挿絵 いちけーわい様 きんぎょにく様 江路院様 春咲ちぼ太様
※今作はアルティマミレーヌが地球に来た頃のお話…基本一話完結のいつもの流れなので、お楽しみください!
青く輝く惑星…地球。
地上では人類が繫栄し、比較的平和な時代が過ぎていた。
しかし、地球人の知らないところで様々な宇宙人が、地球に眠る資源や人類の支配を狙って暗躍し始める。
地球から遠く離れた銀河連邦の中心…『光の星』では、まだまだ未熟な人類や地球を悪の手から守るため、アルティマの戦士の派遣を決定した。
そしてその任に選ばれたのは、銀河守備隊所属の若き女戦士『アルティマミレーヌ』であった。
かつて皇族として光の星を救ったアルティマソフィと、銀河守備隊発足の立役者であるアルティマケインの間に生まれた娘という俊英の派遣は、光の星でも大きなニュースになるほどだった。
加えてミレーヌの義姉・アルティマリオナが先遣として地球人と秘密裏に接触し、地球を守る体制の構築を事前に進めることとなった。
銀河守備隊員として独り立ちの祝いとして、母ソフィからティアラッガーを受け取ったミレーヌは地球へと向けて光の星を飛び立っていく。
ついにここから正義の女神・アルティマミレーヌとしての長い戦いが始まるのである…
「ここが地球…とてもきれいな星だわ…」
光の星から幾万光年…
ついに地球まで到達したミレーヌは、その青く輝く星に感嘆する。
「ここがこれから私が護っていく星…まずはお義姉様と合流しなくっちゃ!」
ミレーヌの義姉・アルティマリオナ…彼女は聖十字隊で後方支援を担当する知性の戦士として、ミレーヌの一足先に様々な星で活躍していた。
今回は悪にねらわれている地球側にも事情を理解してもらい、協力して侵略に備える必要がある…そう判断した銀河守備隊はリオナに地球人との交渉を試みてもらっていた。
リオナは地球の防衛に関して地政学的に重要度の高い国…『日本』に接触し、対外的な防衛体制を整えていく。
そして、ミレーヌが着任する前には全世界的な防衛組織『DUO』を設立し、その体制を盤石なものとする。
DUO…それは『Defence force from Unknown Outside invaders(未知の侵略者に対する防衛隊)』と『Diplomat with the Ultimate Organisations(アルティマ(ミレーヌたち)族との外交組織)』の意味を冠する、地球全土を網羅する組織となっていた。
リオナはその長官を補佐する役目を秘密裏に担い、ミレーヌを迎え入れる準備を進めていく。
そして、その中で行われた地球自体の調査の中で、深海や地底…それらの人類未踏の地に生息する地球由来の未確認生物『怪獣』の存在が確認され、それらに関してもDUOにて対応することが決定していた。
そして今、ミレーヌの到着にあわせて一つの事件が発生する。
それはこれからミレーヌが体験する地球での戦いの行方を、大きく左右することになるのだった…
「えへへ…どうですか、お義姉さま!」
DUOの制服に身を包んだミレーヌ…の地球での姿・卯月メイ隊員がくるりと一回転する。
それをみてため息をつく眼鏡をかけた一人の女性…それこそリオナの地球での姿・白鐘リオナ長官補佐であった。
「まったく…今のあなたはDUOの卯月メイ隊員であり、私は白鐘長官補佐です。お義姉さまと呼ぶのはおよしなさい!」
ため息をつき、メイを窘めるリオナ。
その場に立ち会っていた地球代表…DUOの日本支部実働隊隊長・村正キャップはそのほほえましいやり取りに苦笑する。
「リオナ君の妹と聞いていたからどんな子かと思っていたが…なかなかに溌剌としたお嬢さんだね。」
別に嫌味で言ったわけではなかったが、リオナは深々と頭を下げる。
「申し訳ありません…身内可愛さのあまり、きちんと躾けなかった私の責任です…」
光の星を代表するには幼い義妹の態度に恥じ入るリオナ。
「ご…ごめんなさい…」
メイもはしゃいでやらかしてしまったことを理解したのか、しゅんとしてしまう。
「いやいや…これから一緒にこの星を守ってもらうんだ…こちらこそよろしく頼むよ。」
村正の大人の対応に、メイとリオナの顔にも安どの表情が浮かぶ。
「それでこれからだけど…卯月君には特別隊員として、一人での捜査権と装備が与えられる。侵略目的の宇宙人や、未確認巨大生物…『怪獣』と呼称される個体の出現に関しては、積極的に対応してもらって構わないよ。」
村正の説明に頷くメイ。
「私もこれからはほかの星の様子を見ながらのサポートになるわ…あなたが中心となってこの星を護っていくのよ。」
リオナからも肩を叩かれ、メイの目には使命に燃える炎が宿っていた。
「はい!誇り高きアルティマの戦士として、必ずこの星を悪の魔の手から守って見せます!」
その元気の良さに頼もしさを感じたのか、村正も笑顔を見せる。
「キミの正体を知るのは組織内では私だけだ。DUOの設立の理念上、キミたちが味方だということは周知させているが、あくまで超常的な存在であり、その正体は秘匿されていることは理解して行動するように。」
三人の認識のすり合わせが終わったところで、当面の課題がリオナから提示される。
「実は一つ、懸念事案が発生しているの…先日、竜野森湖に謎の球体が飛来し、姿を消してしまったわ。まずいことにおそらく球体の中身は侵略用怪獣の一種のようで、地球に眠る怪獣たちを目覚めさせる『アルファコール』を発しているのが確認されたわ。あなたは現場へ急行して、怪獣たちの目覚めを阻止するのよ。」
リオナの指示に頷くメイに村正が声をかける。
「そのアルファコールの影響と思われる振動調査用に、DUOの攻撃部隊にも出撃準備を取らせている。何かあればすぐに竜野森湖へフォローに向かうので、通信をこまめに入れてくれ!」
メイは二人に正対し、敬礼の姿勢をとって応える。
「了解!現場へと向かいます!」
こうして、地球人・卯月メイとして、そしてアルティマミレーヌとしての初任務が始まったのである…
竜野森湖では謎の存在が発する波動が原因なのか、生息する魚の死骸が水面にあがるなどの異常現象が起きていた。
現着したメイは人気のなくなる夜まで待ち、借りたモーターボートで湖の中心まで移動すると、水中に手を入れて意識を集中する。
「アルティマスキャニング…」
手から発するエネルギーをソナーのように水中へ展開し、深部まで調べていくメイ。
するとその波動に敵対者が現れたと判断したのか、湖底から大きな影が水面へと向かって浮き上がってくる。
水面が不自然に隆起し、その中から宇宙凶獣『ヴェルマー』が現れる。
「やはり侵略怪獣の仕業だったのね…ここで止めなくては!」
メイはスーツについたDUOのエンブレムをタッチする。
するとスーツ型の隊服がその形状を変化させ、戦闘服へと変わっていった。
動きやすさ重視の恰好となり、その手には万能銃『DUOシューター』が握られている。
バシュッ!バシュッ!
鋼鉄の壁くらいなら簡単に貫通する銃撃が、メイの手により正確にヴェルマーに撃ち込まれていく。
しかしヴェルマーは意に介さず、メイの乗るボートへと近づいていった。
「卯月より本部へ!竜野森湖で巨大生物出現!被害拡大を防ぐため、航空支援を要請します!」
戦闘服に仕込まれたボディカメラに怪獣が映るように体勢を変え、本部への援護要請を行うメイ。
しかし次の瞬間、大きく振られたヴェルマーの尻尾がモーターボートへと叩きつけられた。
まるで木の葉のように湖面を舞うボートの残骸…
メイの身体は水面に叩きつけられ、湖底へと沈んでいくのだった…
「(そろそろいいかな?)」
水に沈んでから数秒待ち、メイは隊員服につけられたボディカメラの電源を落とす。
そして意識を集中すると、自らの本当の名を叫ぶ。
「ミレーヌ!」
水中でもわかるほど澄んだ声が響き、次の瞬間メイの身体から眩い光が放たれる。
そしてその輝きの中から、地球を守る正義の女神がその姿を現すのだった…
水中から一瞬あたりが昼間なのかと錯覚させるほどの光が走り、ヴェルマーの前に光の巨人が現れる。
純白の身体に鮮やかな赤いライン…そしてゆるやかに靡く銀髪が暗闇の中でも美しく輝く。
その頭上には銀色のアルティマティアラが輝き、胸には青く灯ったエナジータイマーが光を放っていた。
この姿こそ銀河を護る正義の女神・アルティマミレーヌであった。
「タァッ!」
ミレーヌは即座にヴェルマーに対して構え、距離を詰めていく。
グォオオオ…
ヴェルマーも明らかに自分の行動を妨げるために出てきたミレーヌに対し、敵意をむき出しにして咆哮した。
ビシッ…ドガッ!
流れるような打撃がヴェルマーを打つも、その強靭な皮膚は意にも介さずはじき返していく。
「くっ…固いっ…」
いったん距離を取ろうと後ろへ下がったミレーヌの隙をつき、ヴェルマーは大きく息を吸い込む。
その口の中に青色く発光する火花を見たミレーヌは、瞬時に腕をクロスして防御の姿勢をとった。
ゴオオオオッ!
青白い熱線がミレーヌへと襲い掛かり、その身を焼き尽くそうとしたが、クロスした腕に阻まれてかき消されていく。
「あっつぅ…さすがは侵略用の怪獣だけのことはあるわね!でもそろそろ大人しくしなさい!」
ガキィッ!
ミレーヌが下から突き上げた掌底がヴェルマーの顎を捕らえ、怪獣はたたらを踏んで後退する。
そのまま水中へと倒れ込んだヴェルマーの様子をうかがうミレーヌ。
すぐに立ち上がってくるかと思われたが、ヴェルマーの沈んだ水面は静かなままであった。
「あ…あれ?そこまで手ごたえはなかったんだけど…」
首をかしげるミレーヌのうしろで波がさざめき立ったたことに彼女は気づいていなかった。
キシャアアアッ!
いきなり背後に飛び出したヴェルマーが、その長い尻尾を駆使してミレーヌを締め上げていく。
ギリギリギリ…
「かはっ…ぐぅ…くる…しぃ…」
尻尾のざらざらした質感が首を這いまわる悪寒と、急激な締め付けによる意識レベルの低下が同時にミレーヌへと襲い掛かる。
ピコンピコンピコン…
ミレーヌの胸に輝くエナジータイマーが赤く点滅をはじめ、彼女の危機的状況を伝えていた。
身体の表面を保護する力が失われてきたことで、乳首や性器などの弱点が身体に浮き出てしまう。
「(やっぱりこの星ではエネルギーの消耗が早い…なんとかしないと…)」
今まで訓練で培ってきた経験とは違う困難が自らに襲い掛かり、ミレーヌはなんとか苦境を打破すべく体勢を立て直そうともがく。
しかし次の瞬間、ヴェルマーは唐突に首絞めの戒めからミレーヌを解放した。
「けはっ…うぅ…なんで…」
窒息で飛びかけていた意識はいまだ混濁し、力の入らない身体はそのまま湖面へと倒れ込んでしまう。
グルルルル…
弱った獲物を見てオスとしての本能が勝ったのか、ヴェルマーはいきり立ったイチモツをミレーヌへと一気に差し込んでいった。
「うああああっ!?や、やめてっ…ぬいてぇっ!」
ミレーヌの哀願もむなしく、涎をたらしながら自慢の肉棒をあてがっていくヴェルマー…
ミレーヌも自らの種族がその美しさから、そういった対象として狙われやすいことは理解していたが、それでも実際の行為にさらされると冷静さを失いそうになる。
なんとか身体を離そうともがくものの、ヴェルマーはその小さな手でしっかとミレーヌの腰をつかんで放さなかった。
ピピピピピピ…タイマーの点滅が早まり、ミレーヌの最後が近づく。
ズドオオオン…
もはやこれまで…ミレーヌの心が折れそうになったその時、ヴェルマーの側頭部で巨大な爆発が起きる。
ゲアアアアアッ…
完全にミレーヌに気を取られていたヴェルマーは、先ほどメイが要請していた航空支援の接近に気付いていなかったのである。
支援用の攻撃ヘリは隠密でヴェルマーに近づき、ミサイルをその頭部に叩き込んでいく。
ミレーヌにとってはラッキーなことに、接近する角度の問題で彼女の痴態はヘリのパイロットからは見えていなかった。
「ありがとう!」
最後の力で態勢を整えるミレーヌ。
ヴェルマーは何とか逃走しようと、宇宙間を航行するための球体形状へと姿を変えて空中へと浮かび上がる。
「逃がしません!ミレニウム光線!」
腕を十字に組み、残されたエネルギーを打ち出していくミレーヌ。
その必殺の光線は、大気圏を抜けるための強固な物質へと姿を変えたヴェルマーを一気に撃ち抜いていく。
ズウウウウゥン…
巨大な火の玉へと変わったヴェルマーがそのまま空中で爆散する。
「あれが我々の守護者…アルティマミレーヌか…」
その明りに照らされたミレーヌの姿を見て、ヘリの搭乗員は敬礼をもって敬意を示すのであった…
END
次回予告
ミレーヌが地球に着任する少し前…
DUOを結成するための国際会議が行われ、そこでリオナは光の星代表として交渉にあたっていた。
しかし会議が進む会場付近に、謎の宇宙船が飛来する。
その宇宙船から現れたのは、かつて宇宙の事故で帰らぬ人となった宇宙飛行士・ジャイラのなれの果てであった…
さぁ、来週もみんなでみよう!
ガチピン@ご支援感謝
2025-09-14 23:57:33 +0000 UTCガチピン@ご支援感謝
2025-09-14 23:54:56 +0000 UTCsyonnai_hito
2025-09-13 13:30:50 +0000 UTCyukimi
2025-09-12 18:03:11 +0000 UTC