SamSuka
鷹取リュウゴ
鷹取リュウゴ

fanbox


聖夜のマッチョパーティ 8

8バー・白蜜  結局、飲みきれずに冷えてしまったドリンクは中身ごと捨てて、新しく別のドリンクをゲットしてカラダを温めよう。  「だったら冬賀クン、バーで温まるメニューを食べるのはどうだい? 和食も用意できるからね」と亮一さんが提案してくれたので、俺たちは四人でバーに行くことになった。  バーに入ってすぐに俺はメニューの中にあった鍋焼きうどんを注文。 バーと言っても内装なんかは和風なので日本料理を選んでも違和感は無い。 「いやぁ、感動の再会から一気に冬賀をモノにしちまおうってプランだったんだろうけど、邪魔しちゃって悪かったね」 注文した鍋焼きうどんを待つ間、亮一さんが何気にきょうちゃんを煽っている。 「どの辺から俺たちの会話を盗み聞きしてたんすかぁ? 大人げないと思いませんでしたか?」 きょうちゃんも負けてない。つうか敵意丸出し。 「けどさ、肝心の冬賀の気持ちはどうなの? 寸前で止めに入ったけどOKをもらった上でキスしようとしてたのか?」 「そ、そいつは……」 きょうちゃんが俺の目を見る。俺は何て返事したら良いんだろう? 「……その様子じゃぁ冬賀からOKはもらってないみたいだな? てことは、お前の勝手な思いこみってやつだ」 和彦さんの指摘に「……くそっ」と悔しそうに呻くきょうちゃん。 やがて注文した鍋焼きうどんが運ばれ熱々のうどんに夢中になっている内に、三人の間で何らかの合意がまとまったようだった。 聞き逃してしまったので何を話してたかは知らないけれど。 「ふぅ……ごちそうさま。こんなにも美味い鍋焼きうどん、初めて食った気がする」 絶妙なコシのうどんに香り高い鰹と昆布のダシ。大きな海老に味の染み込んだシイタケ。磯の風味と歯ごたえが心地よいカマボコに ほどよく煮込まれた菊菜や水菜などの野菜のアクセント。 そして、鍋の中で半熟に仕上がっている卵がそれぞれの持ち味をまとめ上げて一つの作品へと昇華させているのだ。 「ああ~、食べたらすっかり暖まりましたよ! むしろ少し汗ばむほどだ」 きょうちゃんも亮一さんも和彦さんも俺をじっと見つめ、そしてその視線を互いの股間へ移動させ、また上に戻して互いにうなずきあっている。 「……見たかい? あの無防備かつ剥き身なエロス。たまらないねぇ」 「本人に自覚が無いってのがまた良いんだよな。素朴ながら溢れ出る雄フェロモンの暴れっぷりよ」 「俺だって堪えてんですから。先輩たちもこらえて下さいよ。マジでヤバイのは俺なんですから」 「……はい?」 やけにテーブルの下に手を入れてごそごそと動かしているけど、影になっていて良く見えない。 「お、おお~。いい食いっぷりだったね冬賀クン」 「そ、そうだろ? このバーの飯は旨いだろ? 何だったらもう一杯頼んでみたらどうだ?」 「いや、そんな連ちゃんで鍋焼きはさすがに要らないですけど……」 「な、なぁ、トウガ! この後どうするんだ? カジノやシアターもあるらしいぜ? それともプールか? ジ、ジムも立派なマシンが一杯あるみたいだぞ?」 そんな設備まであるとは、さすが豪華客船だな。だけど、特に予定など考えていない。 「明日、寄港した港から観光に出かけるのならあまり寝不足にならないようにしたほうが良いだろう」 「えっ? 寄港地なんてあるんです?」 やっぱりパンフが無いと不便だ。寄港するなんて全然頭に無かったし。 亮一さんや和彦さんは経験者だから知ってて当たり前なんだろうけど、きょうちゃんも把握しているんだろうか? 「知ってた? きょうちゃんも」 「まぁな」 やっぱり知ってるんだ。 「俺、フロントに行ってパンフレットをももらって来ます。でないと船内イベントのスケジュールもですけど、 どんな施設があるのかもさっぱり分からないですし、 どこに寄港するのも全然知らないんです」 「それぐらい冬賀の部屋に届けてもらえば良いんじゃないか? つうか、俺が言ってやるよ」 そう言うと和彦さんはバーテンダーの一人を呼んで、俺の部屋の番号とパンフを一部届けておいてくれ、と リクエストしてくれた。 「かしこまりました。505号のお部屋へクリスマスクルージングのパンフレットを一部、お入れしておくようスタッフに伝えておきます」 「ああ。できれるだけ速やかに、な」 「承りました」 サスペンダー付きの短パンに上半身ハダカの筋肉質なバーテンダーが深々とお辞儀して俺たちの席のそばから離れた。 「そっか、じゃぁトウガは12時からのミッドナイトタイムについても知らないんだな?」 きょうちゃんの発言に亮一さんも和彦さんもパッと目を輝かせ……じゃない、ギラッとしたんだけど。 な、何なんだ? 「きょうちゃん、何なの? それ。ミッドナイトタイム?」 「俺も詳しくは知らねぇけどな、どうやらミッドナイトタイムっつうのは――ぬふぅお!?」 いきなり和彦さんがきょうちゃんにヘッドロックをかけた! 「ギ! ギブ! ギブゥ!」 さすが現役のプロレスラーだけあって技のキレが全然素人っぽくない。 「いいじゃないか、和彦。黙っていたっていずれ知られる訳だし」 「まぁ、そうなんすけどぉ、別にこの場で伝えなくても良いんじゃないか、って思っちまって」 「ゲホ! ゲッホ! ああ~、何で急に締めに来るんだよ! 俺も先輩たちも、冬賀に出会ってなきゃこっちがメインのお愉しみだったんでしょう?」 「うっ…………」 「あ~、まぁ、なんだ……」 いやに歯切れが悪いな。亮一さんも和彦さんも、まるでいたずらがバレた子供みたいに口ごもっちゃって。 「トウガ、ミッドナイトタイムってのはな、この船のワンフロアがハッテン場になって誰とでもセックスしまくれる、 って時間帯なんだ」 「えっ!?」 「夜の12時から朝5時まで、乱交タイムが設定されてんだよ。いくつかの約束事はあるみたいだけどな」 結局きょうちゃんが内容を教えてくれたけど、想像したら思いっきりチンポが勃ってしまってしばらく席から腰を上げる事ができなかった。


More Creators