挿絵 ぐおぱむ様 ナイヴィデザイン 春咲ちぼ太様
とある惑星…
そこで一体の機械に電源が入る。
起動したアンドロイド…その姿は機械仕掛けの令嬢のようであった。
アンドロイドは、目の前の存在…自らの主に頭を垂れる。
「汎用型多目的アンドロイドTYPEー91、起動いたしました。任務の設定をお願いいたします。」
機械的に流れる音声に、ニヤリと笑みを浮かべる女性…その名をサキュロス星人。
銀河を超えて暗躍する犯罪者にして、謎の上位存在『アンチスパークル』に仕える一面を持つ女であった。
「あらあら、随分とかわいこちゃんなアンドロイドなこと…あなたにはこれから私の手足となって動いてもらうわ。とはいえ、91(ナインワン)なんて味気ない名前で呼ぶのもつまらないわねぇ…そう、今日からあなたは『ナイヴィ』と呼ぶことにしようかしら。」
サキュロス星人の言葉に、アンドロイドの目が一瞬点滅する。
「ナイヴィ…それが私の個体認証名ですね…承知いたしました。データの書き換えを行います…」
アンドロイド…ナイヴィの様子を見ていたサキュロス星人は、頃合いを見て本題を切り出す。
「さっき言った通り、あなたには私の代わりに任務をこなしてもらうわ。わが主・アンチスパークル様の命により、『地球』という星を守護する『アルティマミレーヌ』…そしてその家族を蹂躙してきてちょうだいな。」
指示を受けながらナイヴィはその方法について瞬時に検索・作戦案の構築などを行っていく。
「承知いたしました。具体的な方法・予算・条件などをご提示ください。地球の技術レベルから推奨される案は、安価な生体兵器よる物量作戦かと…」
アンドロイドらしい容赦のない選択に笑いながら、サキュロス星人は具体的な条件を提示していく。
「そんな単純な方法だったら、あんたみたいな優秀なアンドロイドなんてわざわざ使わないわよん。アンチスパークル様は『地球』という惑星にもポテンシャルを感じてらっしゃるの。特に地表を支配している『人間』の手の届かない領域をね…」
そして具体的な作戦をサキュロス星人に、インプットされたナイヴィは地球へと飛び立っていく。
「さぁて…ミレーヌちゃんたちは無事にアンチスパークル様の課題をクリアできるのかしらねぇ…楽しませてもらいましょ!」
ナイヴィからの報告を楽しみに、サキュロス星人も己の本来の任務へと赴くのだった…
地球の海…
人類がいまだ到達することも叶わない深海に、一つの生命体が眠っていた。
はるか昔に地球へと落着し、一気に深海に沈んだことでその眠りはいまだ続いている。
その眼前に、宇宙から降りてきたナイヴィが姿を現した。
「この生命体の特性的に、復活させれば深海に棲む巨大生命体を使役して地上を攻撃するはず…それではお目覚めなさい…」
ナイヴィの放つエネルギー…小さな光の玉が深海の巨岩に吸い込まれ、暗い海中が静かに鳴動する。
それはまるで新たなる王の目覚めを予感させるものだった…
そしてしばらくの時が過ぎ…
日本の近海で養殖されていた真珠や、海路で運搬されていた宝石類が消失する事件が多発する。
調査に乗り出した防衛隊は、岬の岩陰で謎の生物が強奪された真珠などを消費しているところを発見した。
その陰にはステルスモードで状況を観察するナイヴィの姿もあった。
「さて…『彼女』が目覚めて地球の海はだいぶカオスなことになってきました。はたしてアルティマミレーヌたちはどう戦うのでしょうか…まずは尖兵としてはだいぶ愚鈍ですが、この子に暴れてもらうとしましょう。」
食した真珠などを消化するため、崖の下でのんびりとした動きを見せる潮吹き怪獣『ガラグジラ』…
しかしその背後には防衛隊の攻撃チームが迫りつつあった…
「やつが最近の海難事件を引き起こしている可能性が高い!総員攻撃開始!」
隊長の号令に従ってガラグジラを攻撃し始める防衛隊。
岩場で足元が悪い中、攻撃の主力は空中からのヘリ部隊であった。
ミサイルやチェーンガンの攻撃にさらされて、ガラグジラは眠たそうにその身体を動かし始める。
ブオオオオ…
汽笛のような鳴き声を上げ、体を揺らすガラグジラ。
すると頭頂部の排出口から圧縮された水流が発射され、ヘリコプター部隊や地上の隊員たちを薙ぎ払っていく。
防衛隊はなんとか態勢を立て直すため、一時遠距離からの攻撃へのシフトしていった。
「これ以上は危ないわ…こうなったら!」
地上部隊に加わっていたアルティマミレーヌの地上での姿・卯月メイ隊員は、岩陰でその意識を集中した。
「ミレーヌ!」
まばゆい光があたりを走ったかと思うと、ガラグジラの前には地球を守護する女神・アルティマミレーヌがその姿を現すのだった…
「あれがアルティマミレーヌ…まずはお手並み拝見ですね。」
ナイヴィはステルスモードでその身を隠しながら、今回のターゲットの観測を始める。
ガラグジラはいわゆる尖兵…
果たしてどの程度持ちこたえられるかは未知数であったが、あっけなく倒されたとしても、それはそれでデータ収集の役には立つだろう。
ナイヴィの目論見が功を奏すのか…ミレーヌとガラグジラの戦いが始まろうとしていた…
戦いは終始ミレーヌが優勢に事を進めていく。
地上では本領が発揮できないのか、ガラグジラは鈍重な動きでミレーヌの素早い動きについていけずにいた。
「てぁっ!」
ミレーヌのパンチやキックがガラグジラを捕らえるものの、ぬめりのある体表や重量感のあるボディにはあまり効果が見込めていなかった。
「くっ…なんて頑丈なの…」
焦りが見え始めるミレーヌと対照的に、ガラグジラは彼女のとある部分に狙いを定め始めていた。
真珠や宝石などのきれいなものに反応していたガラグジラの目には、ミレーヌの胸に輝くエナジータイマーは非常に魅力的に映っていたのである。
攻撃を続けて少し疲れが見えたミレーヌの隙を、ガラグジラは見逃さなかった。
シュルルル…
ガラグジラの口が大きくあいた瞬間、その中からチューブ状に伸びた舌がミレーヌに襲い掛かる。
「きゃああっ?!…なに…これ…すべるっ…」
ぬるぬるとした舌を何とか止めようとするミレーヌ。
しかしまるで意志を持った蛇のように動く舌が、ミレーヌのエナジータイマーを狙って身体を這いあがっていく。
「いや…やめてっ…くぅうう…」
何とか舌を押しとどめようとするミレーヌだったが、ウナギのようにその手をすり抜けた触手はエナジータイマーに食いついた。
ドクン…ドクン…
「ぐっ…エネルギーが…吸われちゃう…」
ガラグジラの舌はすっぽりとエナジータイマーを包み込み、その輝きを味わうようにエナジードレインを始めていく。
同時にミレーヌの動きを止めるための毒液が舌を通じて分泌され、タイマーや胸を汚していく。
体の自由を奪われたミレーヌの胸には、エネルギーの循環を乱された結果乳首が浮かび上がってしまった。
「このままじゃ…胸からエネルギーが漏れてしまうわ…」
それでも続くエナジードレインの前に、ミレーヌの動きが少しずつ弱弱しくなっていく。
ズドォオン!
母乳状にエネルギーがミレーヌの乳首に滲み始めたその時、ガラグジラの背中で大きな爆発が起こる。
「おらっ!そんなにきれーな宝石が好きならこれでも食らいやがれ!」
防衛隊の一斉攻撃がはじまり、空中からの爆撃がガラグジラの身体を燃やしていく。
ミレーヌが闘っている間に、防衛隊は貴金属を模したイミテーション爆弾を作成し、ガラグジラにぶつけていった。
その宝石のような輝きに魅せられたガラグジラは喜んでそれを食べようと舌をミレーヌから離してしまう。
しかし偽物と気付いたときは時すでに遅し…
腹に入れた爆弾と地面に散らばった爆弾に挟撃されるかたちで、あたりをのたうち回るガラグジラ。
その隙を見逃すミレーヌではなかった。
「いまだ!ミレニウム光線!」
十字に組んだ腕から発射された光線はガラグジラに命中し、爆弾で弱っていた皮膚を貫通して爆発する。
「やったぞ!ミレーヌの勝利だ!」
防衛隊から勝どきの声が上がり、あたりは歓声に包まれるのだった…
「ふむ…所詮は原生生物…こんなところでしょうか。次はあなたたちの出番ですよ。」
崖の上ではナイヴィがステルスを解いて、爆発したガラグジラを見下ろしていた。
「ゲギャギャ…」
背後にいた謎の魚人軍団がすっと海に飛び込み、あたりを夕闇が包み始めるのだった…
続く
ガチピン@ご支援感謝
2024-10-13 04:43:00 +0000 UTCガチピン@ご支援感謝
2024-10-13 04:41:53 +0000 UTCyukimi
2024-10-11 16:19:11 +0000 UTCsyonnai_hito
2024-10-11 15:03:49 +0000 UTC