心肺蘇生訓練人形 完全版
Added 2021-11-30 16:34:37 +0000 UTC【二体の心肺蘇生訓練人形】 薄暗い部屋の奥で二つの人影が囁き合っている。 「今から入れるよ、少し我慢してね」 「ウン!」 「あっ、あぁぁ、ダメ!うっうう、ウン、もう大丈夫」 「じゃあ、次は奥までいれるね、固くならないでリラックスして」 『ジュボッ』 「ほら、上手く入った、次は左手いってみよう!」 「上杉くん、手伝ってくれてありがとう」 「さあ、早く着ていかないと先輩たちに怒られるよ」 「そうだね!」 俺、上杉 守(うえすぎまもる)は、今ちょっとだけ幸せを噛み締めている。 それはずっと片想いでいる成本 飛鳥(なりもとあすか)ちゃんと仕事の為の着替えとはいえ、2人だけの時間を過ごしているから。 しかし、その幸せな時間には制限がある。 そして、俺も飛鳥ちゃんも好まない事がこれから待ち受けている。 ここは柔道場 竹田 晴人(たけだはると)の攻撃をどうにか凌ぎ続けている俺 上杉 守、しかし実力が違い過ぎる。 俺は投げられて畳の上に大の字になった。 投げられた俺のすぐ横でも、先輩 園原 瑞稀(そのはらみずき)に寝技で完全に押さえ込まれている成本 飛鳥がいた。 晴人先輩が俺と飛鳥を見下ろしてこう言う。 「お前ら、大人しくAEDの練習台になれ!」 「嫌ですよ、電気流れるんですよね」 だから、これで。 晴人先輩と瑞稀先輩が手にしていたのは、スタンガン。 「まずは一回これで試してみようよ」 瑞稀先輩が可愛く言ったが、顔が恐ろしい。 俺と飛鳥は顔を合わせるとウンと頷いて起き上がると、一目散に柔道場から飛び出した。 俺たちの後をスタンガンを持って追ってくる先輩2人の姿は狂気の沙汰だ。 しかし、俺も飛鳥も柔道は弱いが走るのは速い、それは着ぐるみを着ていても。 そう俺と飛鳥は今、着ぐるみを着た上から、柔道着を着て走っている。 どんな着ぐるみかというと、心肺蘇生訓練人形の着ぐるみ。 口が薄っすらと開いており、鼻も穴があいている。 目はなく髪の毛もない。 一見すると人に見えなくもないが、よく見ると不気味だ。 そんな心肺蘇生訓練人形が走って逃げるその後ろを、スタンガンを持って追いかける男女。 一体ここはどんな所だろうと思うだろう。 ここは警察署内、一般の方も出入りしている。 制止したのは私たちの上司、交通課の山下課長。 「お前ら、署内を走るな!交通課が署内のルール守れんでどうする?」 警察署の1階全てに響き渡る声で、4人は怒られた。 1階にいた窓口業務から、堪えた笑い声が聞こえていた。 【発注ミス】 4人は課長に別室に連れて来られて注意を受ける。 「お前たちは警察官なんだから子供みたいに署内で走ったり騒いだりするな」 「それと上杉と成本、竹田たちに協力してやれ、竹田たちは発注ミスを交通安全教室を多く開催する事で取り返そうとしてるのをもうちょっと分かってやれ!」 沈黙が流れた後、課長が再び口を開く。 「ミスして発注したゴムのなんたらスーツ、いっぱいあるんだろ、それを重ねたら電気も通らないんじゃないか?」 全員がコクリと頷いた。 「とにかく、仲良くやれ、仲良く」 そう言うと、課長は部屋を出て行った。 「先輩、すみませんでした」 俺が謝ると飛鳥も一緒に頭を下げた。 「俺たちも悪かったよ、発注ミスを取り返そうとして焦ってたんだ、すまなかった」 先輩方も反省しているようで、頭を下げた。 俺と飛鳥が今着ている心肺蘇生訓練人形の着ぐるみの中には黒いラバースーツを着ている。 これがまた着るのが大変で、俺は自力でどうにか着る事が出来たが飛鳥は悪戦苦闘していたので、腕を通すのは俺が手伝った。 課長が言っていたのは、この黒いラバースーツの事。 ラバー、つまりゴムなので電気を通さないのだが、背中のファスナーが金属の可能性もあり、先輩たちはいろいろ探して見つけたのが、首のところを広げて着る事の出来るネックエントリーのラバースーツ。 当然、オーダーメイド、しかも全身を細かく採寸して発注した。 しかし、疲れていた事もあり、数量が【1 】ではなく【11 】になっている事に気づかなかった。 送られてきたラバースーツを見てビックリ、この時始めて発注ミスに気づいた。 こんなにも要らないので、返品しようとしたがオーダーメイドの為、返品は受け付けてもらえなかったという訳だ。 当然経費も高額になり、先輩たちは躍起になっていた。 【電気ショック】 俺も飛鳥も電気ショックを受けるのは嫌なので、先輩からスタンガンを借りて、オーダーしたラバースーツを重ね着していき電気が通らない枚数を確認する事にした。 元の少し薄暗い部屋の奥で確認をする事にした。 ここなら誰もこない、安心して着替えられるので邪魔される事もない、理由はそれだけのはずだった。 まずは柔道着を脱ぎ、続けて目もなく不気味な心肺蘇生訓練人形を脱ぐ事にした。 心肺蘇生訓練人形は左右の鎖骨を繋ぐ様に丸く一周切れ目が入っている。 少し厚手のゴムで出来ており、切れ目を外側へ巻き込み返すようにすると肩が出る。 後は体の下の方へとずり下ろしていくと脱ぐ事が出来る。 この着ぐるみも電気が通っても大丈夫なように、ファスナーはない。 後は涎掛けが付いたマスクを外せば終わり。 2人とも着ぐるみを脱いだが、体だけでなくマスクもラバーを着用しいてる。 人工呼吸の際、中を覗かれても見えない様にと、マイクロホールマスクという、近くで見ても穴が分からないマスクを2人とも着用している。 仕事より何より俺は目の前で黒光りし均整の取れた見事なプロポーションの飛鳥に見惚れ、今にも飛びつきたい衝動を必死に抑えていた。 勃起しようとするペニスを鎮めるのに、俺は今は全力を尽くしている。 そんな俺に飛鳥は近づいてきて聞く。 「マスクも全部被る?」 俺は幸いマスクを被っているので、視線の先は飛鳥には分からない。 マスクの事なんて今はどうでもいい。 俺は間近で凄いものを見せられて、直立出来ず前屈みで勃起を飛鳥に分からないように必死に隠している。 何を見せられたか、それは大きな乳房の天辺にクッキリと勃起した飛鳥の乳首。 それを見た瞬間、かろうじて抑えていた勃起が制御不能となった。 それを誤魔化そうと、前屈みになった事でさらに目の前で飛鳥の乳首を見る事となった。 今すぐにでも、この胸に飛び込めるなら死んでもいいと思えるほどの威力は十分にあった。 【初めてキス】 なんとも奇妙な体勢で固まった俺。 飛鳥が想像もしていなかった事を口にする。 「飛び込んで来てもいいよ、守」 上杉くんだった飛鳥が俺の事を守と呼んでくれた。 それが嬉しくて豊満な胸に飛び込まずに飛鳥を抱きしめた。 「飛鳥、好きだ」 自然に出てきた言葉だった。 「うん、私も!」 互いにギュッと抱き合う。 「気持ちいいね、ラバースーツを着て抱き合うのって、感覚が新鮮だし敏感だね」 俺は顔こそ見えないが、飛鳥の顔を見てウンと頷いた。 しばらく想像もしていなかった幸せな時間に浸っていると、飛鳥が少し動いた。 「そして、守の当たってるよ」 そう言って俺の勃起したペニスを優しく掴む。 このラバースーツにはペニス袋なるものが存在し、勃起するとペニスはラバーを纏って外へ飛び出す。 「守のバカ、仕事中なのにこんなの見せられたムラムラするじゃない」 そう言って俺のペニスを強く掴み直す。 「優しく触って」と飛鳥に言うと、ラバーマスク越しにキスをしてきた。 飛鳥との始めてのキスはゴムの味がした。 もう俺も飛鳥も理性が抑えられなくなっていた。 それに飛鳥のラバースーツも体の中までラバーで覆われていて、挿入が可能になっている。 そんな条件が揃えばやる事は一つ。 だが、さすがに署内で業務中にあからさまにするのは気が引けた。 辺りを見回した俺の目に飛び込んで来たのは、着ぐるみのピー○くん。 飛鳥も察したようで、2人でいそいそと狭い着ぐるみの中へ。 前側に飛鳥、後ろに俺が入り、2人の肩に着ぐるみの肩紐を掛けて落ちないようにしてから2人で頭を被る。 「狭いけど大丈夫?」 俺の問いに「狭いし少し暑いけど、ドキドキするね」と、まるで少女のように目を輝かせてワクワクしながら言っているように感じた。 俺のペニスは落ち着くどころか、更に固く大きくなり飛鳥の股の間をすり抜けていく。 「もう、守の慌てん坊さぁぁあん」 俺のペニスが飛鳥が話している途中で穴に滑り込んだ。 「んんっっん、守のすっんごい、ふぅぅ」 さっきまでの少女のような声から、妖艶な雰囲気を漂わせる大人の女の声に変わった。 それに飛鳥の中に入ったペニスはグッと掴まれたようになり、さらに固くそして熱く勃起する。 俺は着ぐるみの手の中で飛鳥と絡めていた手を抜いて、飛鳥の豊満な胸を揉む。 飛鳥も気持ちいいのか、体を仰け反らせる。 そして、先ほどまで見ていて俺を興奮させた飛鳥の勃起した乳首に辿り着く。 固く勃起した乳首を指で摘んでギュッと摘むと、「あぁぁぁん、もっと」 飛鳥の体が跳ねて喘ぎ声が漏れた。 乳首を弄りながら、腰を振ると喘ぎ声をもっと上げ始める飛鳥。 感度も抜群にいい。 “俺はゆっくり、長く飛鳥を味わいたい“ そう思い、ペースを落としゆっくりと腰を動かし始めた。 その時、入口の扉が音を立てて開いた。 【H】 「えーと、どこだっけ?」 入って来たのは女性のようだ。 入口付近で探し物をしているが見つからない様で、どんどん奥の俺たちが入ったピー○くんの所まで近づいてくる。 当然、2人は息を潜めて女性が引き揚げるのをひたすら待つ。 緊張からだろう、女性が近づくたびに、どんどん飛鳥の締め付けが強くなる。 締め付けられると俺のペニスもビクッとと反応し固くなる。 それがまた飛鳥への刺激となるなり、悪循環の中で俺と飛鳥は必死に耐えた。 女性はなおも近づいてくる。 そして、ピー○くんの着ぐるみの前まで来た。 飛鳥の締め付けはMAXに近いが、女性は目の前。 呼吸を止めてプルプルしながら固まる2人。 女性はピー○くんの着ぐるみの頭を指で弾くと、入口付近へ戻っていった。 「ふぅー」 2人で静かにため息をついた。 もし、見つかったら洒落にならない。 警察官2人が署内の着ぐるみの中でHするなんて、見つかった後の事を考えると血の気が引いた。 しばらくして、探し物を見つけた女性は部屋を出ていった。 安心した俺たちはその場に座り込んだのだが、俺のペニスが飛鳥により深く刺さった。 「もう、守!」 飛鳥は少し恥ずかしそうに言って戯れていたので、なかなか着ぐるみから出られなかった。 着ぐるみの中で2人で戯れ合って気持ちよくなった俺は逝ってしまった。 恥ずかしいので飛鳥には内緒だが。 【重ね着】 着ぐるみから出た俺たちは先輩から貰った大量のドレッシングエイド(ラバースーツを着やすくするローション)を使って、重ね着をスタートさせた。 また、いつ誰が来るかも分からない。 まずは2人ともスーツとマスクを2枚重ね着して、俺が手のひらにかなりビビりながらスタンガンを当ててみた。 こういう時、顔が隠れているのは助かる。 かなりのビビり顔だったに違いない。 ただ、腰が退けてたから飛鳥にはバレていたかも知れないのだが。 さて、肝心のスタンガンの感触はというと少しピリッとした感じがした。 完全に電気を通していないので、大騒ぎするほどではない。 念のためというのであれば、あと3枚つまり5枚重ね着すれば十分に防げるような気はしてきた。 飛鳥はスタンガンを当てる事をパスして、あと3枚重ね着する。 そして俺も3枚重ね着すると、守られている感が凄くなった。 むしろちょっと強くなった様にも思えてしまう。 また、手のひらにスタンガンを当てる。 先ほどのようにビビってもいないし、腰も退けていない。 予想通り痛さはない、それより問題は指が曲げにくくなっている事。 体のいろんな所でスタンガンを試してみたが何ともない。 スタンガンで襲われない為の対策にラバースーツを着たらいいのではないかと考えたが、着るのが大変な事と指が使いづらいという弊害は出そうだ。 そして、これだとスマホが反応しないので、不便で仕方ないと思った。 ちなみに5枚重ね着した飛鳥にも試した。 かなりビビっていたが、大丈夫だった。 5枚以上着たら、電気ショックにも耐えられる事はある程度分かった。 仮に今あるものを全部、マスクも含めて装着できるのだろうか? 俺の中で一つの疑問となった。 飛鳥に全部、装着させて動けない、もしくは動きを緩慢にして、飛鳥を俺だけのおもちゃにしてみたいと考えた。 さて、問題はどう飛鳥を納得させて着せるかだが、納得させられそうな口実は見つからない。 俺が自分の欲望のためだけに頭を捻っていると、飛鳥が俺にお願いをしてきた。 「先輩たちの為にも、一度全部重ね着してみない?」 願ってもない申し出。 「そうだね、先輩たちにも報告できるし」 俺は先輩の事より目の前の飛鳥を自分のおもちゃにする事しか考えていなかった。 【マネキン】 飛鳥にマスクを被せて、ラバースーツを着せてを繰り返してなんとか全部着せる事ができた。 相当時間もかかり、着せる手伝いをしている俺も汗だくだが。中の飛鳥もおそらくは汗だくだろう。 全部着せた総括としては、マスクは被せるのは楽だが視界と呼吸を確保する穴を調整するのが大変な事と、マスクを被る飛鳥は鼻が潰されていると言っていた。 現に今目の前の飛鳥の顔は凹凸もなくなり、本当のマネキンのようになっている。 ラバースーツを着せるのも大変で、始めは飛鳥も俺が着せやすい様に動いてくれていたが、だんだんと動きが悪くなり、最後の方は腕や足も曲げにくそうにしていた。 全部着せた飛鳥の動きは昔のロボットの様になっていた。 そんな飛鳥の体をくすぐってみるが、全く反応がない。 半分の枚数でも電気を通さなくなるのだから。 そう言えば飛鳥の秘部へと繋がる穴はどうなっているのだろう。 座って直接覗き込んでみる。 「守の変態!そんな堂々と見ないで、こっちが恥ずかしくなる」 飛鳥の声はかなりくぐもっている。 それに口が動かしにくいので話し辛そうだ。 飛鳥の言葉を無視するように聞いてみる。 「指、入れてもいいかな?」 「守のバカ!変な事堂々と聞かないでよ!」 まあ、飛鳥の言う事はもっともだ。 ラバーの指にドレッシングエイドを塗ってから、穴に指を入れてみる。 これはなかなかの締め付け具合だ。 こんな中に俺のペニスを突っ込んだら、締め付けで勃起が止まらなくなりそうだ。 ちなみにどんな感じになっているのか、奥まで入れてみる。 「んっふぅうぅぅぅ」 飛鳥が妙な息遣い。 「気持ちいいのか?」 「……………… !」 飛鳥は答えないが、それが答えだ。 飛鳥の秘部内も何重にもなっているので、触れて感じたのでなく、中で指がラバーに覆われて大きくなった事で、飛鳥を刺激したのかもしれない。 俺のペニスも全部ラバースーツを着てペニスを太くしてから飛鳥と交わったらどうなるのだろう? 少し気持ちいいのも想像したが、抜けなくなる事も可能性としてはある。 俺の中で変な葛藤が起こっていた。 【濃厚接触】 俺も残りのラバースーツを全て重ね着してみる。 かなりキツいし暑い、そして鼻が潰れて口が上手く開かない。 飛鳥があれほど上手に喋っていた事に驚かされる。 動きもロボットみたいだと、からかったが今の俺は飛鳥のロボット以下の動きしか出来ない。 「飛鳥、すごいなぁ」 そう声をかけてみたが、俺の口が開かないので声は届かなかった。 離れているからかも知れないと思い、飛鳥に近づいていく。 その途中、足が引っかかり転倒し、飛鳥を押し倒す形になった。 飛鳥を押し潰す訳にはいかないので、必死に腕で支えて覆い被さる形にはなったが、押し潰すのは避ける事が出来た。 だが、『ジュブジュブジュブ!』聞きなれない音がする。 それと同時に俺のペニスが強く締め付けられる。 体が上手く使えないので確認は出来ないが、これは確実に飛鳥に挿さってしまったと確信した。 何故なら、飛鳥から可愛い喘ぎ声が漏れたから。 しかし、この締め付けはヤバ過ぎる。 俺が頑張って体を持ち上げると、ペニスは少し抜けたがこれ以上は上がらない。 すぐに飛鳥の体の中へと戻っていく。 「あぁぁん、守ダメだよ、気持ちいい」 また体を持ち上げるが、ある一定以上は持ち上がらず飛鳥へ戻る。 「守ぅぅ、ほんとにほんとにダメだって」 飛鳥の言葉に反して俺は飛鳥の可愛い声が聞きたくて、途中からワザと繰り返した。 その結果は、ご想像の通り。 「守、ダメだよぉ、ダメ、ダメ、逝っちゃう、逝っちゃう、逝っちゃうぅぅぅ」 体がビクンと大きく跳ねて2人とも動かなくなった。 今日、俺はラバースーツの中で2回も逝ってしまった。 2人ともしばらく横になり、呼吸を整えてからラバースーツを脱いだ。 運良く俺と飛鳥が交わっている時に誰も部屋には入って来なかった。 【お宅訪問】 その後、ラバースーツを重ね着すると電気を通さなくなった事は先輩方に伝えた。 飛鳥とは今まで同僚でしかなかったが、今日の出来事ですっかり距離を縮めた。 そして、今日は署外で待ち合わせをして2人で一緒に帰る事になった。 「今日は大変だったね」 「そうだね、いろいろあったね」 2人顔を赤らめて並んで歩く。 署の近くだったので、同僚にバレないように電車には乗らずに歩いて帰る事にした。 途中のファミレスで食事を摂ったら、また歩く。 大好きな飛鳥といっぱい話せるなら、歩くのも苦にならない。 飛鳥の家がだんだん近づいてきた。 楽しい時間が終わってしまうと思うとなんだか離れ難い。 何故か2人とも口数が少なくなる。 そして、飛鳥の一人暮らしのマンションに到着。 「じゃあ、また明日」 俺は飛鳥に手を振った。 飛鳥はその手を掴むと「もっと一緒にいたい!」 そう言って、俺をマンションに引き込んでいく。 俺にとっては嬉しい限り、飛鳥に合わせて一緒にマンションに入っていった。 「片付けてないけど、入って」 「お邪魔しまーす」 飛鳥の部屋は整頓されていて、俺の部屋とは雲泥の差だった。 「コーヒーがいい?それともビール飲む?」 俺は少し迷ってから言った。 「一緒に飲もう」 飛鳥は頷くと、缶ビールを持って走ってきた。 正直、俺はあまり酒が強くない、でも飛鳥と楽しく飲みたいと思った。 「お疲れ」「お疲れ様」 2人で乾杯しビールをグッと飲む。 歩いて喉が乾いていたので、グイグイいける。 飛鳥も同じようにビールを飲んでいた。 「今日はどうだったラバースーツ?」 「うん、体のラインが出るから恥ずかしかったけど、全部重ね着したら強くなった気がして何も気にならなくなったよ」 飛鳥は顔を真っ赤にしている。 ビールで酔ったのではなく、恥ずかしくて赤くなっているようだった。 「気持ちよかったね」 俺はワザと主語をつけずに言った。 飛鳥はますます顔を赤くして頷いた。 “可愛い、可愛い過ぎる“ 俺は心臓が高鳴るのを感じ、酔いがいつも以上に早く回った。 「守、ベッドで寝てもいいよ」 飛鳥に促され、部屋の奥にあるベッドで横になり、そのまま意識を手放した。 【夢か現実か】 『ピチピチッ、パチン、ピチッ』 何か聞いたことのある音が聞こえてきて、目が覚めた。 目を開けると知らない天井。 体を横にして薄暗い部屋を眺めて思い出した。 “俺、飛鳥のベッドで寝ちゃったんだ、いい香りがして酔ってて気持ちよくて“ 不意に俺に襲いかかる黒い影。 俺はビックリして体が動かない。 何か柔らかい二つの膨らみが俺のお腹に当たっている。 それはどんどんどん俺の顔に近づいてきて、キスをした。 柔らかくてゴムの味がするキス。 俺はその黒い影をギュッと抱きしめた。 「守、当たってるよ、ここ」 黒い影は俺の勃起したペニスをズボン越しにギュッと握った。 そして、チャックを下ろすと、勃起したペニスをズボンに引っかかりながらも強引に取り出した。 そして、まずはマネキンのような黒い光沢のある顔に擦り付ける。 愛おしそうに俺のペニスに顔を擦り付ける姿を見ているだけで、もう発射しそうになる。 それをなんとか堪えたが、今度は手と顔を使って俺のペニスを扱き始めた。 優しく、そして速く緩急を織り交ぜながら、巧みに俺のペニスを扱く。 俺の心を読んでいるのかというタイミングで、俺の体の上に乗ってくる黒い影。 そして、自分の穴へ俺のギンギンに勃起したペニスを自ら挿入した。 「あぁぁぁん、ふぅぅ、気持ちいい」 そのまま、俺の上で体を揺らし始める。 その動きはだんだん速くなり、喘ぎ声も大きくなる。 「うぅぅぅん、気持ちいい、気持ちいい」 「守、もっと突いて!」 体を反らせてより、激しく動く黒い影。 カーテンの隙間から差し込む灯りで光沢のある大きな胸が跳ねるように揺れるのがよく見える。 「あっ、ダメ、ダメ、ダメ、逝っちゃう、逝っちゃうぅぅぅ!」 大きく体を震わせた後、俺に覆い被さってきた。 ラバーの肌との接触も気持ちいい。 俺は黒い影をギュッと抱きしめたまま、再び眠った。 【遅刻】 朝、目覚めると昨日の黒い影が1人でバタバタしている。 「どうしたんだ?」 俺がお気楽な感じで聞く、 「遅刻だよ、遅刻、脱げないし」 飛鳥は焦りまくって取り乱している。 その姿は昨日のクールなイメージに見えた黒い影とはかけ離れたものだった。 俺はベッドから起きると飛鳥のラバースーツを脱ぐのを手伝う。 ラバースーツを脱いだ飛鳥は全裸で浴室へと走って行った。 スマホで公共交通機関で警察署への到着時間を検索したが、到底間に合わない。 ただ、タクシーを使えば余裕の出勤となる。 俺は飛鳥が浴室から出てくる前にタクシーを手配した。 「もう、間に合わないよ」 半べそをかいている飛鳥にタクシーを手配した事を告げると急に落ち着いた。 「うん、タクシーなら余裕だよね」 ショーツは履いているが、大きな胸はそのままの飛鳥のツンと勃った乳首を突いて言った。 「出てるぞ」 「もう、守のバカ!」 飛鳥は再び浴室へ走っていった。 結果、遅刻はせずに無事、間に合った。 飛鳥と一緒になれたら、こんな賑やかな朝になるのかと想像し俺は1人、はにかんで笑った。 【人形】 3日後の交通安全教室に向けて予行演習を行う事になった。 俺と飛鳥は先輩達にそれぞれラバースーツを全て重ね着した上で、心肺蘇生訓練人形の着ぐるみを着せられ事になった。 当然だが、俺のは男性で、飛鳥は女性の人形の着ぐるみ。 無表情というか何とも表現し難いマスク、目がなく鼻の穴はあいており、口にスリットのある首から涎掛けまで一体となったマスクを被り、左右の鎖骨を繋ぐ様に丸く一周切れ目が入っている体部分を折り返すように捲る事で心肺蘇生訓練人形の中へと入るが、ラバースーツの重ね着で上手く着られない。 マスクを被った時も感じた事だが、ラバースーツ1枚だけの時とは比べものにならないほど、ピッタリとしている。 当然、体もピッタリしている上、ラバースーツの重ね着で動きが制限されて、とても1人で着る事は出来なくなっていた。 晴人先輩と瑞稀先輩2人がかりでどうにか俺は心肺蘇生訓練人形となったが、ピッタリというよりは中はかなり窮屈、圧迫に近い状態だった。 飛鳥の方も俺と同じように先輩2人がかりで着せてもらっていた。 裸の心肺蘇生訓練人形を見た先輩達がなにやらヒソヒソ話を始めた、 もう良からぬ事を今からされる事は容易に気づいたが、こんな体では満足に走って逃げる事も出来ない。 “なんとかしなければ“ そう思った時、晴人先輩が俺と飛鳥に話かけてきた。 「なあ、お前らそのままじゃあ、恥ずかしくないか?裸だぞ」 そんな事を言われると、恥ずかしい気がしてくる。 飛鳥も先輩の言葉で胸と内股になり股の辺りを手で隠した。 でも、実際にはかなりの重ね着をしていて、自分の肌の露出は一切ない。 「そこで、かわいい後輩の為に、これを準備しておきました」 元気に競泳水着を差し出す瑞稀先輩。 飛鳥は競泳水着を手にすると、すぐに足を通して水着を着始める。 飛鳥の水着は胸や股を隠せるので、分からなくもないが、俺のは競泳用のブーメランパンツ。 正直つけてもつけなくても変わらないような気がする。 「どうかな?恥ずかしさはなくなったかな?」 「そんな君たちに質問、うちの署の近くには何があるかな?」 首を傾げる俺と飛鳥。 「目の前にあるじゃないか、海だよ、海!」 そう、俺たちの勤務する警察署の前には海が広がり、サーファーも多い。 「海といえば水難事故も多い、AEDの教室をしておくと市民の皆さんとってはプラスになる、実践形式でやるには……… 」 晴人先輩が話している間に、瑞稀先輩がウエットスーツを持って戻ってきた。 もう、皆まで言わずとも分かる。 水着の上からウエットスーツを着ろという事だ。 「心配するな、心肺蘇生訓練人形の大きさでオーダーしているから大丈夫だ」 笑顔で俺たちに話す晴人先輩。 “そうじゃなくて、暑いんだよ!“ 俺は心の中で先輩に文句を言った。 そんな俺の心の中の文句が届く訳もなく、俺からウエットスーツを着せ始める先輩たち。 俺は抵抗出来ずただただされるがままの人形になっていた。 【試行錯誤】 俺が着せられるウエットスーツは、背中にファスナーがありそこから体を滑り込ませるのだが、そんなにスムーズに入っていかない、当然の事ながら。 悪戦苦闘、試行錯誤した上でラバースーツ用のドレッシングエイドを使ってみると、そのままよりは楽に着る事ができた。 よって、飛鳥には始めからドレッシングエイドを使用して着せて行くようだ。 飛鳥の着せられるウエットスーツにファスナーはなく、肩のところを大きく開いて中に入ると、前方に垂れている内側フラップを被るように頭を通してから、今度は後方に垂れている外側フラップを同じく被る様にして頭を通す。 後は外側フラップをマジックテープで固定すれば完了だ。 不気味な心肺蘇生訓練人形にウエットスーツを着せられた。 先輩たちが俺と飛鳥の周りを一周する。 「OK、バッチリだ」 本番も交通安全教室の後、海で溺れた要救助者にAEDを使用する設定と決まった。 「じゃあ、お前らはこのままで、その姿に慣れてくれ!心配するな、ちゃんと定時前には脱がしてやるから」 そう言って、晴人先輩の腕に瑞稀先輩が腕を絡ませて行ってしまった。 “え!あの2人ってそういう関係?“ 俺と飛鳥は顔を見合わせた。 そしてしばし、自分たちの置かれた状況を忘れていた。 【リハビリ】 慣れてくれとは言われたが、どこで何をして過ごせばいいのか正直分からない。 こんな格好で署外をうろつけば捕まりかねない。 サーファーっぽく、海岸で2人で過ごそうかとも考えたが、サーフボードがなければ、格好もつかない。 結局行き着く所は一つ、飛鳥と初めて交わったところ、倉庫として使われているあの薄暗い部屋。 なぜかここに来ると落ち着く。 飛鳥とこの異常なまでに重ね着した状態で抱き合うが、やはり2人を阻むものが多すぎる。 飛鳥はそれでも甘えた仕草で俺を求めてくる。 こうなれば、飛鳥を感じるところまで脱ごうと考えた。 まず、俺のウエットスーツのファスナーを下ろしてもらい脱ぎ始める。 着る時は大変だったが、意外と脱ぐのは動きが制限された体でも脱ぐ事ができた。 さて、次に飛鳥のウエットスーツを脱がせる。 胸の辺りのマジックテープを外して、外側フラップを頭を通して後ろへ、次に内側のフラップを頭を通して前へ。 俺がウエットスーツの開口部を広げて、押し下げる。 飛鳥も体を揺すりながら上手く脱ぐ事ができた。 後は大丈夫と飛鳥は自分で脱いでいた。 ここで、一旦休憩。 薄暗い倉庫の奥で、水着を着た心肺蘇生訓練人形二体が座って苦しそうに呼吸している。 さて、問題は心肺蘇生訓練人形の着ぐるみをどうやって脱ぐかだ。 前に着た時は隙間も少しあったので、脱着はそれほど苦労しなかったが、今回は中に着込んだラバースーツが少しあった隙間を埋めて密着している。 おまけに心肺蘇生訓練人形の着ぐるみの中でラバースーツの滑りが悪く動きをさらに制限する。 “滑りが悪い、ならば滑りをよくすれば心肺蘇生訓練人形の着ぐるみが脱げるのではと考えた“ 早速、自分で実験してみる。 油差しを用意して、そこへドレッシングエイドを入れる。 体が上手く動かない事もあり、ドレッシングエイドをかなり溢してしまった。 先ずは横になり、油差しの先を着ぐるみの口から入れると、後頭部の方へと流し込む。 それを左右両方に注入してから、体を起こして内部にドレッシングエイドを十分に馴染ませる。 馴染ませ過ぎて、心肺蘇生訓練人形の首が回り、俺の顔のところに後頭部が来てしまった。 心肺蘇生訓練人形の頭をグッと上に引き上げると、『ポンッ』と物凄く気持ちいい音と共に首が外れた。 すぐ側で見ていた飛鳥は拍手してくれた。 あとは油差しで、心肺蘇生訓練人形の鎖骨から鎖骨へクルッと一周ドレッシングエイドを注入し、肩から脱ぐ様にすると簡単に脱ぐ事ができた。 あとはブーメランパンツもそのまま心肺蘇生訓練人形の着ぐるみに履かせたまま脱皮した。 【脱人形】 飛鳥を脱がせる前にする事がある。 少しでも俺自身のラバースーツを脱いで動き易くする必要があった。 先ほどまでの動きにくい着ぐるみに比べれば、ラバースーツを脱ぐ事は楽勝と思えたが、着ぐるみを脱ぐ際のドレッシングエイドが多過ぎて手が滑ってなかなか脱げない。 ドレッシングエイドを少しでも取り除く為に、飛鳥の心肺蘇生訓練人形の首元の隙間からドレッシングエイドまみれの手を差し込む。 意外にも俺の手はスルリと着ぐるみの中へと吸い込まれた。 そのまま、飛鳥の頭や顔を撫でる様にしていると、心肺蘇生訓練人形のマスクが半回転した。 つまり、顔だけが後ろを向いた状態。 飛鳥も自分の手でマスクを押し上げた。 『ポンッ』と俺同様物凄く気持ちいい音と共に首が外れた。 すぐ側で見ていた俺は飛鳥に拍手を送った。 飛鳥も心肺蘇生訓練人形の着ぐるみを脱ぎ始める。 ドレッシングエイドと俺の手助けもあって、飛鳥も着ぐるみを脱ぐ事はできた。 しかし、2人とも全身がぬるぬるで互いに妖艶な光沢を放っている。 どちらからともなく、近づいて抱き合ってそのまま床に横たわる。 俺のペニスはラバースーツの重ね着により勃起する事を阻害されているにも関わらずそれを跳ね除けてしっかりと勃起していた。 一度、勃起するとラバースーツの圧迫が刺激になりギンギンの状態を維持している。 そこへ飛鳥が自ら突き刺さりに来た。 普段なら入らないものが、ドレッシングエイドの助けもあり滑る様に入っていく。 これは堪らない、すぐにでも逝ってしまいそうな俺の上で、飛鳥が跳ね始めた。 「守、すごくいい、すごくいい」 そう言って跳ねる飛鳥の大きな胸は激しく揺れている。 このローアングルから揺れる飛鳥の胸を見ながら、ペニスには快楽がこれでもかと波のように打ち寄せる。 俺は声も出せずに逝ってしまった。 しかし、飛鳥は止まらない。 「守、逝こう、一緒に逝こう、逝こう、逝く、逝く、逝くぅぅぅ!」 飛鳥は体を大きく退け反り逝ってしまった。 そして、俺の胸の上に顔をそっとつけてきた。 「守も逝ったぁ?」 甘える様に聞いてくる飛鳥には妖艶な雰囲気があった。 「うん、一緒に逝ったよ、飛鳥最高!」 俺は飛鳥を抱きしめながら、“ゴメン、耐えきれずに先に逝っちゃった“と心の中で呟いた。 その後、滑るラバースーツに苦戦しながらも全て脱いで、通常の職務に2人で復帰した。 もちろん、着ていたものは全て洗浄し、乾かして。 【交通安全教室】 俺と飛鳥は何度も練習を重ねてラバースーツと着ぐるみ、それにウエットスーツまで、自分たちだけで着れる様になった。 そして交通安全教室の日がやってきた。 俺と飛鳥は先輩たち同様、警察官の制服で参加した。 小学生のみんなに交通ルールを説明した後、子供たちが交通ルールを守って、通学できるように先生たちにも協力してもらい実際に歩いてもらったりする。 その間に俺と飛鳥はマイクロバスへ移動し、着替えを始める。 マイクロバスに乗り込むと施錠してから、マイクロバス内のカーテンを全て閉め、運転席のすぐ後ろのカーテンも閉めて外部から完全に見えなくしてから、着替えを開始する。 すっかり飛鳥の裸にも見慣れたが、いつもと違う状況に俺は妙な興奮を覚えて飛鳥に抱きついてしまった。 当然、そんな事をしている場合ではないので、飛鳥からお叱りを受けて着替えを始める。 ラバースーツとマスクは慣れたもので、すんなりと着る事ができた。 そして、心肺蘇生訓練人形の着ぐるみもドレッシングエイドを使い着ることができた。 問題はこれから、着ぐるみを着た事で体の動きが著しく制限されるため、水着を着るのも一苦労。 俺よりもワンピースの競泳水着を着る飛鳥は苦戦しているので俺も手伝う。 ウエットスーツもどうにかこうにか着る事が出来たら、先輩たちが呼びに来るまで取り敢えず休憩。 飛鳥と寄り添いながら座って待つ。 バスの中で着ぐるみを着ているが、飛鳥と2人きり。 唇を重ねられない事が分かっていても、どちらからともなく顔を近づけていった時、マイクロバスの窓が叩かれる。 ドキッとして距離を取る。 カーテンを閉めているので、誰にも見られる事はないのだが。 叩く音のしたカーテンをそっと開けると、そこには瑞稀先輩がいた。 俺と飛鳥はカーテンを開けて、マイクロバスを降りた。 そこへ、たまたま小学校の先生が通りかかる。 「あれ、人形が動いてる、着ぐるみなんですか?」 瑞稀先輩に話しかける男性教諭。 「ええ、まあ」 あまり関わりたくないのが露骨に出ている瑞稀先輩は適当に返す。 「あっ、もしかして女性の人形はさっきの婦人警官の方ですか?」 「あんな綺麗な方が着ぐるみに入ってるなんて勿体ない」 瑞稀先輩は「すみません、次の講習がありますので」と言うと、俺と飛鳥を連れて足早にその場を立ち去った。 【AED】 いよいよ、救命救急の講習が始まる。 俺と飛鳥は間隔をあけたマットに仰向けに寝かされて心臓マッサージと人工呼吸を先生方にも実践形式で行ってもらう。 人工呼吸の口をつける時はビニール越しに行った。 男性教諭を相手するのは俺、そして女性教諭の相手をするのは飛鳥。 心臓マッサージの際、胸を強く押されるのだが、この心肺蘇生訓練人形の着ぐるみはよく出来ていて、胸のところに押した際に本当に人の体を押した感触を得られるよう、低反発クッションとゲルを上手く掛け合わせた素材が仕込まれており、中の人の胸が強く押される事がないように作られている。 次々と先生たちの実習をこなしていく。 そして、本日のメインとなるAEDの講習が始まる。 講習はウエットスーツをAEDを装着できる位置まで脱がせて裸の状態にしてから行う。 AEDの箱を開けると自動でオンになり、モニターのガイドに従い、胸の対角線に電極パッドを肌に貼り、電気ショックのスイッチを押す。 電極を貼り付ける位置を間違えると、心肺蘇生訓練人形が自ら動いて貼りつける位置を修正する。 それは俺も飛鳥も同じようにした。 さすがに初めて人形が動いた時は参加者は驚いていたが、着ぐるみだと分かると話しかけてくる人や電気ショックを与えても大丈夫なのかと心配してくれる声もあった。 もちろん、会話はしない人形だから。 ただそれでも、俺の所より飛鳥の所の方が人は集まっていた。 男性教諭の間で先ほどの可愛い婦人警官が人形になっているという噂が広まってしまった事に他ならない。 心肺蘇生訓練人形の中身が可愛い婦人警官だと知ったら、何かしてくる輩がいそうなものだが、さすがに教育者が警察官に手を出してくる事はなかった。 無事に交通安全教室を終えた。 俺と飛鳥はまたウエットスーツを着せられて、マイクロバスに乗り込む。 突然、海へ行こうと言い出す先輩たち。 もう課長には4人分の半休を提出済みとの事。 今日は講習に人員が駆り出されるため、他の署からも応援に来てくれているので、半休の許可が簡単に下りたらしい。 運転する晴人先輩の助手席から瑞稀先輩が俺たちの方を向いてあるものを見せた。 それはウエットスーツ、晴人先輩は俺と、瑞稀先輩は飛鳥とデザインが同じで色違いのものだった。 経費を使って自分たちのものまで作っていているとは、無駄遣いの過ぎる先輩たちに俺も飛鳥も呆れて言葉も出なかった。 ウエットスーツに着替えて海へと走り出す先輩2人の後ろを俺と飛鳥は人形のままついていく。 夏も過ぎた少し寒くなった海岸に人はほとんどいない。 海ではしゃぐ先輩たちを見て2人で呟いた。 「2人とも、こどもみたい!」 そう言って、疲れていた事をあり手を繋いで砂浜に寝転がる。 普通なら寒いかも知れないが重ね着しているので、俺と飛鳥にとってはちょうどいい感じで心地良い。 横になって目を閉じていると、眠ってしまいそうだ。 近くでヒソヒソと話す声が聞こえるが、今は疲れていて気にならない。 『ザパアーン!』 突然、顔に水を掛けられた。 ビックリして飛び起きると、先輩たちがバケツで水を掛けてきた。 「ビックリするじゃないですか!心臓が止まるかと思いましたよ」 俺が語気を強めて言う。 晴人先輩は言った。 「その時はAEDで心肺蘇生してやるよ」 完