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5.映画 無個性ラバーメイド【メイキング:もう一人のラバーメイド編】

拘束されラバーメイドとなった私は思う様に満足に歩く事ができず、NGを一回出しただけで もう演技どころではなくなっていました。 そんな私の視界に飛び込んできたのは、私と全く同じラバーメイド、しかも拘束されてトレーを取り付けられ、全く同じ姿でした。 そのラバーメイドはゆっくりと私の近くへと歩み寄って来ると少し前傾姿勢を取りました。 おそらく、挨拶のための会釈でしょう。 拘束されているとそうするのが精一杯というのは、私が一番よく分かっていました。 その姿に驚いて固まっていましたが、慌てて私と瓜二つの姿のラバーメイドに同じ様に少し前傾姿勢を取り会釈を返しました。 スタッフに説明をしてもらいたかったですが、撮影はすぐに始まりました。 拘束されたもう1人のラバーメイドはカメラに映らない店内の端へと移動するとスタッフが声を上げます。 「本番いきます!よーい、スタート!」 ーーーーーーーーーー 【数組のお客様が来店されて店内は賑やかな雰囲気になりました。 すぐにドリンクのオーダーが入り私の出番です。 ゆっくり焦らずドリンクを運ぶとテーブル毎にお客様についているラバードレスのラバーレディがドリンクをトレーから取りお客様の前に差し出していました。 不慣れで歩くのは遅いですが、私は確実に仕事をこなしていました。 お客様が私の体に触れようと待ち構えている時は触られても大丈夫だったのですが、不意に触られるとビクッと大きな反応をしてしまう事もありましたが、何とかドリンクはこぼさずに持ち堪えました。】         ーーーーーーーーーー このシーンは実は先ほどの拘束されたラバーメイドと交代で撮影を行いました。 ほぼ、満席となった店内を一人で動き回るのはかなりキツく、一往復毎に交代しながら頑張っているラバーメイドを表現したのでした。 確かに休憩を挟めば私一人でも演じることができたかもしれませんが、一往復毎に休憩ばかり入れていられません。 円滑に撮影を進めるためにも、もう一人の拘束されたラバーメイドが必要だったのだと思いました。 一往復毎の交代とはいえ、私もそうですが拘束されたもう一人のラバーメイドにも疲れが見え始めました。 そんな中でも撮影は続きます。 ーーーーーーーーーー 【客席が満席となり、私も徐々に仕事に慣れ、気持ちに少し油断が生じた時でした。 ミニスカートの中に手を突っ込まれて、お尻を鷲掴みにされました。 流石にそれには私も耐えられません。 ビックリして咄嗟に逃げるように早足で歩いたのですが、当然足枷のチェーンが邪魔をバランスを崩してしまいました。 スローモーションで流れる目の前の光景。 顔面から倒れそうになるので、手を出そうとしたが両腕はアームバインダーで使えなくされています。 ゆっくりと床が近づいてきます。 私に残されたのは受け身も取れずに倒れるだけ、目を瞑り体を強張らせることしかできませんでした。 しかし、私は派手に倒れることも体に痛みも走りませんでした。 ゆっくりと目を開けると男性が間一髪のところで私をキャッチしてくれていたのです。 この高級店では珍しくかなり若い男性でした。 この若い男性はハンサムで私の目には輝いて見えました。 ですが、男性は私を助ける際に服を汚してしまいました。 幸い水だったため、大事には至らなかったのですが、私はお詫びとお礼を兼ねて何度も彼に土下座をしました。 しかし、彼は土下座を好まないようで、私を立たせると自分の横に座らせてくれました。 それから彼は閉店まで私を人間トレーとして扱ってくれ、その日の業務を終えました。 京子さんからはいろいろあるけど、うちで働かないかと誘ってもらい、私は笑顔で頷きました。】         ーーーーーーーーーー 台本にスカートの中に手を突っ込まれてお尻を鷲掴みにされ、早足で歩いて倒れるとありましたが本当のウェイトレスの様に忙しくドリンクを運んでいたものですから、そのことがすっかり頭から抜け落ちていました。 一往復毎に交代する私ともう一人のラバーメイドを把握していたスタッフがドリンクをトレーに載せて運ぶ私の前にスタッフが突然マットを投げ込むように敷きました。 それを合図に役者さんが私のスカートの中に手を突っ込みお尻を鷲掴みにしたのでした。 リアルに驚いた私はその手から逃れるように早足となり、歩幅が制限されるチェーンのため当然のように前方へ倒れていき、マットに倒れ込みました。 『ドサッ!』 「はい、カット!」 そんな声の後、スタッフが私に声を掛けてきました。 「夏希ちゃん、大丈夫?」 幸いフカフカのマットで痛くありませんでしたが、咄嗟のことでかなり驚きビックリしてしまいました。 自力では立たずマットに横たわったまま動けない私をスタッフが起こしてくれました。 倒れるシーンを複数のカメラで撮影していたため、全てチェックし一発OKの様でした。 仮にNGでも、次にあんなに上手く倒れられるか正直分かりません。 知っているからこそできない演技もあります。 撮影再開に向けて私を受け止めてくれ男性俳優に水が掛けられていました。 ラバーメイドを助ける際にトレーに載っていた水が掛かったという設定だからです。 準備が整ったようで、再びマットの前に私は立ちます。 マットに私を助けてくれる男性俳優が乗り、そこへ私が倒れていくわけです。 仮に男性俳優が上手く受け止められないことも考慮し、マットの上での撮影です。 “また、倒れるのか” 私の中には正直恐怖しかありません。 両手が使えず、受け身も取れずに倒れるというのがこんなに怖いものだとは思ってもいませんでした。 そんな私に笑顔で合図してくれる男性俳優。 その笑顔を信じて私はマットへと倒れ込みました。 男性俳優は私を優しくキャッチしてくれ、結果は一発OKで事なきを得ました。 恐怖を振り払い頑張った私の頭を撫でてくれた男性俳優に私は心ときめきました。 その後、水を掛けてしまったという事で、テーブルの横での土下座のシーン。 歩幅を制限された上、ニーハイブーツを履いているため、苦労しながらもその場にしゃがんで土下座をするシーンを撮影しました。 しゃがむ際、何度もバランスを崩して尻もちをついてしまい、NGを連発してしまいましたが、なんとか土下座のシーンを撮り終えました。 バランスを崩したのは何度もドリンクを運んで疲れていた事も影響していると思います。 もし、ウェイトレスのシーンを一人で撮影していたら、しゃがむことも土下座もできなかったと思います。 もう一人のラバーメイドに助けられた思い店内を探しましたが、もう一人のラバーメイドの姿はもうありませんでした。 最後は人間トレーとして使用されるシーンも無事に終了しました。 もう一人のラバーメイドが誰だったのかスタッフに聞こうとしましたが、話すことをできなくされている私には確認できる術はありません。 多くの役者さんのいる店内から私は拘束されたまま控え室に移動しました。 撮影を終えて狭い店内でバタバタしていたので仕方ないことだと思います。 控え室に送り届けられた私は驚きました。 なぜなら、すでに控え室にはもう一人のラバーメイドがいたからです。

5.映画 無個性ラバーメイド【メイキング:もう一人のラバーメイド編】

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