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ごむらば
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スーツアクトレス

ヒーローショーのスピンオフストーリーになります。今回はカメレオン怪人になった杏奈を中心に話が展開していきます。 カメレオン怪人の着ぐるみから出られなくなった事をきっかけに俺への想いを告白してくれた杏奈、その想いに俺が応えられずにいた。 そして杏奈は自分の夢を叶えるべく俺から離れていった。 杏奈がいなくなった後も、俺は着ぐるみショーの取りまとめを行ったり、人手不足の時にはショーに出る事もあった。 そんな時、社長からVシネマへの出演してみないかと誘いがあった。 その時は人手も足りていて、軽い気持ちで引き受けることにした。 内容としては着ぐるみを着て俳優の代わりを務めるというもの。 俳優自体は一時はよくテレビに出ていたが、最近では全く見なくなった。 それでも着ぐるみを着て、演じることはプライドが許さないので代わりが必要になったとか。 しばらくして、手元に台本が届いた。 ストーリーは惑星探査機が持ち帰った石や空気を調べる研究機関でのこと。 男女の研究者の体に石に付着していた微生物に誤って触れてしまったことから始まる。 微生物は2人の体内へと侵入。 微生物に操られた2人は男女の関係でもないのに交わりを持つ。 女の体内には僅か1日で生命が宿り、すぐに出産。 だが、生まれてきたのは赤ちゃんではなく、緑色をした卵だった。 卵は周りにあるものを引きつけ吸収して大きくなる。 卵は1時間ほどで成長し、中からは成人女性が出てくる。 彼女には変体能力があり、体を自由自在に変化させることができる。 それは人以外にも。 そして彼女を人間を捕食するための狩りに出る。 一方、卵を産んだ女性研究者と相手の男性研究者は脱力し、体が溶け始め寒天のようになりその場にうずくまっていた。 彼らの娘が何をするために自分達の元を去ったかを感じ取った2人は娘を止めに行くというもの。 正直、B級作品としか思えなかった。 ポイントとしては、娘の変体の表現技術や狩りに行くシーンをどう怖く伝えるかで決まるのではと考えていた。 出演者を見てみると、主役になる娘役が元セクシー女優野々宮ほのか。 俺の好きな女優で可愛らしい顔とはアンバランスな豊満な胸やキュッと上がったお尻がなんとも言えない。 他の出演者は女研究者が杏子(あんず)奈々。 聞いたことのない女優。 それに男研究者は事前に聞いていた俳優で、吹き替えとして俺の名前がカッコ書きではあるが載っている。 その他の出演者も、2時間ドラマに出ている俳優、女優陣の名前が並んでいる。 カッコ書きとはいえ、前の方に自分の名前があるのは申し訳ない気がした。 数日後、衣裳合わせのため指定されたスタジオを訪れた。 案内された部屋に入ると、俺はビクついてしまった。 目の前に白く人の肌が酷く膨張し顔がはっきりとしない奇妙な生物が立っていたから。 服は着ておらず鼻や口の穴もない。 ただ、体の凹凸から女性であることは分かった。 その奇妙な生物は深々と頭を下げて挨拶をしてくれた。 こちらもつられて頭を下げる。 「彼女は杏子(あんず)ちゃん」 スタッフの女性が俺に教えてくれた。 驚いた顔をしている俺に続けて、 「杏子ちゃんはスーツアクターもこなすのよ」と付け加えた。 彼女の周りをぐるっと回る。 よく出来た着ぐるみで、どこから着たのだろうと頭をひねっていると、スタッフの女性が「貴方にも今から着てもらいますね」と。 俺を奥の部屋へと案内してくれた。 部屋の中には、テーブルとパイプイス、それにシングルハンガーに着ぐるみがかかっていた。 「へぇ、これか」 思わずこれから自分が着る着ぐるみに近寄る。 全身が一体となっており、全身をくまなく着ぐるみが覆う。 背中側にファスナーがあるが、着ぐるみと同色でかつ着ぐるみの中へ隠れるように作られていた。 スタッフの女性は着ぐるみを着た後で、熱を加えて着ぐるみの一部を溶かして完全にファスナーを隠してしまうことを説明してくれた。 色は白く見えたが、寒天のように透明な中に濁りがある。 触ってみると感触はゴム。 手を入れると、手が透けて見え白くは見えない。 首をかしげている俺に、またスタッフの女性は説明をしてくれた。 「これを着てもらいます」 彼女が持っていたものは白いゼンタイ。 これを着て着ぐるみに入れば、さっきの女優さんのようになるのかと納得した。 ゴムでできたこの着ぐるみは、内側とは違い外側は微生物に侵され皮膚が変異したのを表現するために、ゴムを溶かしているということも分かった。 概要が掴めたところで、着替えに入る。 スタッフの女性には一旦退出してもらうことにした。 スタッフの女性は退出の際に、こんなことを伝えてきた。 「監督からの指示で、衣裳合わせと着ぐるみをどれぐらい着ていられるかも、チェックして欲しいと言われているので、ご協力お願いします」と。 いまさら断わることもできず、俺はただ頷いた。 服を脱ぎ全裸になると、白いゼンタイを着る。 先ほどのスタッフの女性が言っていたことをするとなれば、相当な時間着ぐるみを着ていることになる。 そうなれば、下着をつけていれば汗で濡れてしまうことは間違いなかった。 着ぐるみに足を通すが着ぐるみの中もゴムで滑りが悪い。 それでも今まで着ぐるみを着てショーをしてきた経験もあり、汗だくになりながらも足を通すことができた。 腕を通して頭部分も被る。 上手く呼吸穴と覗き穴を確保し、背中のファスナーを閉める。 着ぐるみといっても、ウエットスーツを着ている感じで、普段とあまり大差はなかった。 体に密着する感じや呼吸のし難さは、ウルトラマンの着ぐるみに似ていると思った。 着ぐるみを着終えて、思ったことが一つ。 彼女はどれくらい着ぐるみを着ているのだろうか? 綺麗な女優さんが、着ぐるみの中で暑さに耐えていることを想像していると、股間が熱く硬くなり反り立ってきた。 このまま、部屋の外へは出られない。 必死に違うことを考え、自分を落ち着かせてから部屋を出た。 部屋の外にはスタッフの女性と着ぐるみを着た女優さんが俺を待っていた。 「大丈夫でした?一人で」とスタッフの女性が声をかけてくれたので、俺が頷くと俺の背後に回るとファスナーを隠すべくゴムを溶かし始めた。 ほどなくしてゴムの溶ける匂いがして、その後スタッフの女性が目の前に現れた。 そして、こう言った。 「今から1時間このままでお願いします」 「ただ、部屋は出ないで下さい」 「この部屋の中でしたら、ご自由にお過ごし下さい」 そう言い終えると部屋を出て行ってしまった。 俺は着ぐるみを着た女優さんと2人きりになった。 テーブルを挟んでイスに座り向かい合う。 初対面で何を話していいか分からない。 着ぐるみの暑さと緊張で俺の心臓はどんどん速くなっていく。 部屋の中には沈黙が続く。 杏子さんは何も話さない。 かと言って寝ているわけではない。 ジッとこちらを見ている。 沈黙に耐えきれずに声をかける。 「着ぐるみ、暑くないですか?」 杏子さんからは返事はなく、動きもない。 「今日は衣裳合わせ、何時から入ったんですか?」 またも杏子さんからは返事はなく、そして動きもない。 「スーツアクターをやってたんですか?」 俺の質問には答えずに杏子さんは立ち上がった。 そして俺の方へと向かってくる。 何かプレッシャーのあるその動きに、何か気に触ることを言ったのかと思ったが、思い当たることはない。 杏子さんは俺の横に来ると、立ったまま俺を見下ろす。 そして立ち上がるように、手振りで指示する。 俺はゆっくりと向かい合うように立ち上がった。 背の高い女性であるのは、初めに分かっていたが、近くで見ると改めてそれを感じた。 向かい合うだけで何もない。 何をされるのかとドキドキする。 杏子さんが動いた。 俺にギュッとハグをしてきたのだ。 咄嗟のことでビックリして後ろに仰け反りそうになるが堪える。 そのまま俺も杏子さんに応えるように彼女をハグした。 何も言葉を発せず、抱き合っている時間が続く。 初めに言葉を発したのは、杏子さん。 「主任、やっぱり好き!」 「え!」 俺から出たのはそれだけだった。 彼女はそのまま俺をテーブルへ押し倒す。 「前もこんなことあったよね」 「杏奈、ちょっと待て」 俺は声を上げたが、体は言葉に反して杏奈を抱きしめていた。 主任と言われたその声に聞き覚えがあり、女優 杏子奈々が杏奈であることはすぐにわかった。 そして、このVシネマの俳優の着ぐるみ代行を俺に指名したのも。 「主任と最後に思い出を残したくて」 着ぐるみ越しだが、着ぐるみの中で舌を出している杏奈の顔は想像ができた。 杏奈は女優デビューしてから間もなく、とある有名俳優と付き合い始めたのだが、その俳優がハリウッドへと拠点を移すことになった。 杏奈もそれについてハリウッドへ行くことになったそうだ。 そんな時に杏奈にこの作品の話が来た。 俺ともう一度会うためだけに、無理を言って俺をキャストに入れてもらったのだとか。 上京してからもあの時のカメレオン怪人の着ぐるみを持ってきて、1人着ているが思い出すの俺のことばかりだった。 そこで、この作品で共演し杏奈の中で区切りをつけようとしたのだ。 久々に着ぐるみ越しとはいえ、ゆっくりと杏奈と話ができて俺も嬉しかった。 それに恥ずかしがり屋の彼女のことだから、面と向かってはたいした話はできなかっただろうと思った。 ずっと抱き合って話していたが、1時間が経つ頃には、元の場所へ戻り向かい合うように座りスタッフの女性を待っていた。 スタッフの女性は戻ってくると、俺たちに大丈夫か確認した後、先に俺から着ぐるみを脱ぐことになり、その日は着替えて帰った。 結局、杏奈とは話をしたが彼女の顔を見ることはなかった。 いよいよ撮影が始まりスタジオに呼ばれた時には、女研究者が卵を産み落とし、その卵が大きくなり卵から娘が孵化するシーンの撮影だった。 てっきり、CGで行うと思っていたのだが、卵が俺の観ている場所からそう遠くない場所にある。 卵は一人でに動き出すと、ヒビが入り緑色をした粘性のある液体が滲み出てきた。 ヒビは徐々に大きくなり、液体の流れ出る量が増える。 そして孵化。 中からは裸の野々宮ほのか。 全身が緑色のおそらくはローションでヌルヌルになっている。 少し光沢のあるその裸体は、妖艶な光りを放っている。 生まれたばかりで、床を這うようにしながらも立ち上がろうとするが、ローションで滑り立ち上がることができない。 ここでカットがかかり、野々宮ほのかにバスタオルがかけられる。 そのまま次のシーンのため、着替えに行ってしまった。 しかし、目の前で生の野々宮ほのかを見れたことで俺はかなり興奮していた。 次は研究者2人が脱力し、その場に崩れ落ちるシーン。 杏奈の演技を食い入るように見つめる。 しばらく見ないうちに女優へと変貌を遂げた杏奈を誇らしげな気持ちで見つめる。 脱力する前にカットが入り、腕や顔にメイクを施す。 脱力し崩れ落ちるとカットが入ってメイクが追加される。研究者が2人が床に横たわったところで再びカット。 ここからは体が溶ける部分はCG加工し、着ぐるみのシーンとなる。 杏奈が着替えのため移動、俳優の方は用意された席へと移動。 そして俺も着替えのために呼ばれた。 着ぐるみに着替えに行く途中、前から野々宮ほのかが着替えを済ませて戻ってきた。 彼女の体は緑色の皮膚に覆われ赤い斑点がいくつもあった。 それは首から顔の右半分も同じようになっていた。 すれ違いざまにマジマジとみると、全身が緑色のラバースーツに赤い斑点を描いたもので、顔の半分はメイクのようであった。 実際、近くで見ても推測程度なので、また先ほどの緑色のローションにまみれると、ラバースーツを着ているのは分からなくだろうと思った。 俺と杏奈は別々の部屋に入って準備を始めた。 着ぐるみを着てスタッフの女性に背中のファスナーを熱で封印される。 着ぐるみの上から研究者の白衣を身につける。 部屋から出ると、まだ杏奈の方は準備が出来ていないようなので俺の方を担当してくれたスタッフが杏奈の部屋へと入っていった。 ほどなくして杏奈も着ぐるみを着て出てきた。 着ぐるみを着ていて表情は分からないが、仕草で嬉しそうにしているのは分かった。 スタジオに戻ると、野々宮ほのかの撮影は済んだようで、彼女の姿はもうそこにはなかった。 彼女と会うことも楽しみの一つだったのだが、その後は一度も会えずに終わってしまった。 さて、着ぐるみでの撮影が始まる。 研究者2人が横たわった姿勢を入念に確認してから、同じ場所へと横たわる。 横たわった場所には、寒天のようなゲル状のものが撒かれている。 スタートの声とともにゆっくりと動き出すが、ゲル状のものに足を取られて上手く立ち上がることができない。 呻き声を上げ何度も滑りながら立ち上がり、扉へと歩いて行く。 台本に書いてあった通りに演技をしたつもりなのだが、どうだったのだろか。 やり直しもなかったので、大丈夫な気はするのだが。 続いてはスタジオを移動して、民家へ立ち入り娘を探すシーン。 化け物扱いされ、さまざまな物が飛んでくる。 当然、飛んでくる物は柔らかく作られており、当たっても怪我はしないが、物が当たると呻きながらその場に膝をついて痛がる演技をする。 最後は街中でのシーン。 娘を止めるために街中に現れた研究者の2人はゾンビのような存在になっている。 そこで逃げ惑う人たちを助けるべく、軍隊が現れ捕獲のため、とりもちで攻撃をしてくる。 このとりもちはホンモノで、着ぐるみに着くと伸びるが離れない。 とりもちを取ろうと動けば動くほど、とりもちは体に絡みつく。 そのうちバランスを崩した俺は杏奈と接触。 杏奈とくっついてしまい、ますます動けなくなってしまった。 杏奈も演技ではなく、必死にとりもちを取ろうとしているのは、唸るような声が聞こえてくるので分かった。 そんな動けなくなった俺たちに軍隊から捕獲のためのネットが発射される。 ネットで捕獲され、ますます杏奈と密着しおまけにネットまでとりもちに絡みつきどうしようもなく、動きも取れなくなった。 ここでカットがかかり、ネットから解放されると思っていたのだが、撮影は続行。 俺と杏奈を捕獲したネットの先は車に結びつけられて、そのまま基地まで引っ張られる。 それほど速くはなかったが、車に引きづられる。 着ぐるみを着ているので、痛くはないが着ぐるみについたとりもちが土や砂をつけて酷く汚れた。 しばらく引きづられた後、ようやくカットがかかった。 それでもネットからは解放されず、そのまま軍隊の基地のセットへ運ばれる。 そしてそこでようやく吊るされたままネットから解放されて、地面に落下する。 しかし、とりもちで満足に動くことはできない。 そこへ白衣を着た医者らしき役者に俺は注射を打たれる。 注射を打たれると台本通りにぐったりとして眠ったフリをする。 一方、杏奈は呻き声をあげながら暴れようとするが、とりもちに阻まれる。 手錠をされ、とりもちを外されそのままどこかへ連れて行かれた。 と、ここで俺の着ぐるみを着ての出演はお終い。 注射を打たれたことで、この後研究者の男性の体は元に戻るが、精神状態は戻らない。 狂ったようになるのだが、そこは俳優が演じる。 杏奈はというと着ぐるみのまま、解剖されるなどの調査をされた後、死んでしまうという設定になっていた。 撮影の続きを見たい気持ちはあったが、今日の撮影はここでお終いだった。 着ぐるみを脱いでシャワーを浴びて帰る準備をする。 杏奈と久しぶりにゆっくり話したいと思ったが彼女にもいろいろ予定があると思い帰ることにした。 撮影所の出入口に帽子を被ったジーンズにTシャツの女性が立っていた。 俺が彼女の前を通ってすぐ腕を組まれた。 途中で杏奈だと分かっていた。 彼女の髪には汗の匂いが混じっていることから、シャワーを浴びずにここで俺を待ってくれていたと分かった。 そして久しぶりに彼女と話すことができた。 俺よりも好きな人ができたと聞いた時は、正直言ってショックで涙が出そうになったが、それは堪えた。 後日、杏奈から撮影したDVDか送られてきた。 主役の野々宮ほのかのセクシーシーンが多く作品としてはB級作品だった。 野々宮ほのかの体にボディペインティングしたり、コスプレしたり、一部特殊メイクもあり映像的にはかなりの出来映えではあった。 しかし、肝心の主役の演技の下手さが目につき、映像技術だけではカバーしきれなかったように感じた。 対して、杏奈の演技はなかなかのもので見入ってしまった。 さらに着ぐるみを着ての演技も素晴らしいと思った。 気になっていた解剖シーンでは、おそらく別の着ぐるみに着替えて撮影されたとおもうのだが、かなりの時間、解剖や拷問シーンもあり、奇声をあげながら演じた杏奈の凄さに感心した。 で、自分の演技はというと、可もなく不可もなくと自己評価したが、野々宮ほのかのことを評価できる立場ではないことを実感した。 完

Comments

ありがとうございます😭 楽しみにしてます😍

フランキー

コメントありがとうございます。杏奈目線のストーリーお時間下さい。

ごむらば

杏奈さん目線のストーリーお願いいたします😭

フランキー


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