俺と魔神とコックボアヒーロー 8
Added 2020-09-14 14:13:53 +0000 UTC8夜のコックボアヒーロー 司会役の男は『千本 針一(せんぼん しんいち)』 名刺にはタレント・俳優と書いているが、少なくとも俺の記憶にある名前ではなかった。 そして、記者の方は『五味 芥(ごみ あくた)』と言う男だった。 ゴシップ記事が売りの独善社の記者だったのだ。 「時間が無さそうなのは千本だった。だが、接触のしやすさでは五味のほうが簡単だろう」 遠島曰く、嘘でいいから「ネタ」を提供したいと持ち掛ければ、きっと本人自らお出ましになるだろう、と。 「千本にはどうすれば会えるかな?」 「あ? 千本に会いたい? そいつぁ物好きだな」 背後から声がした。 誰かと思えばさっき別れたもう一人の鉄也、ではなく「世良 鉄也」さんだ。 「よ! また会ったな!」 なんか、ほんと世良さんてば俺の心をビンビン刺激してくるんだよ~。気を引き締めて無いとすぐにフル勃起してしまいそうだ。 俺よりヒーローが似合いそうな、戦闘そのものが似合うタイプの良いガタイしてんだよな~。すんげぇ美味そうなんだよなぁ~。 「おい? どうした?」 「――うお!? あ、いえ! ちょっとぼーっとしてたんで……。そ、そうなんですよ! 千本さんに用事があるもんですから」 世良さんは肩をすくめて苦い顔になった。 「これは、ここだけの話でお願いしたいんだが、俺はあいつが苦手でね。なよなよしてる河豚野よりも精神的に女々しいっつうか、ひねくれてるっつうか……。 まぁ、とにかく関わりになるのを極力避けていきたいタイプの人種なのさ。 おっと、何だか普通に悪口になっちまってるな。これ以上は控えておくが、まぁ、それだけ評判が悪い男だ、と思ってくれて構わない」 世良さんとの関係の浅い俺にまでダメな評価を伝えてさせてしまうのだから、よっぽどゲスな性格なのだろう。 「ま、でも用事があるってんだったら仕方がないよな。おおかた千本の奴は行きつけのバーで今日も飲んでるだろう。 一応役者なんだから親父さんみたいに稽古に打ち込めばいいのにな」 「ついでにお聞きしたいんですが、どこのバーが千本さんの行きつけの店かご存知ですか?」 遠島が念を押していた。 「ああ。少し前にドヤ顔で誘われちまったぜ。――『お前みたいなポッと出と飲んでも俺は別に楽しかねぇけど、 店のママがお前に興味があるんだと~。なので、特別に招待してやろう』――ってな。 悪いが千本の誘いなんか受ける気はさらさらないもんで、すぐに断っちまったが。千本は白銀町のバー『ワナビ』に居るだろう」 ここで番組スタッフらしき人が世良さんを呼び戻しに来た。 「世良さーん! 間もなく休憩タイム終わりますんでスタジオにイン、しちゃっててください~」 ◇ 日の出テレビから出てバーやスナックが集まっている白銀町に向かう。 「いきなり戦闘にはならないだろうが、他の客もいるだろうし用心だけはするんだ」 遠島がバスの中で俺に忠告してくれた、のは良いが、なんで移動手段がバス? 「鉄也のフトコロ事情を察するに、これが一番だろう?タクシーなんか勿体ないじゃん」 「バスで敵の居場所に向かうヒーローって……」 バイクとかで颯爽と乗りつけるイメージがあっただけに、なんつうか、地味。超地味だぜ。 「生憎、俺も車は持ってないし鉄也はそもそも免許を取っていないだろう? なら移動手段は徒歩か公共の交通に限られてくる。 それに、できるだけお金は節約していかないとな」 綺羅先生から頂いた一億円は、結局氷上さん預かりにしてもらった。 大金で浮足立ってたら弱小モンスターにさえ後れを取るぞ、と俺の心の「師匠」が諭したからだ。 なので俺の経済事情は基本的に変化なし。 ヒーローが現実社会で生きるのって、特撮ドラマみたいにはいかないんだな、と切に思った。 ともかく、二人分のバス料金を支払って白銀町にやってきた。 日が落ちたばかりのせいかまだ客足は多くない。 千本の行きつけと聞いたバー『ワナビ』はすぐに見つかった。 ドアを開けるとバーのママ(男)が野太い声で「いらっしゃい~! あら、初めましてって感じかしらん?」 と声を掛けてきたが、 「すみません、今日は客では無くその、少々野暮用でお邪魔しに来ました」と俺は返した。 「あら? お客さまじゃぁないのね? 何のご用かしら?」 「実は――」 遠島が声を低くしてママに「適当」な事情を話した。 「なるほどねぇ。千本ちゃんにご用だったの。別に構わないけど店の中での荒事だけは勘弁してね。 ところで、二人とも凄く素敵よねぇ~。個人的に飲みにお誘いしたい感じよ~」 店の奥に千本は居た。 瓶をかたむけ手酌で酒をあおっていた。 「たまに来る親父さんが、まとめて支払ってくれるから好きにさせているんだけど、本当はその都度お会計して欲しいのよねぇ。 最近は特に酒量が増えちゃって、売り上げよりも千本ちゃんのカラダが心配になっちゃうのよ~」 どうする? どうやって接触する? 遠島が「ひとまず店の外へ出てもらうのが良いんじゃないか?」と、言う。 ま、そりゃそうだけどさ。 「初めまして『千本 針一』さん。 少しお話したい事があるんですが、表に出てもらっていいですか?」 ダメ元で千本に話しかけた。 「ん? ん~、ヒック……、んだぁ、あんたら……。俺に話ってのは何だかしらねぇが、まぁ、しょうがねぇなぁ」 酔って赤くなった顔に淀んだ二つの眼。 じろりと視線だけを寄越したかと思うと、席を立ってよろよろと店の外まで出てくれた。 んで、出た途端、ガバッと土下座をして、 「待ってくれ! ちゃんと返すから! 親父は海外に行ってて金の都合をつけられねーんだよ! この通り! あと1週間! いや、あと3日!」と頭を下げる。 遠島と俺がキョトンと顔を見合わせた。 どうやら俺たちを借金取りだと思っているようだ。 「あの、俺らはそう言うんじゃないんだけど……」 「けっ! 違うのかよ! てっきり金を返せと言いに来たのかと思っちまったぜ! 違うんならとっとと帰れ。 こう見えて俺は忙しいんだからな!」 もの凄い豹変ぶりである。 「良い歳して、親の金で飲む酒は美味しいのか? バーのママも迷惑がっていたぞ?」 遠島がズバリと告げた。おお、容赦ないな。 「うっせぇよ。お前らに何が分かるってんだ? 親父の金は俺の金も同然。どう使おうが俺の勝手だ。 て言うか、大事な息子のために使えるんだから親父としても本望だろうさ」 「う~ん、むしろ親父の顔に泥を塗っているんじゃないか? 息子の活躍はさっぱり聞こえてこないしな」 「やかましいわ! てか、俺に嫌味を言いに来ただけかよ! あほくさ。さっきも言ったが俺は忙しいんだよ! 帰れ! 失せろ!」 「あのさ、アンタについてるモンスターを取り除きに来たんだよ。このままじゃあんたはもっと酷い目に遭うからさ」 「は? モンスター、だと?」 瞬間、千本のカラダから黒いオーラが噴き上がった! 『ギャハハハ! コイツはモウ俺のモノだ! オマエラにワタシてタマルカ!』 千本の口を動かしてモンスターが話し始めた! 聞こえる声はもっと濁声になり、瞳の色が黒から緑に切り替わっている。 「マズいな。千本はモンスターと完全合体しかけていたんじゃなく、すでにもう完全合体しちまってたようだ」 「ええ!? だけど、見た目はほとんど変わって無いって言うか、チンポ以外は人間のままだったけど?」 『バァーカ! トックにコイツは俺サマをウケイレ、詐墓転(サボテン)にナッチマッテンだヨ! アト僅カで コイツの、人間トシテノ精神を食いツクシ、身もココロも、モンスターニ仕上がる段階ダ! ソウナレバ後は、 マワリノ無能ナニンゲンドモヲ襲って、食ベ、増殖スルノミ! 他のニンゲンドモハ俺サマニ恐怖シ、ヒレ伏スノダ!』 千本の着ているスーツがバリバリと弾け、全身が膨張して緑色になったかと思うと、カラダの至るところから鋭い棘を生やすサボテン男に変身してしまった! なのに、通りを行く人はこっちを向いても少しも動じず、さらりと過ぎ去って行く。 おそらく、モンスターに変身した瞬間から千本の姿は普通の人間には見えていないのだ。 「鉄也! 俺たちも変身だ!」 「おう!」 俺の服は皮膚に融け、代わりに薄いフィルム状のヒーロースーツがジワリと浮かび上がって俺のカラダを包み込む。 そして、筋肉と言う筋肉がメリメリと大きく発達し、股間のイチモツもメキメキと巨大化する。 「ガルプマン! 推参っ!」 隣では遠島もマッチョボディになり服装をタンクトップとランニングパンツへと変化させた。 変身が完了した隙を狙って、詐墓転が棘を放って俺の額や胸にぶっ刺した! ――ヒュ! ヒュンッ! プスッ! ブス、プススッ! 「ぐわぁ!?」 あれ? 凄く驚いたものの痛みはほとんど無い。ただし、カラダがいきなりずっしりと重くなった。 なんだ? どうなったんだ? 『フフフ、俺ノ針ノ効果ダ。的確ニオマエ達のツボを刺シ、カラダの動キを鈍ラセテヤッタ。コウナッテはイカニ強イヒーローでアッテモ、赤子ノ手ヲヒネルようなモノダ!』 ニヤリと勝ち誇ったような表情を見せる緑色のサボテン男。用心ぶかく距離を取り離れているから、俺の超巨根でも届かない! このままじゃやられる! 手も足も出ずに敗北してしまう! 「ま、まだ終わっていないぞ、鉄也。ほ、他の人間の力を借りるんだ。チンポで飲み込んで、新たなパワーに、強化用エネルギーにする、んだ」 と言われたって、他の人間、て? 力を借りる、ってどこの誰から? 目だけを使って探してみたら、丁度良い位置にこれからバーに入ろうとしていた若い男が立っていた。 「悪い! 少しの間協力してくれっ!」 何故か動かせるチンポをブルン! と巡らせ2mへと超巨大化! そのまま若い男を頭から一気に飲み込んだ! ――【GULP!!】 『ナ! ナニィッ!?』 俺の予想外の行動に驚き、あっけに取られているサボテン男。 その間にも竿をゴリゴリ膨らませながら根元へ根元へと引きずり込まれていく若い男のカラダ。 あああ! 超きもぢいいっ! このまま! もっとこのまま味わっていてぇ! ――って、快感にブルブル震えてたら遠島が俺のチンポを顔に押し当て尿道をグパァ! と手で拡げている! おいおいおい! 遠島! 何やっているんだ! 「ちょ! 待て! んな事したら!」 お前まで飲み込んでしまうだろうが! と言い終る前に遠島は頭を拡げた尿道へ突っ込み、カリをズニュズニュと扱きやがった! 「はふ! ぬぐおおおっ!?」 気持ち良くなって思わず腰に力を入れた。そのせいで遠島の首から下もズルン、ゴクンと吸いこみ飲み込んじまった! ――【GGUULLLPP!!】 玉袋の中でドロドロに融ける若い男と遠島。 全身にエネルギーが満ち、俺のカラダはさらにモコモコとパンプアップ! そうしてみなぎるパワーによって刺さっていたサボテンの棘が押し戻され排出していく! 「はぁっ! はぁっ! はぁ~! さぁ、もう棘攻撃で動きを封じるのは効かないぜ? どうするよ、サボテン野郎!」 「ナ、ナラバ直接オ前を刺シ殺すノミダ!」 突進してきたサボテン男を躱し背後を取った。 そして、サボテンが振り向く前にペニスで後頭部を咥え込む! 『ウあア!? アアア! ヤ、メロォッ! アグ! ウゴフッ! 待テ! 待ツノダ! オ、オレガソんナ攻撃でコイツとの合体を止メル訳ナイダロ!』 と、言われても俺の必殺技はコックボアだけ。ビームを放つとか百万馬力とかは生憎持っていないのさ。 【GULP! GULP!!】 ごっくん、ごくん、と鎌首を揺らしてサボテン男を飲み込んでいく。するどい棘は刺さる事無く尿道をツンツン刺激しエロい快感を俺に与える。 だらだら涎をこぼす俺の超巨大チンポは竿のカタチを歪に膨らませ、ずるずるゴクリとサボテン男を玉袋の中へと落とし込んだ。 すると、二つの巨大睾丸がたちまちサボテン男のカラダに触手のような血管を伸ばし、サボテン男を融かしてあっという間に白濁精液へと作り変えた。 もちろん、モンスターだった部分も精液となって浄化、そして消滅した。 超巨大ペニスがブルルと震えた。 「んが! う゛、う゛っ! も、もう! イグゥ!」 限界まで達した快感が俺に射精を促す。 白く濃いゼリーのような精液が大量に吐き出されていく。 まずは一発目――ドブビュル! ビュグ! ドプドプ! 精液の塊が次第に人の姿を取り始める。 つづいて二発目――ビュググ! グビュ! ズビュン! ドロリとしたスライム状の物体から手や足が生えヒトらしい姿を見せ始める。 そして三発目――ビュビュウッ! ビュグッ! ドビュ! ビュルルッ! ズビュゥゥッ! 「ンン゛アあ゛あ゛あ゛! ギモヂッイイッ! んぎひ! アヒィッ!」 ヒトのカタチとなった白い粘液の塊は、その表面に飲み込まれた時の衣服を浮かべ、髪や皮膚の色を持ち主のものへと復活させた。 「…………」 「ふぅぅ~。ああ、やっぱり最高だぜ、飲み込まれるのって」 「はぁ、はぁ、お、俺は、一体?……」 まず現われたのは通りすがりの若い男だ。 意識がぼんやりしているのがはた目からも分かる。 次が遠島。 満足げにニヤついている。 最後が千本。この男も状況が理解できず戸惑っている。 とにかく、千本からサボテン型モンスターを分離させ、消滅させることに成功した。 綺羅先生の時とは異なりモンスターとの合体が100%近くまで進んでいた人間の場合、記憶とかはどうなるのだろう?