淫交洞窟9
Added 2020-03-13 00:16:08 +0000 UTC9決行 学内ジムに指宿が入って来た。 あの日、加治木を心配した指宿が、鹿屋と阿久根の後をついてバス通りをふらふらと歩くのを目撃し、 結局は脇道の藪の中で鹿屋と阿久根の二人から返り討ちに遭って以来であった。 数分後、加治木もジムにやってきた。 ドアを開けた加治木は素早く指宿を目で探し、指宿のそばへ駆け寄った。 「遅れて悪ぃ。教授へ提出するレポートに不備が見つかって、その場で修正させられちまった」 「そりゃ災難だったな。でもまぁ、期限に間に合って良かったじゃないか」 「まぁな。あの教授、期限を超えると受け取ってくれないしな」 親し気に話ながら互いの股間を見やってニンマリと微笑む。 彼らのアナルにディルドが挿入されていて、つねにアナルを刺激していることなど周囲の者は誰も気が付かない。 指宿と加治木がストレッチを開始した頃、姶良、志布志、霧島の、探検部一年生三人がジムに到着した。 「あ! 指宿先輩! それと加治木先輩も居たんですね! いやぁ、相変わらず美味そうな、じゃなくて、カッコイイ体っすよねぇ~」 姶良が涎を垂らさんばかりに先輩二人を目で舐める。 「おいおい。姶良ってばそんなヤらしい顔で先輩を見るんじゃねぇよ。下心丸出しだぞ?」 そうたしなめる霧島もほんのり股間が勃ちあがっている。 「まぁ、それだけ先輩たちが魅力的って事さ。俺だっていつかは指宿先輩や加治木先輩に相手してもらいてぇって思ってる訳だし」 志布志まで今までであれば「思いもしなかった」内心を吐露していた。 ふふ、っと微笑んだ加治木が指宿の手を取った。 「だとさ。指宿兄さ~ん。どうする? こいつらのリクエストに応じてみるか?」 「バカ言え。俺はお前だけで十分だ。てか、お前が全部搾り取っちまうから余力なんてねぇよ」 「そうかあ?」 「そうだ。さ、もういいだろ? 他のヤツが聞いたらどうする?」 指宿は一年生たちにも注意した。 「お前らも、だ。時と場所を考えてモノを言えよ。ここは探検部以外の奴らだって利用してんだぞ?」 ただ、注意しながらも他人に聞かれた時のスリルを想像し、ゾクリと感じていたのも事実であった。 ◇ いよいよ陰交洞窟へ探検を行う日がやってきた。 今回は加治木も含めて総勢9名。 枕崎部長の提案通り、重い飲料水やバッテリーなどの荷物は指宿に頼りきりにならぬようある程度分担して 背負う事になった。 鹿屋と阿久根は洞窟に入る前に部長と副部長をも落としておく予定だったのだが、自分たちがセックスに明け暮れてしまい部長達へのアクションを起こせなかった。 「マスター、お怒りになるかなぁ?」 「それはどうだろう? まあ、きちんとお詫びしたらお許しいただけると思うが。ただ、俺たちのカラダは仕上がってんだし、これでようやく繁殖できるんだ。その点はお喜びになるんじゃないか?」 鹿屋は自身の股間を見、そして阿久根の股間を見つめた。 彼らの股間、ペニスとアナルの間にはもう一つ新たに生殖器官が形成されていた。 会陰に裂けた割れ目、卑猥な肉唇をベろりと捲れ上げる女性器のような穴。 ここではひとまず「ヴァギナ」、と呼んでおこう。ただ、その奥に子宮は無い。卵子を生み出し護る機能も無い。 鹿屋も阿久根も真の意味で「繁殖」がどのようなものなのかは、未だに知らないのであった。 雪交じりの小雨が降るどんよりとした雲の下よりなお一層暗い洞窟の中は、外気と比べるとほんのりと温かく感じられた。 定期的にガス検知器で有毒ガスが漏出していないかを確認し、ライトで足元を照らしながら奥へ奥へと進んでゆく。 マッパー担当の志布志は分岐が来るごと手帳に分岐の特徴と方角を記す。 最後尾を行く出水副部長は念のため分岐点に目印を付け、来た道を迷わず戻れるようにしている。 二時間ほど進んだ地点で小休止を兼ね、状況を確認し合う。 「かなり奥へ進んだが今の所問題は無さそうだな」 部長が全員の顔を見渡した。 「そうですね。意外にずっと天井が高かったし、歩きやすいと言えば歩きやすかったですね」 出水副部長は洞窟の岩壁を見ながら感想を述べた。 有毒ガスの検知も無い。分岐はあったが構造はさほど複雑では無い。 「柱状節理なのか人工物なのか。ところどころ積石みたく整ってた場所もありましたね」 霧島がデジカメに収めた画像を部員に示した。 「なんだか不思議な洞窟っすよねぇ。入り口よりも温かさが増してるし、埃っぽさも無いし。じめじめしてる割にかび臭くもないんすね」 姶良もまた不思議に思った事を口にした。 「発見された当時ならまだしも、原則立ち入り禁止になってからだいぶ経ってるんですよね? なのに、この手入れされた雰囲気は何なのでしょうか?」 志布志が足もを見た。掃き清められたかのように石ころが無い。 「その辺りも要調査、だな。それと加治木。調子はどうだ? 足や体調は大丈夫か?」 人によっては閉所、暗所が過剰なストレスになって体調を崩す場合がある。枕崎部長はその点も考慮して初参加の 加治木を労わった。 「全然! 問題ないですよ! 楽しんで探検しております!」 額のヘッドランプに手をかざして敬礼をとる加治木。 「ですが、バックパックの重さはきついっすねぇ~。ジムでバーベル上げてるほうがまだマシかも! 肩に筋肉がないと、食いこんだ肩ひもで靴ずれみたくなるんじゃないですか?」 「夏場、薄着で移動する場合は肩の皮膚が擦り切れたりするのはあるな。だが、厚着になる冬場はあんまり聞かないが」 探検を再開してさらに2時間が経過。 洞窟の奥から微妙に生臭く生ぬるい風を感じるようになった。 「この暖かい空気はなんだろうな? この奥に硫黄泉でも湧いているのか?」 部長が呟くと霧島が答えた。 「調査当時の記録に温泉が湧いていた、との記憶はありませんね。ですが、あれから新しく温水が浸み出すようになった可能性はあります」 出水副部長が顔を曇らせた。 「ただの温泉ならいいんだが、硫化水素ガスを含んでいたら厄介だな」 出水副部長は気になって足元へガス検知器をかざした。硫化水素ガスは空気より比重が重く下に溜まる性質がある。 「ん~……。今の所反応は無し、硫化水素はゼロだな。他の有毒ガスも未検出、か」 「なら問題無いか。ただ、用心だけは怠らないようにな」 さらに奥へ進むこと1時間。 陰交洞窟に入って5時間にしていき止まりにぶつかった。 「うーん……。ここから先にはどこにも展開していないようだな」 ライトを向けて念入りに照らすものの完全に岩が塞いでいる。 時計を見ればすでに正午を指し、部員たちも随分と空腹を覚えていた。 「よし。ここらで昼メシにしよう。一休みしたら一つ手前の分岐点に戻って探検を再開だ」 洞窟探検であるため火を起こす調理はせず、常温でも美味しく食べられる缶詰や水を含ませるだけで済むドライフードでの食事を摂る。 「部長。水、どうぞ。副部長も」 「ああ。ありがとう鹿屋。阿久根もな」 水をカップに入れて配る鹿屋と阿久根に枕崎部長と出水副部長が目を細めた。 ここまでの二人はいつものような不平不満を口にせず、他の者と足並みをそろえた行動を取っていたためであった。 「いいえ。どういたしまして」 鹿屋と阿久根も笑顔を返す。しかし、その笑みが含む毒に部長も副部長も気づかない。 昼食と休憩を済ませた探検部の九人は一つ手前の分岐に戻り足を向けていない方へ足を向けた。 が、ほんの15分程度進んだだけで行き止まりになっていた。 「こっちは短いんだな。じゃぁ、もう一つ手前の分岐に戻ろう」 分岐点を一つずつ戻りながら入っていなかったルートを調べていく。 二つ手前、三つ手前、四つ手前――、いずれも短い袋小路であった。 「拍子抜け、とはこのことだな。危険が無いのは良いが……」 「歩くに十分な幅と天井、暗いだけの単なるトンネルみたいで味気ないですね」 枕崎部長と出水副部長が肩をすくめて苦笑いを交わす。 他の部員たちも口に出さないものの退屈そうな表情が浮かんでいた。 結局、戻りに戻って洞窟入り口から一番近い分岐まで戻って来たのは昼食から三時間後であった。 往路に比べて倍のスピードで移動できたのは足場確認が済んでいたため早く歩けたからである。 「さて、このルートまですぐに行き止まりだった場合は探検そのものが終了しちまうな」 「二泊する予定だったけど、日帰りになってしまいますね。しかし、霧島の情報ではもっと奥へ拡がっているとの話しだったような……」 霧島に確認すると「そのはずなんですが……」と返ってきた。 「どちらにせよ行ってみれば分かる事じゃないっすか部長! こっちが本命ルートかもしれませんよ?」 阿久根が朗らかに部長の肩を叩いた。 「そうですよ! どうせなら完全踏破目指して頑張ろうじゃありませんか!」 鹿屋も阿久根に続いて副部長を鼓舞した。 「お、お前ら……。そんな殊勝な事を言うなんて……、以前とは見違えたな。すっかり探検部員らしくなって」 枕崎部長が感激の言葉を漏らすと副部長もまた部長に同意した。 「鹿屋と阿久根の言う通りだ。ここまであまりに変化に乏しいからと言って気を抜いてはダメだな。 改めて気を引き締めて最後の分岐の奥を確かめに行こう」 最後となった分岐は実際には入り口に最も近い分岐点である。 「先に調べ終わったルートを『Aルート』と名付ける。短い袋小路は入り口から順に『A-1』『A-2』と しよう。 そして、こっちは『Bルート』だ」 志布志が枕崎部長の発言通りマップにメモを取る。 気を取り直してBルートの穴に進む。 足を踏み入れて20分。 Aルートの奥で感じた生臭さが早くも鼻に届いた。 念のためガス検知器で毒性を調べるものの硫化水素でも他の毒性ガスも検知しない。 ゆっくりと慎重に奥へと向かう。 曲がりくねってはいるものの不思議なほどBルートに分岐は現れない。岩の壁面は動物が舐めたかのように滑らかに削られており、 足元は凸凹していない。 天然洞窟では無く人工的に掘られた穴ではないか? 何らかの岩石を採掘していた坑道ではないか? そんな推測が枕崎部長の頭をよぎる。 さらに一時間ほど経過した。 異臭はますます強まっていた。が、相変わらず毒性は検知しない。 洞窟は奥へとまだ続いているようだったがそろそろキャンプ地を設定しておくべき時刻だ。 「それにしても……全く疲れを感じないな。かなりの距離を歩いたはずなんだが」 「不思議ですよね。俺もですよ部長。むしろ昼メシを食ってからますます元気になっている気がします」 「まぁ、体力が残る事は悪くない。むしろありがたい」 枕崎部長と出水副部長は溢れ出る体力がどこから由来しているのか不思議がっていた。 阿久根と鹿屋がそんな二人を見てニヤリと微笑んでいる。 急に円形に広がる空間に到達した。 天井がドーム状になっておりまるでプラネタリウムか教会の天井のようであった。 「よし。この辺りでキャンプするとしようか」 部長の提案に全員がうなずいた。 洞窟の中は暗いが外であればまだ日のある時間帯だ。 しかし、夜間は交替で起きて見張りをする予定である。急な環境の変化や夜行性の動物の被害を防ぐためであった。 雨露をしのぐためのテントは設置する必要がないため持参していない。 岩盤の上にマットを広げ、その上に寝袋を乗せて寝るだけだ。 各人のヘッドランプを消し周囲をまんべんなく照らすLEDランタンに切り替える。 カップに水を注ぎ全員に配ったのは昼と同じく鹿屋と阿久根であった。 「二人とも気が利くなぁ。ありがとう」 「さては、自分が担いでいる水タンクを先に空にしちまおうって魂胆か?」 枕崎部長が出水副部長の意地悪い発言をたしなめた。 「おいおい。そうだったとしても別に悪い事じゃないだろう?」 「おっと。口が滑ってしまいました。悪かったな、二人とも」 阿久根も鹿屋も「気にしてません、副部長の言う通りっすよ」と朗らかに答えた。