歓声と罵声が鳴り響く無法地帯。
むんとした熱気に飛び交う血と汗。
周囲を鉄製のケージで囲まれた逃げ場の無い戦場。
ルールなど無い弱肉強食の非常な見世物の舞台に、
言葉通り一糸纏わぬ姿で命懸けで戦う戦士たち。
その屈強な戦士たちの中で一際小さな者に目を引かれた。
あどけなさを残す顔にそぐわない、戦いの日々でついた全身の傷。
彼がどのような経緯でこの見世物に参加しているのかはわからない。
富?名声?そんなものが手に入るような場所ではない。
彼らの意志とは無関係に、我々の悦楽を満たすためだけに戦っているのだ。
負けたらすべてが終わり、無だけが残る。
そして少年はまさに命を燃やして戦いに臨んでいる。生き延びるために。
彼の太腿と変わらぬ太腕から放たれる拳に殴られ、鈍い音と衝撃。
小さな体は簡単に宙に浮き、目の前のケージに叩きつけられる。
ケージに食い込む尻の肉。近くで見るときめの細かい肌が彼の幼さを物語る。
まるで猛獣の様に吠え、全身全霊を蹴りを繰り出し見事敵を打ち倒した。
また今日も生き延びてくれた。
彼が命懸けで戦う様を見るのが生きがいだ。いや、少し語弊がある。
彼が傷つき、苦しみに耐える姿を見るのが、たまらなく好きなんだろう。
いつか圧倒的な強者に打ち倒され、闘志に燃える目が絶望に染まり、力無く倒れる姿を今か今かと待ち望んでいる。
そして見世物としての価値が無くなった彼を手元に置きたいと考えているのだ。
戦いの日々で作られた締りのある幼い身体を手に入れたいと。
ケージから出て、肩で息をしながらほっとした表情を浮かべる彼が目の前を通る。
汗ばんだ背中にタッチして、「ナイスファイト」と声をかけた。
彼はこくっと少しだけ頷き、ほんのひとときの休息のため、闇に消えていった。
手の届く距離の彼がなかなか手に入らない歯がゆさを今はまだ、楽しもうか。
ネトフリで刃牙VSケンガンを見たので戦う子を描きたくなりました(笑)
差分でこの丸出しの弱点に蹴りが入るところでも描こうと思ったけど、またそれは別の機会に(笑)
こういう裏試合みたいの、ぞくぞくします。
タフとか刃牙、ケンガンみたいな裏格闘技漫画も好きですが、どちらかというとCGアニメ版アトムのロボットバトルとか、漫画のセスタスみたいに「戦わされている」、蟲毒っぽい形式のほうが好きです(外道)。