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ごむらば
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峰不二子になりたい! 〜パラレルワールド編〜

大輝が私の家に遊びに来て、朝起きると世界が一変していた。 大輝がイケメン俳優と同じ顔になっていたのだ。 驚きのあまり私は言葉が出てこなかった。 顔が変わると声や仕草までカッコよく見えてしまうのが不思議だった。 だが、私への接し方は紛れもなく大輝だった。 そして、もっと驚くべき事の私の顔がリアル峰不二子から元の岸本 恵美に戻ってしまっていた事。 すっかり変わり果てた地味な顔を鏡で眺めてみるが、これが本当に私の顔だったのかも疑わしく思えた。 ただ、その顔を見ていると懐かしさと違和感なく妙に落ち着くのはこの顔を昔から見続けていたからだろう。 鏡でまじまじと自分の顔を見ながら思った。 “身分証明書!” 私の慌てっぷりに大輝が声を掛けてきたが、それを無視して運転免許証を確認した。 「うっそー」 そこに写っていたのは間違いなく、今のいや元の岸本 恵美だった。 ハッと思い今度は学生時代の写真やアルバムを確かめる。 だが、そこに写っていたのは元の岸本 恵美だった。 「どうしたんだよ、急に!」 後ろから大輝の声がした。 「ううん、なんでもないよ」 明らかに肩を落とす私を心配してくれる大輝。 こんな時の大輝は優しい、何も聞かずに私の頭をポンポンしてくれる。 もうどうなったのかも分からない。 リアル峰不二子の美しい顔も、スタイル抜群の体も失い、ごくごく普通の岸本 恵美に戻っていた。 ただ、元の顔と体に戻ったのに違和感しかなかった。 「ふぅー!」 大きなため息をついていると、バックハグをしてくれるイケメン大輝。 優しさは元の大輝と変わっていないような気がした。 イケメンにハグされて嫌な気はしないのだが、見た目がいつもの大輝ではないので緊張してしまう。 そんな大輝と気を紛らわせようとテレビを点けた。 これもいつもと変わりない2人の過ごし方。 違うのは大輝がイケメンになったという事だけだろう。 そんなテレビを見ていて私の周りで起きた現象を説明できそうな事象が紹介されていた。 それは【パラレルワールド】つまり並行世界。 パラレルワールドとは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指すというらしい。 パラレルワールドは我々の宇宙と同一の次元を持ち、SFの世界の中だけに存在するのではなく、理論物理学の世界でもその存在の可能性について語られているという。 そんないくつもの並行世界が存在している事を知り、私は他の並行世界の私と入れ替わってしまったのではないかと考えた。 元々いた私も大輝も普通の世界をAとする。 何かの弾みで飛ばされた私はBの世界へ。 Bの世界では私は峰不二子のような美人となり、大輝は元の世界Aと同じ。 そして今いるCの世界では私は元の世界Aの岸本 恵美だが、大輝はイケメンとなったと考える方が自然だろう。 という事は、Dの世界では大輝はイケメン、私は峰不二子のような美女なのだろうか。 想像だけは膨らむが、どうすれば移動できるのか分かるはずもなかった。 だが、一つだけ分かっている事がある。 あの番組【COME TRUE】がキッカケで並行世界に迷い込んだと思った私は再び、応募する事にした。 もちろん内容は同じ【峰不二子になりたい!】で。 ここが同一の世界ならば、この応募内容では採用されるはずがないのだが… 、私は採用された。 この事からも今いる世界がパラレルワールドである事を私は確信した。 全く私がいた世界と変わらない世界。 テレビ局に辿り着いたが、テレビ局はもちろん、案内された控え室も全く同じだった。 控え室に入るとそこは薄暗く、1人の男性とその傍にはイケメン大輝がいた。 つづく

峰不二子になりたい! 〜パラレルワールド編〜

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