売れない俳優Ⅳ
Added 2023-01-25 03:00:00 +0000 UTCまだ撮影が続くため、俺と彼女の口の猿轡は外されたが縛られたままで用意された椅子に座り、撮影準備が整うのを待つ。 彼女にはバスローブが掛けられている。 彼女の豊満な胸が縛られて強調されている姿は撮影中で緊張感があるからこそ勃起しないが、待機中に見せられるのとかなりの威力がある。 縛られて手を使って股間を隠す事の出来ない俺はただの変態となってしまうだろう。 できるだけ彼女の事を見ないようにして、撮影が始まるのを待つが理性とは裏腹に本能的に彼女を何度もチラ見してしまう自分がいた。 バスローブのお陰でギンギンに勃起するのは避けられたが、撮影中の彼女の姿は目に焼きついており、半勃ちは回避できなかった。 違う事を考えようとするが、彼女の事が頭から離れない。 そこで思ったのは、彼女はいったい誰なのだろうということ。 ここまでともに撮影をしてきたが、映画の撮影という事で息つく間もなく、走り続けてきた。 彼女もまた俺と同じように売れない女優であり、替え玉として拷問される役を引き受けたのだろうと考えた。 すると、自然とエロい目線で見ていた彼女を違う目線で見られるようになってきた。 俺と同じ境遇の彼女の元へ行き声を掛ける俺。 「あと少しなので、ともに頑張りましょう!」 「はい、頑張りましょう!」 俺が大きく頷くと、彼女も頷いて見せた。 ラバーマスクで顔は見えないが、彼女の笑っている顔が容易に想像ができた。 準備ができたようで、ようやく撮影が再開する。 俺と彼女は拷問で気を失っていた設定で起こされる所から始まる。 もちろん、また猿轡を縄元さんにしてもらってから。 「おい!そろそろ起きろよ!」 そう言って、塩谷が俺の顔を踏みつけた後、彼女の顔も踏みつける。 2人とも猿轡をされているので声にならない呻き声を上げて目覚める。 「いい加減、吐いた方がいいぞ!次は死んでしまうかもしれないからな」 「真空パックをして呼吸できない拷問をしてやろうと、布団圧縮袋を用意していたんだが、もっと面白いものを見つけたのでお前たちで試してやるよ」 そう言うと塩谷の部下が黒いゴムを持って来た。 「まあ、どうせお前らには見えないから何でも良いんだけどな、俺たちが楽しむためのものだと思ってくれ」 塩谷は何かは言わないが、俺からは良く見えている。 それはジャイアントバルーン。 機械の轟音とともにジャイアントバルーンが膨らみ始める。 彼女は見えていないので、演技を抜きに本当に怖いのだろう。 彼女の体が小刻みに震えている。 ジャイアントバルーンが膨らんだところで、塩谷が話す。 「最後のチャンスだ、情報を吐く気になったら言ってくれ、頭を下げて懇願した方を助けてやる」 塩谷の言葉に俺も彼女も反応しない。 「じゃあ、さよならだ」 塩谷がそう言うと俺も彼女も塩谷の部下たちに支えられながら立たされる。 その際、縄元さんが猿轡を緩めて呼吸をし易くしてくれる。 そして俺と彼女は向かい合わせの形で勢いよく頭をジャイアントバルーンの中へ入れられた。 直立しているので、数人の部下の手によって体を全てジャイアントバルーンの中へとあっという間に入れられてしまった。 ジャイアントバルーンの空気はすっかり抜けてしまい、真空パックされたように俺と彼女の体は密着する。 「あばよ、潜入捜査官さん!」 そう言って、塩谷に軽く蹴られた俺たちはバランスを取る事が出来ずに倒れてしまう。 もちろん、倒れた先にはマットが敷かれていたが、俺は彼女の下敷きになるようにして彼女を守る。 マットが取り除かれ、冷たい床に横たわる形にして、すぐに撮影が再開する。 「おい、コイツらを真空パックしてやれ!」 塩谷の指示でジャイアントバルーンから飛び出していた俺と彼女の足は中へ押し込まれて、掃除機でジャイアントバルーンの空気が抜かれ始める。 俺も彼女も目一杯空気を吸い込み真空パックに備える。 台本に最後に真空パックされるので、深呼吸するように注意書きがなされていたから。 俺と彼女の入ってジャイアントバルーンはすぐに空気が抜かれて真空状態となった。 バルーンの口の部分が封をされるのを見てから塩谷が言う。 「このまま、ドラム缶に入れてコンクリート詰めにして海に沈めておけ!」 そう言って、部屋を出ようとした時だった。 城ヶ崎が部屋に飛び込んできた。 「サツだ!」 その後ろから警察隊が突入してきた。 あっという間に取り囲まれて、確保される組織の面々。 すぐに俺と彼女はジャイアントバルーンから助け出された。