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ドールハウス プロローグ

大人向けドールハウスシリーズ 【意地悪お嬢様と気弱なメイド】発売記念で売り場の一角にアクリルで囲まれた等身大ドールハウスが設置された。 その中にはすでに実物大の意地悪お嬢様と気弱なメイドが入っていた。 いつもは簡単な柵だけで客との距離も近いこの展示スペース、展示されている等身大ドールもマネキン人形なのだが今回だけは少し趣向が違った。 今回の展示では等身大ドールが実際に動くのだ。 現にドレスを着た意地悪お嬢様は一人掛けソファーに座り足を組み、気弱なメイドに自分のハイヒールを磨かせている。 ところが気に入らなかったのか、意地悪お嬢様は気弱なメイドの顔を掴んで勢いよく後方へと押した。 気弱なメイドは床に寝そべる形で転んだ。 床に這いつくばる気弱なメイドの頭を意地悪お嬢様はハイヒールで踏みつけた。 もちろんドールであるので表情は一切変わらない。 この意地悪お嬢様と気弱なメイドにはいろいろな設定があり、これは【靴磨き】だ。 意地悪お嬢様は気弱なメイドに再びハイヒールを指差し、今度は舌で舐めるように指示すると、その場で気弱なメイドの口からは小さな可愛らしい舌がチロっと出てハイヒールを舐め始めた。 丁寧に何度も何度も意地悪お嬢様のハイヒールを土下座するようにして舐め続けた。 この意地悪お嬢様も気弱なメイドもリアルドールのような美しい顔立ちをしている。 そして意地悪お嬢様も気弱なメイドもロボットではなく着ぐるみ。 この等身大のリアルドールの肌はシリコン製で出来ていてまるで本物の人の肌のようであった。 さらにこのリアルドールは全身が一体型の着ぐるみになっている。 衣装や家具は実際のドールハウスに倣い忠実に等身大サイズで再現されている。 そんなリアルドールの中身にはもちろん女性が入っていた。 今回、意地悪お嬢様と気弱なメイドを担当するのは、契約社員の浅川 亮子(あさがわりょうこ)と仁科 恵美(にしなめぐみ)の二人。 二人は普段、仲が良く仕事以外のプライベートでも遊ぶほどであった。 そんな二人が仕事とはいえ、虐める側と虐められる側となり、それを来客の前で披露しなければならない。 もちろん、来客には年齢制限が設けられ、子供向けでないことはいうまでもなかった。 各自、イヤホンを付けて着ぐるみに入る。 イヤホンから事前に録音された音声が流れ、それに従って二人は意地悪お嬢様と気弱なメイドを演じるのである。 特に虐められる側は大変で耐衝撃・耐熱スーツを着込んでからシリコンスーツを着てドールにならなければならない。 それはいろいろな仕打ちが彼女を待ち受けているからに他ならない。 リアルドールの美しい顔と髪が一体となった着ぐるみに入る気弱なメイド役の仁科 恵美は全裸で肌色のラバースーツを着ていた。 汗をかいてもそれが外へ漏れて着ぐるみを汚さないためと聞かされていた。 全身一体型である肌色のラバースーツはマスクも一体となっており、マスクは視界と呼吸がギリギリ確保できるほどの穴しか空いていなかった。 マスクを被る前にはイヤホンをねじ込まれて恵美の聴覚は奪われた。 続けて耐衝撃・耐熱スーツを身につけていく恵美。 極薄いスポンジ状の耐衝撃・耐熱スーツ、これも全身一体型であった。 ドールスーツを着て、メイドの衣装を着せられれば気弱なメイドの出来上がりである。 ただ、このドールスーツの背中のファスナーは閉めた後に一工夫施される。 それはファスナーが分からなくなる様にシリコンでファスナーを完全に隠されてしまうということ。 恵美の体を何度も細かく採寸して作られたドールスーツは、見た目には人が入っていると到底思えないほどシワもなくピッタリ過ぎるほどでまるで本物のドールかと思ってしまうほどの姿であった。 恵美の隣りでは同じように全裸で肌色のラバースーツを着て、その上からこちらも体を細かく採寸して作られたドールスーツを着た浅川 亮子の姿があった。 ドールスーツの上から下着を身に付ける二人。 お嬢様役である亮子は派手な下着を身に付け、メイド役である恵美は地味な下着を身に付けた。 彼女たちの着替えを補助していた女性スタッフが二人にイヤホンを通して声を掛ける。 「展示時間が長くなるので、今のうちにトイレを済ませておいて」 そう言われた二人はドールスーツに下着姿のまま、控え室のすぐ隣りの女子トイレへと向かう。 男性に見られたらという思いが二人にはあったが控え室の前を通る人はほとんどおらず、トイレはすぐ隣りということもあり、二人は下着姿のまま控え室を出て女子トイレへと向かった。 ドールスーツの陰部は本物そっくりに作られていて穴が空いている。 そこへ手を突っ込んで、耐衝撃・耐熱スーツそして肌色のラバースーツのクロッチファスナーを下ろして恵美は用を足した。 だが、ここで思わぬトラブルが発生する。 耐衝撃・耐熱スーツ、そして肌色のラバースーツのファスナーが閉じなくなってしまったのだ。 つまり、ドールスーツの陰部と恵美の陰部が繋がった状態になってしまったのだ。 いくら頑張っても閉まらないファスナー。 時間が迫っていることから恵美は諦めてトイレの個室を出た。 恵美から少し遅れて亮子も個室から出てきて二人は控え室へと戻った。 下着姿のドールの恵美はメイドの衣装を身につけていく。 一方、亮子の方は派手な下着の上からコルセットを巻いてインナーを着て、ドレスを着ていく。 華やかな意地悪お嬢様と対照的な地味な気弱なメイドが出来上がった。 二人はそのまま女性スタッフの後について、アクリルで囲まれた展示スペースへと移動を始めた。 これから彼女たちが待ち受ける悲惨な出来事も想像できないまま。

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