挿絵 kirihalla様 春咲ちぼ太様 きんぎょにく様 さーばーふぇいず様
※このエピソードより、登場人物が複数になるため、セリフの前にキャラの頭文字がつきます。
ミレーヌ(ミ)ソフィ(ソ)リオナ(リ)
「「「カンパーイ!」」」
とある居酒屋の個室に三人の声が響く。
室内にはだいぶ出来上がったリオナと、それを見て苦笑するミレーヌ・ソフィの姿があった。
ミ「もう、お義姉様ったら…お酒、最近は控えるようになったって言ってたけど、今日はペース早すぎですよ!ほら、お水飲んで!」
リ「そんなことないわよぉ…」
久しぶりにソフィと会ったことでだいぶ気分が上がっているのか、いつもの厳格な表情が嘘のようにニコニコのリオナ…
それを見て少し驚いたようにソフィは微笑む。
ソ「あらあら…こんなリオナは初めてね…お酒に呑まれるような子じゃなかったと思うのだけど…」
リオナを介抱しながらミレーヌも苦笑する。
ミ「うーん…お義姉様、お酒はこの間ちょっとした『失敗』があったから控えるようになってたんだけど…今日はお母様がきてくれたし、お昼は怪獣と戦ったりでフラストレーション溜まってたみたいだから、ハメを外しちゃってるみたい。」
先日の地方会議の後…ホテルでの一件を思い出してミレーヌは少し頬を赤らめていた…
リ「あれぇ…ミレーヌが光ってるぅ…こんなとこで変身しちゃダメよぉ…」
酔って何か幻覚でも見え始めたのか、リオナがミレーヌを見ながらケラケラと笑う。
ミ「なに言ってるんですか、お義姉様…ってあれ?お義姉様とお母様も…光ってる?」
個室内でそれぞれが淡く光る三女神たち。
ソ「というか…身体が透けてきてるみたいだけど…どこかへ転送されてるような…」
敵性宇宙人の罠か…油断した訳ではなかったが、こんなところで襲われるとは考えていなかったミレーヌたちは酔いもあってか、打つ手を思いつけずになすがままとなっていた。
ミ「ああっ!?このまま私たち消えたら無銭飲食に…お義姉様が犯罪者になっちゃいます!」
このお店はリオナが予約していたことを思い出して青ざめるミレーヌ。
防衛隊で立場があるリオナがそんなことをしたらニュースになってしまうのでは…
オロオロするミレーヌをよそに、彼女たちの身体はもうすでに半透明に迫りつつあった。
ミ「せ、せめてお財布を…」
カバンに手を突っ込んで財布を取り出そうとするミレーヌ…
次の瞬間、個室からミレーヌたちの姿は完全に消失し、床にはミレーヌのお財布だけが転がるのだった…
ミ「きゃああっ!」
一瞬の浮遊感の後にミレーヌたちが目を開けると、室内とは違う冷たい外気がその肌を刺す。
辺りを見渡すと、そこはどこかの山中のようだった。
座り込んだ状態のミレーヌの横には、酔い潰れたリオナを膝枕で介抱するソフィの姿があった。
ミ「ここは…大気組成的に地球ではあるようだけど…」
時間は大きく飛んでいるようで、木々の間から見える空には太陽が輝いている。
ソ「何か空気というか…雰囲気に少し違和感を感じるわね…」
しかし、そんなことを言っていられない事態が三人に迫っていた。
ズゥウン…
背後の山中を何者かが地響きを立てながら進んでくる。
ミ「あれは…怪獣?」
巨大なクマのような形状をした怪獣がミレーヌたちに狙いを定めたかのように、歩みを進めてくる。
身体は白と黒という極端な配色で、その不自然さが不気味な存在感を醸し出していた。
ソ「どうやら私たちを歓迎してくれているわけではないようね…」
ソフィが少し険しい表情を見せて身構えるが、ミレーヌは手でそれを制する。
ミ「お母様はお義姉様を…私たちをここへ呼んだ黒幕もまだ出てきてないようですし、ここは私がいきます!」
少し見ないうちに頼もしい様子を見せるようになった娘の姿に、ソフィも自然と顔が綻んでいた。
ソ「頼むわね…ミレーヌ!」
母の声を背に受けて、光に包まれたミレーヌは本来の姿へと変わっていくのだった…
ミ「セヤッ!」
変身を終え、巨大な白黒の怪獣と向き合うミレーヌ。
怪獣の体格はミレーヌより一回り以上大きく、腕を掲げて構えて彼女を威嚇する。
ミ「たあああっ!」
パンチ、キックと打撃技を放つミレーヌであったが、体格に勝る怪獣には有効な攻撃とはならなかった。
ミ「それならこれでどう!?ティアラッガー!」
頭につけたティアラ型の万能ツール・ティアラッガーを光刃に変えて投擲するミレーヌ。
怪獣に命中した…と思われたその時、なぜかその姿は霧のように消えてしまった。
ミ「うそ…いったいどこに…!!…ぐぁっ…」
背後に気配もなく現れた怪獣は、ミレーヌの首元にその手を伸ばして一気に締め上げる。
ミ「かはっ…くる…し…」
スリーパーホールドの要領で締め上げてくる怪獣の前に、ミレーヌの意識が飛びかける。
ピコンピコンピコン…
ミレーヌのエナジータイマーが赤く点滅を始めていた。
ソ「ふふ…まだまだ世話が焼けるわね…んんっ!」
ズドッ!
ソフィはテレパシーで干渉して先ほど不発に終わったティアラッガーを再度操り、怪獣の腕を切り落とした。
しかし、切断されたと思われた腕は霧のようにもう一度つながってしまう。
しかし、ミレーヌが拘束から脱出するには十分な時間であった。
ミ「実体がない敵なら…これはどう!?アルティマクリアリング!」
ミレーヌの身体から発せられた強力な浄化の光が怪獣に襲いかかり、光が消えた後には霧が晴れたように何も残っていなかった。
ミ「倒した…のかしら?」
ミレーヌは脅威が去ったことを確認して変身を解いた。
ミ「お母様!アシストありがとうございました!」
ミレーヌがソフィに駆け寄ると、横ではリオナが頭を抑えて立ちあがろうとしていた…
リ「あいたたた…一体何が…」
二日酔いのリオナの背中をさすりながら、ソフィは上空を指差す。
ソ「どうやらその答えを教えてくれそうな人が来てくれたみたいよ…」
ミレーヌとリオナが視線を上げたその先…
視界に入ってきたのは、こちらへ飛んでくる一人の女性の姿だった…
③へと続く…
yukimi
2025-05-18 14:36:01 +0000 UTC