聖夜のマッチョパーティ 12
Added 2019-02-11 07:19:09 +0000 UTC12 謎のエキス 一階のフロントへ降りて行くとすぐに奥の控え室へと通された。 「クリスマスクルージングをお楽しみ頂けてらっしゃるようで何よりです」 「は、はい、ありがとうございます」 「早速ですが……」 俺は身構えた。 『アメージングボディ』について誰にも口外してはいないし、本来の俺はマッチョでも何でもなくヒョロガリ野郎とバレていない筈。 だけど、何らかの落ち度があったのかも知れない、と。 「昨日飲んで頂いた『アメージングボディ』の効果はおよそ24時間。なので、まだ6時間ほどの猶予がある事になりますが、 このままご乗船されてクルージングを続けられるか、或いは、ただ今寄港中の港にて下船されるか、お申し出頂きたいと思いまして」 フロントの男はそう言うと、俺の返答を待つ姿勢になった。 つまり、ドリンクの効果が切れる前に船を降りるか、このまま残るか即答せよ、と言う事だ。 男の表情はまるで読めない。本心は降りて欲しいのか、或いはそうでないのか。 「……俺は、このままクルージングを続けさせてほしい……です。明日の最終日まで。できれば」 ため息でも吐かれるのかと思いきや、フロントの男はパッと笑顔を広げて俺の返答を喜んだ。 「それは、良かった。実は、お客様が昨日から今朝にかけてどのように船内にて過ごされていらっしゃるか、 それとなく窺っておりました」 って言うと、監視カメラかな? 見張られていたんだろうか? 「御心配には及びません。お客様を監視などはしてございません。ですが、私どもとのお約束も守って頂けていらっしゃいますし、 お部屋係りの者からも素敵な一夜を過ごされていたようだと聞き及んでおります」 「あの、四六時中見張っていた訳ではないんですね?」 「さようでございます」 「じゃぁ、何で俺が約束を守ってる、と断言できるんですか?」 「それは、お客様を信頼しているからです。と、言うよりも――」 「よりも?」 「約束を破っていらっしゃったらフロントに来ないんじゃありませんか?」 それと、もし来られたとしても秘密をバラしたのであればもっと怯えた表情や、腰の引けた態度が現われるものです、とフロントの男は言う。 「さて、引き続きクルージングを楽しみたいとのご希望を承りましたので、お客様には明日の最終下船の時まで肉体をこのまま保って頂きたいのですが」 「また『アメージングボディ』を飲むんですか?」 フロントの男は俺の問いに首を左右に振った。 「あのドリンク剤は二本目を飲んだからと言って効果が持続するものではありません」 「えっと、では、どうすれば良いんでしょう? 6時間後には俺、また元のカラダに戻っちまうんですよね?」 「そうなる前に、こちらの『パッションミルク』をお飲みください」 ドリンク剤の瓶と似た小さい瓶を俺に渡した。 「これは?」 「お客様の筋肉量を維持するために必要なモノです。ただ、欠点がございまして……」 「欠点があるんですか」 「ええ。それは、お客様の性的な魅力や能力が格段にアップする、と言いますか、肉体がセックス対して特に向上してしまうと言いますか……」 それって欠点になるんだろうか? 「服用された方がどの程度セックスアピールが上昇されるかは個人差が激しく、飲んでみないと分からない、としか申せません」 「……それでも、コイツを飲まなきゃ筋肉が減って、部屋から出られないまま今夜も明日も過ごさないといけなくなるんですよね?」 「その通りです」 それなら飲むしか選択肢は無い。いきなり効果が切れて『元の』俺の姿を亮一さんや和彦さんやきょうちゃんが見てしまったら…………。 「じゃぁ、飲みます。せめてこのクルージングの間だけでも他の人と同じように楽しい時間を過ごしたいですから」 そう。これが俺の本心だ。 クルージングが終わっていつもの日常に戻ったら、戻ったその時になってから考えよう。 「分かりました。では、こちらをどうぞ。申し訳ありませんがこの場でお飲みください」 俺は小瓶のキャップをねじり、中の液体を口に流し込んだ。 ドロリと粘る白い液体が舌の上を通り、咽喉の奥へとゆっくりと飲み込まれてゆく。 ほのかな塩気、そして生臭いニオイ。なんだか精液に近いような気がした。 「こちらの『パッションミルク』はすぐにお水を飲まれても問題ありません。お持ちしましょうか?」 「あー、そう、ですね。では、少しもらっていいですか?」 「かしこまりました」 フロントの男は席を立つとすぐ戻ってきた。 右手に氷の入った水のグラスを持って。 冷えた水を飲んで口の中の粘つきをすすぐ。 「さて、お客様へお伝えしたいことは以上でございます。『パッションミルク』の効果でお客様のカラダは引き続き今のマッスルボディを保つことが可能になりました」 「ところで、『パッションミルク』での効果はどれぐらい持つんですか?」 一日? いや、一週間かな? 「おそらく、一生。生涯その肉体のままだと思われます」 「は?」 「残念ながら『アメージングボディ』の成分との兼ね合いだそうで、お客様の肉体は下船された後も元には戻れません。 先にこのことをお話しておくべきだったかも知れませんね」 フロントの男は申し訳なさそうに頭を下げた。 だけど、だけどさ、俺としてはこんなマッチョボディに、憧れの肉体になれただけでは無く、クルージングが終わった後もこのカラダでいられるってのは福音でしかない訳で―― 「や、やった! ずっと! ずっとこのカラダでいられるなんて最高じゃん! すげぇ! 最高だよ! マジ嬉しい!」 俺は思わずフロントの男の手を握って感謝の気持ちを伝えた。 「喜んで頂けて良かったです。では、引き続き男と男の、筋肉と筋肉の交流をお愉しみ下さいませ」 俺は湧き上がる喜びに胸をますます膨らませて、自分の部屋である505号室へと戻った。 憧れていたマッチョボディになれただけじゃなく、これからずっとこの肉体美を維持し続けられるなんて! 逞しいマッスルボディになれたお陰で亮一さんや和彦さんに気に入られ、エロい「雄」に成長していたきょうちゃんから告白されるまでになったのだから。 「セックスアピールが向上? 性的な能力や魅力が飛躍的にアップ? 欠点じゃない。全っ然、欠点じゃないよ。 むしろそれも『願ったり叶ったり』じゃないか!」 今まで一度もモテた事が無い俺。 それが、このクルージング船に乗ってマッチョボディに変身した途端、三人の男から慕われ、そして、三人のケツを味わい初めてリアルに男同士の快感を味わえた。 何だか人生が劇的にガラッと切り替わっていきなりの幸運に面食らっていたけれど、俺のカラダはこれからもずっとこのまま、マッチョのままでいられるのだ。 ……だったら、そう。 もう俺は大手を振って、自信を持って亮一さんや和彦さんの前に立っていられる。きょうちゃんの視線をまっすぐ受け止めていられる。 妄想では無くリアルな行動として快感を求めても―― 「……良いんだ。心の底まで愉しんだって良いんだ。マジで最高のクリスマスを味わっちゃって良いんだ……」 裸になって鏡の前に立ちポーズを取る。 ムキィッ! ビキィッ! って筋肉がデカく盛り上がる。 自然と笑顔になる。喜びが沸々とわき上がり、同時にムラムラとした欲望まで膨らんで来る。 立ち昇る『雄』のオーラ。『雄』のフェロモンが俺の周りにどんどん放出されて行く様子が鏡にまで映し出されているかのようだ。 いきり勃つペニスから透明な粘液が溢れ出ている。 「まだ、真昼間だぞ? 昨夜だってあんなにぶっ放してたってのに。……でも、すんげぇムラムラして我慢できない……」 仕方ないなと苦笑しつつデカイ竿を扱きタマをグニグニと揉み込む。 一発二発オナッて射精しておかないと収まりが付かない。 刺激をもらった我がイチモツは、それをエサにしてますますいきり勃ち、ビクッ、ビクッ、と鎌首を震わせる。 そんな股間と鏡に映る自分の姿をオカズに、俺はチンポを激しくグチュグチュとかき鳴らし、タマを強く握り締めて責め上げた。