挿絵 ガオンくん様 さーばーふぇいず様 江路院様
※今回はレイトショー版が挿絵付きSSとなります。
通常版
ミレーヌが謎の怪獣と戦い始める少し前…
私立春桜学園に通う久瀬灯は、こみ上げてくるあくびを口を押えて耐えていた。
灯「ふぁ…やっぱりお休みもオウマ探しに出ちゃうと疲れが残っちゃう…早く平和になればいいんだけれど…」
彼女の正体は、町を襲う悪魔の手先『オウマ』から人々を守る『救聖天使(セイヴァーエンジェル)ブライトハート』だった。
今は亡き母からの形見『コアジュエル』の力で変身し、人間から発生する負のエネルギー『マイナート』を餌にするオウマたちと、日々戦いを続けている。
昨日の日曜日も、郊外の山中でオウマらしき活動が確認されたため、一緒に救聖天使として戦う『オーロラシャイン』こと、氷神愛菜と調査に出かけたのだった。
調査の結果は空振りに終わってしまったが、愛菜の話では現場に悪魔の痕跡があり、その正体を見極めるには至らなかったとのことであった。
日々をまじめに過ごす灯にとっては、この二重生活ももう慣れてきたようなものであったが、それでも少し疲れが残ってしまったのが実情である。
ウウウウウーーーー
そんな日常に亀裂を入れるように、けたたましいサイレンが鳴り響いたのはその時であった。
灯「なにかしら…緊急地震速報は来てないみたいだけど…」
周りの学友たちもおろおろとし始め、緊張した空気が学園を支配していく。
「お知らせします…ただいま…山間部…東地区にて…謎の巨大生物が現れたとの情報が…」
防災無線から流れてくる情報は、にわかに現実のものとは思えない内容であった。
灯「冗談じゃないんだよね…これ…」
生徒には一律で講堂へ避難するように園内放送が流れ、灯は周りにあわせて移動し始める。
しかし彼女には一点気になる部分があった。
灯「山間部の東地区…昨日私たちが調査に行ったところのはず…いったい何が…」
昨日の出来事に思案を巡らせる灯の肩が叩かれたのはその時であった。
?「久瀬さん…ちょっといいかしら…」
声をかけてきたのは風紀指導の教師『氷神愛菜』であった。
彼女は灯にとっては学園の先生であり、いっしょに戦う救聖天使の仲間でもある。
灯「氷神先生!」
灯は移動する列から外れ、愛菜と空き教室に入る。
愛「さっきの放送聞いたかしら…久瀬さんも知っている通り、オウマや悪魔は人に知覚されるようなことはないわ…ましてや巨大生物だなんて…」
愛菜もやはり昨日のこととの関連性を疑っていたようだったが、ここまで出てきている情報は対象が悪魔やオウマでないことを端的に現していた。
彼らは闇に潜み、人々に視認されることなく悪事を働いていく…
普通に生きる人々には彼らの存在を確認する術はないのである。
故に救聖天使として悪魔やオウマを知覚できる灯たちが、その事態の対処に当たっている…というのが現状であった。
灯「でも…もし悪魔の仕業なら、私たちじゃないと対処できないんじゃ…」
不安そうな表情を見せる灯に、愛菜はやさしく微笑みかける。
愛「それを確かめるためにも、私が確認に行くわ。私…あなたたちの寮で寮母をしているでしょう…こういう緊急事態の時は、寮に戻って欠席して在室している子たちのフォローをすることになっているの。今日はみんな出席しているから、寮は無人だけど…確認に行くことにしていったん学園を抜けて東地区へむかうことにする…あなたはみんなと一緒に講堂で推移を見守ってね。」
そういうと愛菜は意識を集中し、救聖天使オーロラシャインの基本フォーム『エンジェルフォーム』へと姿を変える。
その姿になることで人々からは視認されなくなり、空を飛ぶことも可能になるのである。
灯「先生…ううん、シャイン、気を付けて!」
灯に見送られ、東地区へと向かうのであった…
?「シャイン~…待ってデビ~!…」
町の上空を飛んでいくシャインの横に、白黒の毛玉のような生物が追い付いてくる。
それこそはハートを救聖天使として目覚めさせ、オウマを浄化する手助けをする妖精『エンヴィ』であった。
日中は灯の部屋で寝ているものと思っていたシャインは、エンヴィを見て少し驚いて見せた。
シ「あら…珍しくまじめなのね…今回はオウマの可能性は低いわよ。」
エンヴィはオウマを浄化すると現れる、オウマのもととなる『イヴィルシード』を食べることを至上の目的としているため、それが絡まない調査には無頓着なことが多い。
実際昨日の調査も何もせずに寝ていたらしいと灯から聞いて、シャインは半ば呆れていたのであった。
エ「でっかい生き物が出たって聞いたデビ!アタイ見てみたいデビよ~!」
単なる好奇心で着いてきていることに気付いたシャインは、少しエンヴィを見直そうとした自分の見通しの甘さにため息が出そうになった。
シ「もう!遊びじゃないし、オウマかもしれないのよ!ついてくるならちゃんと気合を入れなさい!」
エ「ちぇー…シャインは厳し~デビ!」
ふたりは飛行速度を上げ、山間部へと迫ろうとしていた…
霧のように靄がかかった山中…
しかし、目の前に見えてきた巨大生物を前に、シャインとエンヴィは言葉を失っていた。
シ「あまり言いたくないのだけれど…あれ…あなたに似ていない?」
二人の眼前に迫っていたのは、巨大なクマのような怪獣…しかし、その体毛は中心で黒と白に分かれており、尻尾の先にはハートのような形が見える…
体形こそ全く違えど、知っている人間が見ればエンヴィを想像してしまう存在であった。
エ「アタイあんなに怖くないデビ!しつれーしちゃうデビ!」
当のエンヴィは心外だとばかりにじたばたと駄々をこねていたが、現実に脅威が迫っていることにシャインは頭を切り替えていく。
シ「でも…ここで止めないと街に被害が…やれるだけやるしかないわ!シャイニーライトアップ!オーロラシャイン!」
エンジェルフォームからオウマと戦うための『セイヴァーフォーム』へと姿を変えるシャイン。
白を基調としたレオタードのような姿から、青を基調とした戦いの姿へと変身を遂げる。
「闇夜に揺蕩う眩耀なる光!救聖天使オーロラシャイン、顕現です!」
シャインはそのまま怪獣の前に出て注意をひこうとする…しかしその瞬間、全く別の方向からシャインへと攻撃が降りかかった。
シ「えっ…きゃあああああっ!」
自らの後方から襲い掛かってきた白く発光する鎖に拘束され、身動きが取れなくなってしまうシャイン。
シ「くっ…動けないっ…」
近くを飛んでいたエンヴィが驚いたように鎖に飛びついた。
エ「シャインを放すデビ~!ガジガジ…美味しくないデビ~…」
鎖に噛みついてなんとかしようとするエンヴィであったが、全く歯が立たずに涙目になってしまう。
その時、怪獣の方でまばゆい光が走り、エンヴィとシャインはそちらに目を奪われる。
ミレーヌ「タァッ!」
何と怪獣と同じサイズはあろうかという女性が現れ、怪獣の行く手を阻むように立ちふさがっていた。
エ「あ~!アルティマミレーヌデビ~!」
巨大な女性を見たエンヴィは目を輝かせて飛び回る。
シ「あなた、あの人を知っているの?」
鎖に抗いながらエンヴィに問いかけるシャインであったが、当の本人はアルティマミレーヌに大興奮で飛んで行ってしまう。
エ「ミレーヌ~!シャインを助けてほしいデビ~!」
エンヴィの声に怪獣がその体を回転させ、風が巻き起こったのはその時であった。
シ「きゃああああっ!」
鎖と共に吹き飛ばされたシャインは遠くの森へと吹き飛ばされてしまうのだった…
シ「ううん…ここは…」
シャインが目を覚ますと、そこは昨日調査に訪れた山中だった。
自らを縛っていた鎖は消失し、セイヴァーフォームの変身が維持されていることから、気を失っていたのはおそらく一瞬の出来事だったのだろう。
辺りを見回すと、同じく目を回しているエンヴィの姿があった。
シ「さっきの怪獣は…」
エンヴィを抱えて空中に飛び上がったシャインは、山中が静けさに包まれていることを確認してセイヴァーフォームからエンジェルフォームへとフォームチェンジする。
セイヴァーフォームは彼女たちの力の源である正の力『プラウス』を大きく消費するため、負担を抑えるために長時間の変身は避けていたのである。
霧が晴れて見通しが良くなった山中を、シャインはさっきの怪獣がいた場所へと飛んでいく。
シ「あれは…」
シャインが見つめる先には、山中にいるには少し変わった格好をした三人の美女がたたずんでいる。
驚いたのは、三人とも明らかにシャインを視認していることだった。
シ「私が見えているの…彼女たちは一体…」
変身することでオウマと同じように一般人からは視認できなくなる救聖天使…
それを見ることができる彼女たちは何者なのか…
シャインは注意を払いながら、三人のもとへと降りていくのだった…
④へ続く…
ガチピン@ご支援感謝
2025-05-27 12:53:08 +0000 UTCガチピン@ご支援感謝
2025-05-27 12:51:29 +0000 UTCsyonnai_hito
2025-05-25 05:02:13 +0000 UTCyukimi
2025-05-24 16:01:54 +0000 UTC