怪獣映画発表
Added 2022-04-25 15:00:00 +0000 UTC怪獣映画のメデイア向けの発表の場、普通は映画館や屋内の会場で行うのだが、その怪獣映画は違った。 屋外の特設会場で行われた。 怪獣対人間の構図はよくあるのだが、人間側には小さな怪獣が体を呈して人間を守るというもの。 実際の映画では敵対する怪獣は着ぐるみであとはフルCG。 怪獣に入るスーツアクターも2人体制で臨んだとか。 映画の中では小さな怪獣が自分の倍ほどもある怪獣に挑んでいき、その度投げられ、水に落とされ、見るも無残な姿で最期は力尽きてしまう。 それに応えて人間たちが怪獣をやっつけてしまう。 その映画の発表の場に出演者と共に敵対する怪獣と小さな怪獣も一緒に現れた。 舞台上で左に怪獣、右に出演者と小さな怪獣に分かれる。 怪獣がゆっくりと中央へと歩みよると、小さな怪獣もゆっくりと人の動きとは何処か違う動きで中央へ。 そして映画さながらの戦いが始まるが、小さな怪獣の動きは遅く中に人が入っているような動きではなく、大きな怪獣に捕まると、いとも簡単に投げ飛ばされ、出演者の足元へと転がる。 出演者は口々に小さな怪獣に声援を送るが、助けることはない。 ゆっくりと立ち上がる小さな怪獣、そして再び大きな怪獣へ突っかかっていく。 が、簡単に持ち上げられ床へ叩きつけられる。 床でのたうち回る小さな怪獣、その口からは怪獣独特の鳴き声も。 そこへトドメの蹴りが炸裂。 舞台の縁で蹴られた小さな怪獣は、そのまま舞台から落下。 準備されていた水溜りに落ちる。 ある程度の深さのある水溜りに、脚がつかないようで水溜りの中で助けを求めるようにもがく小さな怪獣。 もがいている内に脚がつくところに移動できたようで、水溜りから這い上がろうとする。 そこへ映画で大きな怪獣の動きを封じた人間側の兵器?透明の粘着質のものを何故か出演者陣が小さな怪獣へとぶっかけた。 これはトリモチで、映画の中ではこれで怪獣の動きを封じて人間が勝利した。 水溜りから這い上がろうとする小さな怪獣は大量のトリモチに動きを封じられて、力なく水溜りに半分体を浸けたまま動かなくなってしまった。 小さな怪獣が仮に着ぐるみだとしたら入っている人は大きさから見ても女性が入っていることは明白。 取材にきた記者たちが小さな怪獣を心配する中、出演者の1人がマイクを取り、「どうでしたかこの演出?とてもロボットだとは思えないでしょ!」と。 小さな怪獣をことごとく攻撃を加えた怪獣も体全体で大きく頷く。 ほぼフルCGで映画を造り、宣伝でロボットを投入してくる辺りお金をかけていると、記者たちも技術の進歩に驚く。 そういうことだったのかという声が広がる中、スタッフが2人がかりで小さな怪獣を引きずり出し、そのまま舞台裏へと回収していった。 それには目もくれず、記者たちは目の前で戦いが繰り広げられたことで映画への関心を抱き各々質問を開始した。 そんな中、1人の記者だけは小さな怪獣と同じタイミングでその場を離れていた。 なぜか? それは小さな怪獣からの鳴き声が途切れたとき、微かだが人の荒い呼吸が聞こえたからであった。 それに小さな怪獣の首元は、大量のトリモチをぶつけられた後、激しく収縮を繰り返していた。 そう、まるで空気を求めるように。 あの小さな怪獣はロボットじゃない! あれは人が入っていたんだ。 それを確認するため、その場を離れていた。 舞台裏の控えスペースへと戻ってきた小さな怪獣とスタッフ2人。 スタッフの内1人は女性スタッフ。 女性スタッフは、男性スタッフに「あとは私がやるから戻って!」と指示する。 男性スタッフは軽く頭を下げると舞台へ戻っていった。 「今日までご苦労様!」小さな怪獣に声をかける。 この映画の発表以前から小さな怪獣は全国各地を回っていた。 いつも酷くやられ、先に控えスペースへと戻り怪獣から出された後は、スタッフの一員として来場者の誘導を行っていた彼女。 夏の暑過ぎる日にはスタッフ業務ができず、車で休むこともあった。 小さな怪獣の解体が始まる。 トリモチにサラダ油をかけて取り除く。 マジックテープを重ね合わせるようになっている怪獣の背びれを外すと中にはファスナー。 起こされた怪獣は固まったように動きが少ない。 ファスナーを開き、怪獣の着ぐるみを剥いでいく。 中からは白くプラスチックのような固いものに覆われた人型のモノが現れた。 その白い人型モノは関節部分が稼動できるようになっているが、見た感じだけでも動かせる範囲は限られていることが分かるほど。 その人型のモノには怪獣の体に合わせて、ところどころ肉付けがされている。 その肉のパーツは黒く柔らかいウレタン素材できており、それを取り外すと細く華奢な人型のモノとなった。 背格好や胸の膨らみに合わせて整形された体を覆うプラスチックから、女性であることはほぼ間違いない。 ただ、気の毒なのは股を開いて、相撲取りがシコを踏むようなポーズであること。 女性スタッフは人型のモノの背後に回りドライバーを使って足や体を前後から挟んで固定しているプラスチックのパーツを外していく。 足から順に外していく、そうしないと外せないようにパーツ同士が噛み合っているようで最後に顔のパーツを外した。 やっと顔を拝めると思った、いや薄々感じていた。 足のパーツを外した時点で、黒いタイツを履いたような足がでてきていたので。 顔も体も肌を一片も見せることなく、黒いタイツで覆われている。 それも少し光沢がある事やタイツに汗ジミがないことからゴムの全身タイツつまりラバースーツであることは察しがついた。 そんなことより顔のパーツを外して驚いたのは、口に何か詰め込まれ声を出すこともできなくされていた。 硬いプラスチックパーツの中にゴムの全身タイツを着て口には詰め物。 その状態でも辛い筈なのに、その上怪獣の着ぐるみ。 中腰の姿勢で立っているだけでも辛いのに投げ飛ばされ、水に落とされ最期は動くことも、そしてトリモチで呼吸もままならない状態にされた彼女はどんな心境だったのだろうと、思う反面このドSな行為をもし悦んで受けているとしたら、ドMにも程があるなぁと考えていると興奮してきた。 一体どんな女なのか確認したい願望が膨らむ。 仕事そっちのけで、覗いていると。 口の詰め物を外し、続けてマスクを外した。 大量の汗と涎が床に落ちる。 後ろで団子に纏めてあった髪も湿気を帯び、顔は火照り真っ赤になっていた。 いやらしく口からは涎が垂れて糸をひいている。 女性スタッフはタオルを渡すと「大丈夫?このあと打ち上げで誰もここには来ないからゆっくりして」と声をかける。 女性は返事もせずにコクリと頷いた。 そして女性スタッフは去って行った。 記者は女性の顔を見ようと、息を潜めてチャンスを伺う。 怪獣の着ぐるみを着ていた女性が記者の方を振り返った。 思わず声が出てしまう記者。 「うわっ、姉ちゃん!」 「あ、なんであんたが覗いてるの?」 記者が見た怪獣の中の女性は、記者の2つ上の姉だった。 「なんだよ、また怒られるよ、ちゃんと取材できてないって」 記者は吐き捨てるように姉に言うと、急いで会場に戻ろうとする。 酷めに遭わされていた小さな怪獣の中身はロボットではなく実は女性だったと記事にしたかったが、実の姉が入っていたとなると記事にもし難い。 会場へ向かおうとして、記者はふと実の姉がドMである事を思い出し、姉の元へと引き返す。 姉の元へ戻ると記者は言った。 「姉ちゃん、帰ったら虐めても良いかな?」 記者は顔を真っ赤にして聞いた。 姉はその言葉だけですべてを察したのか、こちらも顔を赤らめて返す。 「今日の衣装全てもらえるみたいだから、存分に虐めて」 記者は取材の事は全くないまま、会場へと戻った。 その日の夜、小さな怪獣は自宅でも虐められて、次の日まで人間には戻れなかったという。 完