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ごむらば
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番組ロケ拉致事件

#1【どっきり本番】 女性アイドルグループの中心的存在の仲山明日菜。そんな彼女が動物の餌やり挑戦する。 その動物はペンギン。可愛らしいウエットスーツに着替えた明日菜が、ペンギンたちの為に、小魚の入ったバケツを持って元気いっぱいコメント。「これから、可愛いペンギンさんたちにエサをあげたいと思います!」 勢いよく扉を開けて入ったのは、隣のワニのスペース。ワニのスペースはワニたちが逃げないように、オートロックになっているので一度扉が閉まると出られない。ワニを見て呆気に取られた明日菜はドアを閉めてしまった。おまけにこの扉は外側からも内側からも鍵がないと開かない構造になっていた。 間違えてワニのスペースへスタッフが誤って誘導。たまたま、開錠されていたので明日菜はワニのスペースに入ることが出来たが出られなくなった。扉の向こうで慌てた声のスタッフが聞こえる。観覧の柵の向こうでは隣のペンギンスペースから、スタッフ、カメラマンが慌てて移動している。ただならぬ様子でバタバタしているスタッフに混じって、女性マネージャーが、紙に文字を書いて明日菜に見せた。『焦らないで!大きな声を出さないで!必ず助けるから!!』その文字を見て明日菜は涙を流しながら、静かに頷いた。 その間も大小6匹のワニたちは動いたり、水に浸かったり、寝そべったりしていた。 明日菜は恐怖に慄きながら、助けをジッと待つ。女性マネージャーを見ると、何かをスタッフに指示しているが、モタモタしているスタッフを見兼ねて何処かへ走っていってしまった。冬が近づき肌寒い日も多くなったこんな季節だが、明日菜のウエットスーツの中は嫌な汗が止まらなくなっていた。死を覚悟した明日菜は色々と思い返し、後悔していた。 グループのメンバーにひどい事を言ったりしてきたから自分はこんな目にあっているだと。そんな事を考えていると、涙がさらに溢れてきた。どれくらい突っ立ているだろう。 そんなに時間は経っていないはずだが、極度の緊張から足が痺れて感覚がなくなってきた。そんな時、観覧の柵の向こうにウエットスーツに着替えたマネージャーが現れた。 30歳そこそこのマネージャーのスタイルは、良さそうだと思っていたが、ピッチリとしたウエットスーツを着たことで、それがより強調されている。そんな事より明日菜はマネージャーがウエットスーツに着替えて何をしようとしているのか、考えた時だった。 マネージャーがワニのプールに飛び込んだ。 “バッシャーン“大きな音と水飛沫を上げた。 当然その音にワニたちは反応、水に浸かっていたワニはゆっくりとマネージャーの方へと泳ぎ出した。声を抑え、涙目になりながら必死でワニから遠ざかろうとするマネージャーだったが、1匹のワニはあっさりと追いつくとマネージャーの足を咬んで水の中へと引き摺り込む。同時にプールの水が赤く染まった。それを見た明日菜は座り込み、顔を押さえて声を殺して泣いた。ワニはマネージャーを頭から胴体の半分までかぶりつき、陸へあがってきた。それを見つけた他のワニたちも力なく放り出された彼女の足にかぶりつき、引き千切ると辺りを血の海に変えた。明日菜はもう座り込んで泣くことしかできなかった。 そんな明日菜にゆっくりと7匹のワニたちが近づく。しかし、明日菜には逃げる気力すら残ってない。目の前まで、ワニたちが集まって来た。明日菜は体を丸めて、グッと力を込めた。「もうダメだ」小さく呟いた。 明日菜の俯き、隙間から差していた光がなくなると同時に水滴が落ちてくる。“食べるなら早く食べて!私の大好きなマネージャーはもういない!“明日菜の頭にワニの前脚が触れた。水が顔を伝っていく。 “もう助からないなら、一思いにやって!“ 体を固くしてそう思う明日菜。 だが、一向にワニが襲ってくる気配がない。 それどころか、微かではあるが「クスクス」と笑いを堪えるような声も聞こえて来た。 不思議に思った明日菜が、顔を上げると1匹のワニが覆い被さって来た。 ワニの凶悪な鋭い歯が目前にあり、明日菜は腰を抜かしながらも覆い被さったワニから逃れようと、体を反転させて扉へ向かって必死に這った。 突然、扉が開きカメラマンを筆頭にスタッフがなだれ込む。 「どっきり、大成功!!」 何が起こったのか分からず、茫然自失の明日菜。 ただ、明日菜の目から、安心からか止めどなく涙が流れた。 #2【どっきり大成功】 「それでは一つずつ検証していきましょう!」 「明日菜さん一番気になる事は何ですか?」 明日菜の憔悴しきった様子とは対照的で、ハイテンションの進行役の男性が声をかける。 まだ、状況を全部飲み込めていない明日菜だったが、ハッとすると、「マネージャー、マネージャーは大丈夫なんですか?」と震える声で言った。 「マネージャーさんですね」 進行役の男性は明日菜と対照的に落ち着いた感じで明日菜に問いかける。 そう、ワニのいるプールに飛び込み明日菜の救出を試み、ワニに体を喰い千切られたマネージャー。 ウエットスーツに包まれ、プール近くに落ちている足のを確認に向かう。 進行役の男性が足を拾い上げて明日菜に渡す。 確かにマネージャーが着替えてきたウエットスーツだが、近くで見ると明らかな作り物の足首が付いているだけで、太もも部分には血糊の入っていたであろう破れたビニール袋があった。 涙を零しながらそれを確認した明日菜に進行役の男性が声をかける。 「始めワニと遭遇した時、明日菜さんワニの数を数えてましたよね」 そう聞かれた明日菜はコクリと頷き「6匹でした」と返す。 「それではワニは今、何匹ですか?」 進行役の男性に聞かれて明日菜は周りを見渡しながらワニを数え始めた、そして。 「え!7匹に増えてる!」 ビックリして進行役の男性の顔を見る。 そんな明日菜に1匹のワニがゆっくりと近づいてくる。 近づいてきた本物と見間違えるほどのワニの中からくぐもった声で「明日菜ゴメンね」という声と共にワニは短い後脚で立ち上がり、明日菜に抱き着いてきた。 明日菜は驚いて逃げ腰になっていたが、逃げきれずにワニを受けとめる形で倒れた。 ワニの口が大きく開き、その中にマネージャーの顔を見つけた明日菜は自分からワニに抱きついた。 そして、明日菜の目から涙が零れる。 「よかった!無事で!」 マネージャーがワニの着ぐるみの中で体を揺らせて、脱ごうとするのに気づいた明日菜がそれを手伝う。 マネージャーはワニの着ぐるみを脱ぐと明日菜と再び抱き合った。 仕掛人であるマネージャーの目からも涙が零れていた。 進行役の男性が明日菜に聞く。 「マネージャーさんが以前、スポーツ選手だったことはご存知ですか?」 明日菜は「はい」と言って続ける。 「確か、シンクロの選手だったと思います」 「正解です、だから水の中でワニの着ぐるみに着替える事ができたんです」 と進行役の男性は少しずつどっきりについて分かりやすくバラしていく。  「では、明日菜さんのグループの中で水泳が得意な方は?」 明日菜は口に手を当て、右斜め上を見て考える。 「うん、確か、絵里菜が水泳得意だったと思います」 そう明日菜が答えると、プール近くにいたワニが立ち上がった。 そのワニには不自然な点があった、後脚の右側がダラリと垂れ下がっている。 そして、左後脚と尻尾で立ち上がり明日菜の方へと歩き始めた。 進行役の男性が説明を始める。 「マネージャーさんがプールに飛び込んだ際、襲ったワニは水泳の得意な絵里菜さんでした!」 「因みに絵里菜さんは泳ぎやすいように右足は尻尾に入れてました」 それを聞いた明日菜はワニの泳ぐ速さに驚いていたのだが、説明を聞いて納得した様子だった。 絵里菜の存在で、明日菜はある事に気づき、改めてワニの数を数え始めた。 それを見ていた進行役の男性が笑みを浮かべて話し始める。 「明日菜さん、何か気づきましたね」 進行役の男性と目が合った明日菜はコクリと頷いた。 明日菜の近くまで来た絵里菜が、ワニの着ぐるみを脱いで真っ赤なウエットスーツ姿で明日菜の横に並んだ。 「私たちは7人グループ、私に絵里菜、莉菜に和佳菜、茉莉菜に愛菜、そして美菜」 「ワニが5匹でここにいないメンバーが5人という事は誰でも分かりますよね」 明日菜にようやく笑顔が戻った。 他のワニたちもゾロゾロと集まり 「どっきり大成功!」と皆で叫んで、ロケは終了。 スタッフの先導で控え室へ移動を始めた。 ワニの着ぐるみに入っていた他のメンバーたちも自力で着ぐるみを脱ぐ者、スタッフに助けを求めて脱がせてもらう者、さまざまだ。 #3 【拉致】 ただ、ここに1匹だけ全く動かないワニがいる事をグループメンバーもスタッフも誰も気付いていなかった。 そのワニを誰にも気付かれずにこの園の飼育員 真菜下 透が尻尾を持って室内プールへと引き摺って行き、プールの中へと頭から放り込んだ。 淀んだ水の中で眠ったように動かなかったワニは、すぐに目覚めビックリして水の中で暴れたが、虚しく沈んでいった。 泡だけがプールの水面に浮かび上がる。 それをしばらく眺めていた透だったが、ウンと一つ頷くとプールから離れて別室へと向かった。 向かった先は男子更衣室。 透は定時になったので、つなぎの作業着から私服へと着替える。 ロッカーと壁の隙間に置かれた大きなドラムバックを手にすると、急ぎ足で駐車場へ向かう。 助手席のリクライニングを倒すと、そこへ優しくドラムバックを置いて車を発進させた。 透が車で走り去った頃、グループメンバーはまだ、シャワー室のある控え室で帰り支度していた。 もちろん、今回仕掛人として活躍したマネージャーの優木 夏菜も一緒に。 マネージャーの夏菜には一つ引っかかっている事があった。 それは控え室に入った時、ワニの着ぐるみに入るグループメンバーが着ていた真っ赤なウエットスーツが一つだけ残っていた事。 このウエットスーツは番組側で用意したもので、人数分あると聞いていた。 夏菜は仕掛人として、今回は明日菜だけのマネージャーとしてやって来た。 そのため、他のメンバーの子たちが、ウエットスーツに着替えるところも、ワニの着ぐるみに着替えているところも見ていない。 だから、絵里菜に襲われた時、迫真の演技が出来たとも言える。 誰か早く帰ってきて着替えたのか?それとも一着多く番組が用意したのかと、いろいろ思いを巡らせたが、何か引っかかる。 帰り支度を始めているメンバーの数を数える1…2…3…4…5…6 やっぱり1人足りない。 顔を見て名前を呼んでいく。 「愛菜、愛菜!愛菜 みんな見てない?」 夏菜は1人いないという事が分かると、水着姿にバスタオルを羽織っただけで、愛菜を探しに控え室を飛び出した。 他のメンバーも着替えを済ませたメンバーから愛菜の捜索を開始した。 マネージャーの夏菜はどっきりの現場となったプールを園の飼育員とともに探しに向かう。 しかし、先程のプールにはワニの姿も愛菜の姿もなかった。 ここに繋がるプールがあるか飼育員に尋ねると、すぐ横にある室内プールを案内してくれた。 室内プールは淀み、お世辞にも綺麗とはいえなかった。 そのプールに仰向けで浮かぶワニの姿を見つけた。 プールの浅瀬から急いで足を踏み入れる夏菜。 「愛菜、大丈夫?」 声をかけた時だった。 ワニは反転、見せていた腹を水に入れると、夏菜目掛けて勢いよく泳ぎ出した。 「危ないよ!」 同行してくれていた飼育員が力任せに夏菜の腕を引っ張り、プールから引き揚げた。 「あれは本物のワニです、今日のためにワニを全部こっちへ移したんです」飼育員が説明した。 ワニは夏菜を襲うのを諦めたようで、方向転換すると淀んだ水の中へと消えていった。 その後も神隠しのように姿を消した愛菜を、マネージャーとメンバー、連絡を受け戻ってきた番組スタッフ、園の飼育員総出で探したが見つかる事はなかった。 #4【まなか とおる】 アイドルグループ ENAMEL STYLE 7菜(エナメルスタイルなな)は名前に菜のつく女の子7人で構成され、センターに絶対的エース仲山明日菜を有する今、勢いのあるアイドルだ。 俺、真菜下 透もファンの一人だ。 俺の推しメンは伊都川 愛菜。 可愛さは他のメンバーに引けをとらないが、ダンスや歌唱力が飛び抜けている訳ではない。 バラエティ番組でしばしば超天然ぶりを発揮、時には番組の最中でも寝てしまうほどであった。 そんな愛菜が他のメンバーより飛び抜けているものがスタイルの良さ、そして巨乳。 俺はそんな愛菜を愛して止まなかった。 半年ほど前、上司からテレビ関係の対応を任された。 内容はワニの着ぐるみを作りたいのでワニの型を取らせて欲しいとの事。 定期検査の際、ワニを眠らせて行うので、同じ要領で眠らせて型を取ってもらえばいいかと考えていた。 当日、テレビ関係の造形を手がける方と名刺交換をした後、ワニのプールへ移動、そこで適当な大きさのワニを選定し眠らせて型を取り始めた。 型を取るのに約3時間ほどかかるという事で薬の量を調整してワニを眠らせた。 型が固まるまで、しばし時間があった為、造形の方といろいろお話しした。 うちのワニから取った型を元にワニの着ぐるみを作製し、どっきりの番組に使用するとの事。 正直、それほど興味はなかった。 造形の方がワニの着ぐるみに入って操演する人たちの事を口にするまでは。 俺はワニの着ぐるみに入る愛菜を想像して、興奮しながらその日の仕事を終えた。 家に帰ってからもその事が離れない。 その番組はチェックして録画しなければと浮き浮きしていた。 それからワニの着ぐるみのどっきりの事は頭の片隅に僅かに残っている程度になっていた、そんな時上司からワニのプールを綺麗に維持するように命じられた。 ワニの屋外プールは先日、塗装の塗り替えを終えたばかりで綺麗すぎるほどだったのに。 疑問に思っていると、俺の表情から何か察した上司が1ヶ月後どっきりの撮影にうちのワニのプールを使用する事を教えてくれた。 その途端、俺の表情は明るくなった。 愛菜を間近で見られる。 サインはもらえるか? 握手はしてもらえるか? などさまざまな妄想が膨らんだ。 翌日、清掃の為、ワニたちを屋内プールへと誘導するが、1匹だけ眠り込んで動かないワニがいた。 こんな時は、ワニの大きな口が開かない道具を使い、口を開かなくしてから移動させる。 そのワニ作業をしている時、ワニと愛菜が重なった。 そして俺はある事が閃いた。 愛菜はよく眠る。 ワニの着ぐるみに入って気持ちよくなると眠ってしまうかもしれない。 それをメンバーもスタッフも、普段の愛菜を見ていると何も不思議に思わないだろう。 予め眠らせたワニと愛菜の入った着ぐるみのワニを入れ替える事ができるのではないか。 そんな犯罪紛いな事を想像した。 しかし、実際当日、メンバーがワニの着ぐるみを着たら、どれが愛菜か区別できない。 仮に愛菜のワニが分かっても拉致できるような場所でなければ、カメラに映り込んだりしたら実行不可能だ。 そして2つの条件をクリアしても、目覚めた愛菜に騒がれでもしたらそれで計画は終わってしまう。 会えるだけでも幸せと思うしかない。 そう自己完結させて【愛菜独り占め計画】は幕を下ろした。 #5【独り占め計画】 当日、俺は上司から撮影の補助をするように命じられた。 午前中はリハーサルで午後3時にどっきりのターゲットの仲山明日菜がマネージャーと現地すると聞かされた。 マネージャーさんは午前中のリハーサルに参加し、そのあと慌てて明日菜を迎えに行くのだと聞かされて裏方さんは大変だなぁと思った。 午前中のリハーサルではメンバーはターゲットの明日菜を取り囲む形で決められた位置にワニとして配置される。 真っ赤なウエットスーツに着替えたメンバーたちが配置に着く。 ディレクターの説明を聞く。 ワニたちは明日菜を取り囲む形で悠然と歩く。 着ぐるみで動くのが辛ければ、その場に寝そべった状態でも良しとされた。 次に絵里菜が水際から、観覧の柵を乗り越えてプールに飛び込んだマネージャー目掛けて泳ぎ出す。 マネージャーが飛び込む位置はプールの中でも一番深く水深3メートルほどある。 プールはだんだんと深くなるように作られている。 マネージャーは逃げ惑いながら、絵里菜に咬まれた演技をしながら、一番深い所で待機している2人ダイバーからワニの着ぐるみを受け取ると手伝ってもらいながら着替え、着替えを終えると陸へ向かって泳ぎ出す。 なんでもマネージャーは元シンクロの選手で水中はお手の物らしい。 大変なのはむしろ、絵里菜の方かもしれない。 ワニの着ぐるみを着て泳ぎ、こちらもダイバーからニセマネージャーを受け取ると咬み千切る演技が要求される。 どっきりの内容はこれで粗方分かった。 俺の役目はワニの動きの不自然なメンバーを指導する事など。 どっきりの内容を聞きながら、俺は愛菜の位置を確認していた。 『 !!! 』 一番端の目立たない場所、かつ室内プールも近く拉致しやすい。 おまけにマネージャーが飛び込む位置が愛菜の位置から一番遠く離れた位置だった。 つまり、飛び込んだ瞬間に本物のワニと愛菜の入った着ぐるみのワニを入れ替える事が可能な条件が揃った。 これは神の思し召しか、一人そんな事を考えながら、【愛菜独り占め計画】が再燃した。 スタッフに声をかけられる。 「あのー」 俺は計画がバレたのかと異常にビックリしてしまった。 俺のビックリする様子を見て、スタッフは謝罪しこう言った。 「あなた、ファンじゃないですか?彼女たちの」 俺は物凄い勢いで頷いた。 「リハーサルが終わったので、良かったらサインと握手どうですか?どっきりの後だと彼女たち水に濡れてるので」 俺は「いいんですか?ファンなんです!!ヤッター!!」思わず声を上げた。 そして声を荒げたままスタッフと両手で握手した。 その後、1人ずつ握手の後、サインをもらった。 みんな可愛く、凄くいい笑顔、握手してサインをもらったメンバー次々に推しメンを乗り換えてしまいそうだった。 でも、やっぱり愛菜は可愛いかった。 俺の思いが何となく通じているような気がした。 最後に水に入っていた絵里菜、こちらはクールビューティー。 耳元で何か囁かれるだけで腰が砕けてしまいそうになるだろうと、勝手に妄想した。 昼からはいよいよワニの着ぐるみを着てリハーサル。 5匹のワニは動きとマネージャーの足を引き千切る役のワニは動きの確認を行った。 絵里菜は実際に尻尾に入れた右足で、ワニらしく泳げるかの確認を行った。 そして、明日菜が到着した連絡が入り、着ぐるみのワニたちにも緊張が走る。 その空気は俺にも伝わってきた。 そして俺は室内プールへ待避した。 しばらくしてスタッフと明日菜、それに上司が一緒にやって来た。 扉の前ではペンギンにあげる予定の餌の入ったバケツを持って元気いっぱいコメントする明日菜。 その後、上司がニヤけた顔で明日菜に餌やりの説明をしていた。 #6【独り占め計画 決行】 昼休憩の間に薬で眠らせた本物のワニを準備する。 俺の心臓は屋外プールと室内プールを仕切る扉の向こうにいるワニの着ぐるみの中にいる愛菜に聞こえるのではないかと、思うほどドキドキしている。 ジッと飛び込むタイミングを伺う。 マネージャーがウエットスーツに着替えて戻って来た。 もうすぐだ。 物凄い緊張感が走る。 “バッシャーン“と大きな音を立てて、マネージャーがプールに飛び込んだ。 現場にいる人の視線がマネージャーに注がれる中、俺の視線の先には愛菜の入ったワニの着ぐるみしか見えていなかった。 扉を開けて本物のワニの尻尾を引っ張り、愛菜の元へ。 ワニの着ぐるみの口を大きく開けると、ハンカチを放り込んだ。 ハンカチには即効性の睡眠効果のある液を染み込ませておいた。 愛菜と入れ替えるように本物のワニを置いて、素早く室内プールの扉の向こうへ戻った。 そのまま愛菜の入ったワニの着ぐるみは抱き抱え男子更衣室へ走り込み、すぐに鍵をかけた。 睡眠効果のある液が効いているようで、愛菜は全く動かない。 ワニの着ぐるみから愛菜を引っ張り出す。 小柄な愛菜はゆうゆう引っ張り出せた。 続けてウエットスーツを脱がせていく。 細身な体に似合わない巨乳で、勃起してくる。 水着も脱がせて裸にした愛菜。 美し過ぎる、今すぐにでも飛びつき抱きしめたい。 そんな衝動を必死に抑えて別の衣装を着せる。 それは俺好みの真っ赤なラバースーツ。 愛菜のパーソナルカラーでもある。 プロフィールや色々と手を尽くして集めた愛菜のサイズから特注で作った衣装。 まずはマスク、鼻と口の所に目に見えないほどの細かな呼吸穴が複数あるが、目は見えない。 おまけにこのマスクトップスと一体になっているので、マスクを被ると胸まで隠れてしまう。 そして、全身足先から指先まで全てを覆ってしまうネックエントリータイプのラバースーツ。 着せやすくする為に潤滑剤をしっかりと体に塗って着せた。 俺の目の前には、真っ赤なゴム人形が横たわる。 見事なプロポーションのゴム人形に感動しながらもそれほど余韻に浸ってる時間はない。 赤いゴム人形になった愛菜に再度潤滑剤を塗る。 ワニの着ぐるみの中はラテックスで出来ている。 先程、愛菜を引っ張り出す際に確認した。 おおよそ、水の中に入ってもいいように作られているのだろう。 愛菜を滑らせるようにしてワニの着ぐるみへと戻す。 そして、ワニの口をラップでぐるぐる巻にし、尻尾を股の間から頭の方へと曲げて、軽くラップを巻いてドラムバッグに詰め込んだ。 一度は計画を諦めていたが、念のため用意しておいて良かった大きなドラムバッグ。 そして、愛菜が失踪したように見せかける為に、別の俺好みの衣装を用意しておいたことも。 水着とウエットスーツの処理は後で戻ってから考える事にした。 時間的にはどっきりのネタバレの時間だ。 俺のロッカーと壁の隙間にドラムバッグを押し込むと急いで屋外プールへと戻った。 ネタバレは終わっていて、検証を始めるところだった。 そして何食わぬ顔で撮影現場に戻る。 もう、屋外プールに入っても構わないと言われたので、屋外プールの脇で撮影を眺める。 足元にいる本物のワニはまだ、眠っているようで動かない。 検証をやっているうちに、滴り落ちるほど、かいていた汗はすっかりひいた。 最後に全員集合するため、ゾロゾロと集まり始めたのを見計らい本物のワニの尻尾を引き摺り、室内プールへと戻す。 頭から水に落とされたワニはすぐに目覚めビックリして水の中で暴れたが、虚しく沈んでいった。 泡だけがプールの水面に浮かび上がる。 それをしばらく眺めていたが、水中で暴れもがいてる様子がないので、ちゃんと目覚めた事を確認しウンと一つ頷くと更衣室へ向かった。 つなぎの作業着から私服に着替えると、ロッカーと壁の隙間に置いて置いたドラムバッグを持つと足早に車へと向かう。 助手席のリクライニングを倒し、ドラムバッグを寝かせるように置いた。 シートベルトをしようかと思ったが、人に見られて勘繰られても困るので、そのまま車を発進させた。 信号で停車する度にドラムバッグの中身が気になる。 どこか途中でカバンを開けて愛菜の様子をみようかとも考えたが、誰かに見られでもしたら大変だ。真っ直ぐ帰る事にした。 #7【独り占め計画 自宅】 ようやく家に到着。 ボロいマンション部屋は広いがオートロックも監視カメラもついていない。 自分にやましい事がある時は好都合だと思った。 家に入るとしっかりと施錠し、ドラムバッグをリビングに丁寧に下ろした。 いよいよ、俺だけの愛菜とご対面だ。 ドキドキしながら、ドラムバッグのファスナーを開ける。 湿った熱気が吹き出す。 汗臭さがないのは、ラバースーツを着せたからだろう。 丁寧にドラムバッグから、ラップで巻かれたワニの着ぐるみを取り出す。 「ん!?」 俺が巻いた時よりもなんとなくラップが緩く巻かれている気がした。 「バッグの中で擦れて緩んだのか?」 少々疑問に思いながらワニの体と尻尾を巻いていたラップを外すと、尻尾が勢いよく元の形に戻った。 「ん!?」 ワニの着ぐるみの前後の脚に愛菜の手足が収まっている。 急いで着ぐるみに戻したので、手足を着ぐるみに戻す余裕はなかったはず。 ただ、着ぐるみの中の構造まで、俺は知らない。 だから、中に入ると自然に手足が入るのかもしれないと思った。 ワニの着ぐるみは手足をバタバタさせることはない。 まだ、睡眠効果の薬が効いているのだろうか。 ワニの口に巻いたラップに手をかけて考えた。 寝ているフリをして口が開いた途端に助けを呼ぶために叫ぶかもしれない。 俺はテレビをつけて、騒がれていいように音量を上げて対策した。 ワニの口に巻いたラップを外す。 ワニの口から中を覗くと、そこには血のように赤いテカリのあるものしか見えない。 まるで本物のワニの口の中のようにも思える。 しかし、湿った熱気、若干の汗の臭さが人である事を主張していた。 俺はワニの着ぐるみの口に腕を突っ込んで引っ張り出す事を試みた。 しかし、前脚と後脚に入れた手足を踏ん張って抵抗する。 「やっぱり目覚めてたか?」 強引に引っ張りだそうとするが、愛菜も必死に抵抗して出てこない。 それはそうだろ、目の見えない状態で着ぐるみに入れられて拉致されたのだから。 普通に考えて怖くて出てこれないだろう。 着ぐるみの中に留まろうと必死の抵抗を見せるのは当然の事だと思った。 ただ、呼吸はできるが視覚を奪っているので、着ぐるみを着ていて動けても見えないので逃げる事はできないだろう。 こうなれば長期戦、飲み物が欲しくて出てくるのを待つしかない。 その間、テレビを見て出てくるのをゆっくりと待つ。 始めは逃走を図ろうと見えない中で、必死にワニは短い脚で歩き回っていた。 壁にぶつかり、ソファーにぶつかり、扉にぶつかり、その度に方向転換し。 しかし1時間もしない内に諦めたのか、ワニの口から少し赤いラバーの手が出てきた。 俺はその様子をソファーから見下ろしていた。 赤いラバーの手はそれ以上出てくる事なく、助けてくれと言わんばかりにパタパタさせ始めたので、助け出す事にした。 ワニの着ぐるみから出てきた赤いラバー人形は目の前で女の子座りをして、苦しそうに呼吸するが言葉は発しない。 ローションだらけにして、ワニの着ぐるみに詰め込んだだけあって、全身全く皺がなく、妖しく光る洗練されたボディラインは見ているだけで、ズボンを突き破りそうに勃起している。 中身があの愛菜だと、想像するだけでもう堪らない。 もう一度、ワニの中へ戻して虐めてやろうかとも考えたが、愛菜に着て欲しい、是非着せたい衣装を準備していたので、それを着せる事にした。 用意した衣装それは、ENAMEL STYLE 7菜がデビュー当時着ていた衣装。 愛菜はテカテカしたエナメル素材の超ミニの赤いワンピースで首まで完全に覆うハイネックのもの。 足元は太ももの付け根まであるエナメル素材の赤いサイハイブーツ。 二の腕まであるエナメル素材の赤いロンググローブ。 さらにエナメル素材の赤いジャケット。 それらをネットオークションで落札していた。 それを仲のいい女の子に着てもらえないか、交渉しようと思っていたが未だ言い出せずにいた。 それがまさか、本人に着せられるとは夢にも思わなかった。 抵抗しないでそれらを身に纏う愛菜。 少し補助してやるだけで、見えないながらも自分で着ていけるのは、かつてきた事があるからだろうか。 全部の衣装を身に着けた愛菜は、両手を広げて“どう!“といったポーズをとる。 俺はそんなラバーとエナメルで出来たアイドルに抱きついた。 そして最後の仕上げをする。 ハイネックのワンピースのファスナーにはある仕掛けをしておいた。 ロックをかけて脱げなくしてしまう事。 異常に気づいた愛菜は首の後ろに手を回し、ファスナーを下そうとするが当然動かない。 俺はそのまま、座り込み今度はサイハイブーツのファスナーをロックした。 これでブーツも脱げなくなった。 ブーツにもロックをかけられた事に気づいた愛菜はブーツのファスナーを下ろそうとするが、こちらもロックされて動かない。 ロンググローブもロックして脱げなくしてやろうかと思ったが、さすがにそれは抵抗されて出来なかった。 「さあ、この鍵をどうしようかなぁ?」 愛菜に聞こえるように言ってみた。 声のする方に俺がいると分かったのだろう。 俺の方を向いて両手を差し出し頭を下げる。 声は出さないが、『鍵を下さい』という事は伝わった。 何度もお願いするように頭を下げる愛菜。 「じゃあ、鍵をあげよう」 愛菜は頭をウンウンして頷く。 顔の表情は分からないが動作で喜んでいる事は何となく分かった。 俺は金属製の箱に鍵を入れるとタイマーをセットして、愛菜に箱を渡した。 渡された金属の箱を手で触って頭を傾げる愛菜。 俺はすぐに箱の正体を教えてやる事にした。 「その箱はタイマー式になっていて、時間にならないと開かないし、中に入れた鍵も取り出せない仕組みになっているんだ」 俺は少しお茶目な感じで言ってみた。 それを聞いた愛菜はがっくりと肩を落とした。 「セットした時間知りたい?」 俺の問いにウンウンと頷く愛菜。 「12時間!」 それを聞いた愛菜は床に倒れ込んだ。 「ウソウソ、3時間、これはホント」 愛菜が体を起こし頭を斜め後ろに傾けた。 彼女なりに何か考えているようだ。 俺の中ではムラムラが止まらなくなって、愛菜に覆い被さる。 そしてワンピースの超ミニスカートを捲る。 俺が特注したラバースーツには秘密がある。 それは股の部分にコンドームのような袋がついていて、これを内側つまり女性側へ押し込む事で、ラバースーツを着たまま性行為が行える。 俺は体に入っていないコンドームのような袋をゆっくりと指で愛菜の体の中へと押し込む。 「うっ…うぅぅぅぅぅぅ!」 愛菜が手を握りしめて体が強張る様子が、エナメル素材の衣装がギチギチと音を立てる事で、よりはっきりと分かった。 それでも突然の侵入物に声を抑えて堪えている様子の愛菜。 俺がゆっくりと指を抜くと。 「ふっ……ふっ…ふうぅ」 我慢するような声が漏れる。 そして、俺の方はもう我慢の限界だ。 ズボンを下ろすと、自分でも初めて見るほど、大きく勃起したブツへ潤滑剤を塗り、そのまま愛菜の中へと挿入した。 「あっふ……あっ…あっっ…あっ…」と声を上げるのを必死に堪えている様子。 だが、俺はお構いなしにピストン運動を続ける。 やっぱり、愛菜は最高だ。 俺をこんなにも気持ちよくさせてくれる。 こんな子と巡り会うのを待っていた。 俺のピストン運動はさらに加速する。 愛菜の手が俺の腕を見つけ、グッと握った。 「あぁぁダメ…逝っちゃう…逝っちゃう…逝くぅぅぅ!」 今日2人きりになって初めて聞いた愛菜の声が、絶頂に達する喘ぎ声だった。 俺は勃起したブツを抜く事なく、愛菜にラバーマスクの上からキスをした。 無理矢理連れてきて、着替えさせられ、誰とも分からない奴に強姦されたのだから、泣いてもおかしくない、もちろん俺のキスは間違いなく嫌がると思っていた。 しかし、愛菜は俺の体を抱きしめてキスをせがんできた。 それを拒む理由は俺にはない。 ラバーマスク越しに何度も何度もキスをした。 これはこれでいいかも。 ラバーマスクの穴が埋まって呼吸出来なくなるのではないかというほど、どちらからともなくキスを続けた。 我慢を続け、最大に勃起していた俺のブツも冷静を取り戻し愛菜の中から抜く。 白い液が止めどなく出てくるのを、互いに拭き取ると少し落ち着いた。 ズボンを履きソファーに座ると、愛菜も手探りでソファーを見つけ、俺の隣に座る。 そして俺の腕に抱きついてきた。 可愛い!こんな彼女最高だ。 そんな事を思いながらテレビを見ていた。 愛菜は逃げる様子もなく、腕に抱きつきながら少しもたれる感じが強まった。 ラバーマスクの細かな穴から寝息が聞こえ始めた。 そっとしてやろう、今日は着ぐるみを着て疲れたのだろう。 テレビの音楽番組が始まり、ENAMEL STYLE 7菜が登場。 俺の愛菜がパーソナルカラーの赤いエナメル素材の衣装に身を包み、歌い踊っている。 普段、アイドルはいろいろなテレビの仕事をこなし大変だなぁと思い、隣で俺にもたれて眠る愛菜の頭を撫でてやった。 今夜は生中継でENAMEL STYLE 7菜が新曲をお届けしました。 「ん!?生中継?」 画面の中には確かに愛菜がいる。 曲が終わり、司会者がセンターの明日菜にインタビューする。 「初の新曲生披露どうでしたか?」 明日菜はまだ息を切らしながら 「新曲を生で歌うのは緊張しました」 司会者がさらに番宣の前振りをする。 「情報によると、明日菜さん今日、初めてのどっきりを仕掛けられたとか」 明日菜は頭を掻きながら。 「そうなんです、どっきりではいっぱい泣いちゃいました、放送は来週のこの時間なので皆さん絶対見てくださいね」 と締めくくった。 明日菜のコメントは合ってる。 確かにボロボロに泣いている明日菜を今日見たところだ。 番組欄を見ても生放送と銘打っているので、録画ではないだろう。 じゃあ、この愛菜は何者なんだ? テレビに出てたのが偽物で、俺の横で寝てるのが本物。 もう分からなくなってきた。 でも、テレビに出ているのが、本物の愛菜のような気がする、根拠はないが。 確かめる方法は、ラバーマスクを取って顔を確認すれば全て解決する。 だが、ワンピースのファスナーにはロックをかけ、鍵はタイマー式の箱に封印した。 なんで3時間にセットしたんだろ、見えないから30分にしてウソを言えばよかったのに。 あと鍵を取り出せるまで2時間15分。 あなたはいったい誰ですか? #8 【飼育】 俺は職場でも家でもワニの世話をしている。 職場のワニは凶暴で気を抜くと、咬まれる事もあるので集中して仕事をしていないといけない。 しかし、家のワニに噛まれる事はない。 家のワニは俺の休みの前日の夜更けに現れる。 クッションに埋め尽くされたケージの中で、夜を過ごしたワニを朝になると出してやる。 大きな口を開けて舌を捲ると、ストローがある。 それに小さめのペットボトルにお茶かスポーツドリンクを入れたものを差し込むとみるみる飲み物はなくなっていく。 ワニの水分補給が終わると、俺は朝食を準備する。 俺が朝食を摂り始めると、決まってワニは頭を左右に振りソファーや机、壁に長い口をぶつける。 これは朝食をよこせと催促する合図。 仕方なく朝食を中断し、栄養補給のゼリー飲料をストローへ差し込み、朝食の続きを摂る。 ワニはゼリー飲料を吸ったり、出したりしながら食べていく。 俺が朝食を終える頃、ワニも朝食を終えたようで、ワニの口から容器が空になってもなおも吸い続ける音が聞こえ始めるので、ゼリー飲料の容器を回収する。 その際、ストローの入口を塞いでやると、程なくしてワニが暴れ出す。 それでも俺はすぐにストローから手を離さない。 俺の指の腹が強く吸われるようになってから、初めて離してやる。 すると、空気を求め、苦しそうな呼吸音が聞こえてくる。 こうして俺の休みの朝は始まる。 ワニに首輪はついていないので、ワニは部屋の中を自由にウロウロしている。 基本的には俺のいるところへとついてくきて、甘えるので遊んでやる。 ソファーでテレビを観ている時に足元にくると口を踏んづけて足置きにして動けなくしてやる。 なんとか動こうと頑張っている姿がいじらしくてかわいい。 遊んでやる時はこんな感じ。 ビーズクッションにひっくり返し押し込んで放置する。 ワニは必死に体を反転させようとするが、脚が上を向いているのでどうにもならない。 最終的にストローから何か言葉にならない声が漏れ出すのだが、そのまま放置。 しばらく放置していると、ワニは寝てしまったようで、ストローから寝息が聞こえ始めた。 本物のワニなら体を上手く回転させて、すぐに脱出してしまうだろう。 それが出来ないのは着ぐるみだから。 これはどっきりの際に頂いてきた、いや盗んできたワニだが少し改良を加えている。 口を大きく開いて着ぐるみに入るのは同じだが、内臓となる人が入った後、ワニの口の内側にリアルさを求めて、ファスナーで取り外し出来る口内と舌をつけた。 舌の裏には内臓となる人の唯一の呼吸口であるストローがある。 ファスナーは外側から閉められると、内側からは開ける事が出来なくしてある。 ワニが眠ってしまうと面白くないので、前脚の近くにある二つの大きな膨らみを弄る。 それを優しく揉んだり、時には叩いてみたりして。 そんな事をしていると、ワニは目覚めたのか短い脚をバタバタさせるが、腹這いには戻れない。 そんなワニにもう一つ着ぐるみに改良を加えたものを使って遊んでやる。 それはワニの肛門を追加しておいた。 実際の肛門の位置とは異なるが、中に女性が入ると仮定し、女性器に通じるように肛門を追加した。 ワニの肛門へバイブを挿入する。 違和感を感じたワニは下半身を揺するが、どうにもならない。 俺はバイブのスイッチを入れた。 ワニはビーズクッションの上で左右に揺れながら、快楽を感じる。 ワニの着ぐるみが透けたなら、M字開脚状態で開いた女性器にバイブを当てられている事になる。 気持ちいいのか、無駄な抵抗をしているのか、ワニはビーズクッションの上で転げ回る。 ストローからも喘ぎ声が大きくなってきたので、俺はストローの口を指で蓋をした。 途端にワニの動きが激しさを増す。 快楽の中、呼吸できなくなるとさらに敏感になり快楽の絶頂に達しやすくなると聞いた事がある。 今、ワニはその状態なのだろう。 「わぁぁぁ、あぁぁぁ………ひふぅぅぅぅ」 俺の手からストローから外れるほど、激しくうごき、言葉にならない声が俺の手から離れたストローから聞こえてきた。 ワニはビーズクッションの上で横向きに丸くなり動かなくなってしまった。 逝ってしまい、荒い呼吸だけがストローから漏れるワニ。 俺はそのワニを優しく抱き抱えると寝室へと運んだ。 ワニを仰向けにしてベッドに寝かせる。 「一人だけ楽しんで悪い子だ」 俺はズボンを脱ぐとワニの肛門へ、興奮し硬く大きくなった俺のブツをワニの中へと差し込んだ。 突如、ワニいや内臓の体に異物が入ってきたのでビックリした様子を少し見せたが、その後は拒む事なくそれを受け入れ、その後何度も交わった。 ワニが抵抗した時は口にロープを巻いて開かなくしてケージに閉じ込めてお仕置きです。 これがあの日以降、俺が手に入れたワニです。 #9 【いとかわ あいな】 私が目覚めると目の前に知らない女の子がいた。 知らない部屋で、知らない女の子と2人きり。 おまけにその女の子は奇妙な服を着ていた。 真っ赤な赤いゴムのような服、胸がギリギリ隠れるくらいの位置をキープしている。 「愛菜ちゃん、起きた?悪いんだけど手伝ってくれないかなぁ?」 慌てた様子の彼女。 私はワニの着ぐるみを脱がされ、ウエットスーツも脱がされて水着姿になっていた。 知らない女の子の切迫詰まった感じから、彼女に協力する事にした。 「今から私がこのマスクを被ると見えなくなるから、綺麗に着せて欲しいの」 私はウンウンと頷いて見せた。 「そして、このワニの着ぐるみに入るのを手伝って欲しいの」 私はまたウンウンと頷いた。 「その後は、そこにあるラップでワニの口を縛って私を出られないようにしてから、ワニの尻尾をお腹側に持っていき尻尾を折り畳む形でラップを巻いてくれない」 それを聞いて、この女の子は大丈夫なのか? 何か変なプレイを私に協力させようとしているのかと思った。 「大丈夫なの、そんな事しても」 女の子は「愛菜ちゃんも………」といいかけてやめた。 「大丈夫だと思う多分」 そして続ける。 「ワニがラップで丸まったらそこにあるドラムバッグに詰めてファスナーを閉めてそこの壁とロッカーの間に置いてくれたらいいわ」 私はこの女の子が、おかしな子だと確信した。 「そこで聞いてみたバッグにあなたを詰めた後、私は何をしたらいいの?」 女の子はすぐに返した。 「愛菜ちゃんはウエットスーツを持ってこの部屋を出て、控え室へ戻って」 私はどっきりの撮影中だったはずが、気づけばこの部屋にいた。 「ところでここはどこですか?どうやって控え室に戻れば?」 私の問いに答える女の子。 「部屋を出て右へ行くと突き当たりがあり、左に行くと撮影していた場所、右にしばらく行くと控え室、さらに奥へ行くとトイレがあるわ」と答えた。 彼女はどうやら、ここの関係者のようだ。 しかし、何か慌てた様子で、トップスとマスクが一体となったものを被る。 女の子はマスクを被った後、私の胸に引けを取らない巨乳を丸出しにしてトップスを着た。 一度下げていたスーツはゴムで出来ているようで、首元が大きく開き彼女の体を飲み込んだ。 私の前に肌の露出の全くない真っ赤なゴム人間が現れた。 ゴム人間は手探りで、机の上にあったスプレーを探しているようだったので、私が取って彼女に振りかけた。 くすんだ光沢がテカテカと光りだし、魅力的なゴム人間に変わった事に私は妙にドキドキした。 ゴム人間となった女の子は座り込み、ワニの着ぐるみを手の感覚だけで探る。 うっとり見ていた私は慌てて、女の子がワニの着ぐるみを着るのを手伝った。 ワニの脚全てに女の子の手足を通してから、口をラップで開かなくし、ワニの尻尾を股の間から前に回し、体と尻尾を一つにするようにラップを巻いた。 ただ、あんまりキツく巻かないようにしてから、ドラムバッグへと詰め込んだ。 こんな事していいのだろうか? 見知らぬ女の子の望んだ事とはいえ。 複雑な気持ちのまま、それでも私は女の子に言われた通り、ドラムバッグを壁とロッカーの間に押し込むと部屋を出た。 部屋の扉の上には、“男子更衣室“とあった。 私は急いで女の子に教えてもらった順路通りに控え室へとむかった。 確かにここは朝みんなでやって来た控え室。 扉を入ってすぐ右に明日菜を除く6人分の真っ赤なウエットスーツがシングルハンガーに準備されていた。 そこへ自分のウエットスーツをかけた。 少し前から感じていた事だが、妙な事に巻き込まれて尿意のことを忘れていた。 控え室に戻って安心したせいか、急にトイレに行きたくなる。 確かトイレはさらに奥へ行ったところ。 控え室を出ると慌ててトイレの個室へ駆け込んだ。 温かい温水便座に座るとホッとした。 リラックスして、ここへ来てからの事を思い返す。 #10 【回想】 みんなでワイワイ、私は初めて着るウエットスーツにワクワクしながら腕を通した。 それから簡単なリハーサルの後、控え室に戻るとワニの着ぐるみが扉の方を向けて並べられてあった。 張り切って先頭で控え室に入った莉菜がワニがいる事にビックリして入口で座り込んでしまった事を思い出し笑顔になる。 ワニの着ぐるみの鼻先にはメンバーそれぞれ名前が書いたビニールテープが貼ってあり、各々自分の着ぐるみを手にして着替え始めた。 ラテックス製の着ぐるみのワニはかなりリアルで、莉菜がビックリして座り込んでしまったのも頷ける。 きっと、これなら明日菜を騙す事ができると思った。 スタッフさんがワニの着ぐるみの着替え方を教えてくれた。 ワニの着ぐるみにファスナーなどはなく、ワニの口を大きく開く事で中に入れると。 そしてワニの口の部分は伸縮性があり、丈夫に作っているので強引に中に入れる事も付け加えた。 早速、ワニの着ぐるみの中へ入ろうと思ったが、大きなワニの口、そこに並んだ凶悪な歯、着ぐるみと分かっていても中に入るのを躊躇してしまう。 ワニの歯の中で大きく鋭い歯を触ってみた。 堅そうな見た目とは裏腹にプニプニして柔らかい、スポンジのようなもので出来ていることが確認できた。 さて、少しは安心して着ぐるみを着る決心が出来て周りを見た。 メンバーたちは床に寝そべって着ぐるみの中へと体を潜り込ませているところだった。 しかし、着ぐるみと分からなければ、みんなワニに食べられているように見える。 控え室のカオスな画に私は手で口を押さえて笑いを堪えた。 しかし、一人、また一人とワニになると、私も焦ってきた。 急いで足からワニの中へと入る。 ワニの中はビニールかゴムの様な素材で出来ていて滑りが悪い。 見た目は私の体の幅より広いのだがクッションの様なものが入っていて、着ぐるみの中は私の体の幅ピッタリに作られていた。 お尻を振りながら着ぐるみの中へ体を潜り込ませていると、苦戦しているように見えたのかスタッフさんがやって来た。 「ある程度まで入ったら愛菜ちゃんの足をワニの脚に入れて下さい」 そう言われ、手探りならぬ足探りでワニの脚の入口を見つけた。 スタッフさんは私の足がワニの脚に入りやすいようにフォローしてくれた。 両足は入ったのだが、腑に落ちない点が一つ。 着ぐるみの中で私はアイドルとしてはあるまじき、ガニ股で大股開きになっている事。 それを伝えようとスタッフさんを見ると、彼女は何かを察したようで「外からは分かりませんよ」と言って笑った。 まあ、これは私だけでなく、ここにいるメンバー全員がそうなっているので、我慢する事にした。 スタッフさんに腕もフォローしてもらい通していく。 腕を通していくと自然に私の体はワニの着ぐるみの中へと飲み込まれていった。 初めて着たワニの着ぐるみの感想は、フカフカしていて気持ちいい、よく眠れそうだ。 寝ちゃダメだけど。 地面にうつ伏せに這いつくばる変な体勢が今はワニである事を思い出させてくれた。 ワニの口は常に少し開いているので、呼吸は苦しくない。 スタッフは全員の着ぐるみへの着替えが完了すると、扉の外の男性スタッフに声をかけた。 男性スタッフは台車を押して入って来た。 3匹ずつ並べて台車に載せられると、次の台車が入って来て私と2匹のワニを台車に載せて、どっきり現場へ移動を始めた。 私たちはワニなんだ、台車に載せて運ばれているのが、経験した事のないことで妙に楽しかった。 そして台車の揺れが気持ちよく、眠気を誘う、ウトウトしかけた時に現場へ到着し、抱き抱えられて台車から降ろされた。 現場に到着すると簡単なリハーサルの後、ワニとしての歩き方の練習をしたが私には色んな意味でキツかった。 体力に自信がないのもあるが、それより何より大きな胸が地面を擦り、少し変な気分になった。 だから、いち早く配置につき、寝そべっていた。 地面に全身で張り付くようなポーズになる以外、着ぐるみの中は温かくて快適だった。 私たちの為に着ぐるみを着ていても暑くない11月末を番組スタッフは選んでくれたのだと思った。 ワニの口の隙間からマネージャーの夏菜さんが飛び込む予定の方向がよく見えるように寝そべる。 こうしておけば眠ってしまっても、周りが騒ぎ出したら起きて対応できると思った。 #11 【ブラックアウト】 明日菜が到着するまで時間があるので、私はウトウトし始めた。 ワニの着ぐるみの中が私にとっては快適で、かつワニのほとんど閉じた口で、中は暗く眠るのに申し分なかった。 ワニの口のスリットの向こうの光の中では、絵里菜が着ぐるみのまま泳ぐリハーサルをしている? これはワニの口のスリットじゃなくて私の瞼か。 私はそのまま眠ってしまった。 目覚めたのは周りが騒がしくなってきたのが、キッカケ。 明日菜がすでに現場に入っていた。 柵の向こうにはウエットスーツに着替えたマネージャーの夏菜さんが見える。 あ、かなり寝ていたんだ私。 もうすぐ動かなきゃ。 そう思い動けるように準備しようとした時、夏菜さんが


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