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鷹取リュウゴ
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形状記憶コンドーム ブランク編 3

3適合者  「あ~あ、加賀美ってばフられてやがんの~」 声の主の方を振り返ると、リビングに男が入って来るところであった。 「田丸さん、居たんですね」 田丸と加賀美から呼ばれた男は加賀美を素通りして金沢に挨拶をした。 「初めまして。ようこそコンバートへ。俺は社員の一人、『田丸 修』ってモンだ。加賀美の声がでけぇから廊下でもはっきり聞こえちまってたぜ」 「よ、よろしくお願いします……」 シャワーでも浴びた直後のように腰にタオルを一枚巻いただけ恰好の田丸。ほのかに全身から湯気が立ち昇っているのが金沢にも見て取れた。 エッジの効いたバッキバキの筋肉ボデイはバルクマッチョな加賀美とはまた別の、強烈な「雄」の匂いを立たせており、金沢の目を釘付けて離さなかった。 「社内にいらっしゃったんですね。今日のコンドーム製造は終わりですか?」 「まぁな。出せる分は出してきた」 「お疲れ様でした。ところで、もしかして佐奈さんや狩野さんも帰って来られてて下にいらっしゃるんですか?」 「いいや? アイツらは明日まで戻ってこねぇな。是が非でも堕としてぇ奴がいるって張り切ってたぜ」 「そうですか。無事成功するといいですね」 「成功するだろ? インキュバスと獣人が一緒に行ってんだしよ」 「後のお二人もまだですよね?」 「吸血鬼とオークは今日は無理みたいだぜ? まぁ、あっちが本業なんだし2、3日顔を出さないくらいザラだろ?」 「あ、あのう……」 金沢の頭越しに続く会話のラリーがいつ終わるとも知れず、金沢はしびれを切らして声を上げた。 「それで俺は、いつから仕事に来ればいいんですか? 具体的には何を?」 「加賀美? まだ説明していなかったのかよ?」 「じゃ、じゃぁ、金沢君、予定が無いのなら今日から早速働いてくれますか? もちろんお給料だって帰る時に渡すので」 「分かりました。では、頑張ります。で、仕事は内容は清掃でしたよね? まずはどの部屋から手を付ければ良いですか?  それと、入ってはいけない部屋や場所があるのであれば先に教えてもらえますか?」 「ええっと、どの部屋からやってもらおうかなぁ? 狩野さんや代表の部屋は後日で良いとして――」 金沢がバイトの仕事について加賀美から指示をもらっている最中、金沢が記入した用紙に目を通した田丸は加賀美に向かって舌打ちした。 「なぁおい。コイツも適合者なんだろう? だったらモタモタやってねぇで先に進めちまえよ? ここにもちゃーんと変身や進化に興味ありって書いてくれてんだしよぉ」 「僕だってそうしたいのは山々なんですけど、彼の本質であるイデアが何なのかどうにも曖昧で予測がつかないんですよねぇ」 「んなもん、『GOM』と接触するまで完璧に知ることなんざ無理だろうが」 「そうは言いますけど狩野さんの場合は動物たちへの執着から獣化して獣人になるんだろうな、って推測できるじゃありませんか。 だけど、金沢君の場合はまだ情報が掴めていないですし、どのような対象を概念として内包しているかは、 これから彼と接触を重ねて知っていけばいいかな、って――」 「ばぁっか。そう言うトコ、お前は細けぇよな? んなもん当たって砕けろでいいじゃねぇか。コイツが適合者って確信がある以上、あとは『GOM』の方で上手く導いてくれるだろうさ」 「そうは言いますけどねぇ。万が一『GOM』との概念結合が失敗してしまったら、融合途中の『GOM』が 死んでしまうんですよ? もしそんな事にでもなったら僕たちの中の『GOM』まで影響が出てしまうかも知れないじゃないですか」 「俺だって事故は望んじゃいねぇよ。だがな、どっちみち『GOM』に任せときゃなんとかなるだろ? それでも喚起されたイデアが見えねぇとか、概念結合が不安だ、っつうならお前、清掃の仕事のハナシなんてしてねぇで、まず先にそっちから詰めて仕上げていかなきゃなんねぇだろ?」 田丸がさっと加賀美の耳元に口を寄せ小声でこう言った。 「『GOM』に引き合わせる前に逃げられちまったらどうすんだ? のんびり慎重なのも良いけど、サクッと進めてやんねぇと元も子も無くなっちまうぜ?」 加賀美と田丸が何を話しているのか理解できない部分が多くあるにせよ、険悪な空気の原因に自分も含まれているという事だけは分かっている金沢。 「それで、俺、清掃の仕事以外にもなにかしなきゃいけないんですか?」 田丸が加賀美の前に出た。 「いや、清掃は地下室から頼みたい。今日はそこが済んだら帰ってもらって大丈夫だ。少々手間がかかるだろうから 給料は俺のポケットマネーから追加して3万円渡す」 「そ、そんなに? 実は財布がピンチだったのでいきなりなんですが前借りをお願いしようかと思っていたんですけど、 3万もあれば当分しのげます! 凄く助かります!」 金沢は喜々として田丸に頭を下げた。 と、同時に腰に巻いたタオルがはらりと落下し、田丸の股間が「御開帳」遊ばしたのだった。 「ぅおお! でっけぇっ!?」  ただし、田丸の陰茎はその大きさに反して先端部分まで包皮に覆われていた。


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