メモによると顎の下にラバースーツのスリットがあるらしい。 確かに胸や背中には一切ファスナーどころか切れ目すら見当たらなかった。 そう、最初に【YOU】を見た時もあまりにも繋ぎ目などが見当たらなかったから、人形を相手に芝居をするのだと思い込んでいたほどだ。 だから、【YOU】が動いた時は本当に驚いた。 俺は意を決して、メモの通りにラバースーツを脱がせていくことにした。 どういうわけでこんなに関節が自由にならないのかはわからないが、自分で脱ぐ事ができない状況なのだ。 一体中の女性はどのような心理状態なのだろうか? 今の俺には預かり知らぬ事だが、願わくば…… 彼女の顎の下にあるスリットに指を入れて引っ張ると、顔の前面を覆うマスクが伸びながら捲り上がった。 ラバーマスクは想像していたよりも柔らかく、捲り上がったマスクの下から口だけコンドームになったノッペラボウの顔が現れた。 メモを見ると、今度は後頭部側に顎と同じようにスリットがあると書いてあるので、それを捲り上げると最上部に被せられていたマスクを全部取り外すことができた。 薄々そんな気はしていた、ラバースーツを重ね着しているのではないかと。 俺の予想は見事に的中した。 さらにメモにはマスクを脱がせた後、ラバースーツを両肩から両腕の方へ引っ張ることで脱がせることができるとも書いてあった。 メモの指示通りにラバースーツを引っ張ってみると、思いの外滑りがよく思っていたよりも簡単に脱がせることができた。 ラバースーツを脱がせてもやはり下もラバースーツだった。 メモはそれだけしか書かれていなかったことから、後は同じ事の繰り返しなのだろうと予想できた。 でも、この子は苦しくないのだろうか? そう思ってラバー人形をよく見てみると、微かに肩が上下し苦しそうに息をしていた。 撮影中は俺も緊張して見落としていたのだろうが、恐らく彼女も呼吸を浅くするように指示を受けていたのだろう。 そう思うと胸が苦しくなった。 同じ要領で2着ものラバースーツを脱がせて俺は驚愕した。 出てきたのはまたもや同じノッペラボウで口がコンドームになったラバー人形。 このラバー人形は青いワンピースを着ていた。 つまり、【GRAY】の中身は【AOI】という事になる。 「えっえっ? ちょっと待って!」 俺の思考は全くついていかない。 「という事はどういうこと⁉︎」 ドラマの撮影中、俺は似たようなスタイルで背丈の女優が5人集められ、それぞれのラバー人形を演じていたのだと思っていた。 作業台に戻った時に設置されていたラバー人形は別のラバースーツを着せられた女優がラバー人形として準備されていたのだと思い込んでいた。 しかしそれは間違いだった。 全てのラバー人形を一人の女優がラバースーツを重ね着することで演じていたことになる。 そして俺はある事に気づき始めていた。 という事は… 呼吸が速くなり胸が高鳴った。 俺は【AOI】のワンピースを脱がせてから、【GRAY】の時と同じ要領で【AOI】のラバースーツも脱がせる。 青いワンピースを着た下にもう1着着ていたラバースーツを脱がせると、俺の予想通りの結果が現れた。 【AOI】の中身は白いワンピースを着た【PEARL】だった。 俺の推測は確信に変わった。 【PEARL】が着ていた計2着のラバースーツを脱がせて現れたのは俺の予想通り、ピンクのワンピースを着た【SAKURA】だった。 俺は過呼吸になりそうなほど、荒く速い呼吸をし、心臓が飛び出しそうなほど興奮し始めていた。 あまりの興奮から全身が小刻みに震える。 そんな震える手でいよいよ【SAKURA】のピンクのワンピースを脱がせ、ラバースーツを脱がせていく。 【SAKURA】のラバースーツを脱がせると、すぐに赤いワンピースが現れた。 「【YOU】、会いたかった!」 俺は声を上げて【YOU】に抱きついた。 【YOU】も俺のことを抱きしめてくれた。 「やっぱり、【YOU】は超優秀なラバー人形だ!」 俺の言葉に照れたような仕草をする【YOU】。 俺は【YOU】の中の女優の気持ちを考える余裕などなく、力いっぱい彼女を抱きしめるとツルツルとした頭を何度も撫でた。 呼吸も鼓動も落ち着き、少し冷静さを取り戻した俺は【YOU】を演じている女優に対して凄く非常識な振る舞いをしている事に気がついた。 「あっ……! ごめんなさい! ドラマの撮影の時から感情移入し過ぎちゃって……そんで家に帰ってきてからも俺【YOU】の事が頭から離れなくて……」 思いが強過ぎて、上手く説明できない。 ただ、ものすごく嬉しかったことを伝えれば良かっただけなのに俺はしどろもどろだった。 【YOU】は俺の言葉に首を振ると、俺に抱きついて下から俺の顔を見上げた。 ノッペラボウでなければ甘えるように上目遣いで俺のことを見ているだろうことがすぐにわかった。 俺は【YOU】の事がもの凄く愛おしくなり、またギュッと抱きしめた。 ラバースーツの光沢剤で少し滑り、服にも光沢剤が付着したがそんな事はどうでも良かった。 【YOU】に再び会えた。 それだけで幸せだった。 そこから【YOU】は意外な行動に出た。 俺のズボンを脱がせ始めたのだ。 それだけではない、手際良く俺のトランクスまで一緒に下ろしてしまった。 あまりの手際の良さに制止する間もなく【YOU】は俺のペニスをそのラバーで覆われた口に咥えて手も添えた。 俺のペニスはすでに大きくなっており、性処理ラバー人形の口と手で扱かれることにより、瞬く間に気持ち良くなってきた。 「ゴメン、ちょっと一回止まってもらえる?」 俺がそう言うと、咥えたペニスを口から抜いて手をペニスに添えたまま、俺の方を見て不思議そうに首を傾げた。 可愛い!俺がそう思って固まっていると、それを継続の合図と受けとったのが、彼女はまた俺のペニスを咥えて扱き始めた。 「うぅぅぅ、ダメだ、逝きそう!」 俺がそう言うと【YOU】の手が止まった。 “あれっ?”と思っていると【YOU】は、座ったまま両手を広げて抱っこをせがむ子供のような仕草を見せる。 “えっ?抱っこして欲しいの?いま?” 俺が少し戸惑いながら【YOU】の脇の下へ手を入れてしゃがんだ時だった。 【YOU】は狙いすましたように俺の首に腕を回て抱きつくと、そのまま下の口を勃起し上を向いたペニスに自ら挿入してきた。 「んっっ、ふぅぅぅ!」 【YOU】から初めて声が漏れた。 俺の首に絡めた腕はちょっとやそっとでは外せないほど強く絡みついている。 俺はそんな【YOU】に挿入したまま抱き抱えると寝室に向かった。 合体したまま【YOU】をベッドへと押し倒す。 「んっ、んっ、んっ!」 【YOU】は明らかに気持ち良くなっているが、未だ性処理ラバー人形を演じようとしているのか声を極力出さないように必死に堪えている様だった。 しかし快楽の絶頂は近い。 やがて彼女は性処理ラバー人形の演技が綻びだし、その声を抑えられなくなってきた。 「うぅん、うぅん、いくぅ、いくぅぅぅ、イグゥゥ、逝っちゃうぅ、逝っちゃうよぉぉ、ダメっ、あぁぁぁぁぁ! 晴人も一緒に、一緒にいこうぅぅ、あっん!」 【YOU】の体がバクンっと大きく跳ねてお腹を突き上げるようにブリッジの姿勢をとったあと、彼女はベッドに沈むようにして動かなくなった。 だが確かにお腹だけは苦しそうに膨らんだり引っ込んだりを繰り返していた。 【YOU】は荒い呼吸をし、吸うとラバーが顔に張り付き、吐くと口からコンドームが風船のように飛び出す。 そんな【YOU】を見ながら俺の思考は停止していた。 確かに【YOU】は俺の芸名ではなく、本名を呼んだ。 【YOU】の中身は俺の知っている女の子……ということなのだろうか? 性処理ラバー人形 【ラバー人形の正体】へ続く