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鷹取リュウゴ
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聖夜のマッチョパーティ 4

4マッチョビンゴ  「んくぅぅぅうううあああ゛っ!」 ボトリ! とケツの穴から出てくる白いピンポン玉には69、と数字が書かれている。 『はぁい! 出ました! 69番! 69番ですよぉ~! カードに69のある人は、ヌプッと開けちゃってくださーい!』 「えっ!? ま、マジで!?」 海亀の産卵みたいな光景に俺は驚きの声を上げてしまった。亮一さんも和彦さんも、舞台を見て苦笑している。 「初めてだと驚くよな? 毎回、ビンゴはこんな感じでさ。俺も亮一さんもビンゴマシン、やった事あるんだ。そりゃぁ、キツかったなぁ~」と、和彦さんが当時を思い出すような視線で舞台を見る。 「おかしいんだけど、自分がした時の思い出があるから素直に笑いにくいんだよ。事前に10個、ビンゴ玉をケツの中に押し込められちゃうからなぁ」」 聞いている亮一さんが複雑な笑顔を見せる。 そんなにもケツの中にビンゴ玉を入れないといけないなんて。知らないままビンゴマシン役に選ばれなくて良かった、と安堵した。 おっといけない。69番、早速俺のカードにあった。忘れずめくっておかないと。 「ん゛あ゛あ゛っ! で、出るぅっ! っで、出ちまううっ!」 Aのビンゴマシンに続いてBのマッチョ君が堪えきれずボビュ! と玉をこぼす。 『おやおや! これはいけませんねぇ! 私が合図する前にお漏らししちゃうなんて! でもでもぉ、一応順番通りなので 大目に見て差し上げましょう! で、数字はと言いますと~、24! 24番ですよぉ!』 ヌルヌルのピンポン玉を拾い上げた司会者が、数字を客席に向けながら声を大きくした。 「うわ、24番もあった! 2連チャン!」 こうして、Cさん、Dさんのケツ穴からも数字の玉が産み落とされ、司会者が大きく発表する。 4人の玉を読み上げた段階で 『これで4つの数字が出そろいましたが、真ん中のフリーを入れると丁度五つ! 早くもビンゴした方、いらっしゃいますかぁ~?』 マッチョ司会者がマイクと一緒に首をぐるりと巡らせる。しかし、客席から反応はない。 『ふ~む、まだ、列が揃ってらっしゃる方は出てないようですねぇ? ならば、このまま続けましょう!! Eのビンゴマシンさん、お願いします!』 Eさんが気張って玉を産む。司会者が数字を発表する。ここでも客席から声は上がらないので、またもやAさんから ピンポン玉をヒリ出させる。 ここで、1人目のビンゴが出た。 『おめでとうございまーす!! あなたが一着! 一番目です! どうぞこちらへ! 豪華賞品を差し上げまーす!』 司会者が渡したのは家庭用ホームジム(トレーニングマシン)だった。もちろんここでは現物ではなくマシンの写真。 後日、セットを自宅まで配送します、と司会者が言った。 「置き場所に悩みそうですけど、凄く良い賞品がもらえちゃうんですね」 「冬賀クン。あの写真にさ、マシンだけじゃなくて男が映ってるだろ?」 亮一さんが話しかけて来た。 「? そう、ですね。マシンでトレーニングしてるカッコイイ人も映っていますが、それがどうかしたんですか?」 モデルがトレーニングしているだけの、至って普通の「チラシ」らしい写真なんだが。 「あれね、トレーニングマシンと一緒に、あのモデルの男も一緒に来るんだ」 「うえ!? も、モデルも、ですか!?」 「そうなんだ。しかもさ、セックスで満足するまでは帰ってくれって言っても帰らないんだ。もちろんその間の 食事やなんかは受け取った奴の負担になる」 「うわ~、俺、一着にならなくってよかったかも……」 「もしも冬賀がもらっちまったら、俺も協力してやるぜ? 1対1に限る、って制約はないんだしな」 和彦さんがニッと笑いながら胸を叩いた。 写真に映っているモデルは凄くカッコいいしガタイも見事なんだけど、俺の狭い部屋にトレーニングマシンと男が一緒にやって来たら、寝る場所がなくなってしまいそうだ。 まぁ、それ以上にセックスで満足してもらえるかどうかが大問題なのかも。 て言うか、男同士でセックスするって普通に出てきたな。やっぱり亮一さんも和彦さんも「そう」なんだ。 もしかしてこの船に招かれているマッチョ野郎たち全員「そう」なのか?  2順目最後のEさんが玉を落とすころには同時に2人から手が上がったりしたので8着までが終わった。 「亮一さん、どうですか?」 「俺は、ひとつリーチだけど、まぁ、このまま終わりそうな気がするな」 「和彦さんは、どうなってます?」 「う~ん、畜生、一つもリーチになってない」 俺は、と言うと発表された数字が悉くカードにあったものだから全て開けていけたのだけど、配列が意地悪してダブルリーチになっていた。 『さぁさぁ! 3周目に参りましょう! Aさーん! 一発ドピュっと出しちゃってくださいな!』 「ふんぬっっ! うぐぐううううっ!」 ボトリとケツ穴から排出された11番目の玉。 この玉が俺にビンゴをもたらした! 「うわ! 揃った! ビンゴだ!」 思わず叫んだら司会者がすかさず俺を呼んだ。 『おめでとうっ! 9着は君だね! では、9等の賞品を――って、待って待って! 君! ダブルビンゴじゃないか! そんならそうと早く言ってよ~! 君には9等賞品と合わせてダブルビンゴ賞が授与されまーす!』 司会者の言う通りで、右上角の数字をめくると2列が揃ってしまったのだ。 司会者がリボンの掛けられた箱と、さらに『ダブルビンゴ賞』と書かれたのし付き目録を俺に手渡した。 その後、 亮一さんは18番目に、和彦さんは30番目にビンゴを出し、ビンゴ大会はお開きになった。 「うわ~、俺のはホラ、『アナルに優しい最高級ローション』だった! しかも、1.8リットル」 和彦さんが賞品としてもらった大きなローションのボトルを振って、「ゴポン、ゴポン」鳴らして笑う。 「……う~ん、なるほどなぁ。使いこなすまで使うかどうか、分からないモノばかりだ」 亮一さんが困り顔になっていた。 それは、18位で渡された賞品の箱には尿道責めに使う金属棒のブジーや口に噛ませて喋れなくするギャグボール。首輪に手錠、貞操帯なんかがあって、ソフトSMグッズセット、と言う内容だった。 「俺のは何が入っているんだろ?」 箱はむしろ亮一さんのより小さい。 しかも、かなり軽い。 「うわ、こ、これは……」 リボンをほどき、箱を開けると、中にはカラフルな下着、しかも際どい系のセクシー下着が20枚入っていたのだ。 スケスケメッシュ素材のTバックに、ツヤツヤ光沢のあるラバー生地のスーパービキニ。ペニスの部分だけ突き出ている極小ペニスカップに、 ケツの部分だけが大きく開いているOバックボクサーパンツなどなど。 「これなんか冬賀クンに凄く似合うだろうね」 亮一さんがペニスだけをカバーする靴下みたいなビキニを持ち上げた。 「俺は、こっちを穿いた冬賀を見たいなぁ」 和彦さんは銀色のジョッグストラップを両手で広げた。よく見るとフロントの部分がぽっかり開いているから イチモツが『丸見え』になる。 ゴムの紐しかないじゃないか。 「や、あの、えっと、その……」 2人ともニヤニヤして、なんかもう居た堪れない気分になってしまう。マジで俺なんかで良いんですか? って。 イケメンマッチョを前に、気後れが一層大きくなる。俺の筋肉なんて、ドリンク一本で作った『ニセモノ』なのに。 「冬賀クンはスーツを脱いだらもっと凄いんだろうな、って。さっきからワクワクしているんだよ」 「亮一さん、冬賀を一人占めしようったって、そうは行きませんから。俺だって立候補してるんすよ?」 「おいおい、俺が先に冬賀クンと出会って、話もしていたんだけどな」 「そんなのココじゃ関係ないっす。互いの気が合えば万事OKなんす。ご存知のはずっすよね? それに冬賀がOKなら3人でも良いですしね」 「俺としては2人っきりでじっくり親睦を深めたいんだがなぁ」 「せっかくなんですから3人でもいいっすよね? ね? 冬賀くんもそう思うでしょ? 盛り上がること間違いないから」 「い、いやぁ、はは、何て言うか、ま、まだ……」 「それ見ろ和彦。冬賀クンはお前と考えが違うみたいだぞ?」 「ええ~? そんなぁ~。 俺だけハブられちまうんすかぁ~?」 「あ、ち、違うんです! 俺、まだどうしたら良いのか決めかねているだけで、そのぅ、和彦さんとも仲良くしたいですし」 「ぃやほーい! 亮一さん! 聞いた? 聞いた? 俺と仲良くなりたいって!」 「ああ、聞いてるさ。ただ、『お前とも』って言ったぞ? お前だけじゃないんだ」 「んなの、どっちでもいいッスよ! 冬賀に興味持ってもらえてるだけで嬉しいっすから!」 ビンゴ大会が終わり、あれ程大量にあったご馳走もすっかり平らげられ空き皿だらけになったダイニングホールからは、 順次招待客が去り、周りは残すところほんの2、3組しかいなかった。 「次は、ナイトラウンジで『マッチョライブショー』っすね。冬賀、どうする? 見に行く? それとも参加しちゃう?」 もう少し詳しく聞くと、有志のマッチョたちが筋肉美を見せつけるのを愛でつつ、お酒を楽しんだりする場所、だそう。 ただし、お客もショーに出るマッチョも、身に付けるのはビルパンのみ、と言うルールがある。 「ライブショーの他にはカジノも開いている時間だが――」 亮一さんが俺に視線を投げて「どちらでも良いし、疲れたのなら部屋で休むのも有りだ」、と付け加えた。 「じゃぁ、ライブショーを見に行きたいです。出るのは、ちょっと無理、かも」 「ぅおっし! じゃぁ決まり! 亮一さんも行くっしょ?」 「ん、まぁ、久しぶりに行くだけ行ってみるとするか」 こうして、次のイベントも亮一さん、和彦さん、俺、の3人揃って見ることになった。 「そうだ。ダブルビンゴ賞は何が入ってたんだ?」 セクシー下着の箱の上に乗せた目録の封筒に気付いた和彦さんが尋ねてきた。 俺は金一封だろうと思っていたのだけど、それ以外になにかあるんだろうか? 「その前に部屋までこの荷物を運んであげよう。冬賀クンは何号室なんだい?」 「さすが亮一さん。抜け目なく冬賀の部屋を探っちゃって! この!」 「失礼だぞ? 和彦。そんな下心だけで聞く訳あるか」 「無いんすか? 下心」 「『だけ』じゃない、って言っただろ? 下心は半分くらいだ」 「ははは。俺の部屋は505号室です。でも、これぐらいなら一人で運べますよ」 急に二人で顔を見合わせて破顔している。 「なぁなぁ。俺の部屋は冬賀の向かい側の515号室なんだ」 「俺は冬賀クンの隣の504号室だ」 「そうだったんですか? 凄い! 部屋同士でもご縁があったみたいな」 「だな」 「だよな!」 また一つ、亮一さんと和彦さんに対する親しみが増えた。


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