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【チラ見せ】狼男

今日は俺の18歳の誕生日。普段は帰りが遅い父も、今日は俺を祝うために早く帰ってきてくれた。 「誕生日、おめでとう。立派になったな」 「無事にここまで育ってくれて、お母さんは嬉しいわ」 父と母が慈愛に満ちた表情で俺の成長を祝ってくれる。この年になって家族から誕生日を祝われるのは正直言って恥ずかしい。 けれど、一人っ子だというのもあって、両親が俺をとにかく大事にしてくれてるのが分かるだけに拒否しにくい。祝うのをやめてほしいと言えば、「成長したんだな」と言って、それはそれで喜んでくれそうでもあるが。 結局のところ、俺がこの家族のことを愛していて、祝われることがなんだかんだで嬉しいのかもしれない。 ダイニングテーブルの上には母が腕によりをかけたご馳走が並んでいる。 トンカツ、唐揚げ、ビーフシチュー。かなりヘビーなメニューだ。一応サラダもあるけど、基本的に肉料理ばかりで構成されているのは、今日くらいは栄養バランスよりも俺の好物を優先してやろうという配慮だろう。 三人揃って手を合わせる。 「「「いただきます」」」 まずはトンカツを一切れ。噛むと衣がサクっと音を立てた。 ……うまい!! あまりのうまさに驚いた。今まで食べたトンカツの中で一番うまいと断言できる。 母さんのトンカツ、こんなにうまかったっけ? そういや長いこと食べてなかったな、母さんのトンカツ。 「うまいよ、母さん!!」 「ふふっ、ありがとう」 母が微笑みを浮かべながら答える。 我が母ながら美人だと思う。実年齢より若く見えるというよりも、年相応の艶やかさを持っているという感じだ。あと、スタイルが抜群にいい。マザコンとバカにされるだろうから誰にも言わないけど。 「唐揚げもうまいぞ」 父が笑顔で俺に唐揚げを勧めてきた。慈しむような笑みを浮かべたその顔は我が父ながらカッコいい。彫りが深くて日本人離れした顔つきだ。 父は顔だけでなく、体つきもカッコいい。普段はスーツに身を包んでいるが、その下には逞しい筋肉が隠されているんだ。脂肪が少ない研ぎ澄まされた肉体には純粋に男として憧れる。 美味しいご飯が並んだ食卓を美人な母とカッコいい父と和やかに囲む……幸せだ。 こんな平和で幸せな日々がずっと続けばいいな—— 幸福感に包まれて心が穏やかになったからか、いつもより早く眠くなった。 まだ夜の11時くらいだが、俺はもう自分の部屋のベッドで横になることにした。 ベッドに入ってしばらく小説を読み、先を読み進められないほど眠たくなったら電気を消して寝るというのが最近の習慣だ。 今日も、昨日から読み進めている小説を読む。 タイトルは『失うということ』。 読んだことがある友人によると、主人公の男子高校生が残忍な殺人鬼へと変貌していくという話らしい。 主人公が道徳や理性、罪悪感を徐々に失っていく過程が面白いと言っていた。 だが、今のところ主人公はごくごく普通の高校生といった感じで、殺人を犯すのはまだまだ先のことになりそうだ。 ——コンコンコン…… ノックの音で小説の世界から現実の世界に引き戻された。 「まだ起きてるか? 開けていいか?」 父さんの声だ。 「うん、いいよ」 ガチャ—— 「……えっ……父さん、どうしたの……? 」 ——父さんは裸だった。 パンツも履いていないと分かってからは恥ずかしくて下半身を見ることができない。 「そろそろだと思ってな」 答えになっていない受け答えをしながら、父さんが部屋に入ってきた。 相変わらず見事な体だ。 ボディビルダーというよりも格闘家に近い筋肉のつき方かもしれない。 腰回りにもがっしりと筋肉がついていて、ボディビルダーのようにくびれてはいない。 父さんの精悍な顔立ちも手伝って、服を着ていれば一見シュッとしたスマートな体つきに見えるのだが、 実際には全身のあらゆる筋肉が驚くほど太く逞しいことが分かる。 父さんの体には脂肪が全然ついておらず、体脂肪率が低すぎて家にあるヘルスメーターの体脂肪計機能では計測できないほどだ。 芸術的ともいえる肉体美に思わず惚れ惚れしてしまいそうになるが、 全裸姿で俺の部屋にいることは異常だということを忘れてはならない。 「何で裸なんだよっ!?」 俺は恥ずかしくて顔を紅潮させているのに、父さんは平然としている。 「……服を着ていると、破けてしまうんだ」 ……破ける?——「グルルルルゥゥゥッッッ……」 思考が、獣のような唸り声で妨げられた。 父さんが歯を食いしばり、低い声で唸っている……。 「グルルゥゥゥゥッッ……!!」 拳を固く握って体中の筋肉を隆起させている。 筋肉に力を入れて、ここまで膨張するものだろうか……倍以上のサイズになったように見える。 全身が真っ赤になり、体中に太い血管を走らせている筋骨隆々の父さんの姿はまるで赤鬼だ。 「グルルッ……グオオオオオオォォォォォーーーーーッッッ!!!!!」 父さんが大きな声で吠えると同時に、全身が真っ黒になった。 メリメリッ、バキバキッと不気味な音を立てて、そのシルエットが形を変えていく。 (何だよ……何なんだよこれは!!!) 「グオオオォォォーーーッッッ!!! グッ、グアアアァァァ………………」 遠吠えが終わるとともに、その”変化”も落ち着いた。 「け、獣……?」 そこには”獣”が仁王立ちしていた。 漆黒の毛並みをした”獣”……。 「……と……父さん……?」 「何だ?」 ……この”獣”は、やはり父さんなのか……。 頭部はまるで犬のようであるが、確かに目つきには父さんの面影がある。 二本足で立ち、手足は長い……全身の骨格は人間に似ているようだ。 ——全身を観察していると、父さんの”下半身”が嫌でも目についてしまう。 父さんの”それ”は、なぜか勃起している。 屹立した”それ”はかなりの大きさで、正面にいる俺を威嚇するような迫力がある。 「何で……そんな姿に……」 「『狼男』だからだよ」 恐ろしい”獣”の姿とは裏腹に、いつもの父さんと変わらない、優しい口調で答えが返ってきた。 穏やかな父さんの声で、俺は少しだけ落ち着きを取り戻した。 確かに、今の父さんの姿はまさに”狼男”そのものだ。 「狼男」なんて非現実的すぎて陳腐だとも思える単語だ。けれども、今まさしく目の前に存在している。 続けて父さんはこう言った—— 「そして、お前も『狼男』なんだ」 (完成に向けて頑張ります! 進捗は今後もご報告予定です!)


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