挿絵 きんぎょにく様
アンチスパークルがミレーヌに目をつけ、地球に尖兵を送り始めてしばらく…
苦戦しながらも怪獣たちとの激闘を制していくミレーヌに、アンチスパークルは新たな策を弄そうとしていた。
そのターゲットはミレーヌの義姉であり、ミレーヌと同じく光の星の王家の血を引く、アルティマリオナであった。
とある作戦でミレーヌとリオナを共に窮地に陥れるべく、悪の手先『星人N』が暗躍する。
「まずは前段階として、ミレーヌの足止めといこう…くくく…ゆけ!ザザビラン!」
「ははっ!」
Nに命じられた謎の宇宙人は、手元のカプセルを地球の地表へ向けて放るのであった…
ザザビランが地表へ落としたカプセルからは、謎の怪獣『ナマケランス』が現れる。
何をするでもなく、周りの草花を喰みながら、少しずつ巨大化するナマケランス。
その身体の周りには、謎の黄色いガスが溢れ出し、空気に乗って近くの集落へと流れていくのだった…
ナマケランスのガスが襲った集落には、マサシという少年が住んでいた。
とある理由から無気力な日々を過ごしていたマサシ。
少年の身空でありながら、怠け者の烙印を押されたマサシであったが、特に気にするでもなく怠惰な日々を過ごしていた。
その日、マサシ少年は奇妙な現象に遭遇する。
毎朝自分を叱責しながら起しに来る母親が、その日は静かであった。
「かあちゃん、めしまだ~?」
マサシは訝しみながらも居間へと向かう。
しかしそこでは、働き者のはずの両親が椅子や床でだらしなく過ごしていた。
その顔面には謎の黒い斑点が発現し、明らかに通常の状態ではない両親に困惑するマサシ。
あわてて外に飛び出すと、町のいたるところで無気力になった大人たちがその場に座り込んでいた。
「こりゃいったいどういうことだ?」
マサシは途方に暮れる。
その時、背後から声を掛けてきた人物がいた…
マサシが街の状況に困惑する数十分前…
とある集落から連絡が途絶えたという情報が、防衛隊に届いていた。
現地の調査を命じられたアルティマミレーヌの地球での姿『卯月メイ』隊員は、ガスの発生を観測していた本部からの指示にしたがい、マスクを着用して出動する。
集落へと到着すると、無気力状態で放心する人々がメイの目に留まった。
「命の危険はなさそうだけど…あら…」
メイの視線の端に、家から飛び出してきた少年が映る。
明らかに一人だけ活発な少年が気になったメイは跡を追った。
あたりを見渡して途方に暮れる少年。
メイは背後から驚かせないように声をかけた…
「ふーん、じゃあお姉さんは防衛隊の隊員なんだ?」
防護マスクをつけているメイに声をかけられて驚いた様子だったマサシも、話をする中で冷静さを取り戻し、二人は打ち解けていく。
「そうよ…君…マサシ君以外にいつも通りの人はいないのかしら?」
メイの問いにマサシは頷く。
「だめさ…父ちゃんも母ちゃんも…みんなほうけちまってるよ。朝飯だってまだだってのに…」
ため息をつくマサシに、メイは気になっていたことを訊ねる。
「みんな怠け者になってしまったのね…マサシ君はどうして元気なの?」
メイの質問は、一瞬マサシの表情に影を落とした。
「それは…多分僕がいつも無気力だからかな…」
そう言ってほそぼそと自分のことを話し始めるマサシ。
過去に神童ともてはやされるサッカー少年だったこと。
しかし歳を重ねるにつれて壁にぶち当たり、いまはサッカーも辞めて無気力な日々を過ごしていること。
「そんなだから、このガスを吸っても何も影響ないんだろうね…はは…」
自嘲気味に笑うマサシの頭を、メイの手が優しく撫でる。
「そのおかげで私は貴重な情報を得ることができたわ。今はうまくいかない事ばかりでも、きっと何かの糧にはなっているはずよ。」
現状を肯定してくれるメイの言葉は、腐っていたマサシの心を優しく照らし、揺り動かした。
「お姉ちゃん…」
マサシの顔にいつぶりかわからない笑顔が浮かんだその時、いきなり地面がズシンと揺れる。
「ンアアア…」
それは近場の食べ物を食い尽くしたナマケランスが、のしのしと街へと侵攻してきた足音であった。
「あれは…!…マサシ君、危ない!」
ナマケランスが蹴り上げた岩や瓦礫がメイたちへと降りかかる。
咄嗟にマサシに覆い被さって盾になったメイを小さな瓦礫が直撃し、ガスマスクや手に持ったスーパーガン
を弾き飛ばした。
「おねえちゃん!うわああ!」
瓦礫はメイが防いだものの、巻き上がった突風に転がされてしまうマサシ。
咄嗟に救いに行こうと駆け出そうとしたメイであったが、ナマケランスをほっておいては街に甚大な被害が及んでしまう。
意を決したメイは、吹き荒れる突風の中で自らの本当の名を叫ぶのであった…
「ミレーヌ!」
高らかな声が街に響き、眩い光と共に白銀の女神がその姿を現す。
いつもなら歓声の一つでも上がるところだが、街の住民はガスの影響で虚な表情を向けるばかりであった。
「こっちです!かかってきなさい!」
ミレーヌの挑発にも、ナマケランスは全くうごかず足元の木を抜いては食べ続けていた。
「戦う気はないの?…アルティマアイ!」
ミレーヌは目に力を集め、ナマケランスの身体を観察する。
すると、エネルギー吸収器官にガスの生成装置が直結され、食べた分の熱量が全てガスの発生に回されていることがわかった。
「あなた自身は暴れたいわけではないのね…わかったわ、ちょっと待ってて…フゥ…」
ミレーヌはナマケランスの身体に触れ、その体内に浄化のエネルギーを流していく。
その波動はエネルギー吸収器官にとりついたガス発生装置を切り離し、ナマケランスの体内構造を正常に戻していった。
「ん…ふぅ…く…」
ミレーヌの母・ソフィであれば難なくこなせる浄化であったが、未熟なミレーヌは多大な集中を必要とする作業であった。
それでもミレーヌの献身的な浄化によって、ナマケランスは溜め込んでいた余剰のエネルギーを排出し、小さなサイズへと縮んでいった。
「ふぅ…これくらいになればいいかしら。あとは…」
星間通信用のアルティマサインを添えて、ナマケランスをテレポートさせるミレーヌ。
行先は光の星の怪獣保護区であった。
「あのガスは研究によっては鎮静効果をもたらすものになるかもしれない…あとは保護区の皆さんにお任せしましょう。…誰!?」
ナマケランスを送り出し、ふっと息をつくミレーヌの背後で、怪しい影がゆらめく。
振り向いたミレーヌの前に、謎の宇宙人が降り立とうとしていた。
「あんな怪獣倒してしまえばいいものを…お優しいことだな、アルティマミレーヌ!」
はんぺんを思わせる三角形の白いボディに、赤いラインが怪しく入った奇妙な出立の宇宙人『ザザビラン』の姿がそこにはあった。
「あなたがあの怪獣を…何が目的です!」
勇ましく構えを取り、ザザビランと向き合うミレーヌ。
しかしその勇姿は長くは続かなかった。
不意に足から力が抜け、その場にへたり込む。
「うそ…どうして…」
動揺するミレーヌを嘲笑うように、ザザビランは身体をケタケタと揺らす。
「お前がナマケランスに情けをかけてやっている間に、別のガスを仕込んでおいたのよ!慣れん浄化などするから気づかなかったのだ!」
ザザビランの言う通り、浄化に神経を集中していたミレーヌは周りのガスが黄色からピンク色に変わっていることに気づいていなかった。
「じゃあ…これは…ん…はぁ…」
息を切らすミレーヌの吐息に、切なげな喘ぎが混じる。
ピコンピコンピコン…
エナジータイマーはピンクに艶かしく点滅し、ミレーヌの身体が異常な症状に蝕まれていることを指し示していた。
「身体が…熱い…ん…ふ…力が…はい…らな…ぃ…」
荒い息で上下する胸の先端には乳首が現れ、その存在を主張するかのように固く屹立する。
「くくく…思いの外効果覿面だったな。さて、効果の程を試させてもらうぞ…」
含みのある笑みを浮かべ、ザザビランは自らの腕を触手状に伸ばしていく。
その触手はクリクリとミレーヌの乳首をいやらしく撫でる。
しかし、当のミレーヌは呆けた顔でされるがままになっていた。
「あ…っ…ん…くぅ…ふっ…」
無抵抗なミレーヌに、気を良くするザザビラン。
「くくく…きっちりガスの二重効果で催眠状態に落ちたようだな…ボスから貰ったガスは効果覿面だぜ!」
ピコピコピコ…
催眠下では消耗が激しいのか、無表情なミレーヌのエナジータイマーは点滅を速めていく。
「心は抵抗しているようだが、このガスの前には身体も心もいうことを聞くまい…さて、下の味も見てやろう!」
ザザビランは股間からも触手を伸ばし、ミレーヌの秘所へとあてがっていく。
「ぁ…ぅ…」
ミレーヌは焦点の定まらない瞳で、ほぐされていく自らの身体を見ていることしかできなかった…
「うーん…あいたたた…」
マサシが意識を取り戻した時、目の前に迫っていたナマケランスはその姿を消していた。
かわりにそこにはアルティマミレーヌと謎の宇宙人が鎮座している現状に、マサシは驚く。
「ミレーヌ!?すげー、本物だ!」
テレビのニュース映像で怪獣を颯爽と倒していく姿しか見たことのなかったミレーヌが、目の前にいる…
その現実がマサシを興奮させたが、ミレーヌは呆けた顔で宇宙人を前に身体を預けており、その姿はマサシの憧れの存在とはかけ離れた姿であった。
「くそー、ミレーヌもあのガスにやられちゃったのか…なんとかしないと…あっ?」
マサシが辺りを見回すと、先程の女性隊員が持っていたスーパーガンが転がっているのが目に入る。
「おねえちゃんの仇だ!くらえ!」
ザザビランの形は横幅が大きく、マサシのような素人でも狙いが簡単に定められた。
バリバリバリ!
レーザーが宙を走り、ミレーヌの身体を味わって油断していたザザビランに直撃する。
「ぐああああっ!?」
意識外からの攻撃にザザビランは驚いて振り返った。
ぬぽっ…ブビュッ!
ミレーヌの秘所の中で蠢いていた触手が抜け落ち、中途半端に発射された精液をミレーヌの身体にぶっかけていく。
「ぐぬぬ…いいところを邪魔しおって!」
ザザビランが怒り心頭で向き直り、驚いたマサシは腰が抜けて後ずさる。
「た、助けてミレーヌ!」
ザザビランは鼻で笑いながら、マサシに迫る。
「ふん!ガスで腑抜けたミレーヌなぞに助けを求めるとは…お楽しみを邪魔した報いをうけろ!」
ザザビランが腕をムチ状にしならせて振り上げたその時、その腕は後方へ飛んでいった。
「あ、あれ?」
ザザビランが状況を理解するより早く、空を切ったティアラッガーがもう一方の腕を切り落とす。
「はぁ…はぁ…マサシくん、ありがとう!」
マサシの助けを呼ぶ声がミレーヌの意識をギリギリのところで呼び戻し、ザザビランの注意を逸らしてくれたことで隙をつくことができたのである。
「ぐ…ぐぬ…今日のところはこの辺で…」
一気に窮地に陥ったことで退散しようとするザザビラン。
しかし、ミレーヌはその隙を逃さなかった。
「行かせません!ミレニウム光線!」
十時に組んだミレーヌの腕から必殺の光線が走り、ザザビランに直撃する。
「ギャアアアアアア!」
断末魔を上げて爆散するザザビラン。
「ミレーヌ〜!ありがとう!」
マサシの声に笑顔で応えるミレーヌ。
マサシはその瞳に、先ほど助けてくれた防衛隊員のガスマスク越しに見た目線を思い出す。
空へ飛び立っていくミレーヌをいつまでも手を振り見送るマサシ。
もう無気力だったころの表情は消え失せ、その瞳にも生気が戻るのだった…
「ふん…まぁこんなものだろう。いい時間稼ぎにはなったな…」
『星人N』は爆散するザザビランを見ながら、もう一つのモニターを見遣る。
映し出されたもう一つの星には、ミレーヌの義姉・リオナが到着する様子が映されていた…
終
エノマー
2023-02-12 02:28:51 +0000 UTCガチピン@ご支援感謝
2023-02-12 02:07:50 +0000 UTCエノマー
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2023-02-12 01:16:18 +0000 UTCガチピン@ご支援感謝
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2023-02-11 14:41:56 +0000 UTC