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鷹取リュウゴ
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リビドーマスク・エキサイト 4 『中野とマスク編』

4グロウイングマスク  夏休みに入る少し前だった。 「ダイエットしとけばよかったんだがなぁ」 全身鏡の前で弛んだ脇腹を摘まんではその厚みに愕然とする俺がいた。 床に散らばっているのはダイエットに関するチラシややフィットネスクラブのパンフレットだ。 『資料の請求ありがとうございます! 中野様の理想体型に私どもがお手伝いさせて頂きます!』 そんな前置きは飛ばして入会費用や月々の支払に目をやると、書かれている金額に顔を引きつらせてしまう。 「ひと月で5万? いやいや、そんなの無理に決まってる」 ダイエットサプリや筋トレ器具も検討したが、なんだかんだ足していけば費用は大きく膨らむ。 それに自宅での筋トレなんて結局は続かないだろう。 金もかけず辛い努力もせず、蓄積された脂肪の塊を解消する方法。 そんなもの有る訳が無い。 だからと言って食事制限もしたくはない。俺の最大の楽しみとは「食べる」ことなのだから。 ◇  「そうか~。中野くんてば水着の似合うカラダになりたいんだ?」 結局、何も行動を起こさないまま先延ばしにしてしまい明日からいよいよ夏休みに突入と言う日の午後、近所にあるガラナンカレーのオーナーは「特盛スパイスカレー・とんかつ二倍乗せ」をカウンターに置いてしげしげと俺を眺めた。 「別に今のままでも良いと思うけど中野くんはそうは思わないんだね」 「そりゃそうでしょう? こんなぶよぶよなカラダじゃ夏になっても裸どころか水着すら無理ですよ。あ、追加で厚切りベーコンもお願いします」 俺の注文を受けジュージューとベーコンを焼き始めるオーナー。 そんなオーナーの逞しい背中に、やっぱ男はこうでなくちゃな、と思ってしまう。  『カッコイイ体こそ男の武器』  『海の勝組。それは男の色気ある肉体美』  『夏こそ魅せつけろモテボディ』 夏の前によくある雑誌の特集を見ては年を追うごとに俺は焦りを覚えた。 高1の頃まではただ単に背が高くガタイが他の奴より多少デカイと言う程度だった。 それが、遺伝的な要素もあるのだろうが運動量よりも体重の増加が早く、高校を卒業するころには立派なデブと化していた。 大学に入るとそんな体型を誤魔化せる服ばかりを選んで着るようになった。 服さえそれなりのを着ていれば、肥満体では無くラガーマンぽい印象を与えられたからだ。 「一年前はまだ80キロ台だったんですけど、今年は遂に90を超えてたんです」 「でも、中野くんは身長があるし90キロでも大丈夫なんじゃないのかい?」 「それが、定期検診で計測したら体脂肪率が35%もあったんです」 サクサクの衣を身にまとったとんかつをカレーのルーと共に口へと運ぶ。 甘味のある脂が口にいっぱいに広がりカレーのまとうスパイスの香りと相まって至高の味へと昇華される。 「やっぱガラナンカレーのカツカレーは最高っすね!」 3人前近くあった特盛カレーはするすると俺の胃の中へ収まり、10分とかからず目の前から消え去った。 「こんな美味いカレーを我慢するくらいならダイエットなんかしたくないんですけど、それでもモテたい、カッコ良くなりたいって思うんですよね。 都合が良過ぎるのは分かってるんです。ただ、一応俺も男なんで彼女の一人くらい欲しいですし」 笑顔で「どういたしまして」と答えたオーナーが俺の耳元まで顔を寄せて囁いた。 「じゃあさ、そんな中野くんにピッタリのアイテムがあるんだけど、試してみるかい?」 「そんなモノがあるんですか?」 俺は思わず席を立った。 「あ~、あんまり大声は控えてもらいたいなぁ。一応部外秘、ってやつなんでね」 「そうでしたか。すみません」 「いや、今は他に客はいないしそこまで構えなくてもいいんだけど、少々特殊なモノなんで」 ガラナンカレーのオーナーは一度店の奥に引っ込んだかと思うと小さな箱を持って再び店内に現れた。 「ヒトを選ぶアイテムなんだけど、ちゃんと身に付けられるようならOKって事だから」 「何なんですか?」 「これかい? コイツはマスク。いわゆる頭をすっぽり覆う覆面ってヤツさ」 「はぁ……覆面、すか」 「ま、ぶっちゃけそう言う反応になっちゃうよね。でも、騙されたと思って一度試してみなよ。付けられなかったら捨てずに返品しに来て欲しい」 「お高いんですか?」 「お金は結構さ。タダ、ってやつだ。だから中野くんには何の損も無い」 「だったら、試させてもらいます。でも、マスク……? マスクかぁ……」 マスクでダイエットとか筋トレと一度も聞いた事が無い。 呼吸法的なアプローチなら頭全部を覆うのではなく口だけを塞ぐ普通のマスクで良い筈。 ともあれ、どんなマスクなんだろう? 小箱をその場で開けようとしたらオーナーがストップと俺の行動を止めに入った。 「開けるのは自宅に戻ってから。誰にも見せないでほしいんだ。コイツは相当な貴重品でね。失くしでもしたら一大事だ」 「そんな大事な品物をタダでもらっちゃっていいんですか?」 「中野くんはウチのお得意様だからね。特別ってやつだ。それに――」 「それに?」 「君がどんなふうに変わるのか、変われるのか俺も興味が出て来たんだ。そのままでも俺には十分なんだけど、もしマスクと適合して共に成長できれば、きっと素晴らしく美味しいカラダになっている気がするんだよねぇ」 「おいしい? 美味いカラダ?」 「ああ、喩え、比喩ってやつさ。カッコイイ、って意味に受け止めて欲しい」 カレーの代金を支払ってガラナンカレーを後にした。 俺と入れ替わりに数人の客が入って行った。時刻を見れば17時になったばかり。 ディナータイムの客が続々とやって来てすぐ満席になるだろう。 自宅に戻った俺はすぐに小箱を開けて中身を取り出した。 「まぁ、マスクって言ってたし、別におかしくはないよな」 白い布地に赤いラインがT字に描かれただけのマスク、覆面であった。後ろにはスリットが入っていてそこを拡げれば頭に被せていける。 それにしても、どこら辺が貴重品なのかさっぱり分からない。 シンプルな仮装グッズに近くコスプレだとすれば「作り」が貧相だと言わざるを得ないレベルだ。 「ド◯キでも売っていそうなクオリティに見えるんだがなぁ」 触り心地はしっとりスベスベしてて実にキモチ良いんだが、それでカラダが引き締まる訳無い。 しかし、オーナーの好意を無にするのも気が引ける。ダメなら返品とも言っていたし、まさしく騙された気になって着けてみればいい。 ◇  そうっと頭をマスクに被せる。 半分収めたあたりでズボッとマスクが勝手に降りて頭を包み込んだ、ような気がした。 位置をきちんと整えようとするとまたもや勝手にマスクがずれて目と鼻とにジャストぴったりに合った。 となるとさすがに気のせいなんかじゃない。 マスクそのものに自動で位置補正をする機能が付いているなんて! ガラナンカレーのオーナーが「特殊で貴重」と言っていたのはもしかしてこう言う事か? と最新型マスク(だと思われる) を秘密にしたがっていた理由もなんとなく推測できてしまった。 「このマスク、これから販売を開始する新商品に違いない。だから他社に情報が流れないよう隠さなくてはならないんだ」 しかし、そんな最新商品をどうして市井のカレーショップオーナーが持っていたのか、と言う疑問は残る。 ああ見えてオーナーはマスクのデザインとか製作上の重要事項に関わりのある人物だったとか? 或いは、元社員だとか、大株主だとか。 「う? か、カラダが、動かねぇ?」 オーナーについて考えている場合じゃ無い。 マスクをしっかりと被った俺はカラダの自由が効かなくなっている事に気付いた。 どうなっている? 何故動かない? 銅像みたく固まっている俺。動かせるのは口と、視線が少しだけと言う有り様だった。 焦る気持ちを必死に抑えつつどう対処すべきか、どうしたら解決するのかを模索する。しかし、何一つ糸口すら掴めない。 ――バキンッ! 5分後か10分後か。 視界に時計がないので正確な時間は分からないが、カラダが動かなくなってしばらく経った頃だった。 いきなり玄関から何かが割れる物音が聞こえた。 そして、何者かが入って来たのだ。 「はい、こんばんわ~。初めまして~」 「だ、誰!?」 「勝手に入っちゃって申し訳ない~。弓弦(ユヅル)さんから頼まれたんでやって来た『浜中 桃里(ハマナカ トウリ)』お兄さんだよ~」 「は? 浜中、さん?」 「桃里でイイよぉ~」 身動き一つ取れない俺のそばに浜中と名乗る男が立った。ただの泥棒や強盗などでは無さそうだが、見知らぬ人物がいきなり部屋の中に上がり込んで来たため全身が恐怖で泡立った。 「玄関の鍵、壊しちゃったんだ~。ごめんね~。帰る前に修理代は渡すからそれで勘弁して欲しいな~」 俺の前にまわり込んだ浜中さん。 年上っぽいけど若い、そしてカッコイイ……。人懐っこい笑顔が爽やかな二枚目青年ではないか。 「キミ、『中野 白羽(シラハ)』くんだよね~? 弓弦さんのカレーショップに足しげく通っているんでしょう~?」 「カレーショップ、てことはガラナンカレーの?」 「そうそう。ガラナンカレーだよ~。――う~ん、なるほどねぇ~。弓弦さんが気に入るのも納得だなぁ~。素材としちゃ 捨て置けない感じ~?」 俺の前からまた背後に移動し、ぐるり一周じっくりと俺を値踏みするように眺めまわす。 「マスク付けると動けなくなっちゃって大変でしょう~? でもでもそれってマスクに無事認められたって証拠でもあって~、 それを見越して弓弦さんが俺をここへ向かわせたって感じなんで~、そんな風に動けなくなってくれた方が俺がここへ来た甲斐がある、みたいな~」 「そんな事より浜中さん! どうにかできませんか? ガラナンカレーのオーナーさんとお知り合いの方みたいっすけど、 ちょっと俺、御覧の通り身動きできなくて困ってるんです! お願いします!」 マスクを取ってもらえれば動けるようになる筈。 「だめだめ~。俺の事は桃里って呼んでよ~」 「はい? いやあの、今、それどころじゃ……」 浜中さんは俺の目をじとーっと睨んでいる。 「……分かりました。では、桃里……さん、お手数ですが、お助け願えませんか?」 「ん~、『さん』も無しでいいけど、まぁ、それぐらい大目に見なくちゃね~」 またニコッと笑顔になった浜中、いや、桃里さんが俺の頭部をマスク越しに撫で回した。 「うんうん、合体、融合具合はバッチリだね~。あとは精神結合さえ済ませたら問題は無いかな、っと」 「が、がが、合体? 融合?」 「そうだよ~。君とマスクは一体になっているんだ~。無理矢理君から外そうとしたら顔の皮膚まで剥がれちゃって大惨事待ったなしって感じだね~」 「ま、マジっすか? 他に外す方法はないんですか?」 「もちろん有るよ~。無いと俺も仕事に戻れないし~」 俺は藁にもすがる思いで桃里さんにマスクを外し、カラダの自由を取り戻す方法を尋ねた。 「さっきもチラッと言ったんだけど~、精神結合が済んだらマスクの着脱は自由にできるから~」 「じゃあ! それ! その精神結合ってのをやっちゃってください! 俺、このままじゃ飯も食えねぇ!」 「もちろんだよ~。俺が来た理由はそのお手伝いをするためなんだし~」 と言った桃里さんは尻ポケットから取り出した布を自分の顔に押し当てた。 緑色の布はひとりでに丸く膨らみヒトの頭のようになった。 「マ、マスクぅ!?」 そして、スリットがグワァと拡がったマスクは桃里さんを顔から丸飲みするかのように包み込んですっぽりと覆いかぶさった! 「ふぅ。合体完了~。おっとと、服は脱いでおかないと帰れなくなっちゃうね~」 着ていたTシャツやジーンズを脱ぎ捨て穿いていた極細のビキニも外すと、そこには超ムキムキのボディビルダーが全裸で立っているのだった。 「す、凄い、カラダだ……」 「へっへ~、凄いって言ってくれてありがと~。まぁ、マスクのお陰もあるけど半分は自分で頑張ったからね~」 「?」 「まぁまぁ、そんな事よりもサクッと精神結合をすませちゃおうか~。一応聞いとくけど、中野くんてば男に興味はあるかなぁ~?」 どデカイチンポを持ちながら「男に興味は?」と聞いているのだから、性的な意味に違いない。 「いや、俺は女にしか……」 「そっかぁ。自覚ナシなんだぁ~。じゃぁ、カラダからしっかり目覚めさせてあげるよ~」 「えっ!? な、何を? どう言う意味なんですか!」 動けない俺のカラダから服を脱がせて全身を舐るようにするすると撫で回す。 「う、ううっ!」 「基本的にこのマスクってば男が好きな男にしか合体しないんだって~。だけど、その自覚のない奴にも合体する事はある、って弓弦さんは言ってたんだ~」 「いやあの、だから俺は! 男に対して別になにも!」 「ダメダメ~。ほら見てよ~、こんなにチンポ、ビンビンに勃起しているよぉ~? 俺のカラダ見て軽く愛撫されただけで 興味無い奴が勃起するかなぁ~?」 見てよと言うが視線を限界まで下げても股間に届かない。 でも、チンポがフル勃起している感覚はあるので桃里さんの言うような状態にはなっているに違いない。 すると、俺は桃里さんに興奮しているのか? 同じ男のハダカを見て、性的に発情しちまってんのか? 「ンうッ! あふ!」 桃里さんがしゃがんで俺のチンポを口に咥えちまった! レロレロと亀頭や鈴口を舌先で小刻みに虐めたかと思うと、裏筋を辿るようにチュルルルと這わせる。 「ふぁぁあっ! んぐぅぅっ!」 桃里さんは敢えて「気持ちいいか?」などとは聞かない。 聞かなくたって分かっているんだ。俺のチンポが正直に答えちまっているんだ。 次第に口遣いが激しくなってジュッブ、ジュッブ、と音が響きだす。 積み重なる気持ち良さで俺の頭ん中は相手が男だとか女じゃないとか関係なくなって来て、さらに気持ち良くして欲しいと切望し始めた。 「うぁ、ああ、も、もっと、イイッ、いいよぉ、気持ち、イイ……」 男とは言えフェラチオがここまで気持ちイイなんて知らなかった。オナホなんかとは違って縦横に動きまわる舌が俺のチンポをグニュグニュ転がし、鈴口をこじ開け、そしてカリをグリグリとなぞりながらバキュームを加える。 「んあ゛っ! そ、それぇっ! だ、ダメっすよぉ! そん、あ、ああ! イク! もうイク!」 あともう一啜りと言う所でパッと口からチンポを吐き出した。 「いけないいけない。俺ってばついつい楽しんじゃってたよぉ~。このまま中野くんがぶっ放したって精神結合には関係ないからねぇ」 「はぁっ、はぁっ、ううっ、イキたい! あとちょっとで、イク所だったのに!」 「ダメだよぉ~。イクんなら男とセックスしたい! 気持ちイイ事したい! って心からちゃんと思わなくっちゃ~!」 俺のチンポが苦し気にビクンビクンと上下に揺れ動く。 寸止めがここまでもどかしいなんて! イキてぇ! ちゃんと最後まで上り詰めて思いっきりぶっ放してぇ! 「相手が男でも気持ち良くなれちゃう、って理解した~?」 それは正直、理解していた。 桃里さんを気持ち悪いと思うよりももっとフェラして欲しいって思ってたくらいだし。 ただ、それでも「もう一度フェラして下さい」、と頼むのは躊躇してしまう。 男だぞ? 桃里さんは俺と同じ男なんだぞ? 「さぁて、続きましては~」 桃里さんが動けない俺をそうっと横に倒し、肘と膝を直角に曲げて四つん這いの態勢にした。 「ま、まさか……」 「へっへへ、そのまさか、なんだよねぇ~」 いよいよ俺は男にケツを掘られるのか、と恐怖した。 男同士のセックスではアナルを使うという話は聞いていたからだ。 今まで性行為なんかに使われた事の無いただの排泄口が、あの桃里さんのデカいチンポを受け入れられる訳が無い。 カラダが縦に裂けてしまう程の痛みが走るに違いない。 そんな拷問の如き責め苦を予想して動けないのにガチガチの緊張が走った。 「ほ~ら~、そんな力まないんでリラックスしなよ~。ちゃーんと解してあげるから大丈夫だって~」 「で、でで、でも、俺、ケツなんて使った事ねぇし! んひぃ!」 尻穴に「ヌチュゥ」とぬるつく感触がした。 かと思うとぬるつく物体がやや堅く細くなって、俺の肛門の縁をぐるぐるとなぞる。 「んあぁ、な、んだこれ? うく、なんで、俺……」 「マスクが合体寄生した人間に最初にやることはねぇ~、男同士でも性行為が可能なカラダにしちゃうコト、なんだよね~。 だからぁ、中野くんがマスクと精神結合できていようとも、できていなくとも、準備はバッチリって事なのさ~」 ぬるつく細い物体が、ズヌ、と俺のアナルに潜り込んだ。 「う゛あ゛!」 痛い! のかと思ったら逆だった。 気持ちイイ! と感じてしまった。そう、快感に感じてしまったんだ! 「ほらねぇ? アナル未開通だろうが、アナル処女だろうがお構いないんだ~。弓弦さん曰く、感覚神経が死んでいて麻痺してたとしても、性器に変えちゃうらしいから~」 と言うと、デブな俺の体重をものともせず桃里さんは俺のカラダを四つん這いの態勢のまま「逆仰向け」になった自分のカラダの上に乗せた。 これは、いわゆる「シックスナイン」と言う体位だ。 俺の顔の真下には桃里さんのデカいチンポがこちらを向いて迫っている。 桃里さんは俺の股間に顔を寄せ、俺のチンポをゆるく扱きながらアナルを舌でヌチュヌチュと舐めまくっている。 そうして時折ヌブゥ! と舌を潜り込ませては俺の中でグニュグニュと舌を上下左右に動かしている。 「んあ! そ、それっ! んひ! と、とう、りさんっ! ま、待って! ちょっと待っ!」 「だぁめ~、待たないよぉ~。もう少し拡げておかないとキツイものはキツイっしょぉ~?  それとも中野くんが俺のケツを掘ってくれるのぉ~?」 「えっ!?」 俺が?  俺が桃里さんのケツを俺のチンポで? む、むりむり、無理だ! そんなの無理に決まってる! 固く閉じた目を開くと、桃里さんのチンポがゆ~らゆ~らと誘うように揺れている。 「俺はねぇ? 中野くんに掘ってもらいたいんだけどなぁ~?」 桃里さんは本気でそんな事を言っているのか? 「何事もチャレンジって言うよねぇ? 男なんて無理だと決めつける前に一回くらい試してみるのって、有りだと思うんだよね~」 「で、でも、俺は、そう言うのはやっぱ……」 ケツとマンコ、どっちのほうが具合が良いか、知っておくのも悪くないと思うよ~? 女の子とセックスする前の予行演習って考えればいいんじゃない~?」 ――この時、桃里さんがどんな顔をしていたのかは見えていないので何とも言えないが、きっと凄く腹黒い表情になっていたんだと思う。 なぜなら、この後の俺には女とセックスする気が全く無くなってしまうと知っていただろうから。 再び立ち上がった桃里さんは四つん這いのままの俺の頭をグッと引き上げ、視界の真ん中に桃里さんの股間が来るようにした。 ガチっと張り出した大胸筋、バキバキに割れて盛り上がった腹筋。 股間からふてぶてしく聳えるペニスは30cm以上はあるだろう。 太い太腿に挟まれてずしりと重量感のある二つの睾丸がぶら下がる。 「男」と言うか「雄」を感じさせるカッコよくてエロい桃里さんの肉体。 その肉体がぐるりと背を向け、足を開いたかと思うとケツタブをぐっと左右に引き上げた。 「っ!?」 丸見えになった桃里さんのアナル。 肛門の縁がムクリと浮き上がっていて、まるでマンコの陰唇にようだ。 グパァと口を開けば涎のような粘液が溢れ、ひくひくと腸壁が蠢いている。 そんなイヤラシイ「雄膣」に俺は思わず「ぶち込んでみてぇ!」と思ってしまった。 「ぶち込んで」、穴の奥までチンポを突っ込んでグッチュグチュに「かき混ぜて」、桃里さんが快感に悶えて喘ぐ姿をじっくりと味わい気持ち良くなって「ぶっ放して」やりてぇ! 一瞬、周囲がチカチカっとフラッシュした。 何だろうと思って首を動かして周りを見たが別に何も無い。 「あ、れ? 首が……動く?」 「精神結合も無事完了ってことかな~?」 「腕も、足も動かせる?」 「そりゃそうさ。もう中野くんは男に対して嫌悪も抵抗も無いだろう?」 「は、はい……むしろ……」 抵抗どころか早く桃里さんのアナルを犯してやりてぇ、と思っている程だ。 「だよね~? 早くケツマンコの気持ち良さを味わってみたいよねぇ? もちろんいいんだよ~? 中野くんも俺たちの仲間に加わった記念だ~! ようこそ男同士の快楽の世界へ~! ようこそ『マスク』寄生体のメンバーへ~」 この時、俺が被っているマスクの目の部分がボコリ、と隆起した。 今度は桃里さんが四つん這いになって腰を高くし、俺に尻を向けた。 「ほら、どうぞ~。もう我慢できないっしょぉ~? もうトロトロになってっから中野くん、そのままチンポをぶち込んじゃって欲しいなぁ~」 「言われなくたって、ぶち込んで、とことん掘りこんでやりますよ」 この時の俺、きっと今まで見せた事無いような下卑た顔をしてたと思う。 飢えた狼と化した俺の前にまんまと現われた草食獣を喰らうような。 「美味そうなケツマンコしてるよな」 脳内ではなく実際に声に出していた。 「でしょでしょぉ~? 中野くんのチンポでもっと極上の雄膣に仕上げて欲しいんだ~。早く早く~」 ――グ! ヌジュ、ブブ! ズニュブ! 「うは!?」 「んほぉぉおおお!」 俺のチンポが桃里さんのアナルと結合した瞬間、どうして早くこうしなかったのか? とさっきまでの俺を責めた。 気持ちイイ! 気持ちイイ! 超キモチ良い! ヤベェ! こんな気持ちイイことどうして今まで嫌がっていた? どうしてさっさと「こっち」に来なかったんだ? ああ゛! すっげー! 何だこれ! 何だよこれ!?  マジもっていかれちまう! 俺のチンポが融けちまう! 腰を振るたびにどんどん、気持ち良さが溢れて来やがる! 「キィモヂイィィィィーーーーーーッ!」 ◇  結局、俺と桃里さんは朝までひたすらセックスを続けた。 精力もスタミナも涸れる事無く、数えきれないほど射精もした。 マスク越しなのに桃里さんのチンポを咥えたらちゃんと先走りの味も感じられ、咽喉奥でしゃぶるのも可能だった。 そう言えば最初に桃里さんだってマスクを着けたまま俺のチンポを咥えていたっけ。 セックスの後、頭から外してみたら、まるで未使用のような状態になっていた。 チンポをしゃぶり過ぎて口の部分がビロビロに伸びている、と言う事も無い。 いくら伸縮性に富んでいるとしても、100%の復元力があるとは不思議としか言いようがない。 「寄生体? 俺、マスクに寄生されちまったのか?」 桃里さんはマスクと合体融合、とも言っていた。 だが、今はこうしてマスクを外し、何事も無くカラダも動かせている。  翌日、玄関ドアの鍵の修理を依頼した施工業者の人が去ってしばらくすると、再び桃里さんがやって来た。 俺は桃里さんの顔を見ただけで激しく勃起し強い性欲を覚えた。 「へっへ~。俺とヤるだろ~?」 「もちろんです」と大きくうなずいた。 あのマスクを顔に乗せるとひとりでに展開して俺の頭を覆ってくれた。 桃里さんもマスクを頭部に装着した。 「マスクさえ着けてればいくらでも射精できるし、疲れも残らないからね~」 やはりそうだったか。 昨日の夕暮れから朝までぶっ通しでセックスしていたにも関わらず疲労感は全然無いし、むしろ半日と経たずにザーメンが 満タンになっちまっていた。 「早くヌキてぇ。早くイキてぇ。早く男とセックスしてぇ!」 と、全身の細胞が雄の快楽を求めて叫んでいた。 だから桃里さんの顔を見た時、心底ホッとした。 男を欲してやまないカラダ中の「飢え」を、桃里さんのお陰で満たせられるんだ、と。 また次の日も桃里さんは俺の元へ来た。 その次の日も、また次の日も。 こうして俺は、七日連続で俺は桃里さんとセックスしまくっていた。 気付けばぶよぶよだった腹や弛んで二重になっていた顎が引き締まり、かなり痩せたかのように見えた。 だが、体重計で計って見ればほとんど変化が無い。 「中野くんの場合~、脂肪がどんどん筋肉に置き換わっているんだろうね~。体重には表れにくいけど体脂肪はバッチリ下がっているんじゃないかな~?」 8日目、「俺の職場で使ってるヤツを借りてきたんだ~」と桃里さんが体脂肪まで計測できるヘルスメーターを持ってきた。 そいつで計測してみると、体重はともかく体脂肪率がおよそ半分。18%との驚くべき数字を叩きだしていた。 「凄ぇ! 嘘だろおい! 一週間程度で体脂肪が半減するなんて!」 その原因は一つしかない。 マスクだ。 『マスク』のお陰に違いないのだ。 寄生体をより良い「環境」に整えるため、マスクが俺のカラダをより一層「最適な雄」へと作り変えているに違いない。 だが、9日目から桃里さんは俺の部屋に来なくなった。 俺は焦った。 今日もできると思っていたのに! セックスできないなんて! と。 他にヤレそうな相手などいない。マスクはもっともっと俺にセックスをさせたがっているようだった。 なのにその望みを叶えてやれず、俺は申し訳ない気持ちになった。 仕方なくオナニーだけで耐える事にした。 が、それも4日で限界が来た。 13日目、俺は久しぶりにガラナンカレーへとやって来た。 「いらっしゃい! なんか久しぶりだね!」 オーナーが朗らかな笑顔で迎えてくれた。 少し前までほとんど毎日のようにカレーを食べに来ていたのに、どうしてここまで空白期間ができたのか。 いや、そもそも俺は桃里さんとセックスをし始めて以来、何を食べていたんだ? オーナーはそっと店頭の照明を落とし、「閉店しました」との札をかけた。 他には誰もいない。これで俺とオーナーの秘密は守られる。 「寄生されるとしばらくは精液以外、欲しくなくなっちゃうんだよ。 だからウチに食べにくるって発想も出てこないのは不思議でも何でもない」 「そう言えば……」 桃里さんが来ない日は自分の精液を飲んでいた。 飲んだら渇きや飢えはひとまず落ち着いたからだ。 「俺、本当にマスクに寄生されたんですか?」 「寄生、共生、どっちでも構わないんだけど、確実に俺も中野くんもマスクに寄生されているねぇ。一々どこがと挙げる気は無いけど」 「正直言って、男としかセックスしたくない、って部分以外、特に変わった気はしないんですよ。 体型だけはかなり変化しましたけど」 体脂肪が筋肉に置き換わっていた結果、体重はさほど減らないままカラダがどんどん筋肉質なマッチョ体形へと遷移した。 まだまだ桃里さんレベルには及ばないが、誰が見てもマッチョだ、と呼ばれるほどにはなっていた。 「まだ中野くんもマスクも成長の途中だからね。これからマスクと一緒にセックスして成長して行けば、新しい何かが、あるかも知れないよ?」 「新しい何かって?」 「内緒、と言いたい所だけどヒントだけ。とっても気持ちイイ事さ」 「だったら大丈夫です。今でも気持ちイイですが、新しい何かも気持ちイイなら不安はありません」 「そうそう。その意気だ。んで、コイツは俺のサービス」 カウンターにとんかつやエビフライ、そして目玉焼きまで乗っかったスペシャルカレーが置かれていた。 「食べていいんですか?」 目の前に現れると無性に空腹を覚えた。スパイスの香りが絶妙に鼻をくすぐる。 「たまには精液以外のも腹に入れとかないとね」 「ありがとうございます。じゃぁ遠慮なく」 スペシャルカレーはとても美味かった。 久しぶりだったせいもあるのだろうが、どこか精液のような風味があって全身に染みわたる陶然とした味わいを覚えた。 「もしかしてもしかすると、オーナーの精液が入ってたりします?」 「仲間の舌はやっぱり誤魔化せないかぁ~。その通り、ご名答さ。俺の精液がたっぷり入った特別カレーだ。 寄生体の仲間以外には誰にも分からない秘密の隠し味なんだけどね」 「やっぱここのカレーは最高っすね」 「食後は俺とセックスってのはどうだい?」 「オーナーさえ良ければ是非」 「じゃぁ、カレーはほどほどにしないとね」 「いえ、カレーは別腹っす。オーナーのナマ精液もがっつりいただきます」 「……よし。じゃぁ明日は臨時休業にしよう」

リビドーマスク・エキサイト 4 『中野とマスク編』

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