8男ふたなりクリスマスターベーション クリスマスイブの次の日、クリスマスメインとなる25日になった。 一日ぶりに目が覚めた圭太はあれほど激しく絶え間なく続いていたアナルの快感地獄がストップしている事に深い安堵の息を吐く。 横を見ると眠っている俺に気付くだろう。 「おはよう先輩。きっと先輩が何とかしてくれたんすよね? 俺の身に何が起きてたのかさっぱり分からないんすけど、 もう安心していいんすね?」 晴れ晴れとした気分でベッドから起き上がり、汗でべたつく肌を流そうとバスルームへ行く。 そうして、シャワーから熱い湯を出しふとバスルーム内の鏡を見て圭太は驚く。 「うわ! 俺、なんか筋肉ヤバくない?」 中肉中背だった圭太が俺と同じく細マッチョのしなやかな筋肉をゲットしている。 精悍な引き締まった肉体美にうっとりと目を細め、するすると手で撫で回す。 「先輩に引けを取らないエロいカラダになってる……。へへっ、すんげぇイヤラシくって良いじゃん」 満足げに微笑む圭太の股間がビクビクと膨張し、速やかに肉欲をカタチで示す。 「あんなにケツを犯されまくってイキまくってたのに、まだイキ足りないのかよ~? それとも、アレとコレとは別モノってか?」 訝しみながらもチンポを掴み、ゆるゆると扱く。 すると、もう一か所激しく疼いて主張する部分がある事に気付く。 「んふぅ、やべ、ケツも欲しくなって来やがった。先輩はまだ寝てるし……。仕方ない、自力でヤるしかないな」 チンポの付け根の奥へ手を伸ばし、疼くスポットに指をそうっと触れさせる。 「はぎひぃ!? えっ! 何? 何でこんなに気持ちいいんだ? まだ触れただけじゃん!」 怪しみながらもう一度指を押し当てると、ビビビと快感のパルスが流れ腰に力が入らなくなる。 「はぁんっ! んな!? 何だよこの快感はぁ!? 今までとは全然違う気持ち良さじゃん! んほぉ!」 徐々に指を増やし感じるスポットをじっくり丹念に責めて行く。 そうするうちに嫌でも圭太は理解する。 「アナル」がアナルじゃなくなっている、と。 陰唇やクリトリスを備えた雌マンコに。内部に子宮まで構築し終えた女性器に。 精子と結びつくと子を孕み、宿せるヴァギナになっている事に。 「うえぇ!? 何コレ? 何だコレ? 何だよコレはぁぁーーーっ!?」 確かめる指先が新しい快感を生み出し圭太の思考を妨げる。 更なる快楽を我が身に与えよ、と自身の性なる欲望に思考が支配されてしまう。 「い、や、ダメだっ、って! 俺のアナルがマンコになっちまって、んひ! でもきもぢぃっ! 超キモチイイイッ! そ、れ以上、弄ったら、んは! 止められなくなるっ! 止まんなくなるっ! もっと! 欲しく! なるよぉぉーーーーっ!」 バスルームの中で圭太は自身に生まれた新しい性器への「責め」に夢中になってしまう。 涎を吐き出す自身のヴァギナへ指を束ねてズッチュズッチュと刺激を与え、その蕩ける快感に全身を震わせてしまう。 「やっべぇっ! も、イグ! イグイグイグ! 俺ぇっ! マンコで! 自分のマンコで! イ、ィ、イグゥゥーーーーーーッ!」 ド! ブッシャーーーーーーーーーーッ! 圭太のヴァギナが潮を噴く。 間を置かずチンポからも精液を発射する。 ドビュドビュドビュゥーーーーーーッ! ◇ 俺がバスルームのドアを開けると、イキ過ぎて放心状態になった圭太がぐったりと浴槽にもたれかかっていた。 何が行われていたのかなんて一目で分かる。 充満する精液の匂い。 排水口には流れ切れなかった精液がたっぷりと残留している。 「――圭太、なぁ圭太、起きてくれ。今の内に、オナホが誰かに再び使われる前に、シておかなくてはならない事があるんだ」 圭太の頬を軽くぺシペシと叩き、呆けた意識を表に引っ張りだしてもらう。 早く話しておかなければまた圭太が快感の狂乱に苛まれるからだ。 タイミングは今、今しかない。 「圭太。まずはお前をこんな目に遭わせてしまって本当にすまない。全ては俺が原因だ。俺がもっと早く自分の気持ちを打ち明けていれば、 もっと早くお前の気持ちに気付いていればこんな災難に遭う必要はなかった。 本当に、本当にすまない」 半眼で聞いていた圭太が少しずつ覚醒し、何かを言いたげに口を動かした。 だが、俺の耳は何を言っているのかを聞きとってくれなかった。 『謝らないで下さいっす先輩。夢に先輩が現われるようになってから薄々気付いてたっす。 先輩が俺に何かしているのかも知れないな、って。でも、それが何であれ先輩と一緒にいられるのならそれで俺は構わないんすよ。 だって俺、先輩が好きだから――』 圭太を背負ってバスルームから出た俺は、ベッドに圭太をそうっと下ろした。 「良く聞いてくれ圭太。今はアナルを犯されている感覚は止まっているだろう? 中断されている理由は俺も分からないが問題が解決した訳じゃないんだ。 いつまたあの地獄が再開されるかは不明な状態だ」 「……そう、なんすか……。じゃぁ、また俺、あんな風に困った状態を先輩に晒しちゃうんすね」 「いつまで猶予があるかは分からないから、お前がこうなっちまった経緯をかいつまんで話そう」 俺は偶然入った自慰専門店でイメージした相手のアナルと感覚を繋げ、開発までしちまう摩訶不思議なオナホ、『コネクト・ディベロッパー』を手に入れた事から、 「オナホ」を使ってノンケだと思っていた圭太を男好きに変えようと目論んでいた事。 そうして、圭太は俺と同じ男好きだと知り俺の目論見とは違う道筋を辿ったが結果として付き合えるようになった事。 「――なのに、よりによってお前と初めて結ばれた日の帰りにオナホを失ってしまった。 そして、お前のアナルとのリンクが残ったままのオナホが、誰かの手に渡ったのは確実だ。 あれ程ひっきりなしに犯され続けるようになっちまったのはこの直後から、なんだよ……」 「……説明を聞いてもやっぱり信じられないとしか言えないんすけど、そうなんだろうな、って腑に落ちる部分もあるんすよ。 俺のケツが見えない誰かに開発されている時に頭の中に先輩が浮かんでいたのは、ただ単に俺が先輩を好きだから、ってだけじゃなくって きっと先輩が俺をイメージしてくれてたからイメージごと伝わっていたんじゃないのかな、って」 「……いずれにせよ俺は、オナホを使ってお前を野郎同士の世界に引きずり込もうとしていたんだ。所詮その程度の奴だったのか、と幻滅したか?」 圭太は力強く否定した。 「全然! 俺がもし先輩より先にそんなオナホを手に入れていたら、きっと同じことをしたと思うっす。 それに、アナルを開発されてノンケから男好きに変えられたとしても、どのみち先輩以外の男を好きになる事は無いっす。 俺は、入社した時から先輩に憧れていましたし、色々と面倒を見てもらっている内にマジで好きになっていましたから。 そんな、憧れの先輩が俺をここまで求めてくれていたのだと知れて、正直嬉しいですし、照れ臭い……、っす」 俺は恥ずかしそうに微笑む圭太を思いっきり抱きしめた。 さぁ、淫魔・セルグロンが差し出した「提案」を実行に移そう。 躊躇いも迷いももはや無くなった。 圭太を救うためなら、圭太に「日常」を取り戻させるために、俺は、今までの「俺」を捨て去っても惜しくは無い。 「あのオナホとの連携を消すのは現物が無ければ無理らしい。手に入れた奴が使えば再びお前のアナルはそいつのチンポを感じて快感に狂う事になる」 「もうアナルじゃなくなっちゃってるっす。どう見たってマンコっすよ。女のヴァギナになっちまってるっすね」 「オナホを使う奴がチンポを突っ込む時にマンコをイメージするから、圭太のアナルにもそいつが伝わって変化しちまうのだろう、と聞いている」 「うっすらとした印象、ですけどオナホを使っているノンケ野郎は二人や三人なんてもんじゃないっすね。数十人単位で使い回しているような感じがするっす。 先輩の時と違って使っている奴の姿が頭の中に浮かんでこないのは、きっとそいつらは女をイメージしてるからなんすね」 「だろうな」 「そして、残念だがマンコになっちまったお前のアナルは元に戻せない」 「……正確にはマンコ兼アナルっすね。自分で言うのも何ですけど咽喉の気管と食道みたいに隣り合っていて、必要に応じて切り替わる感じがするので」 ◇ セルグロンの「提案」 それは、俺が淫魔に変身する、と言うものだった。 『オナホの効果は消せないんだけど~、そのまま使ってる本人に返す事は可能なんです~。もちろん人間のままじゃぁ無理なんですけどねぇ~』 セルグロンは尻の穴に手を突っ込んで別の「オナホ」を引きずり出した。 紫色をしておりセルグロンの巨大なチンポにも似ている。 「んふうぅぅ~。これは『レイヤーインキュバス』ってオナホ、いえ、淫魔具でして~。使い方はオナホと同じくチンポを挿入して頂ければOKです~」 「で? コイツを使えばどうなる?」 「僕たちのようなインキュバスのカラダに変身できちゃうんです~」 「変身? インキュバスにか?」 「イメージ的には人間のカラダの外側にインキュバスのカラダを重ねて融合させていく、みたいな?」 「難しいな……。よく分からないが」 「ですよねぇ~。なので単に変身する、で構わないかと~」 「それで? インキュバスに変身したらどうして圭太が救えるんだ?」 「インキュバスになれば性エネルギーを操作する事が可能になるんです~。そんでもってこれから藤堂さんにやってほしいのは彼氏さんである圭太さんのカラダに入り込もうとする性エネルギーの『向き』を持ち主の方向へ逆向きに変えて頂きたいんです~」 「と言う事は、つまり、なんだ?」 「誰かさんが『コネクト・ディベロッパー』を使うと、連携したままになっている圭太さんに誰かさんからの性エネルギーが電流みたいに流れて来てですね~、 圭太さんを感じさせたりイメージ効果を植え付けようと働きかけるんですが~、藤堂さんにはそうやって流れてくる性エネルギーの方向、ベクトルの向きを逆向きに反射させてもらいたいんです~。そうすると圭太さんが不用意に感じてしまう事を防ぐことができるかと~」 「俺がインキュバスに変身したらそんな事ができるようになるのか?」 「条件はいくつかありますけど、この方法でしたら圭太さんを連続絶頂地獄から解放できるのではないかと~」 「その提案を聞く限りでは、むしろ圭太本人がインキュバスに変身した方が良くはないか?」 「難しいでしょうねぇ~。絶頂状態で性エネルギーを反転させるような判断力がご本人に持てるのかどうか~。むしろ性エネルギーの奔流に打ち負けて二度と正常な状態に戻れなくなるかも知れないです~」 「分かった。圭太には無理だ。俺だけソイツを使う事にする」 「僕もその方が良いと思います~」 「条件」を俺に話したセルグロンは一歩も動くこと無く空間に融け込むように消えて見えなくなった。 『明日は商店街でマスコットの着ぐるみを着て福引案内をするバイトが朝から入っていますので~、この辺で失礼します~。それじゃぁお邪魔しました~。ご検討を祈っております~』 何も無い空間にセルグロンの声だけが漂い、やがてその声も聞こえなくなった。 「アイツ、淫魔なのになんで人に混じってバイトなんかしてんだ? ……よく分からないな」