『狂愛の小屋』
「みなさんに大切なお話があります。先週からお友達の久島悠馬君が家に帰っていません。心当たりが少しでもある生徒は先生に教えてください・・・」
先生が疲れた顔でクラスのみんなに話す。
もう3月。みんなとお別れする時期。
そう、もうすぐ卒業なんだ。
ずっと憧れていたユウマ君。卒業後は離れ離れになっちゃうね。
ユウマ君への想いは大切にしまっておこうと思ってたけど、
いざ離れ離れになると思ったら急に我慢できなくなった。
想いを告げるため、裏庭に呼んだんだ。
「うぇ、何言ってんのお前?俺、男だし!てゆーか、誰だよ?」
僕はクラスじゃ目立たない存在。片やユウマ君はクラスの人気者。
知らないフリしちゃうのは、しょうがないよね。
でも今は周りに友達がいないんだから、気にしなくていいのに。
話したことなくても、気持ちは通じてたよね?
「なんか知んないけど、そーゆーのキモくて無理だから!じゃな!」
ショックだった訳でも、怒った訳でもないんだ。
ユウマ君がこのまま遠くに行っちゃう。もう手に入らないと感じた。
だから僕は咄嗟にユウマ君を・・・。
今は使われていない土場の奥の林、捨てられた古いプレハブ。
誰も入ってこない、僕とユウマ君だけの秘密の小屋。
「あはは、今日ね、先生がユウマ君のこと話してたよ」
「いや・・・も・・・・るし・・・て・・・」
「あぁーもう、すっごく可愛いよユウマ君。僕がずっと大事にしてあげるからね」
「だから僕だけのことを見て、僕だけのことを考えてね?」
「ずっとずっとず~っと、僕だけのモノだよ」
腫れあがった顔、傷だらけの身体。
ユウマ君は僕だけにしか見せない表情を見せてくれた。
友達に聞かせたことのない声で鳴いてくれた。
傷が増えるたび、どんどん言う事を聞くようになった。
もう手を縛らなくても大丈夫。
ユウマ君がどんどん僕だけのモノになっていくんだ。
「本当に可愛いよ、ユウマ。大好き」
ユウマ君の鉄の味がする口に、僕はキスをした。
安心して。いつかこの小屋を飛び出して、二人だけの世界へ行こうね。
END
あっぶねー思考の子と巻き込まれた不運な子。
どーなっちゃうんでしょーかね?