『あの夏』
199×年夏。スマホも無ければインターネットも普及していない世界。
ぼくらの興味はJリーグとテレビゲーム。
「マジホンマ!ホンマにもらえんねんて!」
「せやけどぉ、怖ない?」
「ストⅡとスーファミもらえるんやで!?」
「うーん・・・」
この時代、誰かの家に遊びに行けばプレイ出来たらしいが、ぼくらの地元は裕福ではなかったので、まだ誰も持っていない夢のようなゲーム機とソフト。
友達のたけやんが公園でサッカーをしていたら大学生くらいの人達に声を掛けられた。大人には内緒で秘密の遊びをしたらゲームをくれるって。
相手は二人組だから、たけやんと一番仲の良いボクが誘われた。
「いけるで。アイツらなんか根暗そうな感じやったし、その気になったら倒せるで」
「倒すって・・・相手は大人やん?」
「おれら空手やってんだしいけるって!」
「せ・・・せやな・・・」
もしトラブルがあれば二人でやっつけて逃げれる。謎の万能感を持っていた当時のぼくらは意を決して教えてもらっていたアパートの部屋を尋ねた。知らない人の家にあがるなんて初めてで、他人の生活臭が少し不快に感じた。
「たけやん・・・」
玄関で思わずたけやんの手を握る。
「なんやねん?自分ホモ?」
「いや・・・ちゅうか今からそういう事するやん・・・」
「ま、まぁ・・・」
なんだかんだ、たけやんも緊張していて逆に少し落ち着いた。
たけやんと一緒に西日が照らす部屋に入る。
キョロキョロしていると壁にあったポスターに目が行った。
ぼくらと同い年くらいの子たちが裸で抱き合ってる写真。
そういうのが好きな人達の部屋にまんまと入ったのだと痛感した。
ライオンの檻に入れられた草食動物の気分ってこんな感じなのかな?
じゃあやろうかと二人がぼくらの服を脱がそうとする。
思わず抵抗してしまうと、大学生たちはニチャっと笑みを浮べた。
すると自分たちが先に服を脱いで、ぼくらの前で堂々と裸になった。
お風呂や銭湯でもないのに目の前にいる全裸の大人にとても奇妙な気分になる。
「さぁ、俺らも脱いだんやから、脱ごか?」
「恥ずかしいんか?うぶやな。スーファミ欲しないんかな?」
ぼくらは目を合わせて、ウンと頷き、服を脱いだ。
たけやんはたぶんスーファミの為に覚悟を決めた感じだったけど、ボクは脱がないと逃げられそうにないと思ったから脱いだ。
「お~、すごい綺麗な身体やな」
「ほんま。すべすべしてええなぁ」
裸の大人達がぼくらの体を首から肩、腕、腰、お尻、ふとももへと手をすべらせる。
こんな風に触られたのは初めてで、くすぐったい。
「可愛いおちんちんやな?まだつぼみやん」
「ほな楽しましてもらうで~?」
「あっ!」
目の前でしゃがんだと思ったら、抵抗する間もなく、ぼくらのチンチンをぱくっと咥えた。口の中は温かくて、チンチンだけぬるぬるしたお湯に浸かっているような不思議な感覚。そのままチュプチュプと音を立てる。
「けっこう大きいやん、偉いで~」
「こっちの子も大きいで」
口の中で大きくなったチンチンを品評しながら、さらに貪るようにしゃぶる。
ジュブジュブという汚い音が蒸し暑い部屋に鳴り響く。
口の中でチンチンの皮が舌で剥かれ、ピンクの部分が舐められる。
ボクは立っていられないくらいの刺激が股間から全身に駆け巡り、頭の中がパシパシと電気が走るようだった。
「んぐぅっ!ひゃぁ!?んん!?」
「な、なんやねん自分?もしかして感じてるんか?」
たけやんはエロ知識が結構豊富。ボクは「感じてる」の意味はあんまりよくわからないけど、えっちな事だというのは知ってた。
平気そうにボクを子ども扱いしているような口ぶりのたけやんだったけど、ボクと同様に全身がビクビクっと小刻みに動いていた。
「けっこう耐えるやん?ほな、ぼちぼち本気出そか」
「えっ・・・!?」
そういうと大学生の二人はまるで掃除機のようにぼくらのチンチンをしゃぶり尽くす。ボクはチンチンが引っこ抜けて吸われてしまうのではないかと思った。
さらに吸引されたチンチンを舌が360°ぐるぐると舐めまわす。
まるでスクリューの中にチンチンを入れたような、感じたこともない感覚が全身を襲った。腰が砕けそうで、腰を後ろに引いても、吸引だけで引き戻される。
チンチンが燃えるような、どんどん昇っていく刺激。
「う・・・あ・・・アァ、アァァアアアァゥッッ!!?」
たけやんもすっかり全身ガクガクと揺れ、のけ反って倒れそうなのをチンチンを吸われることで支えられて、辛うじて立っているようだった。ボクは襲い来る快楽の刺激の中、一瞬だけ目の前の情景がわかった。たけやんは見たことも無い顔でよだれを垂らしてアウアウと鳴き声のようなものを呻いていた。
エレベーターがグングン昇る時とか、飛行機が離陸する時みたいな恐怖心があっても止められない感覚。自分の身体が自分の意思から離れて行ってしまう。
チンチンの根本からどんどんエネルギーが溢れて、頭の中で急に浮かんだメーターの針が振り切れた。はじめての射精、精通。
たけやんも一緒。
本当にボクと同時にたけやんは精通した。
ひどい言い様だけど、脂でテカる髪の毛、決して女の人にはモテない顔(それはこの二人にとってはどうでもいいのかな)、同い年だったらたぶん友達にはならず、話すこともない二人。
そんな名前も知らない二人にぼくらは精通を迎えさせられたんだ。
ぼくらにとって一生忘れない記憶となった。
思い出ではなくて、今で言う黒歴史ってやつだけど。
でも、そのおかげで今でもたけやんとは友達として連絡を取り合ってるし、今でもあの夏の話でため息ついて笑うんだ。
END
ストーリーを書きながら事件性のある怖い話になるかと思いきや二人が無事にで良かった(笑)
大阪弁というか関西弁?って可愛いですよねぇ、洗剤のジョイくんのイメージですが。たぶん本場の人が読んだらエセ関西弁やん!って言われそう。