挿絵 らすP様
前話あらすじ
特異点を通過して現れたアルティマレディ・グレース。
彼女はあらゆる次元でゴーデスの天敵として存在する戦士であり、ちょうど地上で戦っていたルクリアとタケシの間へと降り立つ。
タケシが体に宿す自らの細胞に気付かれてはまずいと、ひそかに作っていたセーフハウスへと緊急避難させるゴーデス。
しかしその際、戦っていたルクリアとアンナを巻き込んでしまう。
セーフハウスの中でルクリアと精神を分離させられてしまい、戦う力を失うアンナ。
それでもタケシを救いたいという意思を見せるアンナの言葉が、ゴーデス細胞に蝕まれたタケシの心を逆なでする。
彼女の無力を実感させるために触手で責めるタケシであったが、アンナの心は折れず…
「くそっ…」
圧倒的な力でアンナを組み伏せるタケシであったが、優勢に見える状況とは裏腹にその顔には苦悶の色が見え隠れしていた。
逆に嗜虐の限りを尽くされているはずのアンナの目には、いまだ希望の光が消えずに何かを信じて顔を上げ続ける。
「一体何だというんだ!いい加減屈してしまえ!」
余裕のなくなったタケシの罵声がセーフハウス内に響くが、自らの操る触手の蠢き以外にその声に応えるものはなかった…
一方そのころ…
アンナの体の内側…精神とリンクしたルクリアも、アンナ本体と同じく触手に巻きつかれる悪夢にさらされていた。
「んむっ…ぐはっ…こんな…一体状況はどうなっているの…」
アンナと共に戦っていたはずが、劣勢から何者かの力によって転移させられた…
そこまでは認識していたが、アンナとの精神的なリンクを強制的に解除されたのか、ルクリア自身にも状況の判断が付かない状況にさらされていた。
「むぐ…かはっ…(おそらくこの状況…アンナが現実世界で受けている攻撃が私にも影響している…精神のつながりが絶たれていても、身体のつながりはまだ…!)」
窮地におかれた中でもパートナーとのつながりを信じ、ルクリアはその目に闘志を宿らせる。
その意志に気圧されたのか、少しずつ触手の動きも鈍ってきているようであった。
「けほっ…けほっ…今もきっとアンナは戦っているわ…もう一度精神のリンクを復帰させることができれば、私たちにだって勝利の可能性は残されているはず!お願いアンナ…応えて!」
触手の這いずる身体に鞭打って思念を込めるルクリア。
それは共に戦っていると信じるパートナーへの信頼の光となって、彼女の身体を淡く包むのだった…
「タケシ君はまだゴーデス細胞に毒され尽くしたわけじゃない…彼の中の意志が、きっと悪に染まることを受け入れきれてないんだ…」
触手の猛攻を受けながら、それでも少しずつ自らの意志を強く維持するアンナ。
彼女の脳裏には、まだ小学生時代に初めて接したタケシの思い出が去来する。
正義の戦士・アルティママンをキラキラとした目で語り、いつかは自分もそんな存在になってみせる…
病に蝕まれる前の彼は、そんな希望に満ち溢れたまっすぐな少年であった。
しかし、いつしか彼の身体は病気によって弱っていき、結果としてアンナはそんな彼を救うことができなかった。
タケシにとって、どんな形であったとしてもそれを救ってくれたゴーデスに恩義を感じるのは当然…アンナ自身にはそれを咎めることなんてできない…
「…それでも!」
今、タケシをこのままゴーデスと共にいかせてしまっては、自分が後悔するのは目に見えている。
たとえそれがアンナ自身のエゴだとしても、一度関係性を築いた以上は放ってはおけない…
辛い時期に寄り添えなかった分、ここはできる限りのおせっかいを焼くことをアンナはすでに決意していたのである。
「ごめんね、タケシ君…私なんかに絡んだのが運の尽きだと思ってね!…ぐううっ…」
アンナは意識を集中し、自らの身体の中の力を絞り出していく。
「私がまだルクリアの身体を維持できているのは、おそらくアルティマブレスにいままで蓄積されたアルティマの戦士たちの力が護ってくれているから…今一度、その力を引き出すことができれば…そのためにはルクリア…お願い!」
アンナの思念はその胸中に残されたパートナー・ルクリアの意志を呼び覚ますべく、その身体中を駆け巡るのだった…
「これは…アンナの意志を感じる…そう…あなたがそこまでの想いで立ち向かうのなら…私もとことん付き合います!」
アンナの想いを感じ取ったルクリアは、自らを縛り上げていた触手を一気に引きちぎっていく。
「アンナ…あなたの想いは私の想い…そして、あなたにこの星を託してきた数多のアルティマレディの想いでもあります…一人の人間の道を正すことは、きっといつか…もっと大きな未来の可能性につながっていくはず!私とあなたは生まれた星こそ違えど、志を一つにするパートナーです…この窮地を乗り越えるために、いまこそ持てる力の一歩先へ!」
次の瞬間、そこには触手に捕らわれたルクリアの姿はなく、一筋の閃光が上へと昇ってゆく。
その光は太陽のように、残された触手たちをあまねく照らして浄化していくのだった…
「ぐわぁっ…いったい何が…」
アンナを掴んでいたタケシの触手が眩い光と共に剝がされ、ゴーデス細胞で構築された部分が浄化されていく。
「ちっ!」
タケシは光に触れていた先端を切り落とし、アンナから距離を取った。
アンナを中心として広がっていた光が収束し、その中心に新たな姿のルクリアが顕現する。
「アンナのあなたを救いたいと願う、強い『意志』…そしてそれに応えようとする私たち、アルティマレディの『心』が呼応して構成された新たなる力…私は『アルティマレディ・ルクリア…イクリプスモード』!この力をもって今、あなたに道を指し示す光となります!」
新たな姿となったルクリア…その力はいかほどのものか…
続く…
ガチピン@ご支援感謝
2024-12-31 15:08:49 +0000 UTCNASU1917
2024-12-31 14:03:28 +0000 UTCガチピン@ご支援感謝
2024-12-31 09:44:08 +0000 UTCsyonnai_hito
2024-12-30 13:54:51 +0000 UTC