淫欲流星コンバーター 12
Added 2019-11-09 23:26:36 +0000 UTC12天野 光 『お疲れ様でした~』 日没が近い夕暮れのショッピングセンター、に付属して建っている立体駐車場。 ピンクの軽自動車から出てきた降りて来たのは昴の義理の弟・「天野 光」であった。 荷物は持たず衣服は大学に居た時と変わり無い。唯一変化があるとすれば頭髪がしっとりと湿り気を帯びているくらいだろう。 光は一旦帰宅した後、都心のスタジオにてアダルトグッズやエロいコスチュームを身に付けた広告画像を撮影する仕事をこなして来たのだ。 「今日は新作のマイクロボクサーを4点、オナホが2、ディルドとアナルパールがそれぞれ1、そして、 ラバースーツを一着の予定です。 時間が限られていますんで、早速撮影に入りましょう」 撮影スタッフの若い青年が光から荷物を受け取りながら今回の段取りを説明する。 「分かりました。では、着替えますので商品を衝立の裏に回してください」 更衣室で着替えたりはしない。撮影の流れをできるだけ遮断せず「勢い」で撮るのがベストなのだ。 光は手際よくマイクロボクサーを穿き変え、オナホやディルドを股間に寄せてはエロい体位をカメラマンに向ける。 撮影するカメラマンは光を撮影するのは初めてではないのに、その都度股間を大きく勃起させ光を言葉で煽りながらカメラに収めていく。 順調に撮影は進み後はラバースーツだけとなった。 「あれ? 凄く内側の手触りが良いですね。このスーツ。見た目はいかにもラバーって感じなのに」 「アメリカで開発された新素材を内側に使ってるらしいね。 たしか、謳い文句は『呼吸するラバー』だとか。長時間着ていても蒸れないのがポイントだそうだ」 40代のカメラマンがレンズを取り替えながら光に説明する。 「へぇ~。それでサラッとしているんですね」 「そう言う事。色違いなんかを含めたら10種類ほどあるけど、今回は代表して一種類を身に付けてもらう。 あ、ビキニは外しておいてくれよ。少しくらいチンポのカタチが浮き出ていないとダメだからね」 「分かってますよ~、って、あれ? このスーツって頭まで中に入れちゃうタイプなんですか」 「お? そうなってる? 頭まで被るんだったら全身を撮っても構わないだろ?」 「それは大丈夫です。顔出しさえ無いなら問題ありません」 「光クンは顔を出したらもっと売れるのになぁ。うーん、つくづくもったいない」 「嫌ですよぉ~。これでも真面目な学生で通ってるんで。それと、身バレは絶対したくありませんから」 無駄な脂肪の無いスリムなボディをスルリと収める黒いラバースーツ。 股間から胸の乳首に向かってV字に銀色のラインが伸びている。 等身を映す鏡で確認してみれば、これまで着せられたラバースーツ以上にぴったりとフィットしなまめかしい雰囲気を醸し出していた。 「これで良いですか?」 「おお! バッチリだよ! いつもよりエロさが倍増して見える!」 フラッシュが幾度となく炊かれまばゆい光がスタジオ内に満ちる。 撮影が終われば軽くシャワーを浴びて元の衣服を身に付ける。 一度袖を通した物は商品にならないから、とマイクロボクサーと一緒にラバースーツもプレゼントされた。 そして、いつものようにスタッフの一人に車で送ってもらっていた。 ただ、昴にだけはこの仕事を知られたくないので、自宅前ではなく歩いて数分も離れた場所で降りることにしていた。 この時は、ショッピングセンターの立体駐車場であった。 車から下りてドアを閉じようとした光の動きをスタッフは呼び止めた。 「光クン、今日はすんごく良い表情してたね? 何かあったのかな?」 「顔に出ていました? あはは、そっか、顔にも出ちゃってましたか。 その通りなんです。 とても良い事が昨夜あったんですよ。 詳しくは言いませんけど願いの一つが叶ったんです」 「それはそれは。おめでとう。で、そんな上機嫌の光クンと今日はヤりたいんですけど?」 若いスタッフは座席を後ろに引き股間のチャックを開くと、中から大きく勃起したイチモツを引き出し光に見せつけた。 このスタッフの男は切らずにキープしている程良い距離感のセフレの一人である。 「ごめんなさい。今日は無しでお願いします」 「ええ~、楽しみにしていたんだけどなぁ~」 「ん~、じゃぁ、お詫びにフェラだけ。それで我慢して下さい」 「そうかぁ。しょうがないなぁ。それじゃぁ、フェラだけで我慢するよ。次はガッツリ本番までヤらせて欲しい」 「そうですね。また次に、お願いします」 車内に戻った光は運転席に上半身を傾け、男の股間に顔を埋めた。 数分後、ティッシュで口許をぬぐい取った光は、今度こそ車から降りた。 秋の日没は早くも残照を失い、すっかり夜の闇が空を覆っている。 ピンクの軽自動車が動き出し光のそばから離れると、壁の無い立体駐車場の中には冷たい風が通り抜けていた。 「……やっぱり精液も兄さんのほうが美味しかったな。さて、このまんまじゃ買い物は無理だし、ちょっと治まるまで休んでいよう」 送ってくれた男のチンポをフェラした光も股間を大きく膨らませていた。 光が降りた場所には他の車が無かったため気安くフェラチオを行ったものの、このままショッピングエリアに移動するなど抵抗がある。 光は今夜も兄、昴のために夕飯の食材を購入し、立ち寄るつもりなのだ。 「昨日が鍋だったから、今夜は軽めにしてみようかな……、あれ?」 勃起したチンポを落ち着かせながら夕飯のメニューを考えていた光。 その視界の端に微かに光るモノが入って来た。 「何だろ? 誰かがスマホでも落としたのかな?」 光はゆっくりと足を向けた。今いる場所よりもさらに奥、ショッピングエリアに向かう連絡通路から真反対の位置だ。 防災倉庫と書かれた物置小屋の陰から呼吸するかのように明滅する物体が確認できた。 マスクメロン程度の大きさがある球体だった。 表面全体は焦げたように黒く、割れた隙間からドクン、ドクンと赤い光が漏れて脈打っている。 「何だろ? これ。玩具かな?」 そっと手を伸ばし球体を持ち上げる。 と、その時! 「んわ!? むぐ! むぐぅぅーーーーっ!?」 球体からグビュルと這い出た肉色の触手がいきなり光の頭部を飲み込んだ! よろけて転びそうになるのをなんとか耐えながら触手を引き剥がそうと必死でもがく。 しかし、触手の方がはるかに早く、あっという間に手にも足にも肉色の触手がグチュグチュと巻き付いてくる。 「んぐ! ぐふむ! だ、誰かぁ! んごふ! だずけ、で……」 光は助けを求めた。 だが、立体駐車場に鳴り続けているションピングセンターのイメージソングがその声を打ち消す。 さらに、防災倉庫の真裏、駐車スペースからは完全に死角となる部分へ入り込んでしまったため、同じ駐車場フロアを通り抜ける利用者の誰も気づかない。 溢れ出る触手は光の衣服の内側に潜り込み、グチュグチュと不気味な粘着音を立てる。 そうして全身を触手が覆い尽くしたかと思うと今度は触手同士が融けて一つの粘液と化し、光の体内へと浸食を開始。 光の体細胞と合体。融合していく。 ある程度進むとドロリとした体表面の粘液の上に拳ほどの黒い玉が現れずるずると移動する。 そして、胸の中央に到達すると、球体の半分までカラダの中にめり込んでいく。 スライムのようにドロドロだった外側の組織が再び凝固し、床に垂れていたゲルが引き戻され一つにまとまって行く。 グニャグニャだった輪郭が人間らしいカタチを改めて復元する。ただし、元の光よりもはるかに逞しく、大きな肩幅と分厚い胸板が特に目立つ水泳選手系のマッスルボディとして。 頭の表面から黄色い髪が生え、肩まで伸びた。 全身の表面が健康的に日焼けした褐色の肌になった。 目や鼻がググッと動きながら場所を整え、唇が赤みを帯びる。そうして出来上がった顔は光とは年齢も雰囲気も全く異なる30代、壮年のエネルギッシュな精気を湛えた男の顔であった。 最後に、股間から包皮に太い血管を浮き立たせた巨大なペニスがズブズブと突き出し、先端部の皮がくびれたカリの下までひとりでにズルゥと引き下ろされた。 『融合完了』 「……融合、完了……?」 朦朧とした意識のまま光は脳内で聞こえた言葉を復唱する。 『使用言語抽出完了。脳内領域確保完了』 「……あ、あぁ、か、完了……」 『生殖機能拡張有機コンバーター・ゼクスパーをご利用いただきありがとうございます。これよりゼクスパーに使用者の生体情報との同期を行い、並行して操作方法、及び機能などの情報を使用者の脳に入力致します』 「……にゅ、にゅう、りょく? 僕の、脳、頭の中、に……」 『全ての機能の有効化には数時間を要します。それまで使用者の肉体を保護するため、この肉体の使用権を一時的に使用者からお預かりします』 「……は、はい、ゼクスパーに、……カラダを、しばらく譲渡します……」 『フルオート保護モード開始。ただちに安全な場所へ移動し、ゼクスパーとの融合を安定させます』 全裸状態だった光のカラダが頭から順に透明になり、完全に見えなくなってしまった。 ゆっくりと防災倉庫の陰から出口へと歩きだす光。 駐車しようと入って来た車のヘッドライトを透過させ、すれ違う客たちもそこに光の姿を見ることは無かった。 光自身はすでに意識を眠らせている。光を動かしているのは保護モードに入った『ゼクスパー』である。 地球と言う惑星の、日本と言う国の、大学生という身分である光の、光を取り巻く情報を全て吸収した『ゼクスパー』は、 今いる場所からより安全な場所、つまり光の自宅アパートまで最も保護に適した状態に光の姿を変え、誰にも知られる事無く安全に帰宅した。 ベッドに光のカラダをゆっくりと横たえた『ゼクスパー』は保護モードを停止しスリープモードに入ると、 光を元のスリムな大学生の姿に戻し、胸の中央にある黒い半球を体内に沈めていった。