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イグアナ カフェ

【プロローグ】 大手飲食チェーン会社で働く俺 康本 賢(やすもとさとし)と同期入社の秋元 真夏(あきもとまな)は、上司からの辞令を待っていた。 配属先はイグアナカフェ。 もうすでに大都市に店舗はオープンしていたのだが、客入りがイマイチという事もあり、特命を受けてイグアナカフェの売上に貢献する事となった。 どう貢献するのか疑問に思っている俺を察したかの様に、上司は俺たちを連れて移動を始めた。 行き着いた倉庫の中には、巨大なイグアナ?いやイグアナの着ぐるみが用意されていた。 見間違えるのも無理がないほどリアルなイグアナの着ぐるみ。 上司からの説明がなくとも、特命業務の内容を悟った。 俺と秋元は、このリアルな着ぐるみを着てイグアナカフェの販促活動をするという事だ。 翌日から特命業務が始まる事となったのだが、何故かイグアナカフェへの集合ではなく、目的のイグアナカフェから一番近いターミナル駅のうちの会社の系列の店舗だった。 当日、指定された時間にその店舗に行くと、昨日目の当たりにしたリアルなイグアナの着ぐるみが準備されていた。 【きぐるみ】 しかし、イグアナの着ぐるみは一体、つまり俺の分しかない。 すでに秋元は先に着いて着替えているのだと思った。 店舗従業員から着替えるように指示されて通された部屋にいたのは、秋元ではなく知らない男だった。 イグアナに合わせた緑色のゼンタイを着用しており、ガタイの良さと股間のモッコリが印象的だった。 男は俺が手にしているリアルなイグアナの着ぐるみと同じ着ぐるみに入ると、店舗従業員に背中のファスナーを閉めてもらい、マジックテープでファスナーを隠して背びれをマジックテープでしっかりと取り付けて貰っていた。 秋元もこの店舗に集合のはずだったのだが、急に予定が変更になったのかも知れないと考えた。 一言くらい連絡をくれてもいいようなものだが、それをしないのはいかにも秋元らしい。 「あなたも早く着替えて」 と店舗従業員から緑色のゼンタイを渡されて、着替えを促される。 俺もパンツ一丁で緑色のゼンタイを着ると、背中のファスナーを閉めてもらいイグアナの着ぐるみの中へ。 イグアナの着ぐるみの外側はラテックスでの形成物を着色し、質感にも見た目にもこだわった本物に見間違えてしまうほどの出来映えだった。 着ぐるみの中はウレタンがぎっしりと詰まっており、中の操演者の体型を完全に分からなくする。 これなら、男性でも女性でも入れると思った。 そして、見た目以上に軽くて動きやすく出来ている事に驚いた。 店舗従業員からくれぐれも声を出さないように念を押された。 着ぐるみを着るのを手伝ってくれた店舗従業員とばかり思っていた女性は、実はエリアマネージャーである事は後で知った。 俺は彼女の管轄下の店舗に配属されたという事になる。 自分が、失礼な対応をしていなかったかと後で振り返ったが後の祭りだった。


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