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鷹取リュウゴ
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淫交洞窟6

6周到  歩道にまで枝を伸ばして紅く咲き誇る大椿を避けると阿久根と鹿屋が立っていた。 宵の空には三日月が浮かび、森へ帰巣するカラスの鳴き声が甲高く降ってくる。 学内ジムでトレーニングを終え、帰宅中の加治木の前に阿久根と鹿屋はにやけながら立ち塞がった。 「あ? なんか用? もう帰りてぇんだけど?」 腹を押さえて空腹を表現する加治木。 「呼び止めて悪ぃな。メシなら俺らが御馳走してやるよ」 「マジ? つうか、俺、結構食うよ? 金あるの?」 「大会前なんだろ? 食っても大丈夫なのか?」 「そりゃぁ、ちゃんとカロリーとかバランスは意識して食うに決まってるじゃん。つうか、お前らって確か指宿と同じ探検部の――」 「そうそう。俺が鹿屋。こっちが阿久根」 紹介された阿久根はちょこん、と軽く頭を下げ会釈をした。 「どうせだったら他のヤツも呼んでいいか?」 「いいぜ。何人でも構わないぞ」 加治木はポケットからスマホを取り出し、慣れた手つきでアドレスを表示させる。 そんな操作の隙を突いて後ろから腕を回した阿久根が手に乗せていた粘液を加治木の口に含ませる。 「んぐ!? うっ! ごほっ! ちょ! 何を飲ませ、やがる……ん、だ…………」 加治木の手の中からスマホが地面に落下した。 肩から力が抜けだらんと腕が垂れる。 両の目から輝きが失せ、瞳が宵闇の色に染まる。 「へへ、一丁上りだ」 「簡単なもんだ。つか、俺たちの能力、段々凄くなってなくね?」 「確かに。いちいち亀頭で頭を咥えなくたって、精液を飲ませるだけで堕とせるなんてなぁ」 雑木林が点在する住宅街に人通りは無く、阿久根たちの行為を見ていた者は誰もいない。 「さて、効果が切れる前に記憶に捻じ込んでおこう。マスターのように完全支配なんてのは無理だしな」 「OK。んじゃぁ、何から命令してやろうか」 阿久根がヒヒヒと下品に笑う。 「まずは、俺らと仲良くなってもらおうじゃん。俺らの言う事なら何でも聞いちまうほどに、な?」 「ああ、そうだな。それが良い。んで、俺たちみたいにケツもモロ感にして、チンポ大好きな男狂いになっちまうカラダにしてやろう」 魂の抜けた人形のようにぼんやりと佇む加治木。 鹿屋が耳元で何かを囁くと、ふらふらと二人の後をついて歩き始めた。 ◇  出水副部長との電話を終えた指宿は思い出していた。 (さっきの阿久根と鹿屋の会話に、確か加治木の名が出ていた……。嫌な予感がする……) 掃除用具入れで付いてしまった埃を洗い落とし勃起してしまったチンポを大人しくさせた指宿は、 ロッカーの中に着替えと共にしまっていたスマホを取り出し加治木に電話をかけてみた。 一足早くシャワールームを出た加治木とその後輩たちは、すでにロッカールームには見当たらない。 帰宅途上ではあるだろうが時間的に判断してきっとまだバス通りを歩いている最中だろう。 大学から駅まで歩くとなると60分は必要であった。 指宿は加治木がシャトルバスを使わず敢えて「徒歩」で駅と大学間を移動している事を知っていた。 無事を祈る指宿の持つスマホには相手電話の呼び出し音が続くばかりであった。 二度、三度掛け直したものの加治木は電話に出てくれない。 不安を強くした指宿は急いで衣服を身に着けロッカールームを後にした。 「え? 加治木さんすか? もう30分ほど前に帰っちゃいましたよ?」 念のためジムにもう一度顔を出し、残っていたボディビルディング部の部員に加治木の所在を尋ねてみた。 「そうか……。分かった。トレーニング中に邪魔をしてすまない」 大学から駅までのルートはほぼ一本道である。 指宿は加治木の後を追いかけることにした。シャトルバスを使えば途中で追いつけるだろう。 発車間際のバスに乗り大学の門を出る。日が落ちた通りに人影は無い。民家が現れるまでは冬山の寂しい風景が広がっている。 そんな寂しい通りを歩く人物が居るとしたら、それは加治木に違いない。 しかし、指宿は加治木の姿を見ること無く駅に到着してしまった。 (どこで追い抜いた? 時間的に考えると加治木はまだあの通りを歩いていておかしくない筈だ……) 指宿は引き返すことにした。窓からずっと歩道を見ていたつもりだったが瞬きの間にすれ違い、見落としたのかも知れない。 電話は相変わらず呼び出し音の後に留守電へと切り替わってしまうままであった。 急ぎ足で戻っていると道の先に点滅しつつ光っている物を発見した。 (これは、加治木のスマホじゃないか? 俺から着信があった事が表示されている……) 周囲を見渡したが加治木どころか人の姿は見えない。街灯に照らされた大きな椿の木とその影だけが冬の風にざわめいて揺れているだけだった。 「うっかり落としただけ、なら良いが、そうじゃなかったら……」 強まる不安をなだめながら先を急ぐ。何か良くない目に遭遇しているのでは、と握り締める手に汗が滲む。 小走りと言って良い早さで緩やかな登り坂を進むと前方に小さく人の姿が見えてきた。 きっと加治木に違いない。指宿はさらに足を早めた。 規則的な間隔で灯る街灯の下、加治木と指宿との距離はだいぶ近づいて来た。もうあと50mと言うところか。 「うん? あいつらは鹿屋に、阿久根? 加治木も一緒にいるのか……」 指宿はスピードを落とし先を行く三人に気付かれない距離を保った。 何故そうしたかと問われれば、指宿自身も具体的には答えられない。指宿の勘がそうさせた、としか言いようが無かった。 このまま前方の三人は大学へ戻るつもりだろうか?  拾ったスマホを加治木にいつ返してやろうか? 鹿屋や阿久根と加治木は自分が知らないだけで友達関係だったのだろうか? あの、シャワールームで聞こえた会話は、単なる「おふざけ」、だったのだろうか? 募る不安を打ち消そうと、返って「明るい」結論を導こうとする。しかし、鹿屋と阿久根が加治木以上にマッチョな肉体を持ち、一瞬で普段の体格に戻った光景は幻では無い。 錯覚などではない、はずだ。 さらに、鹿屋と阿久根が男同士でいかがわしい行為を楽しんでいたのも間違いない。 そんな二人が「加治木を頂く」と口にしたその意味。 指宿は聖人でも無ければ性に疎い朴念仁でもない。自身に同性への興味は無くとも同性愛における性行為がどのようなモノか、知識としてはある程度は知っている。 高校時代、ラグビー部の先輩から色々聞かされてもいたし実際に誘われた事もあった。 ただ、結果的に男同士の味については未知のまま高校を卒業し大学へと進学して今に至っていた。 先を歩く三人が不意に進路を変え脇道に入り込んだ。 「うん? あんなところに枝道があったのか……」 シャトルバスでは一瞬で通過するため意識して見ていないとその場所に別の道がある事など気付かないだろう。 一年以上同じ道を使って通学している指宿も知らなかった。 見失わないよう指宿も脇道へと入る。 狭い道の両側には樹木が茂っている。バス通りからの街灯が届かなくなると一気に足元がおぼつかなくなる。 積もる落ち葉の下は舗装されていない地道の感触が靴底から伝わった。 伸びる枝に袖が引っかかる。なるべく音を立てないように静かに枝を抜き、頭を低くして繁る木々を避ける。 視界がさらに見えにくくなり先に歩いている筈の三人が、本当にそこにいるのかだんだんと怪しくなって来る。 チラリと振り返ると街灯はすでに見えず、麓の街のほのかな光が雑木をシルエットとして浮かび上がらせている程度であった。 「なぁ指宿~、 俺たちに何か用?」 「っ!?」 声は背後から聞こえた。阿久根の声だ。 振り返ると三人の影が指宿の後ろにあった。 「えっ? お、お前らさっきまで……」 「そうそう。指宿より先にいたよな? けど、実際はそうじゃねぇんだわ」 鹿屋は種明かしとばかりに指宿の前でジャケットを裏返した。 「この辺りは暗いだろ? 足元も見えないほど。だからこうしてジャケットを裏にして黒い方を表にしておくとな、ほうら、闇に溶けて見えなくなっちまう」 鹿屋も阿久根も指宿が追い越す間、息を殺して黙っていたのだろう。 「さて、もう一度聞くけど、俺らに何か用か?」鹿屋が冗談を許さぬ雰囲気で尋ねた。 「……い、いや、そう言う訳では無いが……」 「用も無いのに俺らを尾行したって? んなの信じられるかよ」 「そ、そうだ! 加治木のスマホを拾っただけだ。返してやろうと思ってつい――」 「つい尾行しちゃった、って? それも苦しいなぁ。理由としては随分じゃない?」 阿久根の言葉を遮って指宿が逆に質問した。 「お前らこそ、こんな暗い藪道に入って何をしようとしてたんだ? 加治木も加治木だ。どうしてさっきから黙ったままなんだ?」 阿久根と鹿屋のそばに加治木が立っている。しかし、立っているだけで身動き一つしない。 立ったまま眠っているかのようだ。暗くて表情は分からないままだったが。 鹿屋が目配せをして阿久根に合図を飛ばす。 うなずいた阿久根が加治木に何かを耳打ちした。 「――まぁ、順番としては部長辺りから、と考えていたが。まぁ、良いか」 「おい、何を言っている?」 「加治木にはすでに催眠精液を飲ませている。完全支配とまではいかないもののそれなりの時間、こいつを意のままに操れる」 「それと、記憶操作とを組み合わせれば、『自分で判断して』俺らに都合の良い、指示通りの行動を取ってくれるようになる」 「な、なんだそれは……」 「マスターのように一発でスパッと命令を流し込めりゃラクなんだけどさぁ。俺らの能力じゃまだそこまで至らないんだよねぇ。んだからぁ、合わせ技でイッポン、ってなやり方を採らざるを得ないっつうか」 「と言う訳で、ここまで聞いたんだから指宿。お前もこれからどうなるかは分かっているよな?」 「お、お前ら!?」 相手は二人。加治木は数に入れなくて良いだろう。体当たりしてそのまま突っ切れば逃げ切れる。 探検中にスタミナ切れを起こした二人の荷物をいつも肩代わりしている指宿。現役から一年以上遠ざかっているとは言え元ラガーマンとしてタックルの基本はまだ身に付いている。 身構える指宿。タイミングを計り一気にこの場を突破できるよう太ももに力を込める。 加治木は――、そう、加治木は一度見捨てざるを得ない。いくら相手が自分より格下だとは言え二人を相手にしたまま加治木を保護しつつ脱出するのは極めて難しいだろう。 それにしても、どうして加治木は一言もしゃべらない? 鹿屋と阿久根が飲ませた催眠精液とは何だ? 危ないクスリか何かか? 吹き抜ける風はさらに冷たさを増しているのに指宿の額に汗がにじんだ。 いい加減あれこれ考えるのは後にして、いよいよ表通りに向けて踵を弾ませようとしたその瞬間! 「か、加治木!?」 無言で身動き一つしなかった加治木が不意に指宿の背後に来たかと思うと、サッと指宿の両脇に腕を突っ込み がっちりと上半身をホールドした。 ボディビルで培った筋肉は伊達では無い。 元ラガーマンの指宿は渾身の力で加治木の腕を振りほどこうとしたが一向に剥がれはしなかった。 「加治木! 何をするんだ! 離してくれ!」 「あ~、あんまり暴れたら加治木まで怪我しちまうぜ? そんなに細かい指示は与えていないし」 「お前らが加治木にこんな事を? い、今すぐやめさせろ!」 「それは無理だ。やめさせたら指宿、お前は逃げちゃうじゃん。大人しくじっとしててくれるって言うのなら やめさせるけどさぁ」 「阿久根。もう良い。そろそろ指宿に飲ませよう。こんな場所でも100%誰も来ない、とは言い切れんからな」 「おう、そうだな。んじゃぁ……」 阿久根がごそごそとベルトを外しジーンズを下げた。 グッと腰を突き出し力を股間に込めると、ダランと垂れさがっていたチンポがムクリと頭を持ち上げ、グググと みなぎり勃起して行く。 暗がりの中、フル勃起した阿久根のチンポはさらに巨大に膨張し始める。 「な!? なんだ、そのチンポは!」 「羨ましいか? 凄いだろう? 俺のチンポ。マスターのお陰で最っ高のチンポに改造してもらったんだぜ?」 ハッキリとした色までは見えないが、か細い光を反射する艶やかな陰茎は、脈打ちながらますます体積を大きくさせ、 速やかに70cm級の超巨大チンポへと成長した。 「や、やっぱり、シャワールームで見たのは幻でも錯覚でも無かったのか……」 「と、言う事は、指宿だったんだな? シャワールームの中でこそこそ隠れていた奴は」 鹿屋がギロリと指宿を睨んだ。 「掃除道具入れの中に隠れてただろう? 敢えて扉を開けなかったのは騒ぎにしないためだ。 いつ誰がシャワールームに入って来るか分からないからな」 手の内を明かす鹿屋の横で阿久根はゆるゆると巨大な陰茎を扱いている。 指宿の目にはよく見えないもののグパァと口を開ける鈴口からドプ、ビュプ、と生臭い粘液が溢れていた。 「同じ探検部の仲間に手酌なんて失礼だよな。直に飲んで頂くとするか」 加治木がグッと指宿のカラダを前に倒した。 あまりの力強さに思わず膝を付く指宿。と、そこへ阿久根の巨大亀頭が顔面を覆った! 「んぐぶっ!」 鼻からあごまでずっぽりと阿久根の亀頭が塞いだ。 指宿は必死に頭を亀頭から離そうとしたが加治木が後頭部を押さえ付けて離れられない。 ビュルビュル溢れ出てくる生臭い雄汁が鼻の中にまで入ってくる。 頑張って唇を堅く閉じていたもののすぐに酸素が欠乏し、我慢ができなくなってしまう。 (く、苦しい! 息が! このままでは窒息しちまう!) ふ、っと口を開けて呼吸を、空気を取り込もうとした瞬間、ドドッと流れ込んできた阿久根の精液をも飲み込んでしまう。 ――ゴクッ! ゴクゴク! ゴクンッ! 「ウグッ! げほっ!、げほげほっ!」 「おお~、いっぱい飲んでくれちゃって嬉しいぜぇ、まったく」 「加治木。もういいぞ。指宿を解放してやれ」 「……はい」 阿久根の精液を飲み込んで間もなく、指宿は何故か阿久根の言葉に従いたくなっていた。 そうするのが正しい。普通の、当然な事だ、と。 「指宿~? もう効いてきただろぉ? 俺の言う事にゃ素直に従う事。それと、鹿屋の命令にも同じように従うんだ。 分かったかい?」 「……は、い……」 「阿久根。指宿の記憶処理はどうする?」 「加治木と一緒でいいんじゃないか? そうだ、どうせなら指宿と加治木は相思相愛、って事にしちまおう」 「こいつらをペアに、か? 面白い。俺とお前のように番(つが)いにしてやるか」 「そうそう。俺らみたくマスターにカラダを進化してもらったら、二人で繁殖をし合えるように」 鹿屋は自身の股間を見つめた。 「俺も、あと少しで成熟するだろう。その時は阿久根。最初にお前の種を植え付けてもらいたい」 「俺だって初めての種は鹿屋の精液でないといやだぜ? ああ、楽しみだなぁ。お前と俺の×××。早く産みてぇよ」 「そのためにももっともっと他のヤツの精液を頂いておかないとな。俺たちにとっては人間の精液こそ食料であり成熟するための成長剤だからな」


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