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鷹取リュウゴ
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プロトタイプと俺 その4

4これからの事を考えようか?  「結果オーライ、って事になるのかな? 全滅してたなんてさ」   俺の発言にプロトタイプ「たち」が喜びとも悲しみともつかない複雑な笑みを浮かべた。 「俺としては当面の危機が去ったことを素直に喜びたい気持ちなんだけど」 「そう、ですね。こうして斗一と一緒に居られるのですから、結果としては最高と言うべきなんでしょう。 ただ、何百と言う数の命が失われてしまった事も事実ですから」 A型戦闘員プロトタイプが神妙な面持ちで呟く。 「事情を聞いた限りでは『プロトタイプ』たちだけでも生き残れたのは奇跡としか言いようがないんじゃないか?」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー  午前3時、未明の来訪者が俺の部屋をノックした。 追っ手ではないかと俺は靴を履いて逃げる準備を、プロトタイプは即座に戦闘員へ変身できるよう警戒 しながらドアを開けた。 「う、うう、う゛――」 ドアの向こうにうずくまっていたのは上半身が肌蹴て傷だらけの男だった。 プロトタイプはその男が誰なのか、すぐに理解した。 「G型!? 何故お前がここに!?」 「ぐ、……す、すまない……A型、お前のIDリングを追いかけ、て、来た……うぐ、う……」 「まさか、お前も? 組織から逃げてここまで来たと言うのか?」 「わ、悪い……詳しい、は、話は後にして、くれ、まずは、我々の、ほ、保護を……」 プロトタイプが急ぎ俺の元に駆け寄り、「敵ではない」と伝え、来訪者を部屋に入れて良いか、と尋ねた。 「怪我してるんだろ? だったら早く手当しないと。中に入ってもらおう」 プロトタイプがうずくまって呻く男に「許可が出た。部屋に入ってくれ」と伝える。 すると、G型と呼ばれた男は腕にプロトタイプと同じ銀の腕輪を形成し、その腕輪を点滅させ背後に合図を送った。 「あ、ありがとう、A型……」 「もしかして、他にも?」 「ああ……プロトタイプシリーズ、俺も含めて6体、だ……、皆、傷と疲労が大きい、……なので……」 プロトタイプが再び俺に問う。他の者も招き入れて構わないか? と。 俺はもちろんOKだ、と答えた。 G型がよろけながら部屋に入ると、続いて5人の男がよろよろとドアをくぐった。 全員が泥だらけ、傷だらけで、今にも倒れそうなほどぐったりとしている。 俺とプロトタイプは彼らを支えながら空いたスペースに座らせ、ラクな姿勢を取ってもらう。 「取りあえず話せる状態に回復するまで、このまま休ませてやりましょう。大丈夫です。彼らは全員敵ではありません。 私と同じプロトタイプの仲間です」 「仲間!?」 「ええ。……廃棄され、いずれ分解処理されてしまう運命を強制された私と同じプロトタイプたちなのです」 「そうか。でも、傷の手当くらいはしてやらないと」 「疲労が軽減されれば自己修復機能で傷は治癒していきます。内部の機能についてはどれくらい損傷しているのか判断できませんが、 しばらく休ませてやりましょう」 「それでいいのか?」 「はい」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  彼ら、プロトタイプの仲間たちが目覚めたのは昼を過ぎた頃だった。 泥だらけでボロボロになっていた衣服を脱いでもらい、順にシャワーを浴びてもらう。 目立つ傷口がすっかり消えているのはプロトタイプの時と同じで、自己修復がちゃんと働いている証拠だろう。 新しい服を用意するまでは仕方がないけど裸でいてもらおう。 それにしても、皆それぞれに違うタイプながら筋肉質で逞しい。 口に出すのは憚られたけど、マジで眼福だわ。 「そうだ! プロトタイプ! あのさ下着だけでも先に買おうか――って」 俺の呼びかけに7人が一斉にこっちを向いた。 そうだ。彼らもプロトタイプと同じ「プロトタイプ」なのだ。 「ええと、今のはA型プロトタイプを呼んだんだ、はは……。って、名前が似てるとややこしいな」 「斗一……私も、あの者たちもタイプ別でしか認識されていなかったんだ。組織にとっては試作品であり、完成型が出来た段階で廃棄物の」 「あの日、……分解処理の前にA型は運良く脱出できたけど、俺たちは無理だった。ただ、A型の逃亡が露見したため俺たちの分解処理は一旦保留になって、処分槽へ落とされずに済んだんだ」 C型戦闘員プロトタイプと名乗った色黒マッチョな男が口を開いた。 それを皮きりにしてB型、D型、E、F、G型のプロトタイプたちもここまで逃げてきた経緯を語りだす。  分解処理はお預けとなったがA型プロトタイプに続いて他のプロトタイプまで逃げられてはかなわないと 判断した組織は、地下基地の中でも一番深い場所にある金庫の中に彼らを閉じ込めた。 それから二日後、ニュースで言う所の水蒸気爆発が発生。 金庫以外の全て、研究施設も量産型を製造する施設も木っ端微塵に破壊され岩石と土砂の中に埋没してしまった。 「金庫の分厚い扉のおかげで爆発の衝撃からは何とか免れたんだが、地表へ出るまでの通路もボロボロだった。 崩落する壁や天井の破片を避け切れなくて何度もぶつかったりもしたし」 ボクサーみたいに精悍な顔と引き締まった体を持つD型が頭をさすって眉を寄せる。 「量産型の戦闘員たちは影も形も見えなかったし、通路を見張る警備ロボットも居なかった。僕らは 不思議に思ったけどこのまま地下に居ては基地もろとも地中に埋もれて死んでしまうと考え、必死に 地上を目指したんだ」 と、水泳選手のように肩幅が広く俺より若く見えるB型が言う。 「自分たちは使えなくなっていた通路から戻って、新たに通れるルートを探りながら進む状況を迎えたのだけど、 途中、どうしてもメイン研究室を通らざるを得なくなったんです。 少し迷いはしましたが、いつ崩壊するか分からない基地に取り残されるよりは研究員と戦闘になってでもここから脱出しようと意を決して室内に飛び込んだのですが、 そこで見たのは無残な死体の山でした」 髪さえ整えたらスーツが似合いそうな肩幅を持つE型が険しい顔をして言うと、後を継いだのは目つきの鋭いスナイパーみたいなE型だった。 「生存者はゼロに見えましたが、わずかにまだ、息のある研究員も残っていました。駆け寄って助けてやろうとしたんですが、研究員の1人は両脚がすでに千切れて無い状態で、別の研究員も腹部が大きく損壊し臓器が飛び出していました。 そして、出血の量から見てもあと数分で息が絶えるのは居合わせたプロトタイプの全員が理解しました」 ムッチリした筋肉がプロレスラーを思わせるF型が苦しそうに呟く。 「わずかな時間ではありましたが、研究員から爆発の真実を知ることが出来ました。どうして基地がこうなったのか、について」 格闘家のようないかつい筋肉を見せるG型が、F型までの話を受けて真相を語り出した。  「量産型戦闘員を製造するために用意されたマザーマシンのAIが、突如反旗を翻して組織の内部を敵と判断し襲撃したのです。 研究員はそれを止めようとしてマザーマシンの緊急停止措置を取りましたが、時すでに遅く、 マザーマシンの命令を受け、マザーマシンの命令しか受け付けなくなっていた量産型戦闘員が、研究員を次々と殺して行きました」 「組織のボスはどうなったんだ?」 「ボス、つまり組織の最高責任者は真っ先に量産型の餌食になり、A型が入る予定だった分解処理槽の中で物言わぬ肉片となっていました」 うげぇ、想像しただけで気持ち悪いったらないな。 「基地内の全ての防御機能、つまりロボットを用いてマザーマシンと量産型戦闘員を止めようとしたものの、 量産型戦闘員の戦力はロボットを遥かに上回っていたため、少しの時間稼ぎにもならなかったようです。 最終的にマザーマシンの停止ではなく不可逆的な破壊措置を取ろうと研究員がマザーマシンの自己防御プログラムへ介入、そして無事に成功したのですが、 マザーマシンは自分自身がこれで最後なのだと判断するや否や、基地全体を道連れにしようと自爆モードにし、量産型戦闘員の全てに命令を送って一斉に自死させたのです。 こうしてニュースでは水蒸気爆発と報じられた大爆発が起こりました」 その後、話はD型の言う金庫内で取り残されていたプロトタイプたちに戻る。 「……それにしても、すごい……」 「そうですね。私以上に生死の境をくぐり抜けて来たとは」 「いや、そうじゃなくて、名前がDだとかFだとか、すごいややこしいな、って」 『って、そっちかよ!』 あまりにも呼吸の揃った7人のツッコミ。 数秒の間を置いて、俺は、噴き出した。    「そういや、どうやってこの部屋にプロト、じゃなかった、A型が居るって分かったのさ?」 「これです」 F型が腕を突きだすと手首にA型も装備している銀色の腕輪が浮かび上がる。 「この『IDリング』の反応を辿ってきたんです」 「前に私が斗一の部屋から離れる事を決意したのも『IDリング』があるためです。これが外せないのでいずれ私の居場所など隠れていても知られるのが明白だったのです」 「そうだったのか。――でさ、さすがにこの狭い部屋に男7人、俺も入れたら8人てのはキツイよなぁ。 新しい部屋に引っ越せるような金なんて持っていないし」 「ええ。パーソナルスペースの改善が喫緊の課題なりましたね。しかしながら私も生憎お金はもっておりませんし……」 A型プロトタイプがすまなそうに俺に頭を下げる。 「金なら『ここ』にある」 B型からG型まで6人のプロトタイプたちがフウっと息を吐き一斉に変身した。 エナメル質の皮膜でコーティングされたマッチョなボディが6体。赤、青、緑、と6体それぞれに色が異なっている。 そんな戦闘員姿の彼らがペニスではなく縦割れのマンコと化した股間に手を伸ばし、裂け目の中に指を突っ込んで何かを取り出す。 ――グジュ、ずぶぶ、ヌボォッ 「ヘヘ、必要になる時が来るかも知れないと思ってな」 宝石、金塊、0が九つもある小切手、体液で濡れないようラッピングされた札束などなど。 6人のプロトタイプの体内からどんどんお宝が飛び出してくる。 「金庫に閉じ込められた時、使えそうな物を選んで、取り込めるだけ取り込んでおいたんだ」 「うわ! うわ! 凄いじゃん! これだけあれば新しい住まいなんて選び放題じゃん!」 「ですが、斗一。私たちに契約事は無理です。あなたにして頂かないと。私も彼らも戸籍や名前などありませんし。身分を証明するモノが何一つありません。 ですからどうか、お願いしたいんです。彼らのためにこの資金を受け取って、彼らのために役立ててはくれませんか?」 A型プロトタイプの意見に他のプロトタイプも一斉に肯いて「お願いします」と頭を下げた。 「そんなのは百も承知してるって。その前にまずは――」 「まずは?」 「名前を決めよう! やっぱAだのBだのCだのじゃ頭がこんがらがっちまう!」  数日後。 俺は固辞したけどこれからも一緒に協力してくれ、と頼まれたので、購入した新居に引っ越すことになった。 元居たアパートから歩いて5分ほどの場所にある一軒家。 部屋数が多く、地下駐車場まであるので8人でも余裕で生活できる。 購入するために訪れた不動産屋は俺を怪しんで色々探ろうとしていたけど、スーツケースに入れてある現金を見せたら途端に 態度を変え、手を揉みながら契約書を用意し、即行で物件を手放した。 念のため仲介手数料を三倍ほどはずんでやったら、「玉野様! 次にまた新居をお探しの際は、是非私どもをご利用ください! 日本中、いえ! 世界中のどこにいらしてもすぐに駆けつけ、ご希望の物件をご紹介させて頂きますから!」と 何度も頭を下げる。 いやぁ、「お金の力」って素晴らしい。 「馬場さんは車の用意を、千葉さんと段上さんは先に向こうに行って鍵を開けておいてくれる? それから遠藤さんと福島さんは引越し祝いのパーティ食材を買い出しに、我那覇さんはこの粗品を持ってお隣さんへ転居の挨拶に行ってくれるかな?」 プロトタイプたちにそう告げると、数秒ほど間が空いた。 「あ! 馬場って僕か!」 「自分は遠藤、でしたね」 「我那覇ってのは俺だったなぁ!」 まだ定着していないけど、プロトタイプたちの名前を決めたのだ。 B型は馬場、C型は千葉、D型が段上でE型が遠藤。そしてF型は福島、G型は我那覇、と。 「斗一、私はどうしましょう?」 「プロトタイプ、じゃなくて……明は、そうだなぁ」 A型は愛田明と言う名前になった。明って呼んだらまだくすぐったいような面映ゆいような表情をするけど。 「いままで俺たちを匿ってくれてたこの部屋の後始末、かな?」 「分かりました。特に念入りに清掃してから出発しましょう」 「で、その前に、明とこの部屋での最後の思い出作りをしたいかなー、なんて」 「私も斗一と同じ考えをしていました。あまり時間は取れませんが斗一のチンポを味わいたいとカラダが 疼いて仕方ありません」 「俺もそうだぜ。明はアナルもマンコも最高だもんな」 「斗一さん! 明さんの次は僕ともセックスしますよね!」 「いや、違うだろ? 次は俺だって」 「何を言ってるんです? 順番では自分が斗一さんとする筈なんですが?」 俺の精液を吸収することによってプロトタイプの自己修復は早く完了する。 そうA型、いや、「明」から聞かされた俺は、6体のプロトタイプたちの触手マンコやアナルにチンポをブッ込んで射精した。 それ以降、俺は事あるごとに6体からセックスを求められ、明との行為だけでは終われなくなっていた。 「だけど、俺の一番は明、お前だ」 「言わなくても分かってますよ、斗一。気持ちは十分通じています」 「まぁ、それでも言葉にしておきたいんだよ」 明が俺の手を掴んできた。だから、俺も明の手を握り返す。じんわりと互いの温もりが交わって、俺の 中の何かがほぐれて柔らかくなる。  「じゃぁ、斗一さん! 取りあえずお先に向こうで待ってますから! 明とのセックスを愉しんだら すぐにこっちへ来てくださいよ!」 少ししかない部屋の家具と共にワゴン車に乗り込んだ6人の男たちが、イヤラシイ視線とエンジン音を俺に寄越して走り去った。 「あ、アイツら!」ここは外だってのに大声でセックスとか言うなよな!」 「ははは、よほど斗一とのセックスが待ち遠しいんですよ。斗一のチンポと精液は最高ですから」 「そうなの?」 プロトタイプたちのチンポのほうが俺よりよっぽど立派だってのに。 「そうなんです。私たちはもう斗一のチンポにメロメロなんです。私も独り占めにしたいんですがね?」 美容院で髪を切り今風のヘアスタイルになった明が俺に向かってウィンクを飛ばす。 それがあまりにもサマになっていてかっこよくて、俺はそれだけで上機嫌になった。 「お金はまだたくさん残ってるけど、これから毎日セックスだけじゃいずれ無くなるよなぁ。 むむぅ、どうしたらいいと思う? 明はこれから何かやってみたい事とかあるの?」 「これから、ですか?」 「そう」 「私は、これから斗一とセックスを愉しもうと思います」 「いや、そうじゃなくて……」 「そして、斗一とこれから先も心ゆくまでセックスするために、何ができるか、を考えたいと思います」 「あ、うん。なら俺も明と一緒だ」 荷物が一つも無い空っぽの部屋の中、俺ははち切れんばかりに勃起したチンポを取り出し、明に見せつけた。 明も俺と同じようにバキバキのチンポを俺に向けて、シャツを脱いだ。 相変わらず凄い筋肉に魅了されるし圧倒される。  よし、じゃぁ、これからの事を考えようか。  終


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