絶対、虫だよ! 〜襲いかかる恐怖〜
Added 2023-12-07 15:30:00 +0000 UTC「あらあら、大きな虫ね、どこで見つけたのかしら?」 そんな声が体育倉庫の扉が開いてすぐに聞こえて来た。 「逃げないように捕まえておいてって言われたけど、どうしたものかしら」 少し困惑気味の声は明らかに大人の女性の声。 しかも年配の女性の声だった。 私の頭の中で該当する女性は一人、橋爪 梓(はしづめあずさ)教頭先生だ。 「取り敢えず縛っておきましょうか」 そう言って私の胸の辺りから縛り始める。 乳首に付けられた鈴を鳴らしながら乳首に刺激を与えつつ私の大きな胸が突き出していくように縛られていく。 折り畳まれた腕も胸と一緒に縛られるので、短くただでさえ自由のなかった腕がさらに不自由になった。 それだけではなく、縛り方がかなりキツい。 明らかに私の皮膚、そして第二の皮膚であるラバーにもしっかりと縄の跡が残るほど強く縛られている。 だが、それで終わらない。 腕を絡めて胸を縛るとそれはどんどん下へと降りてくる。 お腹、そして下半身を網の目を作るように縛られている。 【亀甲縛り】という言葉が私の頭を過った。 SMなんかでM嬢が縛られている画を想像してしまう。 こんな状況にも関わらず興奮してしまう自分に呆れつつもどうする事もできない。 教頭先生はそんな私の事には一切構わずに私の黒光りする体を縛り続ける。 縄を股の割れ目に食い込ませるように通してグッと引き上げられると嫌でも体がビクビクと反応してしまう。 縛るペースが落ちてきたので終わりかと思ったのだが、股を閉じた状態で短くなった私の両足もガッチリと縛り上げられた。 「これなら、逃げられる事もないでしょ!」 そう言って両手を払うようにして叩く教頭先生。 「そうね、後で体育の西村先生に虫カゴへ移して頂こうかしら」 そう言うと教頭先生は体育倉庫を出て行ってしまった。 教頭先生が出て行った体育倉庫の中で私は必死に体を動かしてなんとかしようと試みたが、汗が染み付き何ともいえない臭いの漂うマットの上で僅かに蠢めくことしかできなかった。 頑張ってこの場から逃げようとしたが、マットの上から抜け出す事すらできなかった。 再び勢いよく体育倉庫の扉が開いたと同時に声が聞こえてくる。 「これは随分と大きな虫だなぁ!」 体育を専門に教えている西村先生がやって来た。 ふざけた感じはなく真剣に驚いている。 私は今、いったい他の人にはどう見えているのだろう。 疑問に思いつつも自分では確かめる事すらできない。 『ガシャン、ガシャン』 と金属音がした後、私の体がいとも簡単に持ち上げられる。 小さな金属音と共に私は虫カゴに入れられたのだろう。 体の触れる箇所が冷たく感じる。 虫カゴとは言っているが、プラスチック製ではなくかなり強固な鉄製の虫カゴというより檻のように思えた。 『ガシャン、ガシャン、カチッ!』 檻のような虫カゴの蓋が閉じられるとすぐに南京錠をかけられるような音も聞こえた。 「そういえば教頭、虫に熱が籠っているようで動きが悪くなっているから冷やすように言ってたな」 「それに子供たちはカブトムシだと言っていたが、教頭はゲンゴロウじゃないかとも言ってたから水に浸けて冷やしてやると元気になるかも知れないな」 そんな独り言が離れていく。 『ゴソゴソ』と遠くで音がしばらく続いていたが足音が近づいてくる。 「これぐらいの水槽なら虫カゴを入れてもしっかりと全部浸けられるだろう」 「早速、外で水を溜めてくるか」 “え!ちょっと待って、私縛られてこんな手足も使えなくされて身動きも取れないのに、水に浸けられるの?!“ 外は11月末で例年よりも寒い日が続いている。 “そんな寒さの中檻に入れられ、水責めなんてされたら死んじゃうよ!“ そうは思うが声は出せない。 必死にここから逃れようとするが、私はこの虫カゴと呼ばれる鉄製の檻の中でほとんど動くこともできなかった。 鼻から伸びるチューブからは焦りで呼吸が荒くなっていく。 呼吸音だけが大きくなり私の必死さを代弁しているようだった。 そんな私の思いとは裏腹に体育教師 西村が戻ってきた。 「さあ、水を今張っているからな、すぐに水に入れてやるぞ!」 西村はそう言うと、私の入った鉄製の檻を持ち上げて移動を始めた。 体育館のすぐ近くに水槽を置いて貯めているのだろう。 水の音がだんだんと近づいてくる。 恐怖から呼吸が荒くなり、チューブからの呼吸音が大きくなる。 “気づいて!私は人間、虫じゃないから!“ そんな思いを体育教師 西村に込めた。 『ヒュー、ヒュー』と風切り音が大きくなる。 「おお、そうか!」 “やったー、気付いてくれた!“ 私はようやく解放されると思い安心した瞬間だった。 何の前触れもなく私は縛られて身動きの取れない状態で檻に入れられたまま、水槽へと浸けられた。 水に触れた足が冷たいというよりも痛さを感じる。 “なんでなの?“ 私の思いは届いていたのではなかったのか? そんな私の耳に西村の声が聞こえてくる。 「苦しかっただろう、水の中で元気になってくれよ!」 体育教師 西村は私の荒い呼吸は水がなくて苦しんでいるとでも取ったのだろう。 一度は見えた希望が踏みにじられて私は精神的にもショックで完全に動けなくなってしまった。 水槽には水がいっぱいに張られた状態ではなく、足元のほうだけだった。 すぐには息ができなくなり窒息することはないが、徐々に水嵩が増し足からお腹、胸と徐々に私の顔へと近づいくるのは恐怖でしかない。 恐怖に加え水の冷たさも私の体を襲う。 精神的に恐怖を、肉体的に冷たさを味合わされながら水嵩は増していった。 一思いに一気にやってもらった方が楽だとも思える。 そんな恐怖と冷たさの中でついに私の顔は水の中に完全に浸かってしまった。 どれくらい経っただろうか。 一度は手放した意識が水の冷たさで戻ってきた。 幸いにも鼻から伸びるチューブが長かったので、窒息には至らなかったのだろう。 遠くで声が聞こえるようだが、まだ水の中にいるのでハッキリとは聞こえない。 何となく分かるのは、体育教師 西村と教頭が話しをしているということ。 そして、水槽の周りに子供たちがいるということ。 「虫さん、動かないねぇ」 「死んじゃったのかな」 などの声が聞こえた後、私は水槽から檻と一緒に引き上げられた。 水に浸けられ完全に冷え切ってしまい体が全く動かない。 そんな私の姿を見て、死んでしまったと判断したのだろう。 “これでもしかすると解放される!“ と思ったのだが、私の考えは甘かった。 「虫さん、死んじゃったから土に埋めて上げようね」 そう子供たちに促す教頭の声が聞こえてきた。 “埋めるって、冗談じゃない!“ 私は体を動かして生きていることをアピールしようとしたが、冷え切った体は私の意志に応じることなく動くことはなかった。 私の体は檻から出されて持ち上げられる。 「ここでいいですか?」 体育教師 西村の声が聞こえてきた。 「そこにゆっくりと下ろして頂戴」 教頭の声と共に私の体はゆっくりと下ろされていく。 体に触れた感触は土だろうか。 水に比べて少し温かみを感じる。 子供の声が聞こえてくる。 「虫さん、水の中で生活しているのに土に埋められて可哀想だね」 そんな子供の声に教頭が返す。 「じゃあ、虫さんのお墓に水を入れてあげましょう」 そんな声の後、私に大量の冷たい水が掛けられる。 もう、抵抗する気力も体力も残っていない。 私は体を縛られ横たわったまま、全身に冷たい水を浴びせられた後、土を掛けられて埋められた。 土を大量に掛けられ、かなりの圧迫を感じながらも水で冷えた体を土が少しだけ温めてくれる。 体が温かくなると急に眠くなってくる。 “土の中に埋められて死ぬってこんな感じなんだ“ そう思いながらも、今呼吸が普通にできている事に驚いた。 “チューブの先は土の上に出てるんだろうな、でも、もうどうでもいいや“ 私はそのまま少し私の体を押し潰すように掛けられた土の中でまた意識を手放した。