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ごむらば
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ある日の夜

仕事から帰ると共働きの妻もすでに帰宅していた。 「おかえりなさい!」 「ただいま!」 「夕飯は?」 「外で食べてきた、今日疲れたから先に風呂入って寝るわ」 「はーい!1週間ご苦労様でした」 そんなたわいもない会話を交わした俺は風呂に入った後、そのまま寝室へ。 ベッドに入るとすぐに眠ってしまった。 ふと目が覚めて時計に目をやると深夜1時。 妻は家の片付けをしているようで、ビニールが擦れるような音やあまり聞かない音も聞こえてきたが俺はそのまま目を閉じた。 しばらくすると掃除機の音がしてきた。 こんな遅くに掃除しなくてもいいのに。 そう思ったが、潔癖な妻は汚れているところを見つけると放置できない事は理解している。 そんな掃除機の音を聞いていると俺はまた深い眠りに落ちていった。 どれくらい経ったか分からないが、遠くに妻の声が聞こえて目が覚めた。 「あなた、ねぇ、起きて!」 くぐもったような妻の声が聞こえて気がついた。 「あなた、助けてよ!」 “助けて!” どうしたんだ、夢の中でそう思った俺は体を起こし、辺りを見渡した。 だが、真っ暗な寝室に妻の姿はない。 「ねぇ、あなた助けてよ!」 確かにくぐもってはいるが妻の声はするのだが姿が見えない。 時間は午前3時。 寝ぼけているのかと思った時、ベッドを蹴る音がした。 ベッドの下を見ると黒い何かがいた。 蠢く黒い物体から声がした。 「あなた、起きて!」 俺は飛び起きると部屋の照明を点けた。 ベッドのすぐ下に黒光りする物体が転がっている。 「へぇ?!」 俺は間抜けな声しか出なかった。 イモムシのような手足のない細長い物体がウネウネと動いているだけだったから。 取り敢えず近づいて、つついてみた。 「やめて!くすぐったいよぉ」 その黒光りするイモムシのような物体から声がした。 「えー!」 「どうしたんだ?誰にやられた?」 俺が驚き声を上げると黒光りするイモムシのような物体から返事が返ってきた。 「自分で自分を真空パックして出られなくなったの… 」 かなり気まずそうに答える妻の声に俺はだんだんと落ち着きを取り戻していった。 黒光りするイモムシのような物体となった妻をベッドへと寝かせると全貌が見えてきた。 確かに体が真空パックされている。 足の指の一本一本までハッキリと分かるほどに真空パックされている。 足は揃えてあり、膝小僧、足の輪郭からお尻の割れ目、マン筋までしっかりと確認できた。 もちろん両手も指の一本一本まで確認でき、体の横で気をつけの姿勢でしっかりと張り付いて手は動かせないようだった。 腰の括れからおへその窪み、大きな胸の膨らみ、そしてこんな状況にも関わらず、乳首は凛と勃っていることまで分かる。 首から下は真空パックされているが、頭だけは別のようで動かす事もでき、話す事できていた。 ただ、妻の顔はなく黒光りするノッペラボウ。 顔の凹凸すら分からない。 くぐもった声はこれのせいだと思った。 「早く助けてよ!」 そう言う妻に俺は返す。 「今、何時だと思う?午前3時だよ!朝になったらちゃんと話を聞いてから助けて上げるから」 そう言ったが妻も引き下がらない。 「出して、出して、今すぐ出してよ!」 駄々っ子のような妻を俺は抱き枕代わりに優しくギュッと抱きしめると妻は急に大人しくなった。 そんな妻の口があるであろう辺りにキスをするとラバーの匂いがした。 朝、いつもの出社時間になると目が覚める。 サラリーマンの悲しいサガだ。 昨晩の夢はいったい何だったんだろうと思いながらベッドを見たが俺しかいない。 抱き枕代わりに抱きしめていた黒光りするラバーで真空パックされた妻の姿はどこにもなかった。 「やっぱり夢か!」 そう呟くと、ベッドの下からくぐもった声が聞こえてきた。 何となくだが涙混じりの妻の声。 ベッドの下を見ると、そこには真空パックされた黒光りする物体のままの妻がいた。 「ごめん、ごめん、夢か現実か分からなくて」 「そ、それに疲れてたから夢だと思ちゃったんだよ」 必死に取り繕う俺に妻は言った。 「出してくれないから、漏らしちゃったじゃない」 そう言うと声を上げて泣き出してしまった。 俺は慌てて妻は浴室へと運ぶと真空パックの解き方を聞いて、その通りにした。 驚いたことは妻を真空パックにしていた袋にはファスナーはなく、さらにその袋は妻の頭も覆い、顔以外全てを覆って真空パックしていたのだった。 さすがに昨晩は寝ぼけていて、そうなっていることまでは気づかなかった。 真空パックが解けると妻は自由になった両手をモゾモゾと動かし、フードのようになった顔のところから手を出すと、そこを広げるようにして自分を真空パックしていた袋を脱いでいく。 さらに驚いたのは真空パックしていた袋の中にも黒光りするラバースーツを着ていたこと。 真空パックから数時間後にようやく解放され、壊れた人形のように項垂れる妻。 そんな黒光りするラバーマネキン姿の妻だが、シワが一切なくピッタリとしたラバーが体に張り付き、何とも言えない妖艶な姿にしばし見惚れてしまった。 いつまでもその場にいて妻を見ている俺に妻が言う。 「早く出ていってよ!」 「はいはい!」 そう言うと俺は浴室を出た。 項垂れていて分かったのはラバーマネキンの背中にもファスナーはなく、手伝わなくてもいいのか聞こうとしたが、夜中にすぐに助けて上げなかったので、もはやそんな事を聞ける状況ではなくなっていた。 妻が浴室から出てくるのを待つ間、テレビを見ていたが一向に頭に入ってこない。 妻がラバーフェチだった事を知り、いつからだったのか。 夜な夜な1人でラバースーツを着て楽しんでいたのかなど思い考えてしまう。 かなりの時間を要して妻が浴室から出てきたが、残念ながら部屋着に替わっていた。 下を向き気まずそうに俺の下に戻ってきた妻。 さっきまでの勢いはどこへいったのか。 改めて自分がラバーフェチで自分自身を真空パックするという変態的な行為を俺に知られたことをどう説明しようか困っているようだった。 そんな妻に俺は話し掛ける。 「もう、ラバースーツは着ないの?もう少し君のラバースーツ姿見ていたかったなぁ」 「へぇ?」 顔を伏せていた妻が驚いたように顔を上げた。 「え、あ、うん、あなたが不快に思うかも知れないと思ったから」 「ラバースーツはさっきまで着ていたのしかないの?」 そう聞くと少し笑顔を取り戻した妻が返す。 「あるよ、赤いのだけど… 」 「じゃあ、着てよ、できたら着るところも見てみたいなぁ」 そう言うと笑顔になり少し考えてから妻は大きく一つ頷いて言う。 「ちょっと待っててね」 そう言うといそいそと自室の方へと走っていった。 しばらくすると、妻は紙袋を抱えて戻ってきた。 中を覗くとビニール袋に濡れたように見える赤いものが入っていた。 「準備するから、ちょっと待ってね」 そう言うとリビングに大きなビニールシートを広げた。 「ラバースーツを着る時、ドレッシングエイドというシリコンオイルを塗るから、床に溢すと掃除が大変なんだ」 嬉しそうに説明しながら準備を進める妻。 きっと、俺にラバーの良さを伝え、理解してもらおうと必死なのだろう。 準備が整うと部屋着を脱ぐ妻はすでに真っ赤なラバーの競泳水着を着ていた。 驚いている俺に妻が説明する。 「さっき、着て来たんだよ、さすがに夫婦でも裸で着替えているところは恥ずかしからね」 そう言うと体にドレッシングエイドを塗り始めた妻。 そして、まず最初に手に取ったのはキャットスーツだった。 グローブもソックスもフードまで付いている真っ赤キャットスーツ。 やはり、この真っ赤なキャットスーツにもファスナーはどこにもなかった。 どうやって着るのだろうと思い、率直な疑問を妻にぶつけてみる。 「これってファスナーもないのにどうやって着るの?」 そう聞くと妻が答える。 「見てて、今から実践するから」 そう言うとキャットスーツの前後を確認した後、フードの顔だけが出る部分から片足ずつ通し始めた。 足先が5本指に分かれた足を通し終えると今度はキャットスーツをたくし上げていく。 お尻、お腹と真っ赤ラバースーツに呑み込まれていく妻。 胸の下まで来ると、紙袋からビニール袋を取り出した。 「ラバーマスクを先に被っちゃうね」 「どうして?」 「あなたに見られていると恥ずかしいし、何だか興奮してきちゃったから」 頬を赤らめる妻に言葉を返せずに頷いた。 真っ赤なラバーマスクは覗き穴どころか呼吸穴も見当たらない。 少し心配になり聞いてみた。 「これって被って窒息したりしないの?」 そう聞くと妻は俺の横に来て、両手でマスクを伸ばすようにして内側を見せてくれた。 外側からは分からなかったが、内側から見ると光が差し込み、細かな穴が開いているのが分かった。 「こうなってるんだよ、だから大丈夫でしょ!」 妻はそう言うと俺の頬にキスをすると、ラバーマスクを一気に被った。 普段そんな事をしない妻は恥ずかしかったのだろう。 ラバーマスクの覗き穴と呼吸穴を微調整すると今度はキャットスーツに腕を通し始めた。 両手をグローブに通すと今度は肩を上げるようにすると、真っ赤なラバーキャットスーツに妻の体が呑み込まれていく。 あっという間に首から下が体に張り付きながらキャットスーツに覆われてしまった。 最後にフードを被ると真っ赤なラバーマネキンとなった。 紙袋の中を覗くとまだ赤いものが入ったビニール袋がいくつかある。 「これは?」 俺が妻にそう聞くと、妻はくぐもった声で答える。 「ラバーグッズだよ、パンストだったり、ロンググローブだったり、マスクだったり、他にもワンピースだったりいろいろ入ってるよ!」 「それって全部身につける事できるの?」 俺の問いに妻は躊躇しているように見えた。 「できるけど… 」 歯切れの悪い妻の背中を押してラバーグッズを着せていく。 まずはパンストから。 真っ赤な5本指に分かれた足にパンストを履いてもらう。 ギュッと腰の括れまで引き上げると、ただでさえヒト感のなかった足がさらにラバーに覆われた事によりゴム人形のようになった。 次はロンググローブ。 指を通して二の腕まで引き上げると、指先が太くなりこちらもヒト感がなくなった。 ラバーマスクは先ほどの細かな穴の開いた被れば見た目がノッペラボウになるものが2つもあった。 それを手に取り見ながら妻に尋ねる。 「このマスクは重ね着するのはキツい?」 「うん、2枚を被ると視界が狭まり呼吸も今より苦しくなるよ」 それを聞いて俺は被ったことあるんだと分かった。 「でね、3枚目を被ると視界はかなり暗くなり、息苦しさはアップ、さらに顎が動かしにくくなるので話せなくなるんだ」 普通にそう答えた妻はハッとして口を手で押さえた。 “それって普段やってるから大丈夫だよね” 俺はそう思い、ウンウンと頷く。 それを見た妻は取り繕うように言う。 「どんな感じになるのか試しに被っただけだからね」 「うん、わかってるよ!」 そう言いながら、ラバーマスクを妻が被り易いようにサポートした。 先ほどまで妻の顔の凹凸が見られたが、2枚ラバーマスクを重ねたことで凹凸がわかりにくくなった。 そんな妻に次はワンピースを着てもらう。 長袖でハイネックになったミニスカートのワンピースを前を手にして固まる妻。 「どうしたの?」 「このワンピース、ファスナーがなくて着るの大変なんだ、手伝ってくれる?」 「もちろん!」 くぐもった妻の声を聞きサポートしながら被せるようにしてワンピースを着せることができた。 かなり窮屈さは否めないが、真っ赤なラバーマネキンはワンピースを着ることができた。 そんなワンピースを着た妻がかなりくぐもった声で言う。 「人では絶対に脱げないから助けてね、絶対だよ!」 強く念を押してきたのは過去にこのワンピースを着て脱げなくて苦労したことが窺えた。 俺は返事をせずに紙袋の中に残っている赤いモノを物色する。 取り出してみると、ピンヒールになったラバー製のサイハイブーツ、さらにラバー製のベルトに首輪に手枷と足枷だった。 それらにはご丁寧に小さな南京錠まで付いていた。 「あと少しだね」 そう声を掛けると少し不安そうに妻は頷いた。 そんな妻にサイハイブーツを履かせるのを手伝う。 しっかりと太ももの付け根辺りまでサイハイブーツを履かせるとブーツに付いている太ももの上辺りと膝上辺りに付いているベルトを閉めた。 ふくらはぎの内側にあるファスナーを閉めて、足首には足枷を取り付けて南京錠を掛けた。 続けて手枷を付けて同じように南京錠も掛けた。 どんどんゴム人形にされ拘束されるように脱げなくされているのにも関わらず、妻は嫌がる様子を見せなかった。 むしろ、何度も身震いしているのが気になった。 残ったのはラバーマスクと首輪。 ラバーマスクを被せた後、ラバーマスクが簡単には脱げないように首輪を付け、手枷足枷同様に南京錠を掛けた。 真っ赤なゴム人形となった妻は息苦しさから苦しむ様子もなく、ただその場に佇んでいた。 肌の露出はおろか何重にも覆われたラバーでゴム人形にしか見えなくなった妻をギュッと抱きしめて言った。 「今日は休みだからゴム人形のままでいてくれる?」 俺の質問に一つ頷く真っ赤なゴム人形。 「君は本当に変態だね、でもそんな君が大好きだよ!」 そう言って強く抱きしめた。 抱きしめた感触はヒトではなく完全にゴムだった。 抱きしめる俺に妻は絞り出すような声で尋ねてくる。 「こんな変態な、私でもいいの?」 「いいよ!もちろん、だって俺、ラバーフェチだもん」 「え!そうなの?いつから?」 「結婚するずっと前から」 「ウソ!早く言ってよ!」 「言えると思う?」 そう聞き返すと妻は首を横に振り、2人で笑った。 おしまい

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