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鷹取リュウゴ
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形状記憶コンドーム ブランク編 7

7「コピペ」コンドーム  マッチョな白いマネキンが巨根ペニスの先から粒の大きなゼリーの塊をボトボト吐き出す。 拾って見るとそれはゼリーでは無く、一つ一つ細い尻尾を持った巨大な「精子」だと分かる。 そんな巨大精子が吐き出される順に縮んで白色の「コンドーム」へとカタチを変えた。 際限無くいつもまでも巨大精子を射精し続ける勢いであったが、段階的にペニスの噴火は収束し、ほどなく 停止した。 数百個のコンドームが誕生している。 白いコンドームは全て「生きている端末」としての機能を有していて、装着した男の性的エネルギーを生みの親の マッチョなマネキンにフィードバックして行く。 「それで、コンドームの名は何にするんだ? 転生したお前の名前としても使うけどよぉ」 「僕や田丸さんは自分で考えて名付けましたけど、他のメンバーは一般的な既存の名称をそのまま使ってます。 ヴァンパイヤ、とか、オークとか。 代表の佐奈さんはインキュバス。狩野さんは複数の獣人になれるので単に獣人、と呼んでいます」 マネキンはまだ個包装が住んでいない自分の「子機」を見つめてから、ふ、と頭を上げた。 「俺は……、俺のコンドームは、『ブランク』にします」 「『ブランク』? 空白って意味の『ブランク』かい?」 「そんなんで良いのかよ?」 ルストマンの胸の眼球がぎょろりと見下ろした。 「はい。そうですね。説明する前に一度着けてもらった方が分かりやすいと思います」 「――じゃぁ、僕が」 出来立ての白いコンドームをひとつ取ったグリードマンは、縦に裂けて割れている股間のスリットからズルンと腕のように突き出ている巨大チンポの亀頭にそっと宛がった。 するすると勝手に竿を包み、根元まで下りてゆく。 コンドームの薄い膜は止まる事なく更に拡がって、股間からグリードマンの全身を隈なく覆い尽くした。 ここまでは予想通りだったためリラックスしてコンドームに身をゆだねていたグリードマンだったが、次の展開を待っているのに一向に変化がない。 「……? 変だな? 金沢君みたいに白いマッチョ人形へ変身しないんだけど? まさか、不良品だったかな?」 グリードマンの緑のスーツボディはまるで何も着けていないかのようで見かけ上の変化が無かった。 「コンドームへの形状記憶がうまくできてないようだな」 ルストマンも顎に手を当ててう~ん、と唸る。 何せこれまで不良品など一つも生み出された事が無かったのだ。 ここへ来て金沢と『GOM』との融合が不完全だったのか? と先輩2人は顔を曇らせた。 「まだ結論付けるにゃ早ぇよな。俺も着けてみよう。念のためヒトの姿に戻るとするか」 ルストマンからもう一つの真の姿である人間「田丸 修」に戻り、新たに別の白いコンドームをチンポに装着。 するすると広がり全身を覆う。 「…………おかしいぜ。これほど無反応なんて……。意識へのアプローチも感じねぇし肉体もまるっきりそのまんま、とはな」 「田丸さん。やはり異常としか言えません。『GOM』との融合が失敗しているのか、或いは、拒絶反応が 起こっているのか」 「そう言う場合の解決策は知らねぇぞ? 俺の『GOM』にゃそんな情報が無いしな」 「僕もですよ。そもそも融合が失敗したのなら変身もしませんしコンドームも作れない筈、なんですけど」 「これで良いんですよ」 マッチョなマネキンが「ふふっ」と笑った。目も鼻も口も無いのっぺりとした頭部ながら「そう」見える。 「俺のコンドームは空白、『ブランク』なんですから」 「おい、そいつぁ一体どう言う意味だ?」 田丸がマネキンの前に出ると、マネキンは田丸の頭の天辺にある「つまみ」をピンッ、と引っ張った。 すると、コンドームを着けた時とは逆に全身から股間へとコンドームが集まり、映像を逆再生で見ているかのように陰茎の根元からズルゥと戻り、やがて亀頭の先まで巻き込んでポロリと外れた。 外れたコンドームは再びモコモコと形を大きくさせ膨らむと、色も、カタチも、屈曲する血管や質感もまったく瓜二つの「田丸のチンポ」になってしまった。 グリードマンやルストマンの生み出すコンドームの場合は、外れれば元の「未使用」のコンドームに戻る。 しかし、目の前にあるのはどう見ても「田丸のチンポ」にそっくりなディルドではないか。 「異常ではないですよ。外れたコンドームが装着した人のチンポになるのは」 いや、やはり異常ではないか、と言おうとした二人を制し、マネキンは至極当然のような面持ちで出来上がった「田丸のチンポ」を掴んだ。 「まぁ、ここまでは準備と言っていいかと。こっからが本番なので」 掴んだ「田丸のチンポ」の根元部分に小さな穴がある。 その穴にマネキン金沢は容赦なく巨大なペニスを挿入した。 ――グプ! ズブブ! 柔軟な「田丸のチンポ」はマネキンのペニスを飲み込み中身に合わせて拡大していたが、グニャグニャと蠢いたかと思うと 「中身」のサイズもカタチも作り変え、巨大マネキンペニスから「田丸のチンポ」へと引き戻した。 すると、股間の変化に引きずられるかのようにしてマネキンに人らしい皮膚の色が生まれ、筋肉がどんどん引き締まってサイズダウンし、 卵みたいだった頭部に目も鼻も耳もでき、髪まで生えて人間の姿へと変身した。 その間、強い快感を味わっていたのだろう。チンポの先から先走りがダラダラと溢れ出ていたのだった。 「はぁぁぁ、気持ちィィーーーー!」 「田丸さん!? ど、どうして金沢君が田丸さんに?」 マッチョなマネキン人形だった金沢は変身して田丸になっていた。 もう一人の、本物の田丸も目を丸くしている。 「ハハッ! 成功だぜ。このコンドームは不良品なんかじゃないっての。ちゃんと田丸の姿形、それに中身もまるっとコピーしてくれてるぜ」 声も話し方も「田丸」と一切違いが無い。 「これで俺は田丸になった。田丸の記憶もあるぜ? ……ふぅん、海洋研究者だったんだな。それに加賀美も。 コンバートを立ち上げる時は結構苦労したんだなぁ。 うん? なんだ、アナルの良さを知ったのは中学ん時かよ? んで、女遊びもやったものの男とのほうがやっぱし気持ち良くて、病みつきになってた、ってか?」 ニヤァと「元・金沢」の田丸が田丸に笑う。 「ど、どうなってるんです?」 「……そうか、俺をコピーしたようだな。コンドームを使って」 「ご明察。そう。俺のコンドームは装着した奴の姿形だけじゃねぇ。記憶や思考、能力って言う中身も丸ごとコピーしてくれんだよ」 「だが、自我はちゃんと『金沢』のままなんだな?」 「当たり前だ。自我まで上書きしちまったら俺が消滅しちまうぜ」 「能力までコピーできるなんて……」 「まぁな。だもんで、俺もルストマンになれんだよ」 フッ、と息を強く吐いて意識をカラダの芯に向けると、「元・金沢」の田丸はペニスからピンクの粘液を噴き上げ、 あっという間にバルクマッチョで大胸筋に巨大眼球を持つ「ルストマン」へと変身した。 「おう、この軟体ボディ、たぁまんねぇ~! テメェのチンコでテメェ自身のケツにぶち込んでアナルオナニーできるってのは便利だな!」 くるりとカラダの向きを変えた「元・金沢」ルストマンは、グリードマンの頭の「つまみ」を引っ張った。 「ああっ!」 ズルンとめくれ股間に集まったコンドームが巨大なグリードマンペニスからストンと落ちると、すぐにムククと膨張してさっきまで覆っていたグリードマンの股間の肉棒だけを復元。 その肉棒の穴に自身のペニスを挿入すれば、ルストマンだった金沢は、今度はグリードマンそのものへと変身した。 「これほどの性欲の強さだったんですね。性豪超人なんてオーバーだな、って聞いた時思ったんですけど、 なるほど。そう言わざるを得ないって分かります。 それはまぁ、どうでも良いとして、これで僕も加賀美さんとグリードマンへの変身が可能になったんです。 お二人とも、ご協力ありがとうございました」 やはり声も、口調もグリードマン(=加賀美)と同一に聞こえる。 「ハッ! 有りだぜ……大アリだぜ! なぁ! 加賀美よぉ! コイツは凄ぇコンドームじゃねぇか!」 田丸が何かをひらめき満面の笑みを浮かべた。 「そうですね。僕もそう思います」 「おい、金沢。同じ見た目の奴が二人いたらこんがらがってくるから、一旦元に戻ってくれ」 「ええ~? まぁでも、仕方ないか。了解っす~」 ドロリとカラダの表面が融け、「グリードマン」から人間の金沢の姿になった。 足元には二つのチンポが転がっている。一つは田丸、もう一つはグリードマンの巨大チンポ。 「コピーした時の相手のチンポの形がデフォルトになるんです」 「みてぇだな」 拾い上げた田丸は底にあたる根元を覗き込み柔軟に拡がる穴を確かめた。 「例えば、なんだが。俺がグリードマンのコイツを着けたとすると、どうなる?」 「田丸さんもグリードマンに変身しますよ。ただ、外したら変身は解けてしまいます。俺は一度コピーしたら コンドームのディルド無しで、いつでもコピーした人に変身できますが」 再び金沢が田丸へ、そして加賀美へと変身し、金沢の姿になった。 「見たか? 加賀美。俺らの仲間に超便利な奴が加わったじゃねぇか」 「ですよねー。これなら金沢君に僕らの代役もお願いできますし、もしもの時のアリバイ作りだって完璧になるでしょう」 「だったら俺がブランク(空白)のコンドームを着けて俺の全部を形状記憶コピーすれば……」 思い立った金沢は別のコンドームを自身のペニスへと装着してみた。だが、チンポに触れてもコンドームは勝手に伸びず、全身を覆うこともない。 まったくの無反応であった。 「自分をコピーするのは無理みたいだな。オリジナルの複製はあきらめようぜ」 「う~ん、残念だなぁ」 田丸と加賀美は少し残念がったが、金沢を迎え入れたメリットの大きさに比べれば些細なことだ、と考えた。 「それで、俺はこれから清掃作業をしたら良いんですね?」 「うん? お、そういやそうだったな」 「忘れてましたね。でも、今日はもういいんじゃありません? コンドーム作りで疲れたでしょうし」 コンドームを作る時には筋トレで筋肉に強い負荷を与え、刺激された筋肉が快感を感じる必要がある。 金沢もコンドームを初「製造」する前にはヒトの時では決して耐えられない重量を用いて全身を「苛め」ていた。 「俺もそう思う。ああ、ちゃんと追加で払うっつった金も渡すから心配しなくていいぞ。 何なら倍にしてやろう」 「ええっ!? 倍に? てことは、6万円も!?」 金沢は瞬時に頭の中で計算した。食費や交通費を除いても一か月余裕で暮らしていける。前借りなどしなくて済む、と心の中でガッツポーズを作った。  『おおーい! ただいまぁ~! お土産連れてきたよ~』 地下室の入り口から声が聞こえた。 金沢が振り向くとグレーのスーツをビシッと着こなした人の好さそうな男と、黒のスーツをだらしなく着こなした男が入って来た。 「おお!? もしかして新しく採用してくれた子かい?」 「そうです。バイトとして迎え入れました。こちら、金沢君はまだ学生ですので」 「そっか、そっか! 金沢君、と言う名前なんだね? 私はここの代表みたいな者で佐奈って言うんだ。 そして彼は狩野君。ちょっととっつきにくい雰囲気を醸し出してるけど、動物好きでとってもチャーミングな子だから 仲良くしてやってね」 「は、はい。よろしくお願いします!」 「君の後ろの加賀美と田丸に加えて、あともう2人社員がいるんだけど、その二人は別の仕事を持っていてね――」 「なぁ。連中を放置してちゃマズイんじゃねぇ?」 狩野が佐奈をせっついた。 「おっと! そうそう! 今回はみんなにお土産を、って思ってね! さぁ! 入って入って!」 「失礼します!」 ぞろぞろとさらに5人の男が地下室に入って来た。 いずれも「ごつい」とか「いかつい」言う言葉が似合う屈強なビルダー体形のガタイを見せている。 「この子たちは社会人ボディビルサークル『MAXマッスル』のメンバーでね。ほら! 見て見て! 筋肉も凄いカッコイイし顔も雄の色気が濃厚でムンムン溢れているよね? こーんな美味しそうな極上の男がいたら味見したくなるのが人情、いや、インキュバスの情で淫情ってもんだと、お? 今、上手い事言っちゃったね!  まぁ、そう言う訳で、つい……」 「つい誘惑してここまで連れて来ちまいました。佐奈さんの暴走を止められず、ブレーキ役の任を果たせなくて申し訳ない」 狩野が棒読み且つ無表情で彼らがやって来た事情と自分の落ち度を捕捉した。 「佐奈さん。念のためお聞きしますが」 加賀美がじっと佐奈を睨んだ。 「う、うん? 何だい?」 「彼らにはどの辺りまで手を加えました?」 「え、ええーと、誘惑及び洗脳・催眠による私たちへの服従。私たちへの違和感と疑念の抹消。 インキュバスコンドームで全員が男好きになってるのは言わずもがな。 あとそれと、ちょこっと肉体改造もした、って感じ?」 「ちょこっと、じゃない。大幅に、だ」狩野が佐奈の言葉を訂正した。 5人の男たち全員、股間の膨らみが尋常ではない。 「で? 元には?」 田丸が狩野に聞いた。 「無理だな。常識が焼き切れちまってる。すっかり佐奈を含めた俺らの性奴隷になっちまって」 「佐奈さ~ん?」 「佐~奈~!」 「ひっ!」 佐奈が狩野に救いを求めるも腕を組んで黙殺された。 「後始末する手間を増やさないで下さいって、前も言いましたよね!?」 「尻ぬぐいする身にもなれって、前に言ったじゃねぇか!」 「ひゃぁああ! か、金沢君! た、助けてくれぇっ!」 事情が分からない金沢だったが金沢なりに場の空気を読み、佐奈にこう告げた。 「じゃぁ俺、バイトなんでそろそろ上がろうかなー、って」 「うわーーー! そんなぁ~~!」


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