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ごむらば
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大道芸人は潔癖症【完全版】

黒いジャイアントバルーンに入る黒光りするラバーマネキン人間。 中へ入るとバルーンの中から音がする。 徐々に小さくなるバルーンに見ている人たちにも緊張が走る。 しばらくすると音がなくなり、ラバーマネキン人間がジャイアントバルーンの口からノッペラボウの顔を出した。 バルーンから出てきたラバーマネキン人間はラバーのセーラー服を着ていた。 つまり、ジャイアントバルーンの中で着替えを済ませて飛び出してきたのだ。 それでパフォーマンスは終わりだったが俺は何度もその動画を見た。 黒光りするラバーマネキン人間は明らかに女性であり、かなりスタイルがいい。 大きな胸に括れた腰、締まったお尻まで余す事なく浮き彫りにし、ラバーマネキン人間の中の女性の素晴らしさの想像を膨らませてくれる。 動画投稿サイトでいくつか動画がアップされていたので全て見たが、ラバーマネキン人間の女性の顔が映っているものは一つもなかった。 一時はこのラバーマネキン人間のバルーンパフォーマンスを追いかけてネット検索をしたが、投稿された動画は増える事なく、いつしかラバーマネキン人間の検索もしなくなっていた。 そんな投稿動画のこともすっかり忘れていたのだが、たまたま立ち寄ったイベントホールで大道芸人たちが自分たちの芸を競っていた。 そこで俺はホールの片隅でパフォーマンスをしているあのラバーマネキン人間を見つけた。 パフォーマンスをしている場所が悪く人は全く集まっていなかった。 俺が近くまで行くと一礼をして、音楽を鳴らしてパフォーマンスを始めるラバーマネキン人間。 動画と同じように黒いジャイアントバルーンを膨らませると、投稿動画では分からなかったが中に衣装が事前に仕込まれているのが分かった。 ラバーマネキン人間はジャイアントバルーンに頭を入れると、音楽に合わせて大きな頭を振って楽しそうに振る舞う。 そうしてから徐々にバルーンの中へと入っていく。 ここまでは投稿動画と同じ、この後バルーンの中で着替えを始めラバーのセーラー服に着替えるとバルーンから出てくる。 動画と同じように着替えている最中は手でバルーンの口を押さえておくのが甘くなるようでバルーンが萎み始めた。 これも投稿動画と同じで演出のはずだったが、バルーンの口を中からしっかりと掴んでいるのにかかわらずバルーンの底の方から空気がどんどん漏れている模様。 バルーンはみるみるうちに萎み、ラバーセーラー服に着替え途中のラバーマネキン人間の体を浮き彫りにしていく。 今まで全く声を出さなかったラバーマネキン人間が声を上げる。 「あれ?なんで?ちょっと待って!」 バルーンは萎み続けてラバーマネキン人間の全身を浮き彫りにしてしまった。 新しい演出かと思ったが、そうではないようで床で萎みきったジャイアントバルーンの中でラバーマネキン人間はもがきながらバルーンからなんとかして脱出しようと悪戦苦闘している。 もがけばもがくほど、中の空気は抜けてラバーマネキン人間をバルーンは身動きできないように拘束していく。 その姿にフェチを感じながらも心配になり声を掛けた。 「大丈夫ですか?」 「助けて下さい、お願いします」 緊張感のある真剣な声で異常事態だと分かり助けに入るが、一度萎んだジャイアントバルーンは男の俺の力でも簡単には口を広げられないほどあった。 それでもなんとかバルーンの口をラバーマネキン人間の呼吸できる位置まで移動させる事ができた。 ラバーマネキン人間は繭に閉じ込められたような姿で丸まり呼吸を整えている。 ラバーセーラー服に着替えが済んでいるのはみっちりと閉じ込められているためバルーン越しでも中の様子が伺えた。 黒光りする小さな繭は無機質で物のようにしか見えないがこの中には確かに人が入っている。 先ほど助ける際、バルーン越しに中の人の体温を感じたし、今も苦しそうに小さく体を動かして呼吸を整えている。 「あのーすみません!」 ラバーマネキン人間が声を掛けてきた。 少し冷静になってラバーマネキン人間の声を聞くとなかなか可愛い声をしている。 「はい、大丈夫ですか?」 「呼吸ができるようになったので落ち着きました、もう一つお願いしてもいいですか?」 「なんでしょうか?」 「送風機でバルーンを膨らませて頂けませんか?」 そう言われて周りを見ると、送風機らしい機器があった。 使い方はよく分からないがとにかくバルーンの口に送風機の先端を突っ込んで風を送り込んでみた。 バルーンが徐々に膨らみ始めた時だった。 『バフっ!』 鈍い音と共にジャイアントバルーンが割れるというよりも裂けた。 同時にラバーセーラー服を着たラバーマネキン人間が目の前に現れた。 スカートは捲れ上がっていて、思わずそこに目が行ってしまうが、ノッペラボウで顔が見えないラバーマネキン人間からの視線を感じてすぐに視線をノッペラボウの方へと向けた。 すぐ近くで見てもノッペラボウの顔には呼吸や覗き穴は分からない。 見つめ合っているとなぜかドキドキしてきた。 ジッと固まっている2人の横で楽しげなパフォーマンス用の音楽だけが流れている。 俺は我に返り声を掛けた。 「だ、だ、大丈夫ですか?」 「え、あ、はい、大丈夫です、あなたのお陰で助かりました」 そう言うと俺の手に黒光りするラバーの手を添えてきた。  見つめ合う2人、だがラバーマネキン人間は我に返る。 「失礼しました」 そう言って俺の手を放すとラバーマネキン人間はパフォーマンス道具を片付け、裂けたジャイアントバルーンを体に巻き付けるようにしてバックヤードへと消えてしまった。 俺の手にはラバーマネキン人間が俺の手に添えた温もりだけが残っていた。 今思い返すと凄く興奮するシチュエーションだった。 助ける前でもバルーンを膨らませる前でもいくらでも間近でスマホで動画撮影する機会はあった。 俺以外にあの場に誰もいなかったのだから尚更だ。 実は俺もラバーフェチで全身ラバーで顔までもラバーで覆われた無機質な姿なのにその中には血の通った人がいると考えると無性に興奮する。 だから、ラバーマネキン人間のジャイアントバルーンのパフォーマンスは俺にとっては絶好のおかずで何度も動画を見ていた。 だが、いざ目の前となると動画の一つも撮れずにいた自分に腹が立つ。 そんな気分を落ち着かせようと、他の大道芸人のパフォーマンスを見るが頭に入ってこない。 先ほど見たラバーマネキン人間の事が頭から離れなかった。 場所を変えて別の大道芸人のパフォーマンスを見たが同じだった。 頭を過ぎるのはラバーマネキン人間がバルーンに閉じ込められた姿。 自動販売機横のベンチに座り、楽しげな音楽が鳴りパフォーマンスをする大道芸人、それを見て拍手する人たちをテレビでも見るかのようにぼぉーっと眺めていた。 頭の中を巡るのはなぜ少しでもあの時動画を撮らなかったのかということ。 「はぁー!」 もう何度ため息をついたかも分からない。 下を向いて項垂れていると、俺の横に誰か座った。 「大丈夫ですか?調子でも悪いのですか?」 声を掛けてくれたのは女性。 俺が何度もため息をついて項垂れている様子を見て体調が悪いと気遣ってくれたのかも知れない。 「ありがとうございます、大丈夫です!」 顔を上げて声を掛けてくれた女性に返事をする。 「そうですか?なら良かったです」 声を掛けてくれて女性の方を向いてドキッとする。 その女性が俺の好みのどストライクだったから。 ハイネックのニットにフレアスカートを履いた上品な印象を受ける女性。 黒髪を後ろで一つに纏め、落ち着いた感じで清潔感も感じる。 顔もスタイルも完璧なその女性はなぜか急に顔を赤らめて話し始める。 「あのー、もし良かったら私とお茶しませんか?」 “逆ナン?“ 俺の中でふと思いついた考え。 だがこんなに綺麗な女性がナンパされることはあっても逆ナンする事はないだろうと思った。 なら、何か良からぬ商品でも売りつけられるのか?それとも宗教絡みか? いろいろ考えてみるが分からない。 それになぜか彼女がそんな悪い人には見えなかった。 「別に構いませんよ、予定もないし、1人なので」 そう返すと彼女はすごく嬉しそうな笑顔を見せた。 イベントホールに併設された飲食店街をお店を探しながら歩く。 隣を歩く彼女はフレアのロングスカートの下からハイヒールが見えていた。 一つ気になったのは、彼女がしている白い手袋。 上品さも感じられるがそれだけではないような気がした。 適当なカフェを見つけて2人で店内へ。 向かい合う形で座り、注文をしてからどうして俺に声を掛けたのか聞いてみた。 彼女はその質問に顔を真っ赤にして答えた。 「貴方が運命の人に感じたから」と夢見る少女のような答えが返ってきて正直驚いた。 彼女は見た目にも落ち着いており、20代後半の女性の答えではないと思った。 少し妙な空気になってしまったので、俺は話題を変えることにした。 「手袋してますけど、何かあるのですか?」 そう聞くと彼女は少し躊躇してから答える。 「私、潔癖症で物もそうですが、特に人が不潔に見えてしまうんです、それで… 」 彼女のそんな答えを聞いてなるほどと思う。 彼女は潔癖症のため、男性とのお付き合いの経験も乏しく夢みる少女のような発言をしたのだと。 「でも、初めて会った俺に声を掛けてくれたんですか?」 頭で思った疑問がそのまま口から出た。 「えーと、あのー」 彼女は何か話しにくそうにしている。 それでも彼女が意を決して話そうとした時、注文していた飲み物が運ばれてきた。 話そうとしていた彼女が言うのを止めて沈黙が続く。 俺が話し掛けようとした時、彼女が先に口を開いた。 「今日、私初めて自分から触れてみたいと思える男性に出会えたんです、それが貴方で、だから」 彼女の言っている事が俺には理解できなかった。 なんなら、この子はいったい何を言っているんだという目で見ていただろう。 彼女が俺に言う。 「手を出してもらってもいいですか?」 さっぱり意味が分からないが、彼女の精一杯の想いが伝わってきて俺は彼女の前に右手を差し出した。 彼女は自分の左手の白い手袋を外すと俺の右手の上に添えた。 その手を見て俺は固まる。 「え!まさか、あの?」 彼女は少し恥ずかしそうに微笑む。 俺の右手に添えられた彼女の手は黒光りしていた。 彼女は俺の右手に手を添えていたいようだが周りの目も気にしている。 俺は左手で彼女の黒光りした手をサッと隠すと、彼女は目を細めて凄く嬉しそうに笑った。 彼女は話し始める。 潔癖症でまともに人と関わる仕事ができないため、1人でできる大道芸人を目指したのだという。 しかし、他人が近くにいるだけでも辛いのでジャイアントバルーンに入って人との接触を極力断てる大道芸を選んだそうだ。 それでも他人が近くにいると辛いので、ラバースーツを着てラバーマスクも被ってジャイアントバルーンの大道芸を始めたという。 初めのうちはもの珍しさからお客さんも集まったが今では飽きられて誰にも見てもらえず目立たない場所でパフォーマンスをやっていると余計に見てもらえなくなったらしい。 見てもらえないため、ジャイアントバルーンの購入費用もなくなり、使い続けているうちに今日のトラブルが起こったという事だった。 彼女は自分のこれまでの経緯を説明し、俺に何を伝えようとしているが分かった。 彼女は他人が近くにいるだけでもダメなほどの潔癖症、なのに今は俺とラバー越しだが手を重ねている。 それにもう一つ思い出した事が送風機でバルーンを膨らませて彼女を助けた際、顔が触れそうなほど近かった事を。 他人が苦手な彼女にとってはきっとあり得ない距離だったのだと思う。 それでも彼女は俺から離れる事なくしばらく見つめ合っていた。 現に俺は間近で彼女のノッペラボウの顔をじっくりと見て覗き穴や呼吸穴を探す時間もあった。 そんな俺だから彼女はあんな夢見る少女のような【貴方が運命の人に感じたから】と言ったのだと理解できた。 彼女はまた顔を真っ赤にして俺に何かを伝えようとしている。 それが何か鈍い俺にでも分かる。 俺は彼女より先に口を開いた。 「あのー良かったら、さっきのバルーンパフォーマンスもう一度見せてもらえませんか?」 顔を真っ赤にして俺に何か伝えようとしていた彼女の顔はパッと明るくなり、目に少し涙を浮かべて何度も頷く。 それほど嬉しかったのだろう。 俺は彼女にもう一つ伝える。 「もし良かったらお友達から始めませんか?」 彼女はビックリした表情を見せて、目から涙が溢れた。 「ごめんなさい、急にそんなことに言ったら誰だって驚きますよね、断ってくれてもいいですよ」 俺が優しく彼女にそう言うと彼女は首を横に振り俺の右手に添えた手でギュッと掴む。 「こちらこそ、よろしくお願いします、私嬉しくってつい涙まで」 そう言って左手で涙を拭う。 「そういえばまだ自己紹介もまだしていなかったですね、俺は対馬 大和(つしまやまと)です、大和って呼んで下さい」 「私は松菱 清華(まつびしせいか)です、私のことも清華って呼んで下さい、それに敬語は止めましょう」 俺は頷き、2人とも笑顔になった。 「ところでバルーンパフォーマンスはどうしますか?」 そう清華ちゃんが聞いてきたので、俺は思い切って動画撮影をさせてもらえないか聞いてみた。 先ほどの様なトラブルはないと思うがそれでも間近でラバースーツ姿の清華ちゃんの姿を撮影したいと思ったから。 清華ちゃんからは快諾をもらい、俺のためだけのバルーンパフォーマンスをしてもらえる事になった。 「ちょっと待ってて貰えますか?」 そう言うと清華ちゃんは黒光りするラバーの手に白い手袋を嵌めるとスマホを持って店外へと出て行った。 店のガラス越しに清華ちゃんがタッチペンを使ってどこかへ電話している。 その様子を俺が見ているのに気づいた清華ちゃんは俺に笑顔で手を振ってくる。 “まるで恋人みたいだなぁ“ そう思いながら俺も手を振り返した。 急に清華ちゃんとの距離が縮まったが、彼女に俺の事を何も話していない事に気づいた。 電話を終えた清華ちゃんは小走りで戻って来て席に着く。 「ねぇ、まだ俺の事何も話していなかったね、俺はごくごく普通の会社員やってて、恋人はいません」 そこまで伝えると清華ちゃんは笑顔を見せる。 俺に恋人がいないことを嬉しく思ったのだろう。 「パフォーマンスができそう場所が取れましたので行きましょ!」 清華ちゃんの声は明るかった。 俺は清華ちゃんに一つ質問してみる。 「清華ちゃんって、ラバーフェチ?」 その言葉に清華ちゃんの顔はみるみる赤くなっていく。 そこには触れられたくなかったのか、少し涙ぐんで下を向いてしまった。 少し慌てる俺。 「清華ちゃん、ゴメンゴメン、俺もなんだ!」 目尻に涙が溜めてこちらを向く清華ちゃん。 「俺も実はラバーフェチ、だから清華ちゃんのパフォーマンスが凄く気になったんだ」 小声でそう伝えると清華ちゃんに笑顔が戻った。 「じゃあ、パフォーマンスできる場所に移動しよう!」 俺は会計伝票を手にするとレジへと向かう。 バルーンパフォーマンスでの収入は厳しそうなのでこれぐらいは俺が払おうと思った。 「私の分は払いますよ」 後ろから清華ちゃんの声が追いかけてくる。 「バルーンパフォーマンスを見せてもらった分だよ、それにこの後のパフォーマンス分も込みでいいかな?」 清華ちゃんは笑顔で頷くと俺の後ろをついて来た。 支払いを済ませて店を出ると清華ちゃんが先導してくれる。 やって来たのはホテル。 ホテルに知り合いがいて、エントランスの片隅でパフォーマンスをさせてもらえるのかと思ったが清華ちゃんはフロントへ行き話をしている。 そしてすぐに戻って来た。 「さあ、行きましょ!」 清華ちゃんは少し躊躇が見られたが手を差し出してきた。 俺はそれに応えて清華ちゃんと手を繋ぐ。 白い手袋越しだが恋人繋ぎをすると、清華ちゃんは俺の手をギュッと握りしめ、俺もそれに応えてギュッと握り返すと顔を見合わせて笑った。 エレベーターの前まで行くと清華ちゃんはカードリーダーにカードキーをかざすとエレベーターが開いた。 最近のエレベーターは凄いと感心しながらも乗り込むと行き先が最上階の67階を表示していた。 “え!そんな高層階にパフォーマンスができるスペースがあるのだろうか?“ と疑問に思ったが落ち着いている清華ちゃんを見ていると何となくだが大丈夫に思えてきた。 高速エレベーターであっという間に最上階の67階に到着した。 フロアーは明らかに超高級仕様。 しかもフロアーはパッと見だが4部屋ほどしかないように思えた。 清華ちゃんはスタスタと歩いて一番奥の部屋へと向かうとカードキーをリーダーにかざすと扉のロックが解除された。 「どうぞ、大和さん入って」 俺は驚きながらもその部屋へと入る。 その部屋は金持ちでもない俺でも聞いたことのあるホテル最高級の部屋ロイヤルスイートルーム、まさにそれだった。 「え?大丈夫なの?」 俺が思わず口にしてしまった言葉。 俺の質問の捉え方を間違えたようで清華ちゃんの答えは俺の求めているものとは違った。 「大丈夫ですよ、予約入ってませんでしたから」 到底俺が支払えるような部屋ではないので、それを清華ちゃんに伝えようか、どうしようかと悩む。 そんな悩んでいる俺を清華ちゃんはソファーへ座るようにと促す。 ソファーは物凄く座り心地がいい分俺はどんどん不安になってきた。 俺の隣りに座った清華ちゃんが少し恥ずかしそうに言う。 「大和さん、腕を組んでもいい?私、憧れだったんだ」 俺はロイヤルスイートルームの支払いばかりが頭を過り清華ちゃんの言葉に曖昧な返事を返すが、それでも彼女にとっては十分のようであった。 ソファーに座り俺の腕にしがみつくようにする清華ちゃんは幸せそうに笑顔を浮かべていた。 対照的に俺の顔は引きつっていたと思う。 「あのね、私の家は苗字でも分かる通り財閥なの」 俺はその言葉に驚き腕にしがみつき話す清華ちゃんの方を見た。 確かに清華ちゃんの苗字 松菱は日本でも一二を争う財閥、歴史も古く歴史の教科書にも出てきた記憶がある。 「えー、ホントに?」 「本当だよ!でも私は潔癖症だし自分の相手は自分で見つけたいと思って大道芸人を始めたの、そして今日ついに大和さんを見つけたの」 興奮気味に話す清華ちゃんの頭を俺は優しく撫でた。 清華ちゃんは俺の腕にしがみついていたが急に離れる。 「そうだ、バルーンパフォーマンスを大和さんに見せるんだった、準備するね」 そう言うと、ずっと持って歩いていたスーツケースを開いてバルーンパフォーマンスの準備を始める。 準備が終わるとソファーで座る俺の下へと戻ってきた清華ちゃん。 手にはラバーマスクを持っている。 「あとは私の準備だけだよ」 そう言うと服を脱ぎ始めた。 服の下にはラバースーツを着ておりそれを上手く隠すように服や手袋を付けていたのがよく分かる。 長いスカートの下はハイヒールだと思っていたのだが、ニーハイブーツを履いていたのは正直驚いた。 バルーンパフォーマンスをするラバースーツ姿となった清華ちゃんはマスクを被り始めた。 しかし、あの時間近で見たマスクとは違い目と鼻の辺りにしっかりと穴が確認できた。 “あれ?“と思っていると、清華ちゃんは背中側の首元からラバーフードを引っ張り出して、それを被る。 フードは清華ちゃんの目と鼻を残してラバーで覆ってしまったが、初めに被ったラバーマスクと同じ黒いラバーなので境界は分かりにくい。 再び“あれっ?“と思ったのは清華ちゃんがもう一つラバーマスクを手に取り被り始めたから。 だが、そのラバーマスクを被った清華ちゃんの顔を見て合点がいく。 そのラバーマスクには覗き穴も呼吸穴も見当たらなかったから。 ラバーマスクを2枚も被る事でラバーマネキン人間となると同時に言葉を封印し、かつ潔癖症の清華ちゃんがパフォーマンスできる状況を作り上げていたのだと分かった。 ラバーマネキン人間となった清華ちゃんは言葉を発しないで手振りで俺をバルーンパフォーマンスの準備した場所へと案内してくれる。 ジャイアントバルーンを膨らませるべく、送風機を手にしたラバーマネキン人間は俺の方を見て何か気づいたようで手振りで何かを伝えてくる。 それが何かすぐには気づかなかったが、スマホでの撮影だと分かった。 俺がそれを清華ちゃんに確認したのにその事をすっかり忘れていた。 スマホを準備すると清華ちゃんは一礼し、俺は拍手した。 バルーンパフォーマンスが始まると俺はスマホで撮影を始めた。 音楽に合わせてジャイアントバルーンを大きく膨らませて頭だけをバルーンへと突っ込むラバーマネキン人間。 そして、徐々にバルーンの中へと体が入っていく。 完全にバルーンの中へと体が収まると、バルーンの中でセーラー服へと着替えを始めるラバーマネキン人間。 バルーンの中で動くたびに少しずつだが空気が抜けていく。 しかし、先ほどとは違いバルーンが萎んでいるのか分からない程度だった。 ラバーセーラー服へと着替えを終えたと思われた時だった。 「キャッ!」 清華ちゃんは声を上げてバルーンの中で転倒した。 バルーンの萎む速度が急に速くなる。 あっという間にバルーンの中の空気は抜けてしまい、先ほどと同じように萎んだバルーンで繭のような状態で拘束されてしまったラバーマネキン人間。 俺は慌てて声を掛ける。 「清華ちゃん!大丈夫、すぐ助けるから」 先ほどと全く同じシチュエーションだが、今回はスマホでその様子の一部始終を撮影していた。 だがスマホで撮影している場合ではない。 俺はスマホをその場において清華ちゃんの救出を行うが何か様子が変だった。 清華ちゃんはバルーンが萎んでも苦しむ様子を見せない、それどころかジッとしていた。 俺がバルーンの口を広げて清華ちゃんを救出しようとすると、清華ちゃんの声が聞こえてきた。 「大和さん、大丈夫ですよ!私がわざと空気を抜いたので」 少し安心した俺に清華ちゃんは続ける。 「大和さん、このまま私を抱きしめてもらえませんか?」 もしかすると、清華ちゃんは自分の潔癖症のせいで、俺と付き合うことになっても手を繋ぐ以上の事ができないのではないかと考えたのだろう。 だから、引き返せる今のうちに自分がどこまで俺に対して接する事ができるのかを試そうとしているのだと思った。 俺はラバーマネキン人間となりバルーンに閉じ込められた清華ちゃんを抱きしめる。 清華ちゃんからは嫌がる様子も震えている様子もない。 俺はそのまま清華ちゃんを抱き抱えるとベッドへと運び、ゆっくりと下ろした。 彼女の潔癖症もそうだが、自分のフェチにも呆れてしまう。 黒いゴムの塊となった清華ちゃんに対して異常なほどに興奮しているのだから。 ベッドに置いた繭のような黒いゴムの塊に添い寝する形で俺も横たわる。 清華ちゃんがこんな姿でベッドに入るのは嫌がるかも知れないと思ったが、意外にも体をイモムシのように動かして俺に擦り寄ってきた。 俺はそんな清華ちゃんが愛おしくなりギュッと抱きしめた。 清華ちゃんが話し掛けてくる。 「大和さん、私のスーツケースの仕切られた部分を見てきて貰えますか?いつか私が好きになる人が現れた時のために準備したものがあります、良かったら着てみて下さい」 俺は尋ねた。 「バルーンに閉じ込められたままで大丈夫?」 「大丈夫ですよ!」 俺はバルーン越しにクッキリと浮き出た清華ちゃんの頭を撫でてから、先ほどパフォーマンスを見ていた場所へと戻った。 スーツケースはすぐ近くにあり、パフォーマンスの音楽が流れ続けていたのでそれを止めた。 「あ!そうだ」 俺は自分のスマホが撮影中だった事も思い出し回収した。 “さて、清華ちゃんのスーツケースの中にはどんなものが入っているのだろう?“ 俺はそう思いながらスーツケースの仕切られた部分を開き中を確認する。 出てきたのはビニール袋に入った黒いもの。 ビニール袋は3つありそれぞれ袋にシールが貼られてあった。 シールには[165-170][170-175][175-180]と書いてある。 この数字はおそらくだが身長だと考えた俺は少し迷った。 俺の身長は175cmで丁度境界だったから。 ビニール袋を触ってみると中は黒くてヌルヌルしたものが入っている。 この中身が何かはすぐに想像がついた、これはおそらくだがラバースーツ、清華ちゃんの「良かったら着てみて下さい」の言葉とも整合性が取れる。 そうなると、大きめのサイズより小さめの方がピッタリして気持ちいいし見栄えもいいと考えた俺は[170-175]の袋を手にした。 早速、ジップロックになった袋を開けて中身を取り出してみる。 取り出したものはやはりラバースーツ、広げてみるとラバースーツは全身一体型でマスクまで付いていた。 背中にファスナーが縦に走っている。 清華ちゃんに俺はラバーフェチを明言したが、ラバースーツを手にするのは実は今日が初めて。 写真や動画を見て興奮しているだけで、実際には金銭的余裕もなく買うこともできずにいた。 ドキドキしながら早速裸になりラバースーツに足を通していく。 ドレッシングエイドが塗られているラバースーツは滑りがよく俺の足を簡単に飲み込んでいく。 俺の足は見たこともないほど黒光りし、程よく締めつけられる。 “気持ちいい!“ 興奮のあまりすぐに勃起してしまう。 たくし上げるのに自分の勃起したペニスが邪魔になり、上に向けてラバースーツを着ていく。 腰までしっかりとラバースーツをたくし上げると、俺のペニスへの圧迫が急になくなった。 不思議に思いペニスの辺りを見ると、俺のペニスが黒光りしそそり立っていた。 ラバースーツにはペニスケースも付いていたのだ。 その後も腕を通して順調にラバースーツを着ていく。 そして涎掛けのように垂れ下がるラバーマスクを手にした。 体だけでもかなり興奮して逝きそうに何度かなったが、その度にラバースーツを着るのを中断して自分を落ち着かせた。 ラバーマスクまで被ると興奮は最高潮に達し、清華ちゃんの下へ戻る前に1人で逝ってしまいそうに思えた。 でも、あまり清華ちゃんを待たせていられない。 俺はドキドキとワクワクの中、ラバーマスクを被る。 ラバーマスクは目と鼻の部分に細かな穴が開いていて、そこから視界と呼吸が確保されている。 ハッキリとは見えないがある程度周りが見え、呼吸はできるが少し息苦しさを感じたのだが、それがかえって俺の興奮を掻き立てる。 そして、清華ちゃんと同じ世界へ辿り着けたようで嬉しく思えた。 背中のファスナーに手を掛け、ファスナーが噛まないようにゆっくりと引き上げながら閉めていく。 少し閉めるだけで圧迫が増していき、気持ち良さから何度も身震いする。 後頭部までファスナーを閉めると息苦しさがアップするとともに程よい圧迫感で気持ち良くなり過ぎて床に膝をついた。 黒光りするラバーペニスを自らの手で扱いて、オナニーしたくなる衝動を必死に抑えた。 ラバーペニスに触れなかったが、それでも少し出てしまったかも知れない。 取り敢えず着替えが済んだのでベッドルームへと戻ることにした。 途中、姿見に映る自分の姿に思わず見惚れてしまう。 ラバースーツを着た俺の姿はまるでオーダーした様にピッタリとしていて、アメコミのヒーローのようにも見えた。 俺の手には送風機もちゃんと握られている。 ベッドルームへ戻ろうとして送風機がないと清華ちゃんをバルーンから解放できないことを思い出したから。 ベッドルームに戻るとバルーンの口から寝息が聞こえていた。 俺を待っている間に疲れとバルーンに包まれている安心感から清華ちゃんは眠ってしまったのだろう。 清華ちゃんの背後に周り、黒いゴムの塊となった清華ちゃんを優しく抱きしめる。 一瞬、ビクッとした清華ちゃんだったが、すぐに状況を理解したのだろう。 「大和くん戻ってきたの?私寝ちゃってた、あ!大和さん…だった」 寝惚けて俺のことを【大和くん】と呼んだ清華ちゃんはすぐに【大和さん】と呼び直した。 「大和くんでいいよ!」 そう声を掛けると「うん!」と可愛く少し恥ずかしそうな返事が返ってきた。 「あっそうだ、大和くんスーツケースのって分かった?」 「うん、もう着てるよ!」 「着てくれたんだ、ありがとう」 そんな会話をしながらお互いの体を擦り付けるように密着させた。 体を密着させていると俺の中にある欲求が高まってきた。 それをそのまま清華ちゃんにぶつけてみる。 「清華ちゃん、お願いがあるんだけど聞いてくれる?」 「何?大和くん」 「俺もバルーンの中へ入って清華ちゃんが見て感じている世界を俺も体験してみたいんだ」 俺の今の気持ちをストレートに清華ちゃんに伝えた。 清華ちゃんからはすぐに返事が返ってくる。 「うん、いいよ!そう言って貰えると私も嬉しい、じゃあ、送風機を… 」 「持ってきてるよ!準備するね」 「うん」 清華ちゃんから快諾してもらったので早速バルーンを膨らませ始める。 ある程度膨らんだところで俺は足からバルーンの中へと足を踏み入れる。 バルーンの空気はすぐに抜けるため再び送風機で空気を注入、それを繰り返して最後に頭だけとなった。 「清華ちゃんのところへ俺も行くよ!」 そう言ってからバルーンの中へ頭を入れた。 黒いバルーンの中は昼間だというのに薄暗い世界が広がっていた。 目の前にはバルーン越しに浮き彫りでしかななった清華ちゃんの姿がハッキリとはないが見える。 「清華ちゃんの世界に俺も来たよ!」 そう言うと清華ちゃんは「うん!」とだけ答えて強く抱き合った。 バルーンは徐々に萎み俺と清華ちゃんの体を密着させていく。 清華ちゃんのラバーの肌と俺のラバーの肌が密着し、擦れ合う度に今まで感じたことの快感を生み続ける。 “気持ち良すぎる!このまま2人で逝きたい!“ そんなことを思った時だった。 萎み切ったバルーンの口を俺の後頭部がしっかりと塞ぎ呼吸が急に苦しくなった。 ヤバいと思った時には時すでに遅くバルーンの中は真空状態に近くなり、体はほとんど動かせなくなっていた。 このままでは本当に2人とも死ぬ方の意味で逝ってしまう。 必死になんとかしようとしたが、腕も足もバルーンの萎んだ強い力で押さえられ、少しは動くことはできてもゴムの弾力ですぐに跳ね返されてしまう。 俺の頭の中には全身ラバースーツを着たノッペラボウの男女が、バルーンの中に閉じ込められて密着した状態で変死体で見つかるというニュース報道がよぎった。 それでもなんとしようと力を込めたがどうにもならない。 清華ちゃんは俺と一緒にラバースーツを着て抱き合っていられるならと脱出することを諦めてしまった。 だんだんと酸素が薄くなり頭が朦朧としてくる。 俺は目の前の清華ちゃんを力いっぱい抱きしめた時だった。 『バフっ!』 俺の腕と腕の隙間にバルーンが巻き込まれる形で弾けた。 途端に圧迫感と息苦しさから解放される。 “良かった!助かった“ そう思うだけで声も出せなくなっていた。 ベッドの上で荒い呼吸が二つ、しばらくの間続いた。 「清華ちゃん、大丈夫?」 俺は清華ちゃんの頭を撫でながら尋ねる。 「うん、大和くんは?」 「俺も大丈夫、ビックリしたけどね」 そう言って2人で笑った。 そう言った後2人とも黙り込む。 そして黒光りするノッペラボウの男と同じく黒光りするノッペラボウでラバーセーラー服を着た女はどちらからともなく顔を擦り合わせてラバーマスク越しにキスをする。 2人は激しく抱き合い何度も唇を重ねた。 俺の手はラバーセーラー服の内側へと侵入し、清華ちゃんの大きな胸を揉みしだく。 清華ちゃんも俺の手を拒むことなく受け入れてくれる。 ラバースーツ越しだが清華ちゃんの乳首が勃っているが分かる。 胸を揉みながら乳首を摘むと清華ちゃんの体が跳ねた。 より体を擦り付け合い唇を重ね胸を揉んでいると、清華ちゃんは自ら俺の太ももに股を擦り付けてくる。 俺はそれに応えるようにラバーセーラー服のスカートの裾から手を滑り込ませる。 清華ちゃんのお股を指でなぞると清華ちゃんの体が震えた。 何度か清華ちゃんのお股をなぞってみたが、感触はファスナーのような感触だった。 お股の辺りを触られていた清華ちゃんはもっと弄って欲しくなったのか自らスカートを捲ると腰の辺りに指を入れて下げていく。 清華ちゃんはラバースーツの上にラバーショーツを履いていたのだ。 ラバーショーツを脱いだ清華ちゃんはそのままラバースーツのファスナーも自ら開いていく。 それはつまり俺に体を許すという事に他ならない。 俺は清華ちゃんが自ら開いたお股に指を入れてみる。 「あぁぁぁ」 清華ちゃんの可愛い喘ぎ声が漏れた。 だが、感触は人とは少し違う感じがする。 それは俺がラバースーツを着ているのもあるが、それでも何かが違う。 確かめるように清華ちゃんのお股を弄る俺。 弄っていてなんとなく分かってきた事、それはまるでラバーでできた女性器の様だという事。 俺が何かを確かめているのに気づいたのか清華ちゃんが話しかけてくる。 「大和くん、私ね、ラバースーツを二枚重ねして着ているの」 「なるほど、そうだったのか」 「ねぇ、ラバースーツを着たままの私を抱いてお願い!」 「うん、俺もう我慢できないよ!」 「でも大和くん、優しくしてね、私初めてだから」 「うん、もちろん」 俺は静かに答えると、仰向けになる清華ちゃんの上に覆い被る形で抱き合うと俺はゆっくりと清華ちゃんの中へと俺のペニスを挿入していく、彼女が痛くないように出したり挿れたりしながら徐々に俺のペニスは清華ちゃんのラバー性器に呑み込まれていった。 それに連れて清華ちゃんの喘ぎ声は大きくなっていく。 完全に俺のペニスが呑み込まれて清華ちゃんと合体すると、もう二度と清華ちゃんと離れたくないと思えるほど気持ち良かった。 それはラバースーツの影響もあるが清華ちゃんとの相性がバッチリなんだと俺は思った。 それからしばらく俺と清華ちゃんは一つになり離れることなくベッドの上で愛し合った。 だが、さすがに汗をかいてラバースーツの中が気持ち悪くなって、シャワーを浴びたくなってくる。 それは清華ちゃんも同じだと思うのだが、清華ちゃんは俺のペニスをしっかりとホールドして離してくれない。 そこで俺から提案してみる。 「ねぇ、清華ちゃんそろそろラバースーツ脱いでシャワーを浴びない?」 俺の提案に清華ちゃんは何か言いにくそうにしているような雰囲気を醸し出す。 すすり泣くような声とともに俺に抱きついた清華ちゃんが耳元で囁く。 「外れないの私さっきからずっと力を抜いているんだけど一向に大和くんのモノが外れそうになくて」 それを聞いて俺の頭をよぎったのは【膣痙攣】。 「どうしよう?大和くん」 もう泣いているであろう清華ちゃんの頭を撫でて言う。 「仕方ないからこのまま一つになっていよう、テレビとか見てくつろいでいるうちに外れるかも知れないし、その前にクーラーを強くして涼もうよ、暑いでしょ」 俺がそう声を掛けると清華ちゃんは頷いた。 俺は早速、くっついたままの清華ちゃんを抱っこする形でソファーへ移動する。 途中にある姿見に映っている姿は凄い画になっていた。 黒光りするラバーマネキン男が、セーラー服を着た女子高生風のラバーマネキン女を着衣のまま犯しているまるでCGのような画だったから。 ソファーには俺が横たわりその上に清華ちゃんが覆い被さる形で横たわった。 テレビを見ながらいろいろと話をした。 そんなリラックスした雰囲気が良かったのか、テレビを見始めて30分も経たないうちに、俺と清華ちゃんの合体は解けた。 おそらくだがリラックスして清華ちゃんのアソコが解れたのだろう。 先に清華ちゃんにシャワーへ行ってもらうように促すと、清華ちゃんはいきなり目の前でセーラー服を脱ぎ始めた。 ラバーマネキン女がセーラー服を脱いだところで裸にはならないのだが、目の前で脱がれるとついつい見入ってしまうのは男のサガだろう。 セーラー服をその場に脱ぐと、そのままマスクに手を掛ける清華ちゃん。 マスクを脱ぎ終えるとフードを取り、中に被っていたもう一枚のラバーマスクも脱ぐと真っ赤になった清華ちゃんの可愛い顔が現れた。 「ふぅー」 清華ちゃんは大きく深呼吸すると俺に笑顔を見せた。 そのまま、重ね着したラバースーツも背中のファスナーを下ろして脱いでいく。 重ね着したラバースーツを脱いだ清華ちゃんだが、下に着ているラバースーツにはファスナーが見当たらない。 驚いた俺は思わず尋ねる。 「清華ちゃん、そのラバースーツはどうやって着たの?」 俺が驚いる事に気をよくしたのか清華ちゃんはラバースーツの首元を軽く引っ張りながら教えてくれた。 「このラバースーツはネックエントリーといって首元を広げて着るタイプのラバースーツなんだよ」と。 「本当にそんなに伸びるの?」 俺は清華ちゃんに尋ねるが目的は目の前でラバースーツを脱いでもらう事。 「伸びるよ、ほらっ!」 そう言って首元をさらに引っ張る清華ちゃんに目の前で脱いで欲しいとお願いしてみたが、当然裸になるのは恥ずかしいという理由から却下されてしまった。 ならば、せめて俺のラバースーツの背中のファスナーを開けて欲しいとお願いしたら、それには快く応じてくれた。 背中のファスナーを下ろしていくと、籠っていた熱を帯びた空気と入れ替わりに入ってきた空気が冷んやりと感じられた。 ラバーマスクを脱ぐとすぐ近くに顔を真っ赤にした清華ちゃんがいた。 ジッと見つめ合う2人。 言葉もなく俺と清華ちゃんはキスをした舌を絡め、何度も何度も。 清華ちゃんとのキスは体がとろけてしまいそうだった。 気づくと清華ちゃんは「シャワー行ってくるね」そう言って小走りで浴室の方へ向かっていた。 あまりの気持ち良さに記憶が飛び飛びになっている。 清華ちゃんの背中を見送りながら今日の夢の様な出来事を振り返る。 そこで一つだけ引っ掛かる事があった。 それは2人でバルーンの中に入って空気が抜けて窒息しそうになった時の事だが、清華ちゃんは空気が抜けて萎んだバルーンから脱出することをすでに諦めていたように思えた。 だが、そのことは結局聞けず仕舞いでその日は2人で楽しく過ごした。 時が流れそんな事もすっかり忘れていた。 「やっと寝たわよ!」 子供を寝かしつけた妻がベッドに入ってきた。 「あの子、寝つきは悪いけど一度寝ると起きないから助かるわ」 上機嫌で俺の腕にしがみつくようにして話す妻。 俺が何も話さないでいると妻は言う。 「あなたも構って欲しいの?じゃあ、久しぶりにラバースーツ着てみる?それとも私だけ着ようか?」 「うーん?!」 少し悩む俺に妻は言う。 「バルーンパフォーマンスしてあげようか?」 「それだ!」 俺はあの後、清華との交際を続け結婚し子供も生まれた。 幸せで何不自由のない幸せな暮らしの中で、何かモヤモヤしたものだけを残して時間はめまぐるしく過ぎていった。 俺も清華も出会った日以降バルーンパフォーマンスについては全く触れなくなった。 それは命を落としそうになったこともあるが、清華が突然大道芸人を辞めてしまったのも大きい。 俺はあの日以来抱えていたモヤモヤを清華にぶつけてみた。 清華はベッドの上で正座をして俺と向き合うと、あの日の事を話し始めた。 清華は俺1人が観客だったバルーンパフォーマンスで命を落とす運命だったと感じていたらしい。 それを俺に助けてもらったので、人生の転換期と捉え着替えてからイベントホール内を俺の姿を求めて探し回ったという。 そしてベンチで項垂れて座る俺を見つけると、思い切って声を掛けた。 今までの彼女の人生において男性は不潔な存在であり、潔癖症の彼女にとっては近寄り難い存在だったが俺との出会いが彼女の人生を大きく変えた。 潔癖症の彼女を俺が受け入れ、しかもラバーフェチという共通点が分かり清華の中で物凄く盛り上がっていた。 2人ともラバースーツを着て俺から [俺もバルーンの中へ入って清華ちゃんが見て感じている世界を俺も体験してみたいんだ] と言われた時は涙が出るほど嬉しかったらしい。 幸せ過ぎて夢ではないかと思ったという。 しかし、バルーンが萎み呼吸が苦しくなってきた時、結局私は今日死ぬ運命にあり惨めな私は少しだけ幸せを味わえたのだから良かったと諦めてしまった。 だから、暴れることなく静かに死を迎える準備をしたらしい。 命を落としてしまうかも知れないことに比べると、潔癖症が小さな事に思えたという。 だからあの時俺と交れたのだ思うとも話してくれた。 あの時が人生で最高に幸せだと思っていたけど、もっと幸せな事があるなんてね。 そう言ってお腹をさする。 「え!2人目?」 俺の質問に清華は満面の笑みで頷く。 「だから、あんまり子供みたいに甘えないでね」 俺は何度も頷いた。 「じゃあ、これから我慢して頑張ってもらわないといけないからサービスしちゃおうかな?」 清華はそう言うとクローゼットの奥からラバースーツを2着取り出し一つを俺に渡した。 そして、もう1着のラバースーツを着始める清華。 「大丈夫なの?ラバースーツ着ても?」 俺の質問に笑顔で答える清華。 「しばらく着てできないからサービスよ、でもバルーンパフォーマンスは危ないからやめましょ」 俺は頷くと清華と付き合い始めてから購入したネックエントリーのラバースーツに足を通す。 2人ともラバースーツを着ると俺はマイクロホールマスクを被り、清華は口の部分がコンドームになったマスクを被り、さらにラバースパッツを履いた。 「今日は口だけで我慢してね」 くぐもった声でそう言うと俺のペニスケースに入った黒光りするペニスを咥える。 「清華、俺も幸せだ!」 大きな声を上げて俺は快楽の絶頂に達した。 おしまい

大道芸人は潔癖症【完全版】

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