学校の快談6〜解剖標本2〜
Added 2021-11-19 01:40:57 +0000 UTC【2つの解剖標本】 学校の快談5の続き そして、先生はまた新たな解剖標本を持って帰ってきた。 スーツケースに解剖標本の形にくり抜かれた発泡スチロールに詰められていたのは、腕が肘から下がなく、足は膝から下がない女性の解剖標本。 四肢の短い解剖標本はスーツケースから必死に逃げ出そうとしている様に見えた。 しかし、解剖標本の腰には太いベルトが巻かれて、しっかりとスーツケースに固定されている。 この短い手足では脱出は図れなくなっていた。 先生は開かれたスーツケースの真ん中の仕切りを外すと、そこにも手足の短い解剖標本が入っていた。 こちらも解剖標本の形に発泡スチロールがくり抜かれており、そこにすっぽりと収まっている。 太いベルトは腰の他に手足の4箇所に巻かれており、スーツケースの中で磔にされた状態になっていた。 ただ、互いの顔の前に股がくる状態になっている。 いわゆる、シックスナインの形た。 先生は解剖標本2体に声をかける。 「閉めるぞ」 解剖標本2体からの返事はなく、そのままスーツケースは閉められた。 スーツケースの中では磔にされていた解剖標本の子がおそらくだが股を下の子に押し付け、また顔を下の子の股に押し付ける形となった。 互いが動くと刺激し合い、スーツケースからはくぐもった喘ぎ声が漏れ始めた。 【かまくらいおり】 私が解剖標本として先生の家族となり、解剖標本として学校へ行った時は必ずと言っていいほど、先生の手伝いに来る生徒が2人いた。 鎌倉 伊織(かまくらいおり)と夜野 小夜子(やのさよこ)の高校2年生コンビだ。 私を運んだり、先生の準備を率先してお手伝いしている。 それを見ていると、高校時代の自分と重なるものがあり、微笑ましい。 先生はまずいつも早くから手伝いに来る鎌倉伊織を狙った。 私はいつもの様にカバンに詰められて登校すると、すぐに標本ケースに入り標本液をケース内に注入されるのだが、その日はいつもと違った。 標本液が貯まる前に、私の秘部にリモコン式のローターを押し込まれた。 咄嗟の事で抵抗できないでいると、先生はジッとする様にとジェスチャーで伝えてきた。 私が標本液の中で退屈しないように、ローターを入れてくれたのだと勝手に解釈した。 生徒たちが登校する時間帯になり、1番に鎌倉伊織が準備室に現れた。 彼女は朝から元気に挨拶して入ってきた。 私の彼女に対するイメージは天真爛漫。 朝早くやって来て先生の手伝いをする。 先生が伊織ちゃんにお願いしたのは、私の入った標本ケースを拭いておく事。 授業で標本ケースが触られて、指紋が多数ついている。 それを丁寧に伊織ちゃんが吹き始めた時だった。 伊織ちゃんの背後で先生が私の時に使ったハンカチに何か液体を染み込ませているのが見えた。 こんなに可愛くていい子に先生は……… 。 そう思った時、私の中に仕込まれたローターが最大振動で動き出した。 “うそ、ちょっと、ダメ、待って“ ローターの振動は勢いを増して私に襲いかかってくる。 解剖標本として動かないでいられる様になっていた私でも、いきなりの振動には耐えられず、股を押さえて堪えようとするが堪えられずに体がガタガタと震え始める。 激しく動き震えたので、私は標本ケースに接触した。 標本ケースにはヒビが入り、標本液は波打ち溢れて伊織にもかかった。 解剖標本が目の前で激しく動いた事にビックリして尻もちをつく伊織ちゃん。 その背後に先生が迫っていたが、伊織ちゃんはそのまま気絶して先生に寄り掛かる様にして倒れてしまった。 先生が伊織ちゃんに手を掛けようとしている姿が目に入り、とんでもない事をしでかしそうとしているように思えた。 私は先生を止めようと慌てたのが不味かった。 標本ケースのガラスに接触し、ヒビが入って脆くなっていた箇所が音を立てて割れてしまった。 当然、標本液も流れ出て私も割れたガラスのせいで標本ケースからそう簡単には出られなくなってしまった。 割れた箇所にはガラスが残っており、標本ケースの上部を掴んで登ろうにもガラスが割れた事によるケースの強度の不安と、標本液が流れ出てたので、私の浮力も失っている。 先生は私にそのままと手振りで指示すると、ローターのリモコンを机の上に置いて、気絶した伊織ちゃんをどこかへ連れて行ってしまった。 “もう!“ 自分の失敗に苛立ちを隠せない。 伊織ちゃんを助け、先生にこれ以上私のような人を増やして欲しくはなかったのに、逆に手助けをしてしまった。 【やのさよこ】 先生と伊織ちゃんが戻ってこないまま時間が過ぎる。 伊織ちゃんはどうなってしまったのだろう。 心配はするが、伊織ちゃんからしてみれば、私も共犯に思うだろう。 もっとも、私は解剖標本に過ぎないのだが。 準備室に伊織ちゃんといつもお手伝いに来る夜野小夜子が現れた、彼女はボーっとしている事もあるが、いざとなるとしっかり者。 背格好は伊織ちゃんと同じだが、小夜子は髪が長く腰辺りまであり、伊織ちゃんはショートカットだ。 小夜子は先生がいない事より解剖標本ケースが割れて、標本液で部屋中濡れている事にビックリしている。 小夜子はウンと頷くと何処かへ走って行ってしまった。 誰もいない準備室。 たまに標本液の垂れる音がするくらいだ。 『タッタッタッタ』 走ってくる音がして、小夜子が戻って来た。 手にはバケツとモップ。 バケツはモップを絞るための機能を有したもの。 標本液をモップで拭き取ろうと考えたのだろう。 モップでどんどん標本液は拭き取られていく。 拭き取りながらボソリと独り言。 「この標本液って、臭いしないのね、もっと臭いのかと思ってた」 小夜子に教えてあげたいこれはただの水、絵の具で着色しただけの。 小夜子は1人で標本液を拭き取り、ガラス片も全て箒と塵取りで掃除し終えた。 「先生どこ行ったんだろう?伊織も来ててもおかしくないのにー」とつまらなそうに独り言を言ってる。 そして、小夜子は見つけてはならないものもを見つけた。 それは先生が私に仕込んだローターのリモコン。 “触らないで!お願い!“ 私は祈る様に叫んだ。 小夜子は辺りを見回している。 電化製品のリモコンか何かかと思っているのか。 小夜子は何かを見つけた。 視線の先には加湿器がある。 リモコンを手にすると、加湿器に向ける。 “ダメ、ダメ、ダメ、押さないで!“ 私の心からの叫びも届かず、リモコンのスイッチが押された。 また、私に物凄い衝撃が秘部に走る。 一度、経験しているとはいえ、堪えられるものではない。 堪える事も出来ずに割れた標本ケースの中で震えて激しく動いたのでぶち当たり、掃除された準備室にガラス片が再度飛び散る。 その反動で呼吸用チューブが外れた。 私はレギュレータを解剖標本の口から抜き取ると、解剖標本が動いている事に驚いている小夜子に喘ぎ声混じりで言った。 「あぁ、早く止めて!うぅぅ」 しかし、しゃべる解剖標本を見て小夜子はそのまま気を失い、止まることのない振動に私も強制的に逝かされて気絶してしまった。 気づいた時には倉庫に使われる様な細長い部屋の中にいた。 目の前の長テーブルには肌色の手足の短い人の様なものが2つ横たわっていた。 【ヒトイヌ】 先生はその手足の短い人の様なものに肌色の包帯を丁寧に巻きつけている。 肌色の包帯は体に密着し、始めは巻いた箇所の段差や継ぎ目が分かるのだが、時間経過と共にだんだんと継ぎ目が消えていった。 巻かれているのは2人。 顔はまだ肌色の包帯を巻かれていない、伊織ちゃんと小夜子ちゃんだ。 2人とも気を失っている様で眠っている、いや眠らされたのだろうのだろうか。 眠っている2人の口に先生はマウスピースの様なものを押し込み終えると、伊織ちゃんの顔に肌色の包帯を巻き始めた。 始めは顎から頭の天辺に顎が開かないように巻いた後、顔全体に肌色の包帯を巻く。 続けて、小夜子ちゃんの顔にも肌色の包帯を巻き始めた。 もう、その頃には伊織ちゃんに巻かれた包帯は、巻いた後が綺麗に消えてしまっていた。 小夜子も伊織から少し遅れて包帯が他の包帯と同化して切れ目などは無くなってしまった。 テーブルの上での作業が終わり、肌色の包帯が肌色のヒトイヌスーツのようなになった事を確認した先生は2人を床に下ろした。 まだ、眠り続ける変わり果てた姿になった2人を私は観察した。 全身には毛が一つもなく、鼻や口そして股のところには穴も切れ目も何もない。 見た目はマネキンの肘から下、膝から下を切り落としたようになっている。 しかし、私の目の前にいるのは、れっきとした女の子2人、大好きな先生のためによくお手伝いにくる伊織ちゃんと小夜子ちゃんなのだ。 先生は教え子2人を簡単には逃げられない様にすると、今度は標本ケースが割れて授業で使えなくなった私を連れてきたカバンへと手足を畳んで収納し始めた。 ただ、いつもと違うのは、カバンから頭だけ出した状態でカバンを閉めた事。 解剖標本の顔だけがカバンから飛び出させ、教え子2人を監視させるようにして、部屋を出ていった。 それにしてもこの部屋はいったい何処だろうと考えていて、一つ思い出した事があった。 標本室の奥にあるという隠し部屋の話を。 その部屋には窓が一つもなく、扉も一つしかなく、夜な夜な歴代の生物の先生が標本作りを行なっていると。 そして、その標本の中には行方不明になった生徒が解剖標本にされているという都市伝説的な話があった。 まさか、それがこの部屋なのたろうか? だが、準備室から伊織ちゃんや小夜子ちゃんを拉致するには、他の生徒や教師の目もあるので、そんなに長く移動させることは難しい。 ただ、標本室奥の隠し部屋ならば話は違う簡単に今の状況が作れてしまうだろう。 私がいろいろ考えを巡らせていると、肌色の手足の短いヒトイヌの一匹が目覚めた。