聖夜のマッチョパーティ 16・終章
Added 2019-02-11 07:25:02 +0000 UTC16終章・そして俺は船から下りた 後から思えば『アメージングボディ』によって肉体を、『パッションミルク』によって精神まで筋肉質にビルドアップ していかのかも知れない。 【フィーリングマッチョ5対5】の後、俺はすぐさま9人の男たちに囲まれた。 「トウガさん! 俺と、俺たちとセックスして下さい!」 俺はそのリクエストをOKした。 「どうする? 全員でヤる? それとも順に一人ずつ?」 相談した結果、9人はバラバラに一人ずつ俺に相手をして欲しいと望んだ。 なので、俺は部屋に一人ずつ招き入れ、じっくりと時間をかけてケツを掘り、そして相手の男にも俺のアナルを犯させた。 ミッドナイトタイムを迎えてもハッテン場になっている6階に上がらず、ずっと部屋の中で。 9人全員とのセックスが一段落する頃には次の日の夕方になっていた。 俺の体力は尽きることも無く、また精液も瞬時に補充されていつでも玉袋の中を「満タン」に満たしていた。 24時間ずっとセックスし続けてもまだギンギンに勃起するチンポ。 絶倫と言うレベルを遥かに超えフルセックスボディの俺。 スタッフが言う通りセックスするための肉体に生まれ変わっていた。 こうして3日目の寄港地でも下船せず船内に残ってセックスし続けていたし、最終日には亮一さんや和彦さん、 きょうちゃんともじっくりたっぷりセックスを愉しんだ。 「そう言えば、昨日はどうしてたの?」 俺もセックス漬けだったけど、3人は一度も俺の元を訪れなかった。 「あー、実はね……、フィーリングマッチョで知り合った相手と、その……」 言いにくそうだったけど亮一さんが口を開いた。 AからC組までの3つの組で成立したカップル、その中に亮一さんも和彦さんもきょうちゃんも入っていたんだそうだ。 「で、取りあえずもう少し仲良くなって互いを知っておこうとなっちまってよ」 カラダの相性が良い相手と知れた訳で、だったらもう少しディープにつながってみたいとの欲望に従った。 和彦さんらしい言い方でそう説明を加えた。 「お、俺は今もトウガが一番だ、って思ってる。……思ってるけど、コイツが治まんなくって……。その、怒ってるか?」 きょうちゃんが恐る恐る俺に確かめる。 「ううん。怒ってないよ。俺だって昨日はずっと誰かとセックスしてた訳だし。気持ち良い事はできる時にヤっておかないとね」 「……なんか、変わったな。トウガ」 「そう? 変かな?」 「いや、いい意味で。実は俺、お前が席を外してる間に先輩たちともヤっていたんだ。お前には悪いと思ったけど我慢できなくってさ」 あまり言い争わなくなっていたのでそうなんじゃないかと思っていた。 「自由にしていいじゃん。きょうちゃんを縛るつもりなんて俺は無いから。それに……」 「それに?」 「このクルーズが終わって船を降りたら、また会えるとは限らないでしょ?」 「…………」 返事が無いってのは肯定なんだろう。 亮一さんも和彦さんも、即座に否定せず切ない表情を見せた。 「でも、まだ時間は残ってるぜ! ぎりぎりまでトウガのカラダを味わわせてくれ!」 「俺も同感だ!」 「お、俺だって! トウガに俺の事、忘れられなくしてやりてぇ!」 3人とは文字通りギリギリまでセックスし続けていた。 スタッフに「後1時間で港に戻りますので、下船のお仕度のほど、お願いいたします」と声を掛けて止められるまで 素っ裸になってチンポを咥え合っていたのだ。 そうして、名残を惜しそうな3人を部屋から送り出し俺は下船する準備を始めた。 と言っても、もう着られない衣服はゴミ箱に捨て、支給されたマッチョボディ仕様の衣服に着替え、大量のビルパンやビキニをバッグに詰めれば終了だ。 忘れ物は無いかと最後に確認していたら、マッチョビンゴゲームの時にダブルビンゴになってもらった賞品である目録の封筒が椅子の上に置きっぱなしのままだった。 「金一封だろうな。どれぐらい入っているんだろう?」 蝶結びの水引の帯を外し中身を開いて取り出す。 『ダブルビンゴおめでとう! 賞金と副賞のスマートフォンをプレゼントします! ハッピーメリークリスマス!』 「うわ!? 賞金の額、こんなに?! マジでもらっちゃっていいのか?」 0が8個ならんでいて、頭に5と書かれている小切手だ。 つまり「5億円」 やばい金じゃないだろうな、と不安に思った俺はフロントに内線で確かめた。 「ご安心ください。それはまさしくトウガさんの賞金として受け取るべき金額です。別に黒いお金ではございませんから」と言う そして、副賞のスマートフォン。 起動させてみたら中に驚きの情報が保存されていた。 「うわわ!? ぜ、全員の連絡先データ? マジで?」 亮一さんや和彦さん、きょうちゃんたちのアドレスや電話番号のほか、【フィーリングマッチョ5対5】で知り合ったD組の9人のものまで登録されていた。 以前の俺だったら何か「裏」があるのではと疑って、連絡先を知ったとしても行動を起こさないままだっただろう。 けれど、今の俺は違う。 自分の欲望に素直に、そしてまっすぐ求めて行動したって構わないんだ、と考えを改めている。 「とは言っても、1番最初はきょうちゃんにしておこう」 スマホの登録情報の中からきょうちゃんのアドレスを選び、メッセージを送る。 すぐに返信が返ってきた。 『俺のメルアド知ってたのか? と言うか、いつ教えたんだろう? いや、んなことより、これからもトウガと会えるんだな! 最高にハッピーだ!』 出港した時と同じ港に船が着岸した。 亮一さんや和彦さんは寂しそうな顔をしていたけど、俺は「また絶対に会えますよ」と笑顔で別れを告げた。 きょうちゃんはすでに俺と連絡し合えると分っているので「じゃぁ、またな」と軽い挨拶だけで済ませた。 最後に、下りる前に俺のカラダをこんな素晴らしいマッスルボディにしてくれた最大の恩人、フロントの男に一言お礼を言おうと思いつき、 人の流れから一人だけ離れて少し戻った。 「失礼しまーす。あれ? フロントの方、居ないのかな?」 受付カウンターの前には誰も居なかった。けれど、奥の方で微かに物音がしている。 きっとカウンターの裏の部屋にいるんだろう。 時間も迫ってるし一言だけだからと、カウンターの仕切りを乗り越えて裏の部屋に入った。 「ぬわ!? だ、誰だ!?」 「あ、す、すみません。下船する前にお礼を伝えようと思ってお邪魔したんですが……」 中に入ると頭にトナカイの被りモノを被った上半身ハダカの男が目を見開いてこっちを見つめていた。 「……あ、そっか。クリスマスだからそんな着ぐるみ着てんですね。で、すみませんがフロントの方はどこにいますか?」 「……まったく、無断で入って来るだなんて、仕方のない人だなぁ。そもそもマッチョでもないのにこの船に乗り込んで来るような人だから、らしいと言えばらしいけど」 聞き覚えのある声。 それに、手にぶら下げているのはフロントの男が着ていた服だ。 「あの、……もしかしてフロントさん?」 こくっとトナカイ頭の男はうなずいた。 「これも内緒ですよ? 私の正体がトナカイ男だったことは」 「!?と、となかいおとこ!」 驚く俺の前で男は一度フロントの男の顔に戻り、そして次は頭だけでは無く全身まで獣の姿に変化した。 「私たちは特別な能力をご主人から与えられているんですよ。普段は勿論こっちのトナカイ姿で活動していますけど」 鹿に似たマズルが動いて人語を発するトナカイ。 あり得ない光景なのに、パニックに陥らないのは何故なのか。 「この船も明日にはソリになりますし、他のスタッフたちもトナカイに戻ります。何たって、明日はクリスマスイブですからね」 「も、もしかして、ご主人って人は――」 「僕たちの口からは言えません。秘密ですので。ただ、トウガさんが想像してる通りの人物だと思いますよ? 子供の頃は信じていたんじゃありませんか? 良い子でいるとプレゼントを配ってくれるって」 「嘘だろ? マジでサン――」 トナカイが瞬時に人の姿に変身し、俺の口に指を当てて発言を止めた。 「おっと、そこまで。ご主人も皆さんに混ざって楽しむ時間があったっていいじゃありませんか。 いいですか? 『アメージングボディ』に加えて、ここで見た事や話した事も秘密厳守でお願いしますよ。 ご主人は来年もクルーズシップで楽しい時間を過ごしたいと望んでおりますので」 「わ、分かりました。約束します」 「ありがとうございます。やはりトウガさんは良い子だ」 頭を優しく撫でられてしまった。 気を取り直して改めてマッチョボディにしてくれたお礼とクルーズへの感謝を伝え、その場を後にしようとした。 「あ、副賞でお渡ししたスマートフォンの中のアドレスなんですが――」 「もちろん悪用なんてしませんから」 「そうじゃないんです。私を含めたトナカイ男たちのアドレスも入ってるんですよ。もしよろしければたまには呼び出して相手してやってもらえませんかね? ミッドナイトタイム、結局一度もトウガさんは6階にいらっしゃらなかったでしょう? 私、ずっと期待して 待ってたんですよねぇ」 「そ、そうだったんですか?」 「ええ。そうだったんです。他のトナカイ男たちも悔しがっていました。私たちが直接お客様と肌と肌で触れ合える場はあそこだけでしたもんで」 「なんだか悪い事しちゃいましたね」 「まったくです。お陰で、トウガさん代役としていつもの倍の人数を相手にしてしまいました」 ニヤッと微笑んだフロントの「トナカイ男」 こうやってヒトの姿であれば普通にマッチョな美青年としか見えない。 「来年もこのクリスマスクルーズはあるんですか?」 「もちろんです。ご主人てばこの時だけ性欲を発散できるよう1年分『溜めに溜めこんで』臨んでいますよ。 トウガさんにも招待状を送りますから是非ご乗船なさってください」 「分かりました。必ず乗らせてもらいます」 こうして、約束の言葉をトナカイ男に伝えた俺は、夢のようなクルージング船から下りた。 イルミネーションが飾られたフェリー乗り場にはすでに誰も残っちゃ居なかったが、暖かな気持ちを抱いたまま俺は、聖夜を祝う街の中へと戻って行った。 終