挿絵 らすP様
ゴオオオッ!
春野市に季節外れの吹雪が舞い踊る。
その中心では高笑いを上げるエロフェッサーと、強力な冷気に苦戦するアルティマレディ・ルクリアの姿があった。
「くくく…果たしていつまでもちますかな?助けはまだまだ来ないですぞ!」
エロフェッサーの企みにより、地球の守備に就いているはずのアルティマレディは別の場所で陽動の怪獣を相手させられている…
この状況では自らの力だけで窮地を脱しなければならず、ルクリアとアンナは猛烈な寒さにさらされながら打開策を模索していた。
「くっ…この冷気…このままではエネルギーをすべて持っていかれてしまいます…いったいどうすれば…」
ルクリアからの念話の声が少しずつか細くなっていく…
寒さがルクリアたちの弱点であることはアンナも知っていたが、確かに強力な冷気を前に身体はどんどん重くなるばかりであった。
「このままじゃやられてしまうわ…このっ!いい加減にしなさい!」
足に力を入れて跳躍し、空中でほくそ笑むエロフェッサーにとびかかろうとするルクリア。
「おっと…破れかぶれは感心しませんなぁ!」
その一か八かの一撃を読んでいたのか、エロフェッサーは吹雪を起こしていたアームを変形させてルクリアを取り囲むように配置する。
「こんな攻撃はどうでしょうねぇ…それっ!」
上下左右から凄まじい質量の冷気がルクリアに浴びせかけられ、その圧に捕らわれたアルティマレディはその指一本を動かすこともできなくなってしまう。
「うああああっ!なんていう圧力…脱出できない…ぐうううっ…」
ピコンピコンピコン…
カラータイマーも赤く点滅してエネルギーの限界を報せていく。
「それではチェックメイトといきましょう!」
パチン…と指をはじくエロフェッサー…
その目線の先には、氷の十字架に捕らわれたルクリアの姿があった。
「く…身体が…」
冷気の檻に捕らわれてしまったルクリア…
「せっかくあなたの新しい力を拝みに来たというのに…結果がこれではいかんともしがたいですなぁ…」
それでもまた別のデータを取ればいいかなといった様子で、特に気にした様子もないエロフェッサー。
次は捕らえた獲物をどう料理しようか…そんな調子でアームへ新たな動きをインプットしていく姿を、ルクリアは捕らわれの状態で見上げることしかできなかった。
「うーん…このまま人間たちにルクリアくんの痴態を見せつけるのもいいが…やはり母船に持ち帰っていろいろ研究の材料になってもらう方が…」
ルクリアが動けないことをいいことに、ブツブツと独り言を重ねながら思案するエロフェッサー…
その後ろでは吹雪のために発生した雲を割って上空から光がさしてきていたが、ルクリアを無力化していい気になっていた彼はそのことに気付かずにいた。
「おやおや…随分と余裕じゃな…」
不意に上空からかけられた声に振り向くエロフェッサー…
「なにやつ!」
そこには雲を割る太陽光…エンジェルラダーを背に光臨する一人のアルティマレディの姿があった。
「貴様は…アルティマクイーン…」
宇宙をまたにかける悪党でもその名を口にするのもはばかられるという、アルティマレディの祖にして最強最古の『女王』の降臨は、エロフェッサーにとっても想定外の事態であった。
はたしてクイーンの登場によって状況はどう動くのか…風雲急を告げる春野市の空には、いまだ激しい冷気が渦巻くのだった…
③へ続く…
バルバル
2025-07-31 15:52:59 +0000 UTCsyonnai_hito
2025-07-31 02:59:19 +0000 UTCろんど
2025-07-31 01:04:30 +0000 UTC