形状記憶コンドーム ブランク編 4
Added 2019-04-21 14:26:55 +0000 UTC4金沢のイデア 落ちてしまったタオルを再び巻き付けるのも面倒だと言う田丸は、ふてぶてしいイチモツを露わにしたまま 金沢を地下空間へと連れて行った。 「この下にはコンドームの製造場所があるのさ。地下にあるってのはまぁ、企業秘密を守るためって訳でな」 金沢にとっては田丸の「企業秘密」と言うフレーズで地下に工場がある事も、都市部から離れた郊外に立地している事も理由として納得できた。 加賀美は2人の後ろをついてくるものの黙って不安げな顔を見せていた。 地下に向かう階段を降りきってドアを開ける。 充満していた嗅いだことのある匂いに金沢は鼻をヒクヒクと動かした。 精液臭いニオイも気にはなったが眼前に広がる光景を目の当たりにして金沢の思考は一瞬でニオイの謎から離れていった。 広い地下空間に並んでいるのは素材を加工しコンドームを製造する機械ではなかった。 レッグプレスにチェストプレス、ラットプルダウンやショルダープレスなどの様々な筋トレマシンに、 エアロバイクやランニングマシンと言った有酸素運動向きのフィットネスマシン。 また、いくつも設置されているベンチプレスの側にはいやに長さのあるバーベルと、巨大な機関車の車輪、いや、車輪と言われれば信じてしまいそうな大きさのプレート(円盤型の重り)がずらりと並んでいた。 「ここが製造場所? コンドーム工場、ですか? どう見てもジムにしか見えないんですけど」 「いや、間違いねぇよ。こここそ我がコンバート社の心臓部。コンドーム製造工場だ。 そして、最も大事な『要』とも言えるモノがあの中にある」 田丸はジムの端に置かれている黒い金庫を手で示した。 「要? ですか?」 「そう。俺や加賀美を作り変えた本家本元。ヒトの中にある淫らな欲望を究極にまで肥大させ、そして、そいつの肉体と性的欲望とを細胞レベルで結合させ進化をもたらす『GOM』ってのがあって、お前を待ちわびてやがるのさ 「何すか? 『GOM』って。俺をからかってるんですか? どう見たってジムに連れて来てここがコンドーム工場だ、とか、進化をもたらす、とか。もしかして清掃のバイトじゃなくてジムの勧誘だったんですか?」 ムッとする金沢に対して田丸はニヤリと微笑んだ。 「勧誘とは言い得て妙だな。だけどちょっと違う。俺は別に嘘はついてねぇしお前を、金沢を騙す気なんざこれっぽっちも無ぇ。 気を悪くしたんなら謝るが、追加して3万も渡すっつってんだし、もうしばらく俺らに付き合ってくれ。それぐらいの時間はあるんだろ?」 「ま、まぁ、そこまで言うのなら……」 加賀美が田丸に近づき耳元で囁いた。 「田丸さん、本当にこのまま進めるんですか? もし失敗したら……」 「ここまで引っ張り込んでおいて全部『忘れろ』とはもう言えねぇだろ? 狩野ん時みたく事前に調査してなきゃ心配だ、って気持ちも分からなくはない。 だがな、いつかはこんな風に調査不足のまま適合者を『GOM』と会わせなきゃなんねぇ時も出てくる状況もあるだろう。それがたまたま今日だった、てだけの話だ」 「それは、まぁ、そうかも知れませんが……」 「なぁに、俺たちの場合だって訳も分からないままだったが問題無く『GOM』と融合したじゃねぇか。 コイツも、金沢だってきっと大丈夫だろう。むしろイデアを喚起しやすいよう俺たちが協力してやろうぜ? 」 「それも……そうですね。分りました。ええ、僕もこれ以上つべこべ言うのは止めます。新しい仲間が無事に生まれるようサポートに徹します」 「おう。ようやく目が覚めたようだな。なら、先に俺たちの正体でも見せてやるとするか?」 田丸は『GOM』を保管した金庫の前で「ふっ」と息を吐きながら股間へと意識を向け力を集めた。 グググと力強く勃起した田丸の仮性包茎ペニスは先端からメリメリと包皮がめくれ上がって、完全に勃起するとすっかり剥けて赤い肉色の亀頭を露出させた。 そして、ビクンビクンと鎌首を上下に「ヘッドバンギング」してはグビュッ! ブジュウッ! とピンク色の粘液を噴き出し始めた! 「わっ! えっ!? た、田丸、さん? 何をやって……」 驚いて近づこうとした金沢を引き戻したのは背後で控えていた加賀美だ。 「大丈夫。すぐに終わるから大人しく見ててくれるかい?」 柔和な優しい表情ではなく真剣そのものの加賀美にドキリとし、口から出ようとしていた言葉を飲み込んでしまった。 放出され続けるピンク色の粘液は、田丸の竿から股間へと伝わり、太ももや足へと流れる。 また一方、ペニスから飛び出た粘液は腹部や胸に取り付き、上へ上へとピンクの面積を大きく広げながら登って行く。 「ぬふう、うぐぅ、ぅおおお!」 ドブッ! ビュルッ! ブビュゥゥ! と連続射精の如くピンクの粘液を鈴口から大量に吐き出し、粘液にドロドロと包み込まれてゆく田丸。 田丸のカラダがピンク色のスライムで浸蝕されていく。 「嘘だろ? スゲェ……、こんなの現実にあんのかよ?」 CGか、VFXの映像なのか? 或いは幻覚を見ているのか? 金沢は変貌して行く田丸を呆然と見ていた。 ピンクの粘液が全身を包み込んだ田丸がゴキッ、メキィッ、と音を立ててサイズを大きくし身長が伸びた。 さらに、ドロドロと溶けたアイスクリームのようだった表面がカラダにピッタリと張り付き、田丸の筋肉のカタチを細部まで明瞭に浮き出させると、 その筋肉がボコボコと膨張し、隆起し、シャープな筋肉のカットを残しつつグングンとビルドアップする。 最後に、深い「谷」になっている大胸筋の溝からズブズブと巨大な半球がせり上がり、「ギュプュ、ブバ!」と皮膜を割き開いて 不気味な目玉が開眼した。 どこからどう見ても怪人、邪悪なオーラが漂うピンクのマッチョ怪人である。 「う゛う゛~ふぅぅ、てぇ~な訳でルストマン、参上、ってな」 「ふぅぅ、同じくグリードマン、変身完了っ!」 「えっ?」 金沢が振り向くと、真後ろには頭の先から足の先まで全身緑色のラバーで覆われたマッチョヒーローが立っていた。 「ええっ? だ、誰? もしかして、そのぅ、加賀美……さん、すか?」 「その通りだ。僕は加賀美。で、この姿は『グリードマン』って呼んでいる。まぁ、呼び方は君の好きにしてくれていい」 グリードマンだ、と言う加賀美の身長は優に2mを超えている。そして、元からマッチョだったその肉体は、 田丸の場合と同じように筋肉の体積を著しく肥大させ、超マッスルボディに、ハイパーマッチョボディとも言うべき奇跡の筋肉量を見せつけていた。 「す、凄ぇ~。か、かっこいい……田丸さんも、加賀美さんも……あ、ルストマンもグリードマンも凄くカッコイイ……」 金沢は大好きだった特撮ヒーローを思い出していた。 子供の頃は自分もヒーローに変身して悪の組織と闘うんだ! とヒーローごっこに夢中になっていたが、次第に悪の怪人や人々を苦しめるヴィランの悪役ぶりにも魅力を感じていくようになっていた。 中学生になって演劇部に入部し芝居をやろうと思った理由は、自分ではない別の「誰か」になる事だった、と言える。 「お、俺も、変身してみたい! どんな技術でその姿に? どうやったら変身なんてできるんですか?」 田丸や加賀美の「もう一つの姿」を見ても引くどころか興奮し、前のめりの反応を見せる金沢。 加賀美に向かって田丸は「な? まずは第一段階、クリアじゃん」と胸を張った。 「金沢。お前も変身してみたいのか? そんなの簡単だ。俺たちの作るコンドームを使って変身するか、『GOM』を取り込みお前自身の欲望と概念結合して自分を進化させるか。 まぁ、ここに来てもらった時点でお前には後者の方法を予定してんだがな」 ピンク色のマッチョ怪人の胸の目玉がニタァと笑う。 「それにしても金沢君は僕らのこの姿を見ても驚かないんだね。適合者だからかな? それとも、余程、変身願望があったとか?」 本物の「変身」を目の当たりにしたためか、金沢の口は滑らかになっていた。 「これでも凄く驚いてるんですけど。でも加賀美さんの言う通り、俺、変身願望がすごくあるんです。 演劇部に入ったのだって、自分以外のまったく別の『誰か』、になれるから、なんですよね。 演技ではあるけど別の誰かに変身してみたい、って。 誰にも話した事は無いんですけど、自分が他の人間になるなんて凄くエロいと思いませんか? 俺、実は、与えられた役の演技してる時、 興奮して勃起してしまうんです。もちろん、勃起してるのがバレないよう締め付けの強いビキニとか二重に履いて行きますし、 先走りが衣装にまで染み込んだりしない様にコンドームを着けたりして対策はしますけどね。 けど、新作の台本もらって初めてのセリフ合わせの時なんかはヤバイほど勃っちゃって、途中でトイレに行って抜いてたりもしてるんです」 勃起しながら隠していた内面を饒舌に語る金沢。 「……加賀美。聞いたか?」 「ええ。金沢君のイデアはどうやらこの辺りのようですね」 「みたいだな。具体的には何者だ?」 「今の彼の話でそこまでは……。あのさ、金沢君?」 「はい」 「今聞いた話を受けて、なんだけど、金沢君はどう言う存在に、……例えばヒーローや怪人、吸血鬼やインキュバスみたいな悪魔、或いは天使とかロボットとか宇宙人、 色んなキャラクターがあるじゃない」 「ええ。色々とありますね」 「一つに絞るとしたらどう言う存在になりたいんだい? どれが一番金沢君にとって『オカズ』になるのかな?」 「一番は、と言われても、その、ピンと来ないな……。俺、それぞれの役になれる、って思うだけでオナってたから。 ぶっちゃけ、何にでも成れる、って前提で色々と妄想するのが……」 「待った! それだ! 金沢のイデアはそいつだ!」 「僕もです! 今の言葉で気付きました!」 ルストマンの巨大眼球とグリードマンの腹部にある縦割れのスリットが嬉しそうにドロリと淫液を漏らした。 「何にでも成れる、だ!」」 「何にでも成れる、ですね!」 金沢のイデア(本質)を掴んだ加賀美と田丸はハイタッチを交わし、『GOM』を収めている黒い金庫の扉を開いた。