分で言うのもなんだがイケメンでも地味でもなく平凡中の平凡って感じだろう。 周囲に言わせると俺たち3人はキャラの属性違いで結びつきそうじゃない。 にもかかわらずこうして仲良くなっているのは、住んでいるアパートの部屋が隣同士だってのが一番の理由だろう。 大学が斡旋してくれたほとんど寮とも言えるアパートへタツミとマナブと俺の三人は同じ日に引っ越してきた。 なので色々と助け合い、情報を交わし合いながら過ごしている間に互いの経歴や趣味、エッチな嗜好なんかも知れる程の友人になっていたって訳。 「おいタツミ、俺の頭に手を置くなって」 「おっと、ついいつものクセで」 「ねぇ蕨岡君、あんな後ろの席から黒板見えてた?」 「いや、ところどころは見えてなかったから当てずっぽうでノートを取ってた」 「だったら後で僕のを見てチェックした方がいいよ。あの先生、そういうトコでちゃんと減点しちゃうし」 「ありがとうなマナブ。後でドリンク奢る」 「あれ? 俺の分は? ギリやったけどタマキが遅刻にならんかったんは俺が電話したからとちゃうん?」 「分かった分かった。タツミにも一本奢るって。あ、そうだ」 講義室から他の生徒がはけて行ったのを見て、俺はさっき届いたメッセージにあった意味不明の言葉について二人に聞いてみた。 タツミやマナブなら俺の知らないエロワードを知っているかも、と思ったのだ。 「さっき、こんなメッセが来てさ――、ASMRって何か知ってる?」 タツミとマナブは互いを見てニヤッと笑ってから幼い子どもをあやすような口調で俺にこう言った。 「へぇぇ~? オナニー好きのタマキがまだ知らへんかったとはなぁ~。でも、百聞は一見に如かず、って言うやん? 気になるんやったら試したらええんやで?」 「僕の印象だと映像の無いAVに近いかな。つまりメインは音声なんだけどゾクゾクしちゃうんだよね。タツミ君の言う通り一度聞いてみたらどうかな」 ◇  午後からの講義が全て終わって自宅へと戻る。 まだ日は高くコンビニに寄って晩飯を調達しても食べるにはまだ早すぎる。 取りあえずマナブから借りたノートでミスが無いかチェックしたものの案外「抜け」も書き間違いも少なかったから15分ほどであっさりと終わった。 ベッドに寝転がってスマホを眺め、SNSの反応にリプを返していると今朝と同様にムラムラしてきたのでオナニーすることにした。 そして、朝イチの講義前に送られたメッセージやタツミとマナブの言葉を思い出した。 メッセージ一覧から最新の一件を開く。 『最高にエロい! 最新ASMRオナニーはここ→』と言う件名、本文にはリンクの貼られたURLだけ。 素っ気なさ過ぎる。釣る気はあるのか? 逆にここまでイミフにしたほうが興味を引きやすいと読んだのか。 怪しい事この上ない。 それでも新鮮な刺激とオカズに飢えている俺はASMRがどれほどエロいのか気になってしまった。 タツミとマナブが知っているのに俺だけがまだ知らないってのも癪だった。 二人に焚きつけられた感も否めないが、今朝みたいに深夜の長時間オナニーで寝坊して遅刻しかけるのは避けたい。 で、あればヒマしてる今が試し時かつヌキ時だよな。 俺のチンポはムクッ、ムクッと卑猥に頭を持ち上げ更なる刺激を求め始める。 ただ、俺の理性が頭の中で最後の警報を鳴らしていた。 リンク先は悪質な詐欺サイトじゃないか? 或いは、ブラクラであったり、グロ画像を見せつけて来る可能性もあるぞ? やっぱり止めて置いた方が良いんじゃないか? さてさて、どうする? 変なの踏んでメンタルもスマホもダメにしていいのか? 良くはないだろ? いやいや、マジで超エロいオカズかも知れないぞ? このところ不完全燃焼ばっかだっただろう? メチャクチャ気持ちイイ一発をぶっ放したくはないのか? タツミやマナブに後れを取ってもいいのか?  迷う事3分。 結局、萎えないチンポと好奇心に負けた俺はURLをタップし最高にエロいと謳われているサイトを表示させた。 「……えーと?」 グレーの素っ気ない背景にフォルダが一つ。どうやらどこかのクラウドサーバーのようだ。 一つしかないフォルダの名前は『ASMR』 念のためASMRについて別窓で調べてみたら「autonomous sensory meridian response」の略称らしく、翻訳すると「自律感覚絶頂反応」、聴覚や視覚によって得られるゾクゾクとした刺激との事。 なるほどマナブがゾクゾクしちゃうって言ってたのはこれを指していたのか。 「ヘッドホンやイヤホンで聞くとリアルに感じ取れる――、か。エロいって書いてたくらいだからエロい音か映像がでるんだろう……」 フォルダをタップしたら『楽しむためにはイヤホンかヘッドホンをご利用ください』との注意喚起が表示された。 なのでワイヤレスイヤホンを左右の耳に押し込み、スマホとの接続音が鳴ってからフォルダをタップ。 すると、フォルダには4件のファイルが収納されている事が分かった。 ただ、ファイルナンバー「1」以外のものは開けられないようロックがかかっている。 『新しいファイルを開放するためには順番にASMRを楽しむ必要があります』 「ふぅん……。順番通りに聞け、って事か。随分とこだわりがあるんだな」 仕方がないので注意書きの通り「1」をタップし中身に期待しつつチンポを握りしめた。 『……チュ、クチュ……、んはぁ、はぁ、ヌチュゥ……ズニュ……チュル……』 「うおおっ!?」 俺の耳が舌で舐られた! 思わず再生を止め周囲を窺ったがもちろん誰も居やしない。聞こえたASMRの「音」によってホンモノのような生々しさを感じただけだと理解した上で改めて驚いた。 「やっべぇ、ASMRって凄ぇ~。ここまでリアルに感じられるとはなぁ」 改めて再生をスタートさせ、耳を舐められる卑猥な感覚を味わうことにした。 『……んぁふ、ニュチュ……ジュルル、ヌチュ、クニュ、チュブ、ジュルゥ、ズチュルル……、気持ち、イイ? もっと舐めて……欲しい? んふぅぅ~』 「あ、あぁ、気持ちいい……もっと、もっと舐めてくれ……」 聞こえた声はどこか聞き覚えのある男の声だったが切羽詰まったさえずる様なかわいい声色だったので興奮を萎えさせることは無かった。 映像は無く音声のみだから抵抗も無く、むしろ背徳的な行為をやらかしている感覚が俺をさらに滾らせた。 ベッドに横たわって目を閉じ、意識をASMRの「音」に集中させる。 『……ツプ、ブジュルル……、ニュブ、ヌチュヌチュ……、んふぅ、ズニュ、ズズズッ、クチュクチュ、ニュルン……』 右から左、そして右へと舐める音の「舌」が移動する。 その度に後頭部をすり抜け頭の中まで直接舐められているような感覚を、粟立つような快感を感じて首も背中もゾクゾクしてしまう。 耳舐めがこれほどエロいとは。これほど気持ちイイなんて初めて知った。 耳の奥まで届く湿った吐息もこれほど昂らせてくれるとは思ってもみなかった。 まさに触手のように長く伸びる舌がレロレロと脳みそごと舐めまくっているようだ。 「あっ! んはぁっ! やべぇっ! そ、れ! んくぅっ! イイッ! 耳ん中が! キモチイイッ!」 流れ込む音は俺の耳から入り込むと脳を犯し何度もカラダを上半身をバウンドさせる。 甘い痺れが絶え間なく流れ続け弱火で炙られるような快感がチンポからも立ち昇る。 『んぁ、ふぅぅ~、グチュゥゥゥ……、ジュブ、ジュルルルル……、んむ、ぁむ……チュク、チュル、ズチュルル、ジュプジュプ……、チュプチュプ、ニュプププ、グチュゥゥ……どう? 感じてる? あは、凄いね、キミのチンポ、先走りでドロドロになってる……。良かった……、じゃぁ、もっともっとイヤラシク舐めてあげるよ……っふふ……』 卑猥な音に犯される。 初めて感じる快楽にどっぷりと堕ちていく。 チンポから先走りが大量に溢れて握る指まで濡らしている。 「あぁ、頼む……もっと舐めて、俺の耳を舐めてくれ……、もっともっと気持ち良くなりてぇ~」

淫音~ASMR 1

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