来客など来ることのない私の部屋。 もしかすると、こうなる事を見越していた警察から宅配便でも届いたのかと思い、重い腰を上げて玄関へと向かう。 鍵を開けると男が入って来た。 「恵美!どうせ、何も食べてないだろ!」 そう言って入って来たのは大輝だった。 「大輝?!なんで?」 私の質問に大輝が頭を掻いて話し始める。 「うーん、どこから説明しようかな」 「始めは催眠術師と被験者として恵美と接していたんだけど、だんだんと惹かれちゃってね」 凄く照れているのか、落ち着きなく話す大輝。 「それでこの催眠実験が終わっても俺、恵美の事が頭から離れなくて… それに心配だったから来ちゃった」 私は黙って大輝の話を聞いていたが、涙が溢れて止まらない。 「もし良かったらなんだけど…嘘から出たまことみたいで申し訳ないだけど…俺と、俺と付き合ってもらえませんか?」 私は大きく頷くと大輝に抱きつき声を上げて泣いた。 子供のように泣いた。 私が落ち着くまで大輝は私の頭をずっと撫でてくれていた。 その後、私と大輝は付き合うようになった。 大輝とは相性がよく仲良く過ごしている。 大輝が時々笑顔でお願いしてくる。 「恵美、峰不二子になってよ!」 そう大輝は本当に峰不二子が大好き。 だからあんな催眠を私に掛けたのだと思う。 「じゃあ、格好だけだよ!」 「やったー!恵美大好き!」 もちろん、峰不二子になるシリコンスーツはない。 だが、大輝と過ごし幸せから少しふくよかになった体を引き締めるために、最近ラバースーツを購入した。 ラバースーツを着て黒光りした体に私はテカテカのエナメルのキャットスーツを着る。 ふくよかになった事でボリュームの出た胸の谷間を強調する形で、エナメルキャットスーツのフロントファスナーを引き上げる。 部屋の中でも履けるように新調したエナメルのニーハイブーツ、エナメルのロンググローブを嵌めると大輝の下へ。 甘えてくる大輝をギュッと抱きしめると、大輝は私の胸に顔を埋めて子供のような笑顔を見せる。 “ここまでしなくても” と思いながら、実は私は大輝に催眠を掛けられているのではと疑うが、それでも凄く幸せだからこれでいいと思った。 しばらく、峰不二子の格好をしていると汗がラバースーツの中に溜まってきているのが分かる。 「ねぇ大輝、もう脱いでもいい?」 「ダメぇ、もう少しこのままでいて」 「もうぉ!」 私は今の幸せを実感する。 パラレルワールドでも、催眠でもなければいいんだけど… 。 おしまい