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ごむらば
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教頭のお手伝い  〜全てを知っていた… 〜

『コン、コン、コン』 扉をノックする音ともに誰かが入ってきた。 「あなた、やっぱり!」 「母さん、勝手に入るなよ!」 男性の母親が部屋に入ってきた。 “もしかすると助けて貰えるかも知れない” そんな淡い期待をしながら親子の会話に耳を傾ける。 「その子、あなたのせいでそうなったんだから責任取りなさいよ」 「あと、その子にコレ渡して上げて」 そう言うと男性の母親は部屋を出て行ってしまった。 “えー!私、助けて貰えないの?” 僅かながら見えた希望の光が一瞬で消え去った。 あっさりと部屋を出て行ってしまった男性の母親。 私の大ピンチは続く。 「母さんは何を言っているんだ?さっぱり分からないよ」 そんな男性の声のする方とは反対に一纏めにされた足を引き摺りながら、私はその場を離れようとする。 『コン、コン、コン』 また扉がノックされた。 “やっぱり助けに来てくれたのだろうか” 私の期待は高まる。 男性の母親の声が聞こえてくる。 「二人できちんと話し合いなさいよ!」 それだけ言うとまた部屋を出て行った。 “助けてくれないなら期待させないで!でも…男性と私は何をきちんと話し合うというのだろう?” 私は動きを止めて男性の母親の言葉を思い返す。 男性も母親に言われた事を考えているのか、私に手を出してこない。 そして、私はある事に気づいた。 それは男性の母親と教頭の声が似ている事に。 口調こそ違うが教頭の声だったような気もする。 教頭ならば肌色のラバーに包まれたノッペラボウからチューブの伸びたこんな姿を見ても驚くことはないだろう。 教頭だとすると目の前の男性の見当をつけることができそうだ。 教頭の名前は確か橋爪 梓(はしづめあずさ)だったような。 名前はとにかく苗字は橋爪で間違いない。 橋爪で思い当たる名前を思い返した私は動けなくなった。 男性の声を思い返してみると、確かにその声は私の知っている声だったから。 私は背を向けていた男性の方へ向き直り、男性の方へと進み始めた。 男性の方も母親の言葉に何か気づいたようだった。 私が男性に近づくとハグをしてくる。 そして耳元で囁かれた。 「佳織か?佳織なのか?」 私は何度も何度も頷いた。 私が教師を目指したのは高校の時に付き合っていた橋爪 准一(はしづめじゅんいち)先輩がキッカケ。 大好きな准一が目を輝かせて、自分が教師になった時の事を語ってくれた。 それは私の夢にもなり、私も教師を目指すことにした。 高校卒業とともに准一とは自然消滅したが、私はお互い教師となり同じ学校に勤務して運命の再会を夢見ていた。 准一と付き合っている時、私はラバーを知った。 たまたま、准一のカバンに隠すように入っている雑誌を見つけて、中を見て衝撃を受けた。 そこには黒光りした体の女性たちの写真が載っていたから。 それは高校生の私には魅力的でとても神々しく見えた。 スマホで調べてみるとラバースーツはかなり高価で私のお小遣いで買えるような値段ではなかった。 そこで、大学生になりアルバイトを始め、お金が貯まるとラバーグッズを買い漁るようになっていった。 それは大学生になってからは彼氏がいなかったことも影響している。 こうして私はラバーフェチになった。 私は心の中で准一と再会した時喜んで貰えるようにという思いもあった。 後に准一の母親でもある教頭からいろいろと話を聞いた。 息子が高校生の時に付き合っていた私の事を覚えてくれていた事。 そして息子の性癖、ラバーフェチについても把握していた事。 そして、息子の影響で私がラバーフェチになってしまったと思ったという事も。 私に意地悪したのは嫁イビリのような感覚に近かったとも教頭は語っていた。 私は大学を卒業し晴れて教師となった。 親元を離れて一人暮らしをしていた私がまたラバースーツを学校へ持ち込んでおかしな事をしないようにと、教頭いや准一のお母さんから橋爪家へ居候するように言われそうさせてもらう事になった。 それは表向きでお母さんとしては准一に相応しい嫁にするための修行の始まりに過ぎなかった。 その後はどうなったかって? 准一さんとは結ばれて、今も二人とも休みの日は全身ラバーで絡み合いマッタリしてます。 お母様が突然やって来ないかドキドキしながら。 おしまい


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