淫欲流星コンバーター 10
Added 2019-11-07 15:42:25 +0000 UTC10同類グラヴィティ 昴が通っている大学は創立100年を超える私立の総合大学である。 一部の学科を除きほとんどの建物は府具利市の「ふぐりキャンパス」にまとまっている。 鉄道駅からは徒歩で10分ほど。 都心と郊外の境界と言えるような環境で駅近辺は商業施設が多いものの、学生の下宿先となるような住宅も多い。 大学には学生食堂、売店、と言ったおなじみの施設だけでなく、コンビニや美容院、クチコミサイトでの評価が高いレストラン、24時間営業のネットカフェまで併設されており、大学だけで一つの街だと言えるほどに施設が充実している。 朝野はこの日から一か月、大学内の臨時コンビニ店員として派遣されていた。 そして細見は、朝野がヘルプで入る学内コンビニの、レジの不具合を調整するために出張していた。 こうして、二人は大学内のコンビニで初めて出会う事となった。 しかし、『ゼクスパー』との融合を解除し分離していたため、お互い『ゼクスパー』を所持していることなど知る由も無かった。 朝野も細見も普段より高い性欲を押し込め、何とか「日常」と折り合いをつけながら、意識を業務に振り向けている。 「どうですか? サーバーとの接続はできるようになりましたか?」 朝野がコンビニのジャケットを身に着け細身に尋ねる。 「いや~、申し訳ないですねぇ。もうしばらく時間がかかると思います。設定そのものは問題無さそうなんですが、それが逆にどこが問題点なのかを分かりにくくなってしまって」 トラブル発生時に備えて用意していたサブ機を繋いで単純なレジ対応はなんとかなるものの、チケットの発券や各種料金の納付などには使え無いシロモノだった。 「ダメな場合は本部に連絡して新しいレジと入れ替えるよう聞いてますんで、気にせずギブアップしちゃって下さい」 「あ~、ありがとうございます。でも、もう少し頑張って調べてみますんで」 レジカウンターの床に座り込んでレジ本体と繋いだノートPCを操作する細見は、モニターに浮かぶデータの文字列をじっと凝視していた。 そんな学内コンビニへとこの日の朝、最初に来た客は「星輪 昴」だった。 夜明けまでセックスに没頭していたため一時間ほどしか休んでいないにも関わらず、たっぷり睡眠を取った朝のように清々しい気分であった。 ただ、気分が清々しくとも強い空腹感は覚えていた。かなりのエネルギーをセックスで消費したためであることは確実だろう。 かなり早いものの学内のコンビニで朝飯をゲットして食べておけば、前日のように遅刻することもあるまい。 そう昴は考えてやって来たのだ。 共に明け方まで快感を貪っていた高丸と光の二人は、 「昴の部屋でシャワーを浴びたって新しい着替えも無ぇし、今日提出の課題も持って来てねぇから一旦戻るとするわ」 「僕も一色さんと一緒だ。一度戻って身支度と持ち物のセッティングをしないと」 そう言って二人は日の出前の薄明かりの空の下、自分の住み家へと帰って行った。 ただ、二人が帰る前に、自身と融合した『ゼクスパー』について今の段階で把握している情報を、高丸や光にざっくりとだが説明していた。 「――と、まぁ、信じるか信じないかはお前ら次第だけど」 「実物を前にすりゃ信じる一択しかないけどな。でも、理解はあまりできてない」 「僕も正直言って一色さんと同じだなぁ。ただ、どっちの兄さんも素敵だよ」 そして、高丸と光の間に見られた険悪さは随分と和らいでいた。それもそのはず、セックスの「流れ」とは言え高丸と光も互いにノリ良く嵌め合い心地よく交わっていたからだ。 コンバートした昴とはまた違った締め付けと肉圧の快感は、両者の頑なな反発心をあっさりと溶かしていた。 昴としては高丸と光が激しく対立する事がないのなら、細かい事は置いておいて「ひとまず良し」、として安堵していた。 一人になった昴はコンバートを解除し元の姿であるノーマルフェーズに戻るよう『ゼクスパー』に命令した。 分離は不可能だとしてもノーマルフェーズであれば外出しても問題は無い。 『ただ今、データ破損領域が増大し機能障害が発生しています。コンバート解除不能。ファーストフェーズよりフェーズダウン不可能』 「うえっ!? マジか……ファーストフェーズまでしか戻れないのかよ!」 解除できずとも空腹には抗えない。昴の部屋に朝食となり得る備蓄は無かった。 マッチョボディでも何とか着られる衣服を身に着けた。真っ赤に逆立つ髪はパーカーのフードで隠して行こう。 鏡で確かめるとパーカー越しでも分かるほどパッツンパッツンに胸板が盛り上がっている。 下半身に目をやると、はち切れそうな太ももと、存在感を示し過ぎるほど浮き出る陰茎のカタチが羞恥を誘う。 「くっそぉ~。これじゃ露出魔と変わりないんじゃないか? でも、今は我慢するしかねぇし……」 それゆえ、人目を避ける意味も相まって、昴が学内コンビニに到着したのは営業開始直後の早朝になった。 「いらっしゃいませ!」 学内コンビニとは言え構造は街中のコンビニと変わりは無い。 いつもと違うのはレジの片方でスーツを着たサラリーマンが座り込み、レジと繋いだノートパソコンとにらめっこしている点だけだろう。 「ただ今レジが不調で、悪いんですが料金収納とかチケット発券などは取り扱えないんです。申し訳ありません」 「あ、単純な買い物だけなんで、大丈夫っすよ」 昴は気さくな笑顔を店員の若者に向けた。 この瞬間、コンビニ店員は昴に魅了されていた。 (なんなんだこのカッケー人は! すんげえガタイも良いし股間もヤバイ! 超モッコリしてんじゃん! あんなの見せつけられたらムラムラしちまうんだけど!) コンビニ店員とはもちろん、派遣型アルバイターの朝野である。 『ゼクスパー』を分離させている朝野のカラダはごく普通の地球人男性としての機能しか保有しておらず、ムクムクと勃起した15cmほどのチンポは さりげなく手でずらして位置を修正するのみで目立たなくすることに成功していた。 そんな朝野から熱い視線を浴びているとは知る由も無く、大量のおにぎりやパン、ドリンクを選んでレジカウンターに戻る。 「むむ、ちょっと買い過ぎかな」 「どうされます? 商品を戻されますか? それとも清算し始めて大丈夫っすか?」 「う~ん……、やっぱりそのまま会計しちゃって下さい」 「分かりました!」 食べられる時に食べとかないと、いつまた『ゼクスパー』絡みで食事ができるか分かったもんじゃない。 いくらとんでもない機能を『ゼクスパー』が持っているとしても空腹を満たす機能が無い事は、今の自分で すでに証明されているのだから……と、バーコードを通されるおにぎりやサンドイッチを見守りながら昴は考えていた。 ただ、この時、昴は無意識に『ゼクスパー』と言う単語を呟いてしまっていた。 床に座って黙々と作業をしていた細見が『ゼクスパー』と言う言葉に気がついて顔を上げた。 (おお~! ここまでエロい上にガタイが逞しい学生が居たとは! それに『ゼクスパー』と口にしていなかったか? ならば、この学生も『ゼクスパー』の持ち主だろうか? それにしても良い男だなぁ。股間のずっしりと詰まってる感じがまた最高じゃないか! うう、まずい! すっかり勃起してしまった!) 昴の至近距離に立っている朝野は、当然ながら細見以上にハッキリと昴のつぶやく声が耳に入った。 (俺以外にも『ゼクスパー』と融合している奴がいるとは! なら、このマッチョな肉体はまさかコンバートしたままだと言うのか? もっとちゃんと、確信が持てるほど確かめるにはどうすれば……) 「え~、おにぎり8個にサンドイッチが4つ、焼きそばパンが2個にクリームドーナツが1つ。レモンウォーターが3本、で、2千2百円になります!」 内心は穏やかでは無いものの、露骨に聞くわけにもいかない。朝野はいつも通りのスマイルを顔に貼り付け昴からお金を受け取った。 (ああ~、お釣りを渡したら帰ってしまう~! 不信感を持たれる事無く確かめる方法はないのかよぉ~!) 細見が不意に立ち上がった。 ノートパソコンに繋いでいたケーブルを引き抜き、昴の背後を通り抜けるような動きを見せた。 「おっと! 申し訳ありません」 手の中で小さくぐるぐる巻かれ、小さくまとめられようとしていたケーブルが反発してパンと撥ね、先端部分が昴のフードに乗り上げた。 引き戻そうとした細見は先端部を掴むと同時に昴のフードを摘まんでサッと背中側に下げてしまった。 フードの中から現われたのは燃え盛るように逆立つ真っ赤な髪。 「うわわ、くそ、脱げちまうなんて……」 「おお! 凄い髪色ですね! バンドか何かされてるんですか?」朝野は思わず尋ねていた。 「いや、コイツは『ゼクスパー』のせいでこうなってるだけ――って、いけね!」 「ゼクスパー?」 「やはり、聞き間違いなんかじゃなかったようですね」 コンビニ店員朝野、背後に立つサラリーマン細見も、息が止まったかのようにじっと昴見つめた。 「え? いや、あの…………」 咄嗟に口から誤魔化す言葉が出ない。二の句が継げない昴。 朝野は手元にあったメモ用紙に電話番号をサッと書き、昴に渡した。 「後で絶対連絡下さい! 『俺も』なんで! あ、いらっしゃいませー!」 二組目の客がコンビニに入って来た。 雑誌コーナーに向かったかと思うとすぐにレジの前にやって来た。手にはこの日発売の週刊漫画雑誌がある。 朝野はレシートと釣り銭を昴に手渡すと昴の背後に並んだ次の客を通した。 「お次にお並びの方、どうぞ~」 細見もまたレジカウンターの中に入り作業に戻った。 昴は渡されたメモとコンビニ店員やサラリーマンに真意を尋ねたかったが、二組目以降次々と買い物客が入り始めてしまうと断念せざるを得なかった。 昴が学内コンビニの外に出て20分後、レジ対応にようやく「空白」が生じた。 「……さて、あの赤い髪の学生さんもだけど、朝野さん、あなたまで『ゼクスパー』の持ち主でしたか」 「それは俺のセリフっす。こんな偶然あるんだな、って驚いちゃってますもん。細見さんもお仲間だったとはねぇ~」」 「それにしても細見さん、彼のフードにわざとケーブルを乗せて下ろしちゃったでしょ? 中々の策士だと思いました」 「いえいえ。あれは偶然、と言う事にしておいて下さい。ですが、あの真っ赤な髪だけでも『ゼクスパー』使用者である証拠の一つにはなるんでしょうけど、最終的にはそのものズバリを口に出したのが決定打、でしょう。 それを聞き逃さず念を押した朝野さんの誘導が見事でした」 「あはは。上手い事言いますね、誘導って。そこまで考えてた訳じゃないんすけどね。 で、それはそうと、プライベートな連絡先も交換しておきませんか?」 「そうですね。私からも提案しようと思っていた所ですよ」 朝野と細見は個人で使用するスマホを取り出し、互いの番号やメッセージアカウントを交換した。 「もっと色々とお話したい事もありますけど一応勤務時間なので、……仕事が終わったら会いませんか?」 「もちろん会いましょう。それと、ようやく不具合の原因が特定できましたので、もう少しでレジは使えるようにまりますよ」 「あっ、そうなんすか? いや~、良かった~。ああ言ったものの本部に新台と入れ替えるよう頼むの、面倒なんで、助かりました!」 「いえいえ。大変ご迷惑をおかけしました。再起動の後、確認ができ次第引き上げますので」 「お疲れ様でした! 朝早くからの対応、ありがとうございます!」 「とんでもない! こちらこそこんな朝早くから対応して頂いてありがとうございました」 互いに頭を下げ合う。 お辞儀で下げた上半身を起こした細見がニヤッと微笑む。 「で、ここからは仕事では無くプライベートの細見としてお願いがあるんですけど」 「何ですか? 細見さん」 「さっきの学生さんに連絡先を渡していたでしょう? 朝野さん」 「ええ。渡しました」 「もし、連絡があったら私にも教えてもらえませんか?」 「要するに、ヤる時は細見さんも混ざりたい、と?」 「話が早いですね。でも、その通りです。彼のあの姿、恐らくファーストフェーズだと思いますが、どうして解除しないで行動していたのか、も気にはなりますが、 それ以上にあのガタイとご立派な股間を目にしたら是非とも味わいたくなってしまって」 こう話す細見のスラックスもモッコリとしていた。 「正直っすねぇ。でも、俺だって一緒です。彼と気持ち良くサカリたい、ってのは。ただ、朝野さんのも味わいたいな、って今は強く思います」 するりと朝野は細見の隆起部を撫で上げた。 細見もまた浅野のテントをグニグニと揉んだ。 「光栄ですね。『ゼクスパー』のお陰でムスコの反応は凄く良くなりましたけど、それ以上に男に対しての欲望が女以上に強くなっていて、少々戸惑っていたんです。 ですが、朝野さんを見ていて吹っ切れました。自分も少し積極的にならないとな、って」 「んうっ!」 「は、んぐっ!」 しかし、すぐに互いの手は股間から外された。 「まぁ、これ以上はマジで我慢ができなくなっちまいますから」 「ですね。ここからは次に会う時のお楽しみ、と言う事で。名残惜しいですけど」 新しい客が入店すると同時に朝野も細見も再び仕事モードに戻った。 「では、確認できましたのでこれで作業を終わらせて頂きます。もし、また異常な点があるようでしたら弊社までお手数ですがご連絡下さい」 「ありがとうございました。次も何かあったらよろしくお願いします」 細見が学内コンビニから退去すると、入れ替わるようにして昼の最大繁忙時間を跨ぐシフトの短時間スタッフたちが顔を出した。 「今日からのヘルプスタッフさんすか? 俺は小林、こっちは加藤って言います。取りあえず小休憩に入っちゃっていいっすよ~」 「分かりました。それじゃぁ、ちょっと休憩いってきます~」 朝野はコンビニのバックヤードに入り、店内から姿を消した。 ここまでの一部始終を興味深く見ていた男が居た。 「へぇ~、そうかい、そうかい。アイツらも『ゼクスパー』の所有者だったとはなぁ。 しかし、星輪はなんで分離どころかフェーズダウンもせずに登校してやがんだ? いくら目立たないように気を付けてもなぁあれじゃすぐバレるぞ? それに、どうやって授業を受ける気なんだ?」 顎に薄く伸びた髭を撫でつけながら警備員室で監視モニターを見つめているのは警備員の尾張である。 尾張の手の中には大学に入る際に渡された細見の名刺があった。 「スターシステムソリューション株式会社の『細見 厚』か……。んで? コンビニに新しく入って来たってのが――」 尾張はパソコンに登録されている学内事業者一覧からコンビニの項目を選択し、登録されている人物名を眺めた。 「こいつか。『朝野 夕』ってヤツだな? さぁて、どっちから狩るとしようか」 警備員の制服越しに半勃起したイチモツを撫で回しながら思案する尾張。 「……やっぱまずは星輪を先に頂くとするか。お? そういや明日からハロウィンイベントだったよな? ……へへへ、良い事思い付いたぜ」 「あれー? 尾張さん夜勤明けなのにまだ残ってたんすか~?」 若い後輩警備員が朝の巡回を終えて戻って来た。 「まぁな。だが、もう帰るところだ」 「お疲れ様っす。そんで今日の夜勤は……」 「因幡のオッサンが出てくるだろ?」 「あ~、そうだった。昼からは因幡さんと俺っすか……。あの人、何でも俺に押しつけてくるから苦手なんすよね~。尾張さんだったら良かったのに」 「まぁ、そう言うな。明後日には日向さんも復帰する予定なんだからよ」 この警備員室の人員は基本的に4人体制であった。 「そうらしいっすね。悪性じゃなくて陽性の腫瘍だったそうで。退院した翌日から仕事に復帰できるほど回復してるとも聞いてるっす」 「おっと、こんな話してたら帰りそびれちまう。んじゃぁな。後は頼んだぞ」 「了解っす~!」 警備員用のロッカールームに入った尾張は周囲に誰も居ない事を確かめると、自身の鞄から黒い棒状の物体を取り出した。 まるでそれは黒いペニス。30cm近くもある極太のディルドであった。 だが、これが尾張の『ゼクスパー』なのである。 初めは球状の『ゼクスパー』をカラダから分離させる時に、任意の形状にする事ができるのだ。 特に意識せず分離した場合はデフォルトである球状になるが、尾張は『ゼクスパー』をペニスを模した愛用のアダルトグッズの形状にして持ち歩いていた。 尾張はディルド型『ゼクスパー』を握ってニンマリと微笑むと、馴染みのアダルトコスチュームショップへと電話をかけた。 「もしもし? 『L&Rフェティッシュ』さんですか? 俺です。尾張です。で、今日って営業されてます? あ、もうやってますか。このあと伺いますんで、ええ、よろしくお願いします。 ところで、特大サイズのスーツって在庫ありましたかね? ……お、ありますか! そうなんですよ~、 そいつを買いに行きますんで。え? マッチョのセフレができたのか? って? あはは、まぁ、当たらずと言えども遠からず、としか言えませんね。その辺りはご想像にお任せします。 じゃぁ後ほど。はい、それじゃ、また」