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脱げないゴムの着ぐるみ【メスの匂い 編】

私は久しぶりに展示スペースで一夜を過ごす。 何かあってはいけないと園長は夕方から出勤し、この2日目だけは私のために朝まで爬虫類園に泊まってくれる。 過去に何も問題はなかったので、大学生になってからは大丈夫だと断ったのだが、責任があるからと言って譲らなかった。 そのお陰で私は今日も安心して爬虫類園の展示スペースで眠ることができるのだ。 マギーくんになって1日過ごした夜はいつも疲れ切って寝てしまう。 気づくと周りは明るくなり朝を迎えていた。 時間は分からないがいつものように美月と伽耶さんがコオロギとワームを持って現れた。 餌やりを公開する訳ではないのでコオロギとワームである必要がないと思って意見してみたのだが、私の尖った口のホースだと他のものは上手く飲めないらしい。 確かに着ぐるみの中で溢したら大変なことになりかねない。 そんな訳で私がカメレオンの時与えられるのはコオロギとワームだけなのだ。 餌やりが済んで私が排泄をして程なくして爬虫類園がオープンする。 2日目以降は朝から展示スペースの前はマギーくん目的で来る来園者が多いため、早めに排泄を済ませておく必要がある。 案の定、排泄を済ませて程なくして開園を知らせる音楽が流れ、静かだった爬虫類園内が一気に活気づいた。 また今日も【マギーくんのお散歩】が始まる。 気合いを入れる私の視界に雅史が入った。 心配そうに私を見る雅史を見て思った。 マギーくんを演じている人を心配しているのだろうか、いやそうではないことには気づいた。 雅史の顔色が良くなかったから。 “ゴメン雅史、ちゃんと話しておけば良かった” そう心の中で謝罪するも雅史にその思いは届くことなく、【マギーくんのお散歩】が始まるのだった。 私の事を心配してくれる雅史をマギーくんとして元気にしようと思っていたのだが、今日は来園者が多くて1回目のお散歩は子供たちの対応に追われた。 2回目のお散歩も勢いのある大人たちに気圧されて雅史は少し遠慮しているように見えた。 それでもずっと私の側にいてくれたのが、せめてもの救いだった。 3回目でようやく来園者も減ってきたので、雅史に抱きしめてもらえると思っていたのだが、雅史は私には近づいて来なかった。 雅史は美月に話し掛けていた。 美月の方が可愛いと思って話しかけたのかと思ったのだが、雅史の真剣な表情からそうではない事はすぐに分かった。 おそらく、私の事を心配して唯一爬虫類園のスタッフに接触できるアテンドの美月に声を掛けたのだろう。 しかし、少し話すと美月は呼び出されたのか、そのまますぐに走り去ってしまった。 美月の背中を見送る雅史はガックリと肩を落とし、そのまま帰って行った。 その日は近くに雅史がいたのに触れ合うことができずに、雅史を遠くに感じた。 でも、明日は最終日、カメレオンから出たら雅史にいっぱい甘えようと思い、今晩も展示スペースで過ごすのだった。 雅史の事をいろいろと考えていたのだが、いつの間にか私は眠っていた。 気づけば周りは明るくなっていた。 なんとなくだがまだいつもより早い時間に思えるが、展示スペースへ入ってくる美月と伽耶さんに気づいた。 近づいてきた2人、美月が私に声を掛けてくる。 「麻衣ご飯だよ!」 そう言うと、カメレオンの口を開いてコオロギを押し込んできたが、いつものことなので慣れっこだ。 押し込まれたコオロギを受け取り、そのままゼリー飲料を頂く。 萎んだコオロギをカメレオンの口から出すと、今度は伽耶さんがワームを差し入れてくれる。 もちろん、美月のように雑ではない。 「麻衣、あと一日頑張ってね」 “えっ!?雅史?” 明らかに伽耶さんとは違う男性の声。 紛れもなく雅史の声だった。 私は間近で雅史の顔を見ようとしてバランスを崩して木から落ちてしまった。 「大丈夫?」 心配そうな雅史の声が聞こえてきた。 私は大丈夫である事をアピールするように何事もなかったように立ち上がると、四足歩行で美月に詰め寄っていく。 「ごめん麻衣、彼氏があまりにも心配してたから連れて来ちゃった」 笑いながら素早く逃げる美月、到底今の私では美月に追い掛けることができないので諦めた。 「もう少しすると、開園してお散歩も始まるけど、どうする?」 美月が雅史にそう話し掛けているのが聞こえてきた。 雅史も美月の言葉の意味が分からずに首を傾げていた。 そんな雅史に美月が説明する。 「アテンドスタッフとして一緒に麻衣を見守ってくれる?園長には私からお願いしてみるけど」 “美月、いきなり何言ってるの?” そんな私の思いを置き去りにして雅史は返事をした。 「是非お願いします!」 雅史の返事を聞くと、美月は園長の下へと走っていってしまった。 取り残されたカメレオンの着ぐるみの私と雅史。 どうしていいか分からない中、何とも言えない空気を肌で感じていたその時だった。 「麻衣、すごく心配したんだよ!」 そう言うと雅史は私を抱きしめてくれた。 私も抗う事なく雅史に抱かれ、カメレオンの着ぐるみでできる限り雅史に抱きついた。
 互いを確かめ合うように抱き合っているところへ美月が戻ってきた。 「ごめん、邪魔したかな?」 そう言われ私も雅史も自然と抱き合うのをやめていた。 私と同様に少し雅史も顔を赤らめている。 「いや、大丈夫、どうだった?」 「OK出たよ!今日は特に来園者が多いし、マギーくんに何かあっても困るから男性がいてくれると助かるってさ」 「えーと、彼氏くんは?」 雅史は美月に名前も伝えていなかったみたいだった。 「雅史、谷本 雅史です、よろしくお願いします」 「雅史くん、こちらこそよろしく!」 
「基本的にはお散歩の時、ついて来て来園者が変なことしないか見てくれていたらいいからね」 そう言われた雅史は大きく頷いたその姿は私に危害が加えられないようにと気合いを入れた表情になっていた。 
 雅史が近くにいてくれるだけで安心感が違う。何よりずっとそばにいてくれるのは心強かった。 そして私は気づいてしまった。 今の私は雅史を異常なほど欲していることに。 気づいた時には体が火照って仕方なくなっていた。 こんなメスの匂いを撒き散らしながら【マギーくんのお散歩】の最終日が始まった。 その日、なんとか【マギーくんのお散歩】の最終日を無事に終えた私。 やっと人間に戻れる喜びもあるのだが、一つだけ心残りがあった。 それは興奮が止まない私をマギーくんとして雅史に抱いてもらうこと。 もちろん、そんな変態じみた事を雅史に頼める訳もなく、言葉を奪われている私がその事を雅史に伝える事は不可能である事は分かっていた。 散歩が終わり控え室まで一緒に戻ってきた雅史に労いの言葉ともうすぐ彼女に会えるよと伝える園長に雅史が言った。 「もう少し…もう少しカメレオンのままの麻衣と一緒に過ごす事はできませんか?」 私も想像していなかった雅史の言葉に私も驚いた。 「このカメレオンの着ぐるみを脱がせるためには原型を留めなくなるとお聞きしました、こんなに素晴らしいマギーくんを最後に僕だけのマギーくんにさせて貰えませんか?」 雅史の熱の籠った言葉に園長も気圧されていた。 口籠もりながら園長が答える。 「本人次第なんだが… 」 私が話せない事を園長は配慮してくれていのだろう。 そんな園長だったが、私にこんな質問をした。 「鷺元さん、彼氏のお願いに応えイエスなら床を2回、ノーなら床を1回だけ叩いて見せてくれるかな?」 私は頭を縦に頷くように振った後、2回床を叩いて見せた。 「そうか分かった、じゃあ、彼氏に君を着ぐるみから脱がせる方法を教えたら、あとは彼氏にお任せるするけどいいね」 私は再び床を2回叩いた。 その後、私は園長が準備してくれた大きなスーツケースに私はカメレオンのまま、私の着替えやバッグと一緒に詰められて雅史の手で運ばれて爬虫類園を後にした。 程なくして、ホテルに着いてスーツケースから出された私に雅史が言った。 「俺、実は麻衣に秘密にしてたんだけど着ぐるみフェチなんだ」 雅史の突然の告白に私もどうリアクションしていいか分からない。 というか、カメレオンのままではリアクションもできない。 そんな私に雅史は続ける。 「俺さぁ、巨大カメレオンのマギーくんの事を知った時から興奮が抑えられなくて… 」 私は雅史の言葉に耳を傾けながら頷く。 「どんな女の子がカメレオンの中身なんだろうって気になって気になって仕方なくなって… 」 「でも、麻衣と連絡が全くつかないから、途中からマギーくんどころではなくなったんだ」 そう語る雅史の話を聞いて、私は心の中で雅史に謝罪していた。 「マギーくんの中身が麻衣と知った時はまた興奮が蘇ってきて、もう自分を抑えられなくなっていて気づいたら園長さんに直談判をしちゃってた」 そう言って頭を掻く雅史。 「麻衣、お願いがあるんだけど、マギーくんとなった麻衣とさせて貰えないか?」 あまりにもストレート過ぎる雅史だったが、それは私も望んでいたこと。 願ったり叶ったりだった。 私は2回床を叩いた。 私は雅史に抱かれ仰向けでベッドに寝かされる。 上手く仰向けが維持できない私の股間の辺りに手をやる雅史。 “ちょっと!?” 私がそう思った瞬間カテーテルがゆっくりと抜かれた。 そして、替わりに雅史の指が私の中へと入ってきた。 “んっ!” だが、雅史の指は私の中へは留まらず、何かを確認しただけのようだった。 その証拠に雅史のペニスが私の中へ… 。 私はカメレオンの着ぐるみマギーくんのまま、雅史と繋がった。 息苦しさも相まって私はすぐに逝ってしまう。 それでも雅史は止まらない。 何度も何度も雅史と交わりながら、私は意識が遠のいていった。 幸せの中で揺られながら… 。 目覚めた時には私は全裸でベッドに寝かされていた。 隣りでは雅史が眠っていた。 ベッドの下には原型を留めていたないカメレオンのマギーくんだったものがあった。 「あっ!」 私はある事に気づいてベッドからゆっくりと這い出ると、浴室へと向かう。 この3日間お風呂に入っていないことを思い出したのだ。 久しぶりに浴びるシャワーは気持ち良かった。髪も体も洗いさっぱりした私は目を閉じて顔にシャワーを浴びながら、この3日間着ぐるみに閉じ込められていた体を労う。 不意に気配を感じたかと思うと、乳首を摘まれた。 「もう、雅史!」 「麻衣、お疲れ様!」 優しくそう言う雅史に私はキスをした。 シャワーの水音だけがしばらく続いた後、私が口を開いた。 「どうだったマギーくん?」 「最高だったよ!特にホテルに帰ってきてからはもう言葉では言い表せなかったよ」 私は笑顔で雅史の胸に顔を埋めた。 少し赤らめた顔で雅史に尋ねる。 「ねぇどうして、マギーくんとやりたいと思ったの?」 雅史は少し考えた後、答える。 「最後のお散歩の時マギーくんからメスの匂いがすごくしてたんだよ、だから」 「雅史のバカァ!」 そう言いながら雅史に力いっぱい抱きついた。 おしまい

脱げないゴムの着ぐるみ【メスの匂い 編】

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