挿絵 炭酸水様 さーばーふぇいず様
語呂月の事件に巻き込まれた灯にあうため、海外から帰国した父・総一郎…
救聖天使のことを知られてしまうとまずいと考えた灯と愛菜は、先に愛菜だけで総一郎に会うことにする。
面談が終わるころ、寮に帰宅する灯はデンチューオウマに遭遇し、ブライトハートに変身して戦いを始める。
電気をマイナートに変換して放つデンチューオウマに苦戦するハート。
その気配を察知し焦る愛菜に、総一郎はこともなげに悪魔の出現を予見する。
二人は灯を救うため、オウマの現れた現場へと向かうのだった…
「うあああっ…」
デンチューオウマの攻撃に危機に陥るブライトハート。
そこへ愛菜と総一郎が駆けつける。
「おおっ…空間が歪んで見えるな…あれがオウマってやつなのか?」
現場を視認できている様子の総一郎に、愛菜は疑問を呈する。
「その…いったどこまでご存じなのですか?」
愛菜の質問に、総一郎は肩をすくめる。
「ははは…知ったかぶってみたが、実はぼんやり異変の外郭が見えるくらいなんだ…あのもやの中に灯がいるのかい?」
愛菜にはハートの窮地とオウマの姿が見えていたが、総一郎にはそこまで具体的には見えていないようであった。
「詳しくは言えませんが、彼女は窮地のようです。私も戦ってきますので、安全なところで今しばらくお待ちください!」
中の様子を見た愛菜は、少し顔を赤らめて総一郎に距離を取らせる。
「シャイニーライトアップ!オーロラシャイン!」
愛菜の身体が眩い光に包まれ、もう一人の救聖天使・オーロラシャインへと姿を変える。
その瞬間にはすでに、総一郎の目に愛菜=シャインの姿は見えなくなっていた。
「ふう、あれから十数年…少しは核心に近づけたかと思ったが…なかなかままならないもんだな、あゆむ…」
今は愛娘の無事を願い、総一郎は物陰から推移を見守るのだった…
ビシイッ…バチッ!
デンチューオウマの作り出した空間内では、ハートを責めるために電線の触手を凶悪なトゲトゲの形状に変化させたオウマが猛威を振るっていた。
「あああっ…いたっ…うぅ…やめてぇえ…」
棘のついた鞭のような触手がハートを襲い、身にまとったアーマーが衝撃に耐えられず割られていく。
「あわわわわ…ハートが大ピンチデビ~!」
慌てふためいたエンヴィは、状況を打開すべく周りを見回していた…
▶あっ!シャインが助けに来てくれたデビ~!ここデビよ~!
あそこにいるのはもしかして…灯ちゃんのお父さんデビ?助けてデビ~!
「わーん、シャイン~!ハートが大ピンチデビよ~!」
エンヴィが泣きながら飛び回り、シャインがそこに駆け付ける。
「エンヴィ、どきなさい!はあああっ!」
シャインはオーロラスタッフを器用に取り回し、オウマの触手を浄化していく。
ハートを拘束していた触手を引きはがし、彼女を助け出したシャイン。
「う…ぁ…ありが…とう…」
ぼろぼろの身体でお礼を言うハートの姿を見て、こんな姿を総一郎に見られなくてよかった…とシャインはほっと胸をなでおろす。
「一気に決めるわ!シャイニング・プリフィケイション!」
槍のような形状のオーロラスタッフをまっすぐに構え、目を閉じて集中するシャイン。
そこから放たれた浄化の光は、きれいに触手ごとデンチューオウマを一掃していく。
後にはその核となったイヴィルシードだけが残り、エンヴィが嬉しそうにそこへ飛びつくのだった…
「ん…あれ…私…」
身体の揺れに反応して灯が目を覚ますと、先ほどまでのオウマの気配はもうなくなっていた。
「おっ、気が付いたか?」
いきなり目の前から父・総一郎の声が聞こえ、灯は困惑する。
「えっ…お父さん…なんで?」
頭がクリアになった灯は、自分が総一郎によっておぶわれていることに気が付き赤面する。
「わぁっ…ちょっと下ろして!寮のおともだちに見られちゃう!」
背中をぽかぽかと叩く灯であったが、総一郎は我関せずとばかりに歩き続ける。
「親におんぶされるのの何が恥ずかしいんだ?しかしお前…いろいろきちんと育っているみたいでお父さん嬉しいぞ!」
若干セクハラじみた言い方をする総一郎に、灯はさらに顔を真っ赤にしてその背中をたたき続けた。
「もうっ!そういうことは思ってもいわないでよ!お父さんのばかぁ!」
その横を歩いていた愛菜は、いつも落ち着いている灯が見せる年相応の反応をほほえましく眺め、三人は寮への帰路をたどるのであった…
「むー…」
いまだむくれている灯に肩をすくめながら、先ほどまで愛菜と会っていた応接室のソファに腰掛ける総一郎。
机を挟んだ逆のソファには、灯と愛菜が腰を下ろしていた。
「悪かったって…お前が入学するちょっと前からだから…十か月ぶりくらいか?久しぶりの娘の姿にちょっとはめをはずしちゃっただけなんだからさぁ…」
砕けた言い方ながら、灯を見る視線は親のものであり、その優しい顔に愛菜は二人の良好な関係を感じ取っていた。
「お父様に助けていただいた部分もあるのよ…久瀬さん…だと紛らわしいわね…灯さんもそんなに怒らないであげて。」
助け舟を出す愛菜にウィンクで感謝を示す総一郎。
灯はそういうところにも父の軽薄な一面を見せられたようで、怒りたいのを我慢する苦労に駆られていた。
「さてさて…話を先に進めないとな…まずは情報のすり合わせをしてもいいかな?」
いきなり仕事モードへと切り替わった父の姿に、背筋を伸ばす灯。
愛菜も、どれくらいまで総一郎が事情を知っているのか気になっていたところを聞くために襟を正した。
「まずはこちらの手札から示さないとな…」
総一郎の口から出てきた内容は『天魔大戦』の話や、天使や悪魔との関係性など基本的な情報であった。
逆に愛菜の『家』のことや、いま春野市で暗躍するオウマやそのバックにいるシエロの話は出てこなかった。
おそらく総一郎が日本を出ることになったころまでの情報なのだろう…
「あの…お父様はどこでその情報を得たのか教えていただけますか?私が持つ情報も一体どこまで示せばいいのか…」
結局はそこを聞かないと話を切り出せない…
愛菜は思い切って核心へと切り込んでいく。
灯もそこが気になっており、さっきまでのむくれた態度はどこへやらといった表情で身を乗り出していた。
そんな灯を少し複雑な表情で見つめる総一郎。
「しかしまぁ…おまえと会うたびに思うが、お母さん…あゆむに似てきたな…」
いきなり出てきた母の話に困惑の表情を浮かべる灯。
「それは親子なんだし…っていうかまだまだお母さんには敵わないけど…」
すこししんみりとした空気が場を支配したが、総一郎は一息ついて話を切り出していく。
「ここからはちょっと回想を交えていくぞ…灯にも初めての話だけど落ち着いて聞いてくれな。」
お茶を一口飲んだ後、総一郎はゆっくりと話し始めるのだった…
「はぁ…はぁ…」
現代から二十年ほど前…
まだ高校に通っていた総一郎は、地元の山の中をランニングしていた。
将来は警官になって街の平和を守りたい…
そんな目標を胸に努力を重ねる総一郎少年の耳に、雷のような轟音が聞こえたのはその時であった。
山の天気は変わりやすいとはいえ、いきなり落雷が来るとは考えていなかった総一郎は、その正義感から山火事の可能性等を考慮して様子をうかがいに向かう。
「この辺に光がおちたはず…」
ちょうど山道の脇からプスプスと音が聞こえ、そちらへと向かう総一郎。
森の中の少し開けた場所に、『彼女』が横たわっているのを発見したのはその時であった。
「ええ…」
人とは一線を画したその美しさ…
まさに天使と呼ぶにふさわしい少女『アルム』と総一郎の運命の出会いによって、物語は動き出すのだった…
次回予告
お父さんのお話に一同驚愕!…とはならず、私も愛菜先生もその事実に納得せざるを得ませんでした。
私が救聖天使として目覚めた理由…そしてお父さんが海外を駆け巡っていた訳…
これらは少しずつですが、事態が動いていくことを予感させていきます。
次回!救聖天使ブライトハート16話『お母さんは救聖天使?明かされる謎と新たなる希望!』に光臨です!
※次月の更新は今回の敗北編になります!
ガチピン@ご支援感謝
2025-01-31 06:54:41 +0000 UTCナッツ
2024-11-30 16:10:54 +0000 UTCガチピン@ご支援感謝
2024-11-30 14:58:33 +0000 UTCsyonnai_hito
2024-11-30 13:27:59 +0000 UTCガチピン@ご支援感謝
2024-11-30 01:43:46 +0000 UTCGoti
2024-11-29 14:24:08 +0000 UTC