SamSuka
ごむらば
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フリーザの中身は

女友達にフリーザのような声を出せる子がいた。 そこで思いついたのは彼女にフリーザになってもらうこと。 俺は芸大に通う学生。 学祭での出し物に頭を悩ませていた。 女友達の由利に交渉する。 「学祭の出し物にモデルとして出て欲しい」と。 少し迷った彼女だったが、自分は絵画も仕上げて余裕があることから俺の申し出を受けてくれた。 何のモデルかは明かさずに工房で全身の型を取る。事前に用意してもらっていたヌーブラにTバックで小柄な由利の全身の型を取った。もちろん、ヌーブラとTバックは俺が費用負担した。 小柄な由利だが型取りは普通の人と変わらない。これは手間隙がかかる。時間をかけて型取りが出来た。型から石膏像を作りその石膏像にフリーザを造型していく。 型取りの間もしきりに由利から何を作るのか聞かれたが、できるまで秘密と言ってはぐらかした。 石膏像を見る限り小さいながらなかなかのプロポーション。さすがは俺が惚れた女。とは言っても告白する勇気もなく友達止まりの関係なのだが。 モデルをお願いしたのも新たな展開を期待してのことだった。 由利の石膏像に液体のラバーを塗りベースを作っていく。足の装飾には歩くとフリーザ独特の足音が出るギミックも施した。 フリーザの着ぐるみは胸から下、腕と上半身、それにマスクの三つに分かれる。 全体的に柔らかいラバーを使用し動きやすくしている。部分的に硬質のパーツも取り付け完了。マスクはフリーザの目と口を由利の顔に直接付けて目や口が動かせるようにした。 装飾品として戦闘服とスカウターも作成した。 フリーザが完成し、由利に試着してもらうことになったのは学祭の3日前だった。 試着に来てもらった由利にフリーザに掛けた白い布を取ってもらう前に聞いてみた。 「なんだと思う?」 首を傾げて可愛い仕草の由利だったが、声色を変えて「この私を誰だと思っているのですか?フリーザ様ですよ」笑顔で言い当ててしまった。 え!なんで?といった顔をしている俺に由利はフリーザの声真似で「貴方の後ろを見てみなさい、スカウターと紫の戦闘服が丸見えですよ、ホホホホ」と高笑いする。 振り向くと確かにスカウターと紫をベースにしたフリーザ専用の戦闘服が丸見えだった。 「まぁ、いいでしょう、早速始めましょうか」フリーザになる前から役作りがバッチリの由利に布を取ってもらいフリーザの着ぐるみを見せる。 すると「わぁー凄い」由利は素の声でフリーザの着ぐるみに駆け寄る。「第1形態だよね」と笑顔でこちらを見てきた。 そしてまた声色を変えて「賢治さん、いい仕事してますね、ホホホホ」と。 俺は由利の頭をポンポンとすると、着ぐるみをパーツ毎にバラした。 「ねぇねぇ、早くフリーザになろ」 笑顔で訴えかけてくる由利に俺も笑顔になりフリーザの試着が始まった。 まずは由利にインナースーツとなる白い全身タイツに着替えてもらう。 顔だけ出して白い全身タイツに着替えた由利は恥ずかしそうに戻ってきた。 「モジモジくんみたいで、ちょっと恥ずかしい」由利は素の声。 「じゃあ、着てみよう」俺はそういうとフリーザの下半身を由利の前に広げる。 由利は右足からゆっくりとフリーザへ。 「足は爪先立ちのようになるのね」由利の言葉に「そうなんだ、大丈夫?」と聞くと、「私、小ちゃいからよくハイヒール履くのよ、だから慣れっこ」と返事。 両足が入り腰まで着ぐるみをたくし上げる。足踏みをする度にフリーザ独特の足音。 「おお!凄い本物のフリーザみたい!」笑顔の由利。オーバーオールのようになっていて、下半身部分が落ちないようにベルトを肩にかける。由利の大きな胸が下半身のパーツで少し持ち上げられ谷間が強調される。 下半身のお尻辺りには太い尻尾も取り付ける。こちらもネジ式、体側が雌になっているので着ぐるみには突起物はない。 尻尾は見た目には重そうに見える。重厚感がでるように作ったが実のところは軽い。 次はフリーザのマスクを被るのだが、その前に赤いコンタクトレンズを付けてもらう。 「本格的だね」由利は笑顔で言った。 マスクを被り、目、鼻、口の位置を調整する。ある程度定まったところで、特殊な接着剤でフリーザの紫色の皮膚を由利の顔へと貼り付けていく。 乾くまで少し時間がかかるので、由利に動かないように伝えて次の作業へと移る。 次は上半身部分だが、フリーザのツノが邪魔なのでそれを外す。ツノはネジ式になっているので、反時計回りに回していくと簡単に外れる。ツノが外れると腕が一体となった上半身部分を被せていくのだが、その際に腕を万歳しながら通していく。指先まで完全に入ると次は首の部分を大きく開きフリーザの頭を顔に触れないように通す。マスクの涎掛けのように広がった部分を隠すように上半身パーツが覆い首部分は伸縮性のあるゴムを使っているので、上手くマスクと上半身の境目を消した。 上半身のパーツが少し浮いて下半身との間に隙間が出来ている。 両肩に手を置き少し力を加えると、“カチッ“という音ともにそれぞれのパーツに付けてあるフックが入り込み上半身と下半身を固定する。これでちょっとやそっとでは外れる事はなく、外す際は先ほどあった隙間に手を入れ少し押し下げると簡単にフックを外すことができる。 そうこうしている間に顔の接着剤が乾いた頃。由利に声を掛ける。「もういいよ、顔動かしてみて」 俺の言葉に固まっていた表情が緩む。 上手く接着できたようで、フリーザは瞬きしている。 「話せる?」俺の問いに「賢治さん、私を誰だと思っているのですか、フリーザ様ですよ」 「おおっ!」ツノは取れているが2次元から飛び出したようなフリーザに俺も興奮する。 「さぁ賢治さん、戦闘服とスカウターをお願いします」由利はフリーザになりきり体の後ろに腕を回して俺に指示をしてきた。 「ハイ、フリーザ様すぐに」俺も由利に調子を合わせる。 戦闘服を着せてツノをつけ、スカウターを耳のところに取り付ける。 戦闘服は堅そうに見えて意外と柔らかく作った。スカウターもフリーザのマスクの左耳にフックで取り外しができるようにした。 全て着せ終わったところで由利がキョロキョロと辺りを見回している。 そしてすぐに由利が何を探しているかが、分かった。それは姿見。 俺は慌てて姿見を準備した。 姿見の中のフリーザの姿を見た由利の反応はというと、言葉を失い自分の姿に見惚れている。体のあちらこちらを触り、体を捻ったりして後ろ姿を見たり、姿見の前でポーズを取っている。 その仕草はフリーザではなく、一人の女の子であった。 たがしばらくすると、俺の方へ向き直り「賢治さん、この体気に入りましたよ、ホホホホ」と高笑いした。 本物のフリーザが目の前に現れたようで、俺は言葉もなくただ拍手した。 「さて、これから如何致しましょうか」 体の後ろに腕を回して俺に尋ねるフリーザ。 「時間があったので、もう一つ着ぐるみを作ってみたのですが」恐れながら申し上げると「どんなものですか、出してみなさい」と。 「ハハァ」調子を合わせて、ダンボールに入った着ぐるみを準備し、フリーザ様の前に差し出す。 「なんですか、これは」フリーザがダンボールを開けて中を覗く。 「は、ひ、ふ、へ、ほー、オレ様はばいきんまんだー ですか」 一瞬、ばいきんまんになったが、ダンボールを閉めてフリーザに戻る。 目を閉じ少し前傾になり沈黙が。 その沈黙はフリーザが目を見開いた時に終わる。「これを私に着ろということですか?賢治さん」強い口調。 俺がゆっくりと頷くと「いいでしょう、私の実力を見せてあげましょう」というと急に由利に戻った。 「ばいきんまんは、フリーザを脱いでから着るの?それとも」と言いかけた由利の言葉を切って俺が話す。 「そのまま、重ね着もできるように作ってあるけど、暑くなるよ」 見た目はフリーザだが、女の子の仕草で悩んでいたがすぐに「私を誰だと思ってるですか、フリーザ様ですよ」と。 かなりの迫力のある言葉に俺はばいきんまんの準備を始めた。 ばいきんまんの着ぐるみは紫色のグローブとブーツ、黒く光沢のあるボディは幼児体形を再現しており、お腹がポッコリし手足が細い。そして、大きな頭。 表面は全てラバーコーティングしているので、テカリがある。 フリーザと違い喋ったりはできない。 フリーザーの尻尾とツノを取り外し、戦闘服を脱がせる。 これでフリーザの方は準備完了。 まずは体から、ばいきんまんの首辺りはゴムで出来ていて大きく開くことができる。そこを大きく広げて由利に入るように促す。 由利はフリーザのまま、ばいきんまんの中へ。 手と足の位置を調整しながら、体を全て着ぐるみの中へと収める。 手も足も先は指はなくお団子のようになっていて何も掴めない。 その手と足にそれぞれグローブとブーツを履かせる。その後、ばいきんまんの尻尾の先にある黒い三角を外してやると空気の注入口が現れる。 そこから空気を注入すると、体も手足もひと回り程膨らみグローブやブーツが外れなくなるとともに体への圧迫感が増す。 体がばいきんまん、顔がフリーザとなった由利。 仕上げに頭を被せようとした時、由利に変化が。 潤んだ目で訴えてくる。 「ゴメン、調子に乗っちゃった、暑過ぎるから出して」 フリーザの見た目とは程遠い弱々しい声で言われると可哀想になり、ばいきんまんの着ぐるみを脱がせ、涙を拭った。 さて、ばいきんまんは置いといて、フリーザを未来的な感じで表現したいと考えてた俺は由利に尋ねる。 「セグウェイって乗ったことある?」 俺の質問にまだ潤んだ目をしながら由利が頷く。 興味半分と由利をフリーザにした時に乗ってもらおうと思い、前々から準備していた。 戦闘服、それに尻尾とツノを付けてフリーザに戻した後、由利にセグウェイに乗ってもらう。 足は着ぐるみの中で爪先立ちのようになっているにもかかわらず由利は見事にセグウェイを乗りこなした。 「もしかして、セグウェイ持ってる?」 俺の質問にフリーザは後ろに手を回し、ゆっくりと首を振る。 「え、なんでそんなに上手なの?」 「ここで練習したからですよ、賢治さん」 「この意味お分かりになりますか?」 首を傾げている俺に、由利が抱きついてきた。 「何度も会いに来たのに、いつも補習で会えなかったから寂しかった」 そう言って俺の体に顔を押し付けてくる。 「俺も由利のこと、ずっと」そう言って強く由利を抱きしめた。 完


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