【限定公開】沖縄の男、その2。:ちゃんぽん
Added 2019-08-16 23:34:10 +0000 UTCモノレール(ゆいレールというらしい)に乗って那覇空港から県庁前駅に向かった。 俺がひとまず腹ごしらえしたいと言ったら、岸本さんがオススメの店に連れて行ってくれるとのことだった。 その店は駅から歩いて数分だそうだが…… 「暑い!」 「そうだな。汗だくだ」 岸本さんの日焼けしたカラダが汗で輝く。 ……実にエロい。 「岸本さん、すっげぇカラダしてますよね」 「筋トレが趣味なんだ」 岸本さんが右腕の力こぶを盛り上げる。 元から太い腕だが、力を入れると驚くほど隆起する。 体脂肪は全然なさそうなバキバキボディなのにこの太さ。 筋肉だけでこんなに太くなるなんて……どれだけ鍛えているのだろうか。 「本当にすごい……」 「店に着いた、入るぞ」 「あ、はい!」 「俺のカラダならまた後で見せてやるから」 ハハッ、と笑いながら店に入る岸本さん。 ……"また後で見せてやる"……期待してしまうが……冗談、だよな……? 店は沖縄の家庭料理を出す食堂だった。 地元の人がよく来る人気店らしいが、今は昼過ぎだからか空いている。 岸本さんが慣れた風に"ちゃんぽん"を注文する。 「この店の名物なんだ」と岸本さんが言うから、俺も同じ物を頼んだ。 しばらくして店員のおばちゃんが運んできたのは、麺類じゃなくてご飯物だった。 「これが、ちゃんぽん……?」 「そうだ。沖縄のちゃんぽんは、ご飯の上に炒め物の卵とじをのせた料理なんだ」 この店のちゃんぽんは、ひき肉と玉ねぎを炒めて卵とじにしてあるのが特徴らしい。 たしかに、ハンバーグのたねをそのまま炒めたような見た目だ。 「いただきます……あ、うまい」 甘めの味付け。感動的なうまさというわけじゃないが、素朴な家庭料理としてすっげぇうまい。 「いい顔してる」 「えっ?」 「明るくなった。いい顔だ」 岸本さんが優しく微笑む。 きっと俺の顔は真っ赤だ。 「ごちそうさまでした、おいしかったです! いやぁ、お腹いっぱいだ!」 「ボリュームあるよな。俺も満腹だ」 岸本さんが自分のお腹をさする。 岸本さんの腹筋は間違いなくバキバキに割れているのだろう。一体どんな感触なのか……想像するだけで興奮する。 「今日はどこに泊まるんだ?」 「えっ、……あ、いや、まだホテルは取ってなくて……」 すっかり頭から抜け落ちていた。何やってんだ、俺。宿泊先の確保は最優先事項だろう。 沖縄への移動中、いくらでも時間はあった。なのに、俺は……だから、俺は評価されない…… 「そうか。よかったら俺の家に泊まらないか? 狭い家なんだが」 「えっ……ええっ!?」 「まあ、今日は月曜だからホテルも空いているだろう。好きにしてくれていい」 「あ、いや、泊まります! 泊まらせてください!」 願ってもない話だ。こんなめちゃくちゃイイ男の家に泊まれるなんて……! 自分のダメさに落ち込みそうになっていたが、一気に幸せボルテージがMAXになった。 「どうする? 早速ウチに行くか?」 「はい! ぜひ!」 自分でもテンションが高すぎると思う。 でも、岸本さんは呆れることもなく優しく微笑んでくれた。 続く。