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9.映画 無個性ラバーメイド【舞台裏:宣伝撮影編】

宣伝撮影のため私と広報担当の石神さん、それにゴム人間にされた2人の女性と介助するスタッフ2人で移動を始めました。 確かまだ撮影は残っているはずなのだが… 。 そう思いながら移動している私の腕に何か絡みついてきました。 ビックリして腕を見ると、腕を組んできたのはゴム人間さらにラバーメイドにされた咲希ちゃんでした。 振り返ると由香里ちゃんも手を振っていました。 「玉井さんも、南川さんも撮影の途中なのに協力ありがとう!」 石神さんがそう2人に声を掛けていました。 製造工場を出ると、準備されていたロケバスに乗り込みます。 ロケバスは走り出し製造工場を離れていきます。 ロケバス内でゴム人間やラバーメイドがシートベルトをして座っている姿は違和感しかありませんでした。 しばらく走って着いた場所はターミナル駅に直結するビルの地下駐車場でした。 撮影スタジオかビルで撮影を行うと私は思っていたのですが、どうも違うような気がします。 出迎えてくれたのは石神さんが手配していたスタッフなのでしょう。 大きな箱台車を持って待ち構えていました。 そこへゴム人間と大小のラバーメイドを載せている間に私と由香里ちゃんは作業着、作業帽姿に着替えました。 そして、石神さんから段取りの説明を始めます。 ゴム人間と大小のラバーメイドの載った箱台車を私と由香里ちゃんが運送屋さんに扮して駅のコンコース内を運びます。 ゴム人間やラバーメイドが見えないように白い布を掛けているのですが、突然布が落ちます。 布を落とすのは咲希ちゃんがタイミングを見計らい落とすそうです。 布が落ちると台車での運搬を止めて布を拾ってラバーメイドの咲希ちゃんに渡すと自分たちに布を掛けるというドッキリを仕掛けるそうです。 それで通行人の目を引いたところで、私と由香里ちゃんが帽子を取って映画の宣伝をする段取りという事らしいです。 私と由香里ちゃんもそれなりにテレビには出ているので、気づいてくれる人もいるはずですが… 。 当然、その一連の様子をこっそりとカメラマンが撮影する手筈になっているということです。 ドッキリ的な撮影は何だかドキドキワクワクしてきます。 由香里ちゃんも私と同じ気持ちである事は表情から分かりました。 駅へのコンコースまでのルートは石神さんが案内してくれるようです。 エレベーターを降りると安全のため警備員も手配してくれていました。 全ての準備が整ったので、バックヤードから私と由香里ちゃんは箱台車を押して出発します。 時間はお昼を少し回ったところ、通勤通学のラッシュ時ではないので人が溢れかえっている事はありませんでしたが、それでもそこはターミナル駅かなりの人が行き交っています。 そんな中、私と由香里ちゃんは台車を押して移動を始めました。 人々が行き交う改札口付近を少し通り過ぎた時でした。 ゴム人間とラバーメイドに被せていた白い布が落ちました。 動物的な本能なのでしょう、近くにいた人たちは動きのあるものに自然と目がいってしまいます。 人の視線を感じながらも私は白い布を拾い、ラバーメイドの咲希ちゃんに渡しました。 咲希ちゃんだけが唯一目が見えているので白い布を受け取ると自ら布を自分たちに掛けます。 それを見ていた一部の人が騒ぎ、ざわつき始め、周りをせわしなく歩いていた人たちも足も止めます。 あっという間に私たちの周りに人集りができました。 そして、作業帽を取らなくても私と由香里ちゃんはバレてしまいました。 「うわっ!上條 夏希ちゃんと玉井 由香里ちゃんじゃない?!」 その声に人集りはまた増えていきます。 まあ、こうなるとやる事は一つ、作業帽を取って正体を露わにすると、白い布を取り除いて箱台車に忍ばせて置いた映画のタイトルと公開予定の看板を出しました。 同時にゴム人間とラバーメイドたちも動き出します。 どよめきとざわつきの中、私と由香里ちゃんは映画の宣伝をしました。 スマホのカメラが向けられる中で、ゴム人間とラバーメイドは言葉なくお辞儀をして映画をアピールしています。 人集りが大きくなってきたので警備員の誘導の下、往来の邪魔にならないスペースへと移動しました。 そこには予め映画の宣伝用の看板が用意されていました。 台車からゴム人間もラバーメイドも出て映画の宣伝を始めます。 着ぐるみではなく、完璧なまでのゴム人間とラバーメイドの姿に皆さん驚いておられました。 「アレって、完全にゴムの塊だよな!」 「ファスナーとかないよ」 「どうやって着たんだ?」 「中の人、大丈夫?息できないんじゃない?」 なと、疑問と心配の声が聞こえてきました。 何より注目を集めたのは咲希ちゃんのラバーメイドでした。 「子供が演じてるのかなぁ?」 「でも小さなメイドさん可愛い!」 「ゴムの塊にしてメイドにするなんて犯罪じゃね?」 「あの子は無理やりゴムの塊にされているんだよ!」 そんな声が咲希ちゃんの耳に届いたのでしょう。 咲希ちゃんはそんな自分の心配をしてくれる人のところへいって、その人たちと握手をして、そうではないとアピールしているようでした。 握手をした人たちは間近でラバーメイドを見て首を傾げたり、驚いてたりしていました。 それでもその行動から子供ではないと判断されたのでしょう。 最後の方は咲希ちゃんのラバーメイドとハイタッチをする人も現れました。 ある程度、宣伝ができたと判断した石神さんが割って入り、その場を納めます。 同時にスタッフも現れ、目の見えないゴム人間とラバーメイドを箱台車に載せるのを手伝っていました。 その光景を見ていた人からは、「やっぱりゴムの塊で目が見えていないんだ」と、こんな声も聞かれました。 箱台車に咲希ちゃんのラバーメイドが乗り込むと再び、私と由香里ちゃんで箱台車を押してバックヤードへと引き上げました。 その間も人集りは私たちと共に移動し、私と由香里ちゃんは帽子を振って応え、ゴム人間とラバーメイドたちも手を振っていました。 バックヤードに戻ってくると緊張の糸が切れて一気に力が抜けました。 遅れて戻ってきた石神さんも合流しましたが、私たちとは対照的に石神さんは宣伝も宣伝撮影も上手くいったと興奮気味でした。 ロケバスに乗り込み、その後スタッフに手を引かれて目の見えないゴム人間とラバーメイドが乗り込みます。 目の見えるラバーメイドの咲希ちゃんだけは1人でロケバスに乗り込みました。 最後に石神さんが乗り込んできたのですが、知らない女性と一緒でした。 私は思わず石神さんに尋ねます。 「石神さん、その方は?」 「ああ、この方は特殊メイク担当のスタッフさんよ!目の見えない彼女たちを戻してあげないと目が見えないの不便でしょ!」 私は納得し頷きましたが、内心ワクワクしていました。 ロケバス内でゴム人間から人に戻されるという事はどんな人が演じていたのか分かるからです。 ロケバスが動き出す前に、そのスタッフさんはゴム人間とラバーメイドの頭にカッターで深く切れ目を入れました。 後はそこへ指を突っ込んで開いていくのですが、切れ目が浅かったようで何度も引っ張りながら切れ目を入れていきます。 ようやくしっかりと切れ目が入ると、リキッドラテックスが伸びながらも裂けていきました。 出てきたのは頭をすっぽりと覆うラバーマスクとマウスピースでした。 ゴム人間は自らマウスピースを引き抜くと、プルんとした可愛い唇が出てきました。 その間にも特殊メイク担当のスタッフさんはゴム人間の胸の上辺りまでリキッドラテックスを剥いでいました。 口だけが露出したゴム人間とそのスタッフも手伝いラバーマスクを脱いでいきました。 ラバーマスクの下からはショートヘアの綺麗なお姉さんが出てきました。 黒光りしたゴムの塊にしか見えないゴム人間の中にこんな綺麗なお姉さんが入っていたなんて正直驚きしかありませんでした。 私はあまり顔に自信がないから顔を露出しないゴム人間やラバーメイドの仕事を引き受けたのだと勝手に思い込んでいました。 ラバーメイドにされていたゴム人間の方も頭にカッターで切れ目を入れてリキッドラテックスを剥いでいきます。 こちらは1度目で要領を得たようで先ほどより早く中の女性が顔を出しました。 こちらも中身はショートヘアの綺麗なお姉さんでした。 私の中で勝手な思い込みをしていた事を恥ずかしく思い、心の中で謝罪しました。 その後、ロケバスは製造工場へ向けて出発。 顔を出したお姉さんたちは首から下はラバーで覆われたまま、少し汗をかきながらもみんなと談笑しながら戻ることとなりました。 話題はゴム人間になった感じはどうだったのか? 綺麗なお姉さんたちは2人とも目が見えなかったのでされるがままであったことと、肌の露出が全くないので暑くてかなりの汗をかいたと語っていました。 そして、暑さから着ぐるみは着たことはないが、着ぐるみを着たらこんな感じなんだろうなとも語っていました。 ただ、目が見えるようになってから、自分の姿を見て少しエッチな気分になっている事をつけくわえていました。 そんな綺麗なお姉さんたちを解放するシーンやロケバス内での会話もキッチリと撮影しているようでした。 ただ1人会話に入れないゴム人間でラバーメイドのままの咲希ちゃんは私と腕を組んで甘えるようにくっついていました。 そんな咲希ちゃんの耳元で囁きます。 「咲希ちゃん、あんまりくっつかないでよ、ムラムラしちゃうから」 そう言うと咲希ちゃんは嬉しそうに私により一層くっついてきました。 そして、ロケバスに揺られながら私たちは製造工場へと戻りました。

9.映画  無個性ラバーメイド【舞台裏:宣伝撮影編】

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