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ごむらば
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とらぶる

また、1週間が経過してSNSの動画が投稿されていた。 前回、ウルトラマンビクトリーの着ぐるみから出られなくなった女性が絶望したところで映像は終わっていた。 昼の休憩中は開き直って床で寝ていたのだろう。 テントの隅で体を丸めて小さくなって可愛く眠るウルトラマンビクトリーが映し出された。 撮影者の腕時計が映し出される。 時間は13:50になっていた。 そのまま撮影者の手がウルトラマンビクトリーの体を揺すって起こす。 ここでテロップが表示された。 [体はかなり熱いですね、熱が籠っています] 撮影者の手で起こされたウルトラマンビクトリーは体を起こすとキョロキョロしていたが、すぐに自分の今置かれている状況を理解したのだろう。 テント内にある時計を見た。 時間が迫っている事に気づくと、手をグッと握り自分を鼓舞するような仕草を見せた。 14:00からは他のウルトラマンと一緒にショッピングモール内を巡回警備する予定となっている。 撮影者のカメラは眠ったことで少し元気を取り戻したウルトラマンビクトリーの背中を映し出していた。 どこのショッピングモールだろうか? 知っているところだろうかと思い巡回警備の映像を期待したがその映像はなかった。 映像は一旦切れた後、巡回警備を終えたウルトラマンたちが戻ってきたところから始まる。 撮影者が時計を見ると14:20になっていた。 休憩をほとんど挟む事なく14:30からのショーが始まるようだ。 テントの奥に座ったウルトラマンビクトリーを映すが、かなり疲れた様子。 ここでテロップが流れた。 [ウルトラマンビクトリーの出番はショーの後半なのでしばらく待機です] 続いて、司会のお姉さんが映し出された後、お姉さんは立ち上がると元気よくテントを出て行った。 [ショーのスタートです!お姉さんが場を盛り上げています!] テロップが流れた。 [トラブル発生!] そうテロップが出た後、背中が大きく開いたエレキングが映し出された。 着ぐるみに入る予定の女性がエレキングに入るのを拒んでいる様子が映し出されている。 男性スタッフがエレキングに無理矢理押し込もうとしているが、その女性は体を入れ替えて男性スタッフの手から逃がれた。 そしてそのままテントの外へ飛び出して行ってしまった。 呆然とするスタッフの姿が映し出されて、テロップが流れる。 [午前の部で男性が操演したエレキングの中が汗でビチョビチョ、さらには体臭が強烈で堪らず女性は逃げ出したようです] スーツアクターはショーができる最低限の人数しかおらず、そのため先ほどの女性の逃走によりショーが難しくなってしまったようだった。 3人のウルトラマンのうち2人はほぼ出ずっぱり、残ったウルトラマンビクトリーにエレキングを操演してもらうしかない状況となったようだった。 その証拠にエレキングの傍に立つ男性スタッフの視線はウルトラマンビクトリーに注がれていた。 男性スタッフはエレキングの着ぐるみを置くと、ウルトラマンビクトリーの方へと近づいて何か話している。 ここでテロップが流れた。 [最後に強敵となる怪獣を倒す際にステージ上にいたら問題ない旨がウルトラマンビクトリーに伝えられた] だが、何度も首を振るウルトラマンビクトリーだったが、男性スタッフの粘りに負けたようで諦めたように立ち上がった。 移動中、ラスボスである怪獣の着ぐるみを下半身だけ着てスタンバイする男性の姿が見切れていた。 逃げていった女性が入る予定だったエレキングに歩み寄るウルトラマンビクトリー。 スタッフが何度も頭を下げて背中を大きく広げて入るように促すとウルトラマンビクトリーは大きく一つ頷いた後、エレキングの中へと潜り込んでいった。 エレキングは空洞部分が多いため、男性スタッフはウレタンを大量にエレキングの中へと詰め込んでいく。 あれだけウレタンを詰め込まれたら多少のキック、パンチ、そして投げられても痛くなさそうだと思う。 ただ、あれだけのウレタンを隙間なく詰められると暑さは尋常ではないだろう。 それをウルトラマンビクトリーの着ぐるみを着て入っているのだから、その暑さは想像を絶する。 男性スタッフは力を込めてエレキングの背中のファスナーを閉めていく。 そうしないと閉まらないほど、ウレタンを詰めたのだろう。 最後に閉じられたファスナーを隠すように怪獣の表皮がマジックテープで重ね合わせるように止めた。 ずっとウルトラマンビクトリーに閉じ込められた女性は怪獣の着ぐるみにまで閉じ込められ操演できるのだろうか? そう心配するが、見ている側はただ事の成り行きを見守ることしかできない。 ノッシノッシとガニ股で歩くエレキングはそのままテントを出て行った。 男性スタッフはそんなエレキングに頭を下げる事しかできなかった。 つづく

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